・時々塵肺pneumoconiosisと珪肺silicosisが混乱して使われている場合があります.塵肺は,さまざまな粉塵を吸入しておこる肺の繊維増殖性変化を主体とする疾患の総称であり,珪肺はその中で珪酸を吸入して起こる塵肺の一種です.珪肺は,塵肺の中で一番数が多いので,塵肺の代表として使われる場合が多いようです.
・つまり塵肺には,いくつもの種類があります.その分類というか命名法は系統立っていません.職業名がついたり,原因となる物質の名前ついたりです.以下例示します.
珪肺 石綿肺 滑石肺 蝋石肺 圭藻土肺
陶土肺 黒鉛肺 炭素肺 活性炭肺 炭肺
炭坑夫肺 溶接工肺 アルミニウム肺
アルミナ肺 ボーキサイト肺 鉄肺 硫化鉱肺
硫化焼鉱肺 ベリリウム肺
(以上『産業医学実践講座』日本産業衛生学会近畿地方会編集.南工堂.2002年)
その他, 鉛じん肺 希土類じん肺 黒鉛肺等
(以上『現代労働衛生ハンドブック 増補改訂第2版.労働科学研究所出版部.1994年)
・私は,余り細かい名前の診断名を使わずじん肺と診断名をつけることが多いです.理由の一つは,典型的な珪肺に見えても病理所見が違う場合があり,二つ目の理由は,労働者が曝露している粉塵が複数ある場合があるからです.珪肺についていうなら,,遊離珪酸(free crystalline silica)を吸入して起こる塵肺ですが,労働者が必ずしも遊離珪酸のみ吸っているとは限りません.
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