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英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻 解説シリーズ第55回です。
かの有名な生理学の教科書ガイトン。
そのガイトンの弟子だった日本人がいます。故佐川喜一ジョンズ・ホプキンス大学医学部教授です。
今からちょうど20年前、循環器科領域の研究者のために、「英語で書く医学論文」(ライフ・サイエンス出版)という本を書かれました。たった52ページの小冊子ですが、ドク虎は大変お世話になりました。
今でも名著だと思います。残念ながら絶版です。
この本が手に入らないのは、若い人たちにとって、とても残念なことです。
と、いっていると、上司から、「じゃあ、先生が書いたら?」と軽くい われてしまいました。
そこで誕生したのが、「虎の巻」です。
「豚もおだてりゃ木に登る」っちゅーやつです(笑)。
ちゅーことは、どーでもえーことなので、この際おいといて。
佐川先生の本の最初のページに、
論文を書こうとするとき、「初めに考えるべきこと」として、
「それだけの苦労に値するか」を自分に問うてみなさい、
と書かれています。
たいていの論文の書き方の本は、当たり前ですが、まず論文を書くことを前提に書かれています。
しかし、考えてみると、originalityのない、あるいはselection biasのかかりまくったscientificとはいえない研究なんて、苦労して英文にする必要はないのです。
英作文の時間ではないのですから。
ましてや、臨床や研究、その他もろもろの雑事に追われる時間のない身の上です。
もしもそんな暇があったら、看護師さんたちと楽しく飲みに行って親睦をふかめておいたほうが後々身のためです(笑)。
佐川先生は続けます。
「有意義と信じる所見へできるだけ単刀直入に筆を進めること―それが多忙な査読者や編集者の心をつかむこつである。そういう知見、結論があなたの仕事にあるかどうか、それをはっきり確認すること、これが論文を書く大前提である。」
「万一その点に不安やあいまいな感じがあるようだったら、明日から英語で論文を書くことなど、きっぱりと思いとどまろう。」
「そしてまず共同研究者と、何がこの仕事の新しいポイントかを納得行くまで討論しよう。この点の把握なしに書かれた論文が読者を説得できるはずがない。」
さすがに米国の一流大学で教授をしていた人だけあって、厳しいお言葉です。
そこで、虎の巻流です(笑)。
論文を書く前に、英語で苦労する前に、まず日本語で設計図を作りましょう!
設計図がうまく出来ないようなら、出直しです!
これで、無駄な労力が省けます。
看護師さんたちとも、飲みに行けます(笑)。
忙しい若手ドクターのために
まず日本語の設計図を作り、英語論文を作る方法をお示ししています。固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
コメント
コメント一覧
ここがポイントです。
ろくすっぽ論文のチェックもしてくれないくせに 名前だけは著者に入れとけよという先輩や教授にうんざりしています。
せめてものdraftの推敲もせず、論文作成にも指導せず、研究のプロジェクト立ち上げにも参加せず、統計も指導してくれず。結局論文はいつも一人で書いています。
こういった連中を共著者に入れることを強制されるたびに日本の制度は狂っているとおもいます。
論文の共著者に名前があるだけで業績にカウントする日本の制度もやはりおかしい!
業績となる論文の評価はfirst authorだけにすればすっきりするし、各人が頑張って論文を書くと思います。
お気持ち、よーくわかります。
ドク虎の若いころ、(今でも若いつもりですが・・・)、共著者どころか、first authorは大先輩の名前でした。
文献を調べ、計画を立案し、実験をしたりデータを集めたりし、ドラフトを書いた人は、真ん中あたり。
それで、何でもっと書かへんのやと言われました。
パワーポイントどころかPCも使い物にならない時代、先輩の発表原稿や文字通り手作りのスライドの準備もやりました。
商業誌の依頼原稿執筆も回ってきました。
今から思えばとんでもない時代でした。
まあそれがこやしになったのですが、私の同級生が、留学から帰ってきて、メインの仕事をした人がFirst authorとなるべきだと当時「無謀」にも主張しました。時代は少しずつですが、変わりました。その彼はすばらしい教室運営をする人になりました。
今は、若い人たちのやる気をそがないように、気を使いながらドラフトを直しています。もちろんfirst authorはドラフトを持ってきた人です。持ってくるほうは単に英語を直して欲しいと思っているだけかと思いますが、それだけで済むことはほとんどありません。
だから、ドク虎のfirst authorは多くありません。
勿論今のほうがまだしも本来の姿だと思います。
ただ、そういう谷間の世代もいることを、覚えておいていただけるとありがたいです。
後輩に対する論文指導は、大学人の先輩の務めです。
Bugsy先生、おそらく今は苦労されていることと思いますが、失礼ながら、きっとよい先輩になられる(もうなっておられる)ことと思います。
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