ドクトル虎の巻
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急ブレーキと輸血

ドクトル虎の巻 / 2007.09.21 20:52 / 推薦数 : 1

もし急ブレーキの効かない自動車の運転をさせられたら、どうしますか? 

あぶなくて、運転できませんね。 

 

輸血は、急ブレーキです。

必要ないなら安易にしないほうがよいにきまっているのです。

 

でも、どうしても必要なことがあります。

すべての観血的手技には、たとえ確率は低くても出血のリスクがあります。

輸血ができるという前提で、いろんな高度な医療行為が発展してきたのです。

高性能のブレーキがあってこそ、高性能エンジンをつめるのです。 

 

しかし、すべての医療行為は受け入れるが、輸血だけは拒否するという人たちがいます。

その人たちの主張の論理性、正当性をここで議論しても仕方がありません。

しかし、これは、急ブレーキを使わずに運転しろという要求と同じです。

 

別に目的地にたどり着けなくても文句は言いませんといわれても、そういう問題ではありません。

 

急ブレーキをかけなくてよいように安全運転していても、とづぜん目の前に子供が飛び出してきたら、運転手はブレーキをふむでしょう。

急ブレーキをかけた医師を責めないでください。

みずからの信念に従うのもよいですが、これ以上、医師を苦しめないでください。

おねがいします。 

 

考えてみてください。

たとえ人が飛び出してきても絶対急ブレーキはかけないと約束して運転してくれるプロのドライバーっているでしょうか?

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コメント

コメント一覧

はじめまして。患者側の人間です。
自分自身は輸血に関して特に拒んだことはないですが、
「輸血ができるという前提で、いろんな高度な医療行為が発展してきた」というのに、うなづいてしまいました。すべての医療行為は、病気をよくするためなんですよね。

自分が受ける医療行為の意味はきちんと理解しておかないといけないと思いました。

以前手術を受けて、術前に1000mlくらいは出血するかもと聞かされ、結果200mlくらいだったので、その時の担当医の手腕に感謝!でした。もちろん何かあった時のために輸血の準備はされてたと思いますが、できるだけ、そうならない様、努力して頂いたんだなと思い出しました。

とてもいいことを教えてくださって、ありがとうございます。
written by ぷりん / 2007.09.22 12:47
ぷりん様

医療関係者以外の方からコメントいただけると、とてもうれしいです。
(医療関係者からもうれしいですが・・・)

お察しの通り、いろんな検査や治療の方法は、それぞれ独立しているのではなく、密接に関連しています。
アラカルトのように、これだけ単品で食べたいというわけにはいかないことが多いのです。

原則は、根本となる原因への最小限の介入をおこなうことが理想なのですが、
実は根本的な原因がはっきりしない病気もまだまだ多いのです。

対症的な対応をせざるを得ないことも多く、そういう場合にはどんどん必要な処置が増えたりしてしまいます。

不信感の温床になります。

学校のテスト問題と違って、対象が大変複雑ですから、実はこれが唯一の正解だというのがないのですね。

検査や治療に当たっては、患者さんとの意思疎通が本当に大切だと思います。

一人ひとりの患者さんにもっとお話しする時間がとれれば・・・
医療者も疲れてきていますし、ますます、時間が取れなくなってきています。
忙しくて疲れてくると、ついコミュニケーションがおろそかになりがちだと思います。

社会のシステムを、なんとか考えていかなくてはなりません。

それには、医療者だけでは、荷が重いのです。

written by ドクトル虎の巻 / 2007.09.23 11:45
医師も疲れているというのは、ホントに感じます。
医師の人数も徐々に減っていて、午前の診察が今やほとんど午後遅く(夕方)まで食い込んでいるようですし、先生の方が病気にならないのか?とも思えるほどです。

海外ドラマER(ER5-09 #100)で、外科医コーディーが、言っていたセリフを思い出します。
「私がミスを犯したのは、未熟で能力に欠けていたからではなく、36時間勤務で疲れ果てていたからです。
航空管制官は1日に4~6時間、それも2時間おきに休憩します。
なぜか。それは人命がかかっているからです。
それに比べ、外科インターンは、不眠不休の36時間勤務です。伝統を重んじるのも結構ですが、患者のためには決していい結果をまねきません。
この意見に反対の方は、今度飛行機に乗るときに自問してください。担当の管制官が36時間勤務疲れ果てていてもいいのかと。」

9年くらい前の放送ですが、今、日本の現状も同じなんでしょうか?

written by ぷりん / 2007.09.23 22:39
アメリカの医師は、科によって違いますが、3年から8年のレジデンシーを終えると、コンサルティングスタッフとして桁違いの収入と人間らしい生活を約束されていますが、日本の勤務医は、ごく一部の管理職を除いては、アメリカのレジデンシーに匹敵する勤務状態を一生続けています。
いままでは、アメリカよりも入院日数も長く、医療のテンポがゆるかったので、昔はそれでも何とかこなせたのです。
今は、老人は増えているのに医療費総額は少しずつ削減され、経済的締め付けが厳しくなっているため、どんどん現場の人的負担は増えています。

そのへんの事情はだいぶ以前になりますが、拙ブログ「ある勤務医の告白」をごらんいただけると幸いです。

ちなみに、アメリカでは数年前、いくら期間限定といっても危険だということになり、レジデンシーの勤務も見直されていると思います。

若いころ、ある程度修行を積むことは必要なのですが、患者さんが犠牲になってはなりません。

今の日本の現状は、悲惨です。

しかし、マスコミでは、ごく一部の甘い汁を吸っているドクターや、いわゆるタレント医師のみがくろーずあっぷされています。

イヌが人をかんでもニュースにはならないが、人がイヌをかめばニュースになる類でしょうね。

医療関係者でない方が医療問題に関心を持っていただいて、うれしいです。
written by ドクトル虎の巻 / 2007.09.24 11:51
ありがとうございます。
「ある勤務医の告白」読みました。国もそうですが、患者だけじゃなくて、いつか患者になる一般人も、早く現状に気がつかないといけないですね。
そういう意味では、ブログは現場の生の声が聞けていいのに、興味がないと、なかなかここまでたどりつかないかも。
written by ぷりん / 2007.09.25 07:53

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