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2007.09.30 10:30 |  その他(医療関連)  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

全国過労死を考える家族の会

・過労死をなさった方のご家族で作られた標記会があります.1991年に作られたそうです.その会が最近パンフレットを作られました.「過労死家族はひとりぼっちじゃない」というものです.多分今後あちこちの弁護士事務所に置かれるでしょう.当院でも置いておくつもりです.

・そのパンフレットの中の小学校1年生の詩です.残された家族の思いを知ってください.

僕の夢

大きくなったらぼくは博士になりたい

そしてドラえもんに出てくるような

タイムマシンをつくる

ぼくはタイムマシーンにのって

お父さんが死んでしまう

まえの日に行く

そして「仕事に行ったらあかん」ていうんや

 

*家族の会は,少なくとも 東京(03-5296-5543),名古屋(052-883-6966),大阪(06-6636-9361),京都(075-803-2004),長野(0266-21-6600),山梨(055-226-2754),兵庫(078-241-1898),岡山(086-221-0133)にあります.かっこ内は,連絡先の電話番号です.

 

 

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・標記集会が,9/28,29と高知であり行って参りました.ご縁があり,1時間「過労死に取り組んできた一臨床医の経験と教訓」といった表題で講演させていただきました.

・講演の内容は,

自己紹介   経験と教訓    弁護士さんに知っておいてほしいこと   弁護士さんに望むこと   終わりに

と,いったもので,ボチボチこのブログで紹介させていただきます.

・参加者は61名で,うち弁護士54名,司法修習生2名,全国過労死を考える家族の会(つまりご遺族)5名でした.多くの方と交流できて楽しかったです.

・参加しての若干の感想を.

過労死問題は,残念ながら弁護士さん達がリードしてきたと思います.ここで残念というのは,医師がリードしてきたわけではないという意味です.最初に取り組んだ弁護士さんは,ホント何もない原野を切り開いてきてご苦労だったと思います.(高知市民が北海道に移民して北見市を築いていったのに似ていますね.)そういった先輩弁護士を見て若手弁護士がこの運動に加わっているというのが,よく分かりました.とってもうらやましい.医者の方は,過労死に取り組む人間がすくなく,なかなか若手が育っていない.大阪の事件の医学的意見書を,岡山の私の所までわざわざ弁護士さんが依頼に来られるわけですから...どうしたら,過労死,職業性疾患にとりくむ若手医師を育てることができるのでしょうか?(そもそも全ての医師の不足があるのですが)

弁護士さんは,元気がよい.私も元気をいただいて帰ってきました.

 

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・確か5冊目です。

・話の出だしは、白い夏の墓標、賞の柩と似た感じでした。話の展開は、もう一つの感じがしましたが、内容が怖い。特に医者として...「戦慄の科学サスペンス」と裏表紙に書かれていましたが、真正面からこの問題をとりあげたら、まさにそのとおり。(少なくとも私にとっては)何かモデルがあったのでしょうか?知りたいところです。(ありそうな気がもする。)こういうことがないように医学界のwatchingが必要。

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2007.09.25 19:20 |  診療  |  その他(一般)  |  ミチバ  | 推薦数 : 1

キカイダーと騒音性難聴対策

・いつもお断りしますが,私はオタクではありません.

・先日秋葉原に行ったとき,思わずfiguresを買ってしまいました.決して「綾波レイ」ではありません.以下の写真にあるように,キカイダーとキカイダー00です.

  ・キカイダーは「ジェミニ」という不完全な「良心回路」をもつヒト型ロボットで,普段は人間の姿をしています.悪の組織「ダーク」の親玉プロフェッサー ギルの笛の音は,キカイダーの良心回路を働かなくします.人間の姿で,ダークの戦闘員と闘っていると,笛の音が聞こえてきて,悪の手先になりそうになります.キカイダーは良心を失うまいと,両耳を抑えて,苦しみ,もがき回るのです.しかし,いつも何か爆発音がして,一時的にプロフェッサー ギルの笛の音が聞こえなくなると,「チャーンスッ!」とばかり,変身して,事なきを得るのです.

・突然騒音性難聴の話にチェンジ.騒音対策としては別表にあるように,①騒音発生源対策:騒音を発生しないようにする,小さくする②伝搬経路対策:騒音源を遮断する,労働者と騒音源を離す,音を吸収する③受音者対策:防音室,ヘルメット,耳栓,耳覆い,といった対策があります.

騒音対策

分類方  法具 体 例
1) 騒音源対策
1) 発生源の低騒音化
2) 発生源の除去
3) 遮音
4) 消音
5) 防振
6) 制振能動制御
7) 運転方法の改善
1) 低騒音機械の採用
2) 給油、不釣り合いの調整、部品交換
3) 防音カバー、ラギング
4) 消音器、吸音ダクト
5) 防振ゴムの取り付け
6) 消音器、ダクト、遮音壁
7) 自動化、配置の変更
2) 伝播経路対策
1) 距離減衰
2) 遮音効果
3) 吸音
4) 指向性
5) 能動制御
1) 配置の変更
2) 遮蔽物、防音塀、防音室
3) 建屋内部の吸音処理
4) 音源の向きを変える
5) 消音器、ダクト、遮音壁
3) 受音者対策
1) 遮音
2) 作業方法の改善
3) 耳の保護
4) 能動制御
1) 防音監視室、囲い
2) 作業スケジュールの調整、遠隔操作
3) 耳栓、耳覆い
4) 消音ヘッドホン

 

 

・受音者対策の一番簡単なものは,耳栓ですが,耳栓でなく消音ヘッドホン(ノイズキャンセラーと言う言葉があります)というのがあります.これは,外部の騒音を器械が感知して,それと逆位相の音を発生させ音を干渉させ「中和」するものです.一度試用したことがありますが,音が消えてびっくりしました.

・業務用の消音ヘッドホンがいくらするか知りませんが,ANA Sky Shopのカタログに QuietComfort(QC): 周囲のノイズを消すヘッドホンということで売り出されています.4万円以上しますが,似たようなものは結構売り出されているようです.アイワのノイズキャンセラーは2万円ちょっとですね.

・キカイダーの話に戻って,キカイダーの耳に消音ヘッドホンと同じ機構をセットしておき,プロフェッサー ギルの笛の音が聞こえ出したら,それをonにすれば,問題解決ですのにね.

 補足

東京アニメセンターにあったエヴェンゲリオンの像

右側の女の子が「綾波レイ」

 

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2007.09.24 08:30 |  診療  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

強皮症sclerodermaと環境要因

・珪酸が,強皮症にも関係ありますよといった記事を書こうと思って,UpToDateをみてみると,どうもcontroversialの様で,ちょっとガクッと来ましたが,risk factorとして以下のような記述がありました.

Petroleum-based products — A relationship between certain toxic exposures and SSc or scleroderma-like syndromes is fairly convincing. Examples include the following:

  • Among 178 patients with SSc and 200 control individuals, men with the disorder had higher cumulative exposure to organic solvents than controls .
  • Among 660 women with SSc and 2227 controls, exposure to paint removers and paint thinners, but not to trichloroethylene, was significantly more likely to have occurred in the SSc group .
  • Among 93 French patients with SSc, exposure to cleaning products, solvents, and/or synthetic adhesives was associated with increased risk .

つまり,有機溶剤の類の使用は,強皮症のリスクがあると言うことです.

・膠原病を診るときは,職業歴が必須ですよね.

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2007.09.23 23:30 |  診療  |  ミチバ  | 推薦数 : 1

珪酸とSLE

・粉塵曝露は,様々な免疫異常をおこします.表題にありますように,珪酸はSLEの発症のリスクファクターです.日本の教科書には,そういったことがあまり書かれていないのではないでしょうか?私の持っている朝倉書店の内科学(第8版),新臨床内科学(第8版)には,「その発症には遺伝的素因,免疫学的要因,環境要因が関与していることが推測される」(新臨内)と書かれているものの,環境因子のことは具体的には書かれておりません.(朝倉も新臨内も同じ著者)

・UpToDate では,

Silica dust and cigarette smoking may increase the risk of developing SLE .

と書かれていますし,medlineでひくと結構    SLEと環境要因のことを書いた文献がでてきます.下の文献は,PubMedで見つけた文献です.

Pulmonary silicosis and systemic lupus erythematosus in men: a report of two cases.

Joint Bone Spine. 2002 Jan;69(1):68-71.

Costallat LT, De Capitani EM, Zambon L.

Department of Clinical Medicine, Faculty of Medical Sciences, State University of Campinas, São Paulo, Brazil.

We reporttwo cases of coexistence of pulmonary silicosis and systemic lupus erythematosus (SLE). The patients are two men with SLE exposed to silica for 20 years. The hypothesis that silica exposure is linked to a wide variety of known or suspected autoimmune diseases, including SLE, has been discussed in the last decade but few cases of pulmonary silicosis and SLE were reported. Our purpose was to bring attention to the increasing evidence that silica may also cause or stimulate SLE, and to suggest that the researchers look for occupational exposure, mainly in male SLE patients.

PMID: 11858360 [PubMed - indexed for MEDLINE]

 

・SLEをみても,必ず職歴を聴きましょう.特に上記文献で赤字をつけたように,普通圧倒的に女性に多いSLEですが,男性の患者さんを診た場合は,特に粉塵曝露歴を聴きましょう.

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・私が明確に医療の透明性(transparency)と説明責任(accountability)について意識したのは,李啓充著『アメリカ医療の光と影』(医学書院.2000年)からでした.その本のあとがきにジョージ・アナス教授(ボストン大学公衆衛生大学院)の言葉として,以下のような事が書かれていました.

「医療のグローバル・スタンダードとは市場原理とかマネジドケアとかいうものではありません.医療のグローバル.スタンダードとは,『トランスペアレンシー(transparency,透明性)』と『アカウンタビリティ(accountability,説明責任)』の二語に尽きるのです」

・これを読んでその時は,なるほどと思いましたが,時間の経過ともに何か足りないと思うようになりました.それは,何のための説明責任,何のための透明性かということです.私の考えは,患者さんと医療従事者が同じ目標を持って医療を進めること(partnership,共同の営み)のために,この二つが必要なのだと思うようになりました.つまり

Partnership←Transparency+Accounbability

ということ.私は略して,PTAと言っております.

・医療におけるPartnership/共同の営みは,狭い範囲の診療(疾患の診断と治療)のみでなく,病院の運営,医療従事者の育成,医療制度の改善等全ての部面で貫くべきものと考えています.

・ちょっと例をあげてみます

医療従事者の育成については、最近結構「利用」されている模擬患者になってもらうこと。病院の発表会に患者さんが参加してもらうこと等。

病院の運営に関しては、当院は生活協同組合の病院ですので、月に1回事業所利用委員会といって病院の三役と生協組合員さんの代表が集まって、病院の活動報告を行い、組合員さんから要望、苦情、謝辞等をもらう。また、年に2回院内ウォッチングといって病院内をラウンドしてもらい問題点、改善点、良いところを指摘してもらう。

一緒に病院の飾り付けをする。

医療制度の改善は、一緒に署名をとる、請願に行く、集会を開く。

and so on.

 

・さて,当院では,フィシュ哲学に取り組んでいると以前から書いております.外来でも以下のような飾り付けをしておりました.

 

 

・飾り付け数日後,以下のようになっていました.

 

 

 

・外来通院の患者さんがパンをお供えしてくれていました.これぞ病院飾り付けの共同の営み!

 

 

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・私は映画好きですが、マニアという程でもないので、俳優や映画監督の詳細は知りません。リチャード・アッテンボローRichard Attenboroughについても、俳優であり監督だったとは知りませんでした。インターネットでアッテンボローを引いてみると割と見たことある映画に出演、または監督してました。(たとえば、ジュラシック・パークね)

・遠い昔,この監督の『遠い夜明け』という映画を見て、標題のスティーヴ・ビコと「黒人意識運動」というのを知りましたが、その頃は若く、特に突っ込んで勉強もしませんでした。

・最近のランセットの記事(Vol. 370 Septmber 8, 2007)を見てびっくり。ビコのことが載っていました。今年は黒人意識運動・反アパルトヘイトの活動家ビコが、南アの治安警察の拷問で殺されて30年になるのですね.(1977年9月12日殺害)LancetのCorrespondenceに'Biko to Guantanamo: 30 years of medical involvement in torture'なる記事が載っています.ビコの拷問に関わって適切な医療処置をしなかった二人の医師の事がまず述べられています.それから,現在グアンタナモでの医師の拷問への関与が批判されていました。この記事には,「参考文献」もあり,これから読んでみようと思っています.この記事で驚いたのは,代表して6名の人の名前が載っていますが,実は260名を代表してということです.

・Bikoの拷問に関与した医師の慚愧の言葉

I had gradually lost the fearless independence...and become too closely identified with the organs of the State, especially the Police force...I have come to realise that a medical practitioner's first responsibility is the wellbeing of his patient, and that a medical practitioner cannot subordinate his patient's interest to extraneous considerations.

赤字の所は,当たり前のことと思うのですが,非常時には,当たり前のことが当たり前のこととして通用しないのでしょう.

・私は常々平和があっての医療と考えています。ましてや医学が戦争に協力することは絶対是認できません。アメリカが行っている医師関与の拷問。アメリカの「同盟国」である日本の医師はどういう態度をとるべきでしょうか?せめて色々な医学雑誌にこういった記事を載せて欲しいものです。(私は微力なのでこういったブログしか書けませんが...)せめてこのランセットの記事の和訳を誰か名のあるDr.が学会誌または有名医学雑誌(商業誌)に載せてほしいものです.

 

 

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2007.09.19 21:10 |  診療  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

疾病の原因を除去すると疾患は治るか?

・答えは否.

(正確には,治る場合もあるし,治らない場合もある)

・塵肺の話の続きです.

塵肺の原因は粉塵曝露です.粉塵から離れたら塵肺は発症しないか?若しくは進行しないか?実は,塵肺の人が労働現場から離れても塵肺は進行する可能性があります.(私の持っているyear note2006にもちゃんと「発塵場を離れても進行する」と書かれています.オリコウチャン)

また離職時胸部レントゲンを撮って,その時塵肺の所見がなくても,その後塵肺が出現してくることがあります.ですので,粉塵曝露者は要注意です.(石綿暴露もそうでしたよね.石綿暴露から離れても肺癌や中皮腫が発生する可能性があります)

ですから,わたしは粉塵曝露経験者には,「今はレントゲン上異常ないですが,何年かして異常が出てくる場合があります」と説明するようにしています.

・また,機会があれば塵肺以外に,原因を除去しても治らない疾患について書きたいと思います.

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2007.09.18 21:00 |  診療  |  ミチバ  | 推薦数 : 1

塵肺と珪肺

・時々塵肺pneumoconiosisと珪肺silicosisが混乱して使われている場合があります.塵肺は,さまざまな粉塵を吸入しておこる肺の繊維増殖性変化を主体とする疾患の総称であり,珪肺はその中で珪酸を吸入して起こる塵肺の一種です.珪肺は,塵肺の中で一番数が多いので,塵肺の代表として使われる場合が多いようです.

・つまり塵肺には,いくつもの種類があります.その分類というか命名法は系統立っていません.職業名がついたり,原因となる物質の名前ついたりです.以下例示します.

珪肺 石綿肺 滑石肺 蝋石肺 圭藻土肺

陶土肺 黒鉛肺 炭素肺 活性炭肺 炭肺

炭坑夫肺 溶接工肺 アルミニウム肺

アルミナ肺 ボーキサイト肺 鉄肺 硫化鉱肺

硫化焼鉱肺 ベリリウム肺

(以上『産業医学実践講座』日本産業衛生学会近畿地方会編集.南工堂.2002年)

その他, 鉛じん肺 希土類じん肺 黒鉛肺等

(以上『現代労働衛生ハンドブック 増補改訂第2版.労働科学研究所出版部.1994年)

・私は,余り細かい名前の診断名を使わずじん肺と診断名をつけることが多いです.理由の一つは,典型的な珪肺に見えても病理所見が違う場合があり,二つ目の理由は,労働者が曝露している粉塵が複数ある場合があるからです.珪肺についていうなら,,遊離珪酸(free crystalline silica)を吸入して起こる塵肺ですが,労働者が必ずしも遊離珪酸のみ吸っているとは限りません.

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