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養老先生の「バカの壁」が少し前に一世を風靡しましたが、世の中にはいろいろな壁があります。
堺屋太一さんによると、日本は「職縁」社会だそうです。
つまり、人間関係をすべて職場に求めるのだそうです。
なるほどそういわれると、ドクトル虎の巻も、これまで医療関係以外の方と親しくお付き合いする余裕はほとんどなかったことに気づきました。
この年になるとなにか人生を損したような気分です。
今を去ること、四半世紀も前のことです。
若かりしドクトル虎の巻は、ある患者さんの受け持ちになりました。
今やドクターの皆さんが嫌っている、某一般紙の社会部の編集長をされている方でした。
緊急入院後二週間ぐらい経過して、お元気になられたとき、しみじみいわれました。
「僕は、今まで自分たちの職業が世界で一番しんどい職業だと思っていましたが、先生方の仕事も大変なんですね。先生はいつ家に帰っているのですか。」
目つきの鋭い方でしたが、そのときは慈父のような目をしておられました。
若い記者さんたちが、うわべだけの取材をしてもわからないことを、この編集長さんは自ら体験されたようです。
気のせいか、それからしばらく、その某紙には、医療不信を煽るようなひどい記事はなくなったように思いました。
しばらくして、外来にこられました。
「僕は、文化部にうつったんですよ。」
飄々とされていましたが、ちょっと寂しそうでした。
それから某紙の論調がたどった道は、皆さんよくご存知のとおりです。
職業と職業の間には、超え難いコミュニケーションギャップがあるのではないでしょうか。
取材、報道が使命であるマスコミといえども、例外ではないようです。
お互いに、井の中の蛙なのですね。
ちなみに、外国では、組織のトップはかならず、そしてアスリートや芸能人でさえも、メディアトレーニングというのを受けるそうですね。
日本の院長副院長クラスも、メディアトレーニングが必要なのでは?
そんな時間も金もないか!?
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