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加藤良夫先生
南山大学法科大学院教授
弁護士
M3でみつけました。
法律家としての意見でしょうが、このままでは由々しき事態です。
(以下M3より引用)
「薬の有効性や安全性、化学的な構造などに関する知識を最も蓄えているのは製造販売会社である」という前提のもと、添付文書は薬事法の定めに従って製造販売会社により作成、提供されています。薬は化学物質の塊です。その塊にはさまざまな“情報”が含まれています。
薬の成分としての化学物質の組成はどうか、どういう形で保存し、どのように投与するか、どうすれば副作用を最小限に抑えられるかなど、製造販売会社が持っているさまざまな情報の中で、重要なものを正確かつ明快に提供することが添付文書の大きな使命といえるでしょう。つまり、人命を左右しかねない情報が記載されているという点で大変に重みのある文書と考えられるのです。
その重要性が認識されながら、医師は「患者のために」という考えを優先してしまうことがあります。しかし、それが「患者さんのため」という気持ちから発したものであったとしても、添付文書から逸脱する行為は特段の合理的理由がない限り原則として許されないというのが法律の考え方です。」
(引用終わり)
医師から見ると、とんでもない考え方です。
添付文書は、神様ではありません。
この法律家が思っておられるほど、添付文書はサイエンティフィックではないのです。
PL法や経済効果、厚労省のからみなど、いろいろな思惑が働いているのです。
循環器分野に限っても、古い薬アスピリンが狭心症の治療薬として認可されたのはごく最近のことです。
それまでは、「適応外使用」でした。世界では虚血性心疾患に対する有効性は圧倒的なエビデンスに基づき常識だったにもかかわらず、日本では、添付文書上は長年使えなかったのです。
アスピリン内服は血小板を押さえますので、当然、消化管出血などの副作用も伴います。両刃の剣です。しかし、過去においては、保険適応がないからといって指導を受け、投与を中止した某循環器の病院では、それから明らかに急性冠症候群の頻度が増え、緊急カテーテルで大忙し、医師と患者さんは悲惨、医療費が上がって病院の事務はニコニコという、笑うに笑えないエピソードもあったようです。
でももし良かれと思って処方し、急性心筋梗塞にはならなかったとしても、消化管出血をおこしたら、適応外使用ということで訴えられ、負けるのですね。
こんな安いふるい薬の治験をしても、製薬会社は利益が上がりません。でも有効です。外国からも、「日本はどうなっとんねん」といわれます。
それでやっと低容量アスピリンが認可されました。
ステント後のパナルジンも、実は添付文書上は使えないのですが、使わないと薬剤溶出性ステントは遅発性血栓症を起こして危険なので、黙認です。
これでも添付文書に従えというのでしょうか。
もうため息がいくつもでます。
抗生物質も、特に古いアミノグリコシド系などは、安くてよい薬であるにもかかわらず、TDMからみると、添付文書の量では到底効きません。添付文書に従っていては理論的にきくはずがないことを、恥ずかしながら最近知りました。
添付文書の通りに使って有効なのは、新しい高価な抗生剤のみのようです。どこかの陰謀かもしれませんね。
ちなみに、ドク虎が講演をお聞きしたある薬学部の学長は、「どうぞ訴えませんから、私には添付文書に従わずに古い薬を有効量だけつかってください。」と苦笑いしながらおっしゃっていました。
ちなみに、添付文書の「禁忌」にも、臨床医として納得し難いものが多々あります。
この法律家の教授先生、そういうことはまったくご存じないようです。医学の根源的な性質をご理解なさっておられないようです。臨床経験がなく、法律家だから仕方がないのかもしれません。
ご高説通りにすると、EBMではなく、完全にlegal based medicineになります。そんな医療、私自身は受けたくありません。医療は自分自身が受けたい医療を人に行うというのが基本哲学です。
もちろん、法律家らしく逃げ道をつくっておられます。
「特段の合理的理由がない限り」
なるほど。さすが法律家です。でもそれなら世の中「特段の合理的理由」だらけになってしまいます(笑)。
添付文書はあくまでガイドラインとしての範疇にとどめるべきで、法的効力を有すべきものではないはずです。この先生が、「医療事故調査委員」になったとしたら、ぞっとします。
しかも、このサイトは製薬会社がスポンサーです。
やれやれ。
製薬会社の担当者でさえわかっとらんのですね。
本来は、ドク虎のような臨床現場の雑魚が吠えるのではなく、医師会、医学会の重鎮の先生方が音頭をとって、早急に法曹界に申し入れをしていただかなければ、おそろしくて人のためになる医療はできません。
誰に言えばいいのでしょうか。医学会の重鎮たち、極楽トンボすぎませんかねえ。
医師っておめでたい人種??
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コメント
コメント一覧
ここに登場する加藤弁護士は、厚生省の医療事故調査委員会のメンバーでもあります。
経歴からすると、医療裁判において患者側に立つ弁護士でしょう。
したがって、臨床医とは診療に対しての見方が異なるはずです。
反対に、医者側の弁護を引き受ける弁護士は、医者の訴えや臨床の現場の考えを理解して頂けていると思われます。
ひとくちに弁護士であっても、患者側、医者側とでは大きな溝があります。
もちろん、医者側と患者側の溝も。
この溝を少しでも埋める努力も必要でしょうが、溝は依然深いまま。
おそらく多くの弁護士は六法全書で規定された文言どおりに思考しています(つまり成文化されたものを絶対視)。
臨床医が読む診療ガイドラインの文言は、あくまでガイドラインであって絶対に遵守しなけらばならないものではなく、例外も多いということが理解できないのでしょう。
医療事故調査委員会審議のメンバーである高本東大教授(心臓外科)が、心臓外科学会の立場を代表して、事故調の早期実現の声明を出しています。
しかも、全ての症例についての刑事免責を主張する医師グループがあるのは国民の理解が得られないと、この声明でのプレス発表の席で言っているようですが、そんなグループはありません。
どのグループであれ、故意(始めから加害目的)による診療関連死以外は刑事事件免責と主張しているはずです(欧米では、それが当然ですし、WHOのpatient safetyのリポートも同じです)。
故意も含めて全て免責なんて、医者側の誰も言っていないのです。
厚生省の会議の臨床側の委員ですら、医療側の意見をきちんと理解していない現況に憤りを覚えます。
こんな状況でまともな法案の原案が作られるのでしょうか。医療専門職の大量離職を招きそうです。
いろいろご教示ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
この弁護士さんは医療事故調査審議会のメンバーなのですか。
最悪のシナリオですね。
なぜ間違った前提のもとに議論を展開するのでしょう。
弁護士なので、頭はいいはずなのに、困ったものです。
このままでは、日本の医療は奈落の底に真っ逆さまですね。
たしかに、日本の医学部の教授たち、自分自身が臨床の第一線にたたないからか、危機感がなさすぎるように思います。
Nature Medicineを書いて喜んでいる場合ではないのです!
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