ドクトル虎の巻
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「屁理屈」を撃退する

ドクトル虎の巻 / 2007.06.07 19:05 / 推薦数 : 0

物事を冷静に判断するためには「ロゴス」が重要であることは間違いありません。「屁理屈こねるな!」といってはいけないと、常々思っています。 

しかし、普段の話し合いや会議などで、どうもへんだな、なんか違うな、と思いながらも理屈で攻めてくる相手に反論できないことって、ありませんか。 

そうです、なんかへんだなと感じているほうが正しいかも知れないのです。でも理屈では負けてしまいます。

実は、議論は大切ですが、おかしな議論(屁理屈)がまかり通ることも多いのです。 

そこで、本日は「屁理屈」を撃退する方法です。

 

 「ロゴス」は、両刃の剣です。正しく使えば強力な武器になります。でも、ひとつ使い方を間違えると、とんでもない結論が出てしまいます。 

「机上の空論」というやつです。 

 

例を挙げましょう。 

 

太平洋戦争末期の、神風特攻隊です。 

たくさんの優秀な若者が、「おとうさん、おかあさんのために」「残される弟や妹のために」「恋人のために」「お国のために」と思いつつ、半分地下に埋もれた木造の粗末な小屋から出陣し、命令に従って散っていきました。

悲惨なことですが、彼らの純粋な気持ちを思うと、涙が溢れます。 

これは、「エトス」と「パトス」に偏った、理論的には明らかに破綻した作戦です。 

飛行機は資金と工場そして原料さえあればいくらでも補充することができます。しかし、熟練パイロットをつくるには、母の胎内に種がやどってから、慈しみ育てられ、教育を、訓練を受けて二十年以上もかかるのです。

 たとえ人道的見地を無視したとしても、二十年以上かかってやっとできた貴重な「パーツ」を、いとも簡単に使い捨ててしまう作戦だったのです。当然、補充はききません。 

熟練パイロットを養成するには、時間と費用がかかるという、無視し得ない前提条件を無視したのです。 

確信犯かどうかは判りませんが、これを日本でもっとも優秀といわれた人たちがやったのです。

対する米軍は、航空機の動力性能を犠牲にしてもパイロットを厚い防護壁で守りました。これは、かならずしも人道的見地からだけではなかったのです。 

 

ドクトル虎の巻の考えでは、議論の際に重要なことは、 

1.      命題の前提条件、定義をはっきりさせること。 

2.      それぞれの命題の確率を考えること。 

です。 

 

解説します。 

3段論法というのがあります。AならばBBならばC。よってAならばCというやつです。集合の概念を使って図で書くと、こうなります。   

 

ところが、それぞれの命題の前提条件がことなると、AならばB, BならばCが成立しても、AならばCは成立しないのです。図で書くと、こうです。

 

ACは全く重なりません。よってAならばCは成り立たないのです。

詐欺師がよくつかうテクニックです。  

 

 2の確率について考えてみましょう。

たとえば、AならばBである確率が70%BならばCである確率が70%であるとすると、たとえ前提条件が同じであったとしても、AならばCである確率は49%、つまり、五分五分でどちらだかわからないということになります。

ちなみに、70%ぐらい正しい事象は、一般に受け入れられやすいのです。 

 

たとえば、

「ドクトル虎の巻は男である。」(これはほぼ正しいでしょう。)

「男というものは、『女たらし』である。」(これもだいたい賛成でしょう。) 

従って、ドクトル虎の巻は「女たらし」である。 

これは、一つ目の命題が成り立つ確率と二つ目の命題が成り立つ確率を掛け合わせた確率で正しいのです。

決して100%正しいわけではありません。

これを100%だと思い込むと、「ねえねえ、ドクトル虎の巻は女たらしなんだって!」ということになってしまい、次の日から看護師さんたちに白い目で見られてしまいます()

ちょっと例題に説得力がなかったでしょうか() 

 

長々と書いてしまいましたが、議論するとき、(1)前提条件、定義、(2)事象の確率、この2つの要素を考えることによって、かなりの「屁理屈」を退治することができ、会議を円滑に進めることができます。 

 

えらそうなことをいっていますが、家族に言わせると、「お父さんはチョー人に騙されやすい!」のだそうです。

最後にエトスを下げてしまいました()

 

ロゴスを鍛える本もご覧ください。

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