ドクトル虎の巻
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ネイティブにご注意

ドクトル虎の巻 / 2008.10.20 20:08 / 推薦数 : 3

 英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第66回です。

 もうそろそろやめようと思いつつも、「論文虎の巻」解説シリーズ、われながら良く続いたものです。これまで駄文にお付き合いいただいた読者の方々のおかげです。人間現金なもので、お一人でもぽちっと推薦をいただくと、ついつい続けてしまいます()

 今回は、「熊に注意」ならぬ「ネイティブに注意」です。思わぬ大怪我をすることがあります。

  論文に限らず、本もそうですが、めでたく出版されることが決まった後、最終的にはテクニカルエディターによる編集をうけます。 実はこの編集者という仕事、すごい仕事です。 採否をきめるチーフエディターとは別人です。日本の場合、多くは文系?の人かもしれません。言葉のプロであるのみならず、内容をしっかり把握しなければなりません。

 文芸の場合も大変でしょうが、論文の場合は、最新の研究成果です。その道の専門家でも、喧々諤々、議論になるような内容です。

 英文誌の場合は、日本の雑誌でもネイティブチェックというのが入ります。 レビューアーにいちゃもんをつけられて手直しし、めでたくOKをもらった後の英文を直されるわけです。

 ネイティブにチェックしてもらったんだから、安心だ。

 ところがどっこい、要注意です。安心するのはまだ早いのです。

 勿論、ネイティブですから、文法の間違いなんて、まずありません。英文としては正しいのです。 しかし、です。 ネイティブチェックをうけたために、内容が変わってしまっていることがあります。

 ネイティブがその道の専門家とは限りません。なにいってんだかようわからんな・・・と思いながら、とりあえず英文を直しているということがあるのです。

 特に、冠詞は要注意です。内容をしっかり把握して直してくれるネイティブならいいのですが、ネイティブかつその分野の専門家ということは稀です。冠詞を直されたために、意味が変わってしまったということが起こりえます。

 欧米の一流誌の場合は、さすがです。意味が変わってしまうような直し方はほとんどしません。たぶんBSMSを持った人かもしれませんね。

 書き換える場合も、著者の意図とずれていないか、「こう直したが、これでよいか?」と問い合わせてくれます。日本の英文誌の場合は、そこまでやってくれず、とりあえず文章を正しい英文に直すだけということもあるようです。良かれと思ってやってくれているのですが、まだテクニカルエディティングという分野が成熟していないのでしょうね。

 著者自ら内容を再チェックすることが重要です。

 特にネイティブが間違ったイメージで選んでくれた冠詞だと、”a chicken”()”chicken”(鶏肉)のように、意味がおかしくなっていることがあります。

 直された英文は、今一度、新たな目で読み返しましょう。  

参考

南江堂 英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻

 

「冠詞」

一筋縄ではいかないのですが、とりあえず、ドク虎が長年苦労の末編み出した()虎の巻流「冠詞の選び方」をご参照ください。これですべてOKとはいきませんが、少なくとも大きな怪我はしなくてすみます()

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