・先ほど2時間かけて公務災害の意見書を書きました.いつもそうですが,労災関係とくに過労死関係の意見書を書くと疲弊し,寿命が縮む思いです.
・職業性疾患,労働関連疾患の業務上外の意見を書く場合当然因果関係が問題になります.結構つきつめて考えると医学的な因果関係って難しいものです.そのため,科学哲学の本を何冊か読みましたが,大体概論ばかりで,純粋に因果関係論についての本は読んだことはありません.どなたか,良い本や論文があればご紹介下さい.
・さて,医学的な因果関係を考える場合,私がまず思い出すのは,コレラと井戸の話です.コレラ菌が発見される40年近く前に,ジョン・スノーという人が「原因」を見つけたのですね.以下はWikipedia-公衆衛生-の張り付けです.-疫学-にもっと詳しい記述があります.
歴史
近代の公衆衛生は、19世紀に英国のロンドンでコレラの流行が起こったときに、流行エリアを分析し、ある上水道や井戸を利用した人たちを中心に感染が広がっていたことから感染源を特定するに至ったこと(ジョン・スノーによる疾病地図の作成)に始まるといわれている。(当時はコレラ菌の検出には至らなかった)
・ジョン・スノーのこれに関する論文は以下のようなものですが,私の驚きは,こんな昔の論文がWebsiteで読めるということです.(まだ,読んでないけど)たまげた,たまげた,ターマゲタッ!
On the Mode of Communication of Cholera
by John Snow, M.D.
London: John Churchill, New Burlington Street, England, 1855
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コメント一覧
アメリカ公衆衛生局長顧問委員会が喫煙と健康について検討を行ったときに用いた判断条件で(途中略)
関連の普遍性(同様の関連性が他の集団調査でも認められること)
関連の強固性(統計的関連の強さを示すもので、量反応関係が認められれば強い関連があるという)
関連の特異性(特定の要因と結果との間に特異的な関連があること)
関連の時間性(要因が結果の現れる以前に作用していること)
関連の整合性(要因と結果との間に因果関係があるとした場合、既存の知識とも合致していること)
(引用終了)
が学校で習うスタンダードな因果関係関連の知識ですが、スノー時代は「既存の知識」が少なかったでしょうから大変でしたでしょう
>印が関係様,ご教示ありがとうございます.私も,これらのことは見たことある気がいたしますが,仰られるとおり,「既存の知識」が少なかった場合の判断というのは,とっても難しいと思います.この点を詰めるだけでも一つ論文が書けそうな気がいたします.
今後もとご教示お願いいたします.
http://www.nagaitosiya.com/a/uncertain_connection.html
「因果関係は客観的に存在するという当時の常識に反して、因果関係が心の中にあると考えた。実際、原因と結果は知覚できるが、原因と結果を結びつけている因果関係を直接知覚することはできない。(略)因果関係は、(原因の後に結果が)頻繁に現れるために、想像力が習慣的に二つの観念を結合させることで形成される。したがって、因果についての信念は、蓋然性の域を出ない。因果結合は主観的だから、必然性はない」
(上記の関連の時間性がメイン??)や
それに対するルーマン先生の反応論説とか、深入りするとどこまでも…な感じですね。
>印が関係さま,ひきつづきのコメントありがとうございます.私も,ヒュームの問題提起にどう答えるべきか興味がありまして,カール.ポパーの本なんか買ってみたりして...(あくまで,買うのみ)
現在の私の問題意識は,臨床医がどの程度まで科学哲学,因果関係論を知っておくべきかと言うことです.何かご提案があれば,ご教示おねがいします.
また,最近は,ベイズについても勉強しなくてはなさそうですが,これまたどの程度勉強すべきか...
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