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業界以外の人のために、初めにちょっと説明を加えますね。
ムンテラとは、業界用語で、患者さんや家族の方に説明することです。ドイツ語のMund Therapie(口で治療する)ということから来ています。
和製英語ならぬ和製独語でしょうか。 最近、ムンテラという言葉は使うべきではないとされています。かわりにインフォームド・コンセントという言葉が使われます。
ある程度以上の年代の先生方は今でも会話ではよく使います。
「口で治療する。」べつに使ってもかまわないと思うのですがね。手術や、薬に頼らず、口で治療できれば、それに越したことはないのですから。
でも、「病院機能評価機構」という、天下御免の天下り組織によると、使ってはいけない言葉ということになっています。
ちょっと脱線しますが、医療現場では、病○機○評○機構はコストや現場の人的要素を無視して、メイドインUSAの基準を建前として押し付けるので悪名高い団体です。
現場の人間はもっぱら、「評○機構」を評価する「評価機構」がいるんじゃないかと思っています。でも天下りには必要な組織なのでしょうね、きっと(笑)。
話をムンテラに戻しましょう。
少し前のことですが、学会発表の帰りにアメリカは東海岸のとある大学病院を訪れました。そこは○リ○トン前大統領なんかもかかりつけの、超有名病院です。
びっくりするぐらい、流れ作業的に、心臓カテーテル検査が行われています。
日本では、検査の説明や手術の説明は、担当医がします。ところが、ここでは、何と、インフォームドコンセント専門のムンテラ係りのおばさんがいて、書類にサインをもらってくれるのです。
ドクターは、ほとんど説明しないのです。
説明には、時間がかかります。
医師にそんな時間を使わせるぐらいなら、血管内治療の一つもふやさんかい!という経営上の発想なのでしょうね。
びっくりしました。 なんとええかげんな!と思いました。
でも、考えてみると、別に説明するのに医師免許はいらないはずです。 おばさんのほうが、説明は手馴れているのです。患者さんの気持ちもわかるのです。患者さんも、「あの先生は大丈夫?」「あんたなら受ける?」などと、おばさんに訊くようです(笑)。
私が米国に滞在していたころには、そんなおばさんはいませんでした。米国すべての病院がやっているわけではないと思います。高度医療の発達による相対的医師不足に対処する一つの方法なのでしょうね。
善し悪しは別として、彼の国のプラグマティズムと柔軟さをみた気がしました。
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