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2007.04.30 21:44 |  診療  |  その他(一般)  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

検証:スーパードクターK

・以前漫画のスーパードクターKでモルヒネについて誤った知識を読者に流布するのではないかとう懸念を表明しました。ただ、じつはもうちょっと突っ込んだ評価が必要だったのですが、長くなるので書かずにおきました。

・どんな漫画といわず文学なども、当然その時代の制約をうけます。現在なら問題になる表現が当時では、とくに問題にならなかったということがあります。例えば『ちびくろサンボ』の問題。また、勝新太郎演じた『座頭市』で敵方のヤクザが言うセリフ「このド***』また、アニメ『巨人の星』で中学時代の星飛雄馬が父の仕事についていうセリフ「俺の父ちゃんは、日本一の日*い人*だっ!」などなど。

・で、スーパードクターKが書かれた時代背景として、実際モルヒネはどういう位置づけであったか?まず日本で最初にWHO方式の疼痛緩和方法が紹介されたのは、武田文和先生が訳された世界保健機関編『がんの痛みからの解放』(金原出版。昭和62年7月20日)でしょう。(もし、間違っていたらご指摘をお願いします)この文書で、現在のようにモルヒネが位置づけられたと思います。それまでは、極力モルヒネは投与しないし、投与するとしても一定の時間をあけて、患者さんがいくら痛がっても、もうちょっとガマンしましょうねといった対応だったと思います。

・スーパードクターKが描かれ始めたのは、1988年と言うことです。(この情報はWikipediaから)一般に医学論文や医学書が発表されても、すぐ知識が普及されないので、1988年時点でモルヒネの扱いについても、当時は、これもやむをえないかなと言う感じもします。

・話が広がってしまいますが、ある医療訴訟をイメージして、ある治療法をしなかったと医師が訴えられた場合のことを考えてしまいます。(この場合専門家でなく、実地医家・プライマリケア医としましょう)ある、先進的な論文がすでに、治療法を発表していたらどうなるか?まだ、一般化されていない場合そんなに責任は問われないと思います。でも、その治療法のガイドラインがでていたり、一般のマニュアルにかかれていたらどうなるか?ここで難しいなと思うのは、ガイドラインがでていても、実際の現場でそれが利用されているかどうかというのは別ということです。たとえば、喘息のガイドラインでは、吸入ステロイドが推奨されているわけですが、まだまだ十分使われていていないと思われます。このあたりむずかしいですね。(ここで言いたかったのはテキストの記載やガイドラインの記載と現場の診療とはギャップがあるということです)

・さて、もとにもどって。今回私がコンビニで買った本は、2007年3月7日初版です。これは一度雑誌で発表されたものを、一定まとめて単行本としたわけです。よーく見ると、「初出(しょしゅつ)週刊少年マガジン昭和63年36号~57号」とも書いています。だから、一応その時代のものとして読まなければいけないということですが、一般の読者がそこまで、考えるか?普通今のことと思っちゃうんじゃないでしょうか?

・あと1つだけ。普通「問題」のある作品には、本の最後の方に「お断り」も書いています。手塚治虫の作品の単行本なんかにはよく「・・・このような描き方は黒人や一部の外国人に対する人種差別につながるとの指摘がなされています。そのような絵の入った作品を発表した当時、作者には差別意識はなかったと思いますが、今日、こうした描写を差別と感じる人がいるいじょう、その声には真剣に耳を傾けねばなりません・・・」といった注釈があります。それとちょっとニュアンスはことなりますが、もし医学的な監修者がいたのなら、この当時の医学はまだモルヒネの使用については、こうだったが、現在はこうであるといった注釈をいれて欲しかったですね。

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