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2007.08.17 08:50 |  診療  |  ミチバ  | 推薦数 : 1

一酸化炭素中毒 carbon monoxide poisoning

・産業保健21 2007.7 第49号「職場におけるCO中毒対策」と言うのが,ありましたので,それに触発されて,日頃考えていることを書きます.(労働者健康福祉機構さま,いつも無料送付ありがとうございます)

・一酸化炭素中毒になる状況として①職場での曝露②日常生活での曝露③自殺④その他(他殺)等が考えられます.

・診療所や病院の勤務医として注意することを以下書いてみます.

・意識障害ほど症状が強くない場合

症状についてUpToDateには以下のような記載があります.

The clinical findings of carbon monoxide (CO) poisoning are highly variable and largely nonspecific . Moderately or mildly CO-intoxicated patients often present with constitutional symptoms, including headache (the most common presenting symptom), malaise, nausea, and dizziness, and may be misdiagnosed with acute viral syndromes . In addition to current symptoms, the clinician should specifically inquire (of the patient and/or witnesses) about loss of consciousness

つまり,症状は頭痛(一番多い症状),倦怠感,吐き気,めまい等非特異的なものばかりで,急性のウイルス感染症と誤診される可能性があるということです.→「かぜ」で来られた方も職歴や生活歴は大切です.

・意識障害で救急車で運ばれてきた場合

私の持っているyear note 15th editionには,以下のような記載があります:チアノーゼは出現せず,指尖や粘膜が鮮紅色となる.(cherry-red cyanosis)

year noteについての説明は,リンク先の「スーパードクターKかな?」の記事をご覧下さい.

ここで強調したいことは,パルスオキシメーターで測定するSpO2は正常,動脈血ガス分析のPaO2も正常と言うことです.しかし酸素投与は高流量での投与が必要です.動脈血ガス分析の時SaO2とCOHbのチェックが必要です.

インターネットで一酸化炭素中毒についての記載のwebsiteをみてみると,パルスオキシメーターでのモニターは「禁忌」と書いてあるのもありました.

また,大切なことは,動脈血ガス分析でアシドーシスが見られたとき,基本的には補正をしないと言うことです.手元にある『救急マニュアル 救急初療から救命処置まで 第3版』には「3.代謝性アシドーシス  基本的には補正しない」とだけ記載されていました.(もうちょっと親切に書いてくれれば良いのに...)year noteには「代謝性アシドーシスの補正は,CO-Hbが低値になるまで行わないこと!Don't(補正すると酸素化解離曲線が左方移動するので)」とあります.つまり,末梢の酸素化がアシドーシスの補正で悪くなると言うことです.

あと大切なことは,曝露したものが一酸化炭素のみではないと言うことです.典型的な一酸化炭素中毒は,練炭を車の中で燃やした自殺でしょうが,事故(例えば火災)や仕事での曝露は,COのみとは限りません.どのようなガスを同時に吸入するか『中毒百科 改訂第2版』には以下のような記載があります.

火災の場合は,二酸化炭素,シアン化水素,アンモニア,アクロレイン,窒素酸化物,二酸化硫黄,ホルムアルデヒドを吸入している.場合によっては,塩化水素,フッ化水素,硫化水素なども吸入している.石炭ガスなら,二酸化炭素を吸入している.

も一つ,ついでに:「基安化発第0921002号 アーク溶接作業における一酸化炭素中毒の防止について」に添付されている参考資料「溶接に伴って発生する一酸化炭素について」に「溶接時には,溶接ヒュームの他に有害ガスも発生しており,主な有害ガスとしては,オゾン,窒素環化物,一酸化炭素がある」

溶接するときは,熱のため一酸化炭素が発生するのです.

リンクさしていただいている「なんちゃって救急医」様が注意を喚起されている「答えは一つとは限らない」です.

・長くなったので後一つだけ.一酸化炭素の曝露を受けていないのに一酸化炭素中毒になることがあるそうです.

ジクロロメタン(CHSCl2)別名塩化メチレン.ペンキ剥離剤,エアゾール噴射剤,不燃性のフィルムの製造などに使われるそうです.この物質,体の中で代謝されてCOを発生させるものだそうです.吸入後数時間以上経過してからCO中毒を発症することがあるそうです.

以上長くなりました.最後まで読んでいただいてシュクラン!

 

 

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