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「先生にお聞きしたいんですが」とMRさん「高血圧の患者さんに、どのようにこの種の降圧薬を使いわけてますか?」
「アバウトすぎる!」「?」「床屋さんに、どんな風に髪を切ってますか、と聞くようなもので『その人にあわせて』としかいいよがないでしょう。
治療も同じで高血圧の人でも年齢・性・合併症・体型・食事・性格、みんな違うし、それにあわせて選択するでしょう。説明したら半日かかるよ、聞く?!
それに製○会社の関与が大きいガイドラインは厳しくなるばかり・・・
聞きたいこと、宣伝したいことを百も承知でイジメテます(笑)
「日曜日の夜、急に具合が悪くなって救急に行ったんですよ」
「そうですか、大変でしたね」「ええ、でも一日分しかお薬をくれなくて、明日必ずかかりつけのところか、普通の外来に来てくださいって・・」
「まあ、応急的な対応ですから仕方ないんですけどね
(『時間外でかかるのはあくまで例外なんですよー、癖にしないでね』という患者教育的な意味があるんだと先輩からは聞かされましたが)
仕事休めない人もいるし、その辺は臨機応変にありたいですよね」
自分の心の「(患者)懲罰的な」動機に気がついてからは、感冒くらいなら(といってもせいぜい3日ですが)私は普通に処方するようになりました
看護婦が予防注射についています
「はい腕をまくって動かないで横を向いてだらんとして力を抜いてチクッとしますからね軽くモンでくださいしばらく休んでください」
「・・・えっ、えっと~、どうすればいいんだっけ?」「???」
「だいじょうぶ、もう注射は終わってますから(笑)」と私
情報が多すぎると肝心の大事なものに気がつかない
うちの待合室にポスターがほとんど張っていないのは、そのためです
それは今年の私の誕生日のことでした。受付で少しもめているような気配。しばらくして入ってこられた80代の男性。「先生、しんどいんですわ」いろいろきいていくと、糖尿病と高血圧で長いこと他院に通院していて、先月は脳梗塞を「かすって」ひと月ほど入院していらしたとのこと。ただ検査数値も内服薬もわかりません。
「なにがいちばんしんどいんでしょう?」「んだな、手足のさぎがしびれるやづがな。なんとかしてけろ」「そうですか。おそらく糖尿病によるものだといわれているんでしょうけど、なかなかすぐには治らないことが多いんですよね。お薬足すにしても、いまどんなお薬を飲んでいるかわからないのではねえ・・・」
「検査をしますか?点滴でもしましょうか?」「・・・」「どうしてほしいか言って頂ければいいんですけど」
つい、わたしは詰問口調になっていたのかもしれません。男性はこわばった顔で言いました。「なんだ、その態度は。これだけしんどいっていってるのに。何とかしてけるのが医者ってものでねえのが。へば、もおいい。わしは昔ここに入院したこともある。前の先生には世話になった。いい病院だどおもうがら、こうやってきたんだべさ。がっかりだ、帰る。金取るんだが?」「・・・もちろん結構です」わたしは冷や水を浴びたような気分でした。
天を仰いで、なぜかすぐにこう感じました。「ああ、いまのひとは、親父が送ってくれた誕生日プレゼントだったんだな」と。
日々外来を訪れてくださる患者さんは、今の自分の鏡であって、そのたびにいろいろな気づきを与えてくれる。診療所は、何より自分の修練の場だと感じるこのごろです。
「先生、新製品の紹介なんですが、あらかじめディスポ(使い捨て)の注射器に薬品が入っていてお得なんですよ」
「そうお、でもうちはガラスの注射器を高圧滅菌消毒して使ってるからもっとコストがかからないよ(滅菌機械代、光熱費をのぞけばだけどね)」
「そうでしたか・・」
それにゴミを出さない分、地球にも優しいしね!(そんな自慢しかできないのがちょっと淋しいけど)