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英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第64回です。
完璧に正しい英語だが、まったく採択されない英語抄録をつくることは、比較的簡単です。
その分野の知識の「ない」ネイティブにチェックを頼むことです。
英語は正しくなって帰ってきますが、専門家が読むと、何を言っているんだか、さっぱりわかりません。場合によっては、作者の言いたいことと正反対の内容に変っていることすらあります。
ネイティブチェックをうけたからといって、安心はできないのです。
自己責任で、変わり果てて返ってきた英文をもう一度チェックすることが肝要です。
逆に、英文としては正しくないが、一流の学会に採択される抄録もあります。
うそだと思ったら、American Heart AssociationやAmerican College of Cardiologyの年次集会の抄録集を見てみましょう。英米人以外の、外国人(特に日本人)の書いた抄録には、ずいぶん文法的誤りや不自然な言い回しが見られます。
しかし、内容が伴っていれば、いいたいことさえわかれば採択されるのです。受験英語、オッケーです。自然な完璧な英文でなければ落ちるというのは真っ赤な嘘です。
英語はあくまでツールです。内容が勝負です。
具体的には、
1. 良いテーマ
2. 結語を支えるに必要十分なデータ
3. 論理性
(既出のすしセオリー参照)です。
だから、一方通行で、内容の説明も無しに、英語抄録のみ送りっぱなしで、英語だけ、「ちょっと」直してください、とうのは、魔法使いでなければできない相談です。
英語のチェックだけなら、ワードの「文章校正」機能を使えば、ある程度やってくれます。
参考
英語力さえあれば採択されると思うのは、多くの場合、うぬぼれにすぎません。
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洞爺湖サミットも終わりましたが、先進国で、最大の健康破壊因子って、何だと思いますか?
東北労災病院勤労者予防医療センター相談指導部長の、宗像正徳先生たちのまとめられた、メタボリック・シンドローム予防・解消ハンドブックのなかで、Lancetの記事が紹介されています.。Lancetといえば、ご存知、我々ごときにはなかなか手の届かない、超一流誌です。

(労働者健康福祉機構編 宗像正徳他著 メタボリック・シンドローム 予防・解消ハンドブックより)
たばこは、先進国では、アルコール、高血圧、職業要因、運動不足、安全でない性、非合法薬物、大気汚染を抜いて、健康破壊因子としてぶっちぎりの第一位を占めるのです。
発展途上国では、悲しいかな、食糧不足による栄養不良が健康破壊因子の第一位です。
苦しい筋トレやつらいダイエットを一生懸命やってみても、皆の医療費を使って高血圧の治療を真面目にやったとしても、たばこをぷかぷかすっていたのでは、やっぱりアブナイのです。
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何事もまず事実を正しく認識することが第一歩です。
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厚生労働省は、薬剤溶出試験およびごく少人数の健常人の血中濃度データのみで、どんどん後発医薬品(いわゆるジェネリック)を認可し、使用を推奨しています。
さて、困ったことがおこります。
先発医薬品から後発医薬品への変更調剤に関する薬局から医療機関への情報提供 薬局において、「変更不可」欄に署名等がない処方箋に基づき、先発医薬品から後発医薬品への変更調剤および後発医薬品の銘柄変更調剤を行った場合には、後発医薬品調剤加算*を算定するに当たって、原則として調剤した薬剤の銘柄等について、当該処方箋を発行した保険医療機関に情報提供することとする。
*1調剤につき2点(=20円)。
ようするに、ジェネリックに変更したら、何に変えたか、病院に知らせろということです。
そうすれば、薬局は1調剤につき20円とっていいと。
一見もっともな通達のように思えますが、さて、病院は、どうなるでしょう。
院外処方箋の数が、一日800枚とすると、もしすべてがジェネリック変更可になれば、へたをすると一日最大800件の連絡が来ることになります。
ファックスでくるとすると、一枚の受信に2分かかるとすると、のべ26時間です。電話連絡を受けるにしても、一件あたり3分とすると、専任の人がかかりっきりで、のべ40時間かかります。
一日はたしか24時間ですよね。
さらに、病院は受け取った情報をカルテに貼付し、ドクターに連絡しなければなりません。
連絡されたドクターは、業務は中断されるし、誰のことかなんてカルテ無しではとっさにわかるわけがありません。
現場を知らない、現実離れした、机上で考えただけの、おろかな通達です。
病院の業務妨害です。
今は変更不可にしているので、まだファックスや電話攻撃の被害?はありません。
病院側の対応について、どなたか良い知恵があれば、ドク虎に教えてください(泣)。。
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理屈だけでは世の中は動きません。すべての理論は不完全です。しかし、考え方を整理するには必要です。固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
もうすぐAHAの締め切りです。
ことしは、ジャズの街、ニューオーリンズです。
最後の駆け込みのお役に立てるかもしれません。
備え在れば憂いなし。
何事も早めの準備、大切です。やろうと思っていると、緊カテがはじまりますよ(汗)。
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英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第58回です。
ニューズウィーク日本語版2008年4月23日号の特集記事です。
以下一部を引用します。
・・・(マッキンゼー・アンド・カンパニーの)日本支社で英文の提案書やプレゼン資料の作成をサポートする岩田ヘレンも、正しい英語表現は効果的なビジネスコミュニケーションの条件の一つに過ぎないと強調する。「英語としての適切さは最終的なアウトプットの問題。何を達成するために誰に向けた文書かという戦略や論理の一貫性が伴ってこそ、質の高い仕事につながる。」
専門家のサポートを受けられない人にもできることはある。英文に落とし込む前に目的や論理構成を日本語で徹底的に考える習慣をつけるべきだと、岩田は言う。
受け取った英文メールや書類から使える表現をメモしておく習慣も、「オン・ザ・ジョブ」のメリットを有効活用する工夫の一つだ。「仕事で触れる生の英語は貴重なリソース。使わない手はない。」そう、ビジネスの最前線にいる立場をプラスにできればいいのだ。
多忙なスケジュールや記憶力の衰えなどの「言い訳」は、科学的にみればハンディにならない。
どんな教材より効果的な学習の促進剤が、「強い動機」であることは、心理学の常識だ。(中略)適度のストレスが記憶を促進することもわかっている。
加齢による記憶力の低下が幻想であることも、脳科学で実証されつつある。単語の丸暗記のような単純な記憶は子供のほうが得意だが、語学学習により必要な、論理だった記憶力は年を取るほど高くなることは以前から知られている。・・・
引用終わり。
ドク虎のような熟年おじさんにとっては、何とも頼もしい記事です(笑)。
実はこれ、ドク虎の「虎の巻」と同じですね。
1. 日本語で設計図をつくり、論理の組み立てをしっかり行ってから、頭を英語に切り替えて、論文化する。
2. 英語を勉強して英語ができるようになってから書くのではなく、on-the-jobでまず取り掛かってしまう。
ドク虎のexperience basedな「虎の巻」は、独断と偏見に満ちているようで、意外にもscientificだったのです(笑)。
ちょっぴりうれしい、ドク虎でした。
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英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第57回です。
学会に参加していて面白いことに気付きました。
日本人が英語で発表することも大変ですが、英語セッションの座長はもっと大変です(汗)。
他人のやったわけのわからん(失礼!)英語の発表を理解し、サマリーして皆さんに伝えなくてはなりません。
あまり質問が出なければ、発表者にできるだけポジティブなフィードバックがかかるような質問をアドリブで考えなければなりません。
聞き取りにくいフロアからの質問を演者がわからなければ、簡単な英語に言い直さなければなりません。
生半可な英語力では厳しいです。
英語が達者な演者と質問者であれば、座長はほっと一息、安心です(笑)。
しかし、です。座長をするような、英語論文をご自分で書いてこられたような先生方は、たとえ留学経験があまりなかったとしても、年齢に関わらず(失礼!)上手に英語で座長をされます。
文法的には少々誤りがあったとしても、実用的には全く問題ない英語力です。
こういうのは、英会話学校や英語講座では身につきません。
ネイティブであっても、そのへんを歩いているにーちゃん、ねーちゃんにはできません。
苦労して英語論文を書き、discussionを書き、reviewerたちと丁々発止のやり取りをして、それに打ち勝ってきたからこそなのでしょう。
書けるけれどしゃべれない、というのは、多くの場合、うそです。自分では書けていると思っているだけで、実は書けてもいないのです。
一般には、英語ができれば論文が書けるのだと考えがちですが、違います。
そんなに英語が得意でなくても、英語で論文を投稿し、苦労の末採択されるという経験を積み重ねることが、実は日本にいながら英語が上達することにもつながるのです。
まずはチャレンジです。英語を「実戦」で使うことです。
うまくいけば元気をもらえます(笑)。
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英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第56回です。
解説シリーズ、ずいぶん久しぶりです(笑)。
学術論文が日の目を見るためには、peer reviewというプロセスがあります。これが、著書など、そのほかの出版物とは大きな違いです。論文はreviewerにボコボコにされますが、著書は、独断と偏見もオッケーです。かならずしもサイエンティフィックでなくてもよいのです。
典型例が、「英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻」です(笑)。虎の巻の著者(つまりドク虎)は英語を職業になんてしていないくせに、自らの経験に基づいてかなり大胆に、「”実戦”論文英語のコツ」なんかを世間様に公開しちゃっています(笑)。
実は、この「英語のコツ」の章に関しては、英語の専門家からいろんなご意見がいただけるかと、ちょっと楽しみにしていたのですが、実際にはそんな暇な専門家はおられないようで、ちょっと肩透かしでした。
今からでも、異論反論をうけつけます(笑)。
このように、論文とは異なり、著書は、「言ったもの勝ち」です。だから、本を読むときは論文を読むとき以上に眉にたっぷりつばをつけて読みましょう(汚ねー)。
さて、論文は、peer reviewがあるといいました。つまり「施設外の同業者からの批判」です。他流試合です。多くは偉い先生がたがボランティアでreviewerをされます。格闘技で言うと、上段者です。上段者と手合わせをしてもらえる、光栄な瞬間です。上段者は、試合の経験も豊富で、過去のこともよく知っています。
ただし、「同」業者というところがポイントです。Reviewerは決して神様ではありません。一応上段者であるといえども、新しいことには必ずしも理解が十分であるとは限りません。かなり忙しい状況で斜め読みということもあります。投稿原稿の英語が拙劣な場合、なおさら誤解することもあります。やっていることが競合する場合など、かなり意地悪されることだってあります(泣)。
必ずしも「天の声」である保障はないのです。
指摘は真摯に受け止め、対応するのが大原則ですが、もしも、相手が理論的におかしいと思ったら、正々堂々と「理論」で戦わなければなりません。
若い先生たちから、reviewerへの返事の「虎の巻」を書いてくださいとよく頼まれるのですが、こればかりは個々の事例に即さないとちょっと難しい。
その前に、今の虎の巻が売れなければ、出版社からはまず次の声がかからないという問題もあります(笑)。
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まず日本語の設計図を作り、英語論文を作る方法をお示ししています。 論文英語のコツも掲載。固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第55回です。
かの有名な生理学の教科書ガイトン。
そのガイトンの弟子だった日本人がいます。故佐川喜一ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授です。
今からちょうど20年前、循環器科領域の研究者のために、「英語で書く医学論文」(ライフ・サイエンス出版)という本を書かれました。たった52ページの小冊子ですが、ドク虎は大変お世話になりました。
今でも名著だと思います。残念ながら絶版です。
この本が手に入らないのは、若い人たちにとって、とても残念なことです。
と、いっていると、上司から、「じゃあ、先生が書いたら?」と軽くい われてしまいました。
そこで誕生したのが、「虎の巻」です。
「豚もおだてりゃ木に登る」っちゅーやつです(笑)。
ちゅーことは、どーでもえーことなので、この際おいといて。
佐川先生の本の最初のページに、
論文を書こうとするとき、「初めに考えるべきこと」として、
「それだけの苦労に値するか」を自分に問うてみなさい、
と書かれています。
たいていの論文の書き方の本は、当たり前ですが、まず論文を書くことを前提に書かれています。
しかし、考えてみると、originalityのない、あるいはselection biasのかかりまくったscientificとはいえない研究なんて、苦労して英文にする必要はないのです。
英作文の時間ではないのですから。
ましてや、臨床や研究、その他もろもろの雑事に追われる時間のない身の上です。
もしもそんな暇があったら、看護師さんたちと楽しく飲みに行って親睦をふかめておいたほうが後々身のためです(笑)。
佐川先生は続けます。
「有意義と信じる所見へできるだけ単刀直入に筆を進めること―それが多忙な査読者や編集者の心をつかむこつである。そういう知見、結論があなたの仕事にあるかどうか、それをはっきり確認すること、これが論文を書く大前提である。」
「万一その点に不安やあいまいな感じがあるようだったら、明日から英語で論文を書くことなど、きっぱりと思いとどまろう。」
「そしてまず共同研究者と、何がこの仕事の新しいポイントかを納得行くまで討論しよう。この点の把握なしに書かれた論文が読者を説得できるはずがない。」
さすがに米国の一流大学で教授をしていた人だけあって、厳しいお言葉です。
そこで、虎の巻流です(笑)。
論文を書く前に、英語で苦労する前に、まず日本語で設計図を作りましょう!
設計図がうまく出来ないようなら、出直しです!
これで、無駄な労力が省けます。
看護師さんたちとも、飲みに行けます(笑)。
忙しい若手ドクターのために
まず日本語の設計図を作り、英語論文を作る方法をお示ししています。固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第54回です。
バイアス(偏り)は、系統誤差とも言われ、調査または推論の過程において、系統的に真の値から離れた結果が生ずることです。
偶然の誤差が、プラスマイナスの方向に同じ程度出現するのとは異なり、ある方向に偏位した誤差だからやっかいです。
バイアスのうち、対象の選択に偏りが生じる場合、選択バイアスといいます。
論文の「方法」の中には、対象をどのように選択したのか、基準をきちんと記載しなければなりません。対象の、inclusion criteriaとexclusion criteriaをはっきりと記載します。
いくら真面目にこつこつと正確なデータを得たとしても、対象が不適切であれば、異なる結論が出てしまいます。選択バイアスがあると、その後いくら統計処理をやってもいかんともしがたいのです。
従って対象のinclusion, exclusion criteriaの記載の曖昧な論文は、選択バイアスがあるとみなされ、いくら頑張ってもその時点でアウトです。
そういう投稿、結構あります。気をつけましょう。
南江堂 英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻忙しい若手ドクターのために
まず日本語の設計図を作り、英語論文を作る方法をお示ししています。
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英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第53回です。
久しぶりに勉強にもどりましょう。
日本が誇る自動車メーカーの一つ、トヨタには、プリウスという、世界のベストセラーであるハイブリッドカーがあります。
ガソリンエンジンと、電気モーターとを併用し、発進や急加速時には低回転でもトルクのある電気モーターを、巡航時には高回転で威力を発揮するガソリンエンジンを、それぞれ得意な領域で使用し、ハイパワーと低燃費を実現しています。
さて、日本人医師にとって、英語で発表したり論文を書いたりしないといけないのは、ネイティブに比べて、あるいはヨーロッパ語圏の人たちに比べて、ハンディーキャップになるのは言うまでもありません。
英語のほうが論理的思考にすぐれているので、日本人でも、英語論文を書くのが得意な方は、最初から英語で考えなさいといいます。
でも、大多数の日本人にとって、そうでしょうか。毎日英語を使って診療しているわけでもなく、たまに英語論文を読むぐらいで、英語で効率よく、レベルの高い思考ができるでしょうか。
英語でないと論理的な思考ができないなんて事はまったくありません。
ドク虎は、帰国子女を除くわが同胞日本人の中ではまだしも英語ができるほうだとちょっぴりうぬぼれていますが、それでも、英語で思考するとレベルが下がるような気がします。
物心ついたときから使っている母国語の方が、明らかに効率よく思考できます。
論理の組み立てをまず母国語でしっかり考え、しかる後、今度は日本語にとらわれずに、その論理の概念を英語らしい英語で表現するという、ハイブリッドが有効です。
日本人の英語論文は、プリウスです。
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