ドクトル虎の巻
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「日本語の壁」第二弾です。

我々日本人は、バイリンガルの人を別にして、世界に羽ばたこうとする場合、外国語の習得に悩まされます。

日本語があまりにも他の外国語と異なる構造をもつからです。

学会発表をしたり、論文を書いたり、留学したり、そこまでいかなくても、普段の抄読会や最新の文献を調べるときなど、ネットで検索するときでも、これが日本語だったらいいのにな―と思うことも多いはずです。

けれども、今日はこの言葉の障壁が日本を守っているというお話です。

ある大学の先生のお話によると、もしも日本人が苦労せずに英語がペラペラになってしまったとしたら、今よりも比べ物にならないぐらい頭脳流出が起こってしまい、日本は今以上にがたがたになっているというのです。

確かに、インド、中国や韓国とは異なり、日本人の留学生は、多くの場合短期間で帰国します。

日本の国が比較的恵まれていることもあるでしょうが、微妙なニュアンスなど、言葉による理解の壁も大きな要素であるように思います。

バリアには、障壁という意味もありますが、日本語の場合、防護壁としても働いていたのです。

そういえば、各分野とも、外国で活躍されたえらい方々も、お年を召されると、帰国して後進の指導に当たられることが多いようです。

何事にも光と陰があるのですね。

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日本語の壁

ドクトル虎の巻 / 2007.05.06 14:27 / 推薦数 : 4

皆さんは、医学の教科書が母国語で書かれている国って、どのくらいあるとお考えですか。

実は私もよく知りません。

でも世界では極めて少ないことは確かです。

日本はその稀な国のひとつなのです。

この間ドイツの人と話していたら、各国からの留学生を受け入れるため、大学内では英語になったそうです。

日本が長らくお手本にしていた、あのドイツがです。

どうりで、最近のドイツの若い人たち、学会の受け答えが上手になってきたわけです。普段から英語を使っていたのですね。

日本はとっても恵まれた国です。

母国語でいろんな学問ができるのですから。

明治時代の人たちが、一所懸命いろいろな学問体系を日本語に翻訳してくれたおかげです。母国語で効率よく勉強ができるのです。

いまさら英語を勉強せいといっても、モチベーションがあがらないはずです。

米国に留学したとき、フランス人の若い留学生がいました。

彼はほとんど英語がしゃべれませんでした。それでちょっと落ち込んでいました。私がつたない英語で慰めていました。「外人でも英語はでけへんねんなあ。」と、ちょっぴり自信につながったものです。

ところが、三ヶ月後、彼はペラペラになったのです。

小生といえば、相変わらずそのまま。

がっくりです。

彼に尋ねました。「いったいどうやって英語を勉強したの?」

彼は自信満々で答えました。

「なに、英語なんか簡単さ。単語と発音を覚えればいいんだ。頭の中で単語を入れ替えるだけさ。似ている単語も多いしね。」

彼は機械的に単語を置き換えていたのです。ショックでした。これは日本人には使えない。

英語と日本語の間には、欧米人には理解し難い大きな壁があるのです。

でも、悪いことばかりではありません。

構造が全く異なる言語の間をやり取りするとき、それぞれの言語が表す物事の本質について考えないと、機械的には翻訳することができません。

壁を乗り越えるためには、強制的に本質について考えざるを得ないのです。

日本人の場合、きちんとした論理を組み立てるには、また本質を考えるには、一度外国語ではどう表現するのかを考えてみるとよいのです。

 英語で論文を書かないといけないのはうっとうしいのですが、普段母国語を使わせてもらって楽して勉強させてもらっている分、がんばらなければならないようです。

 

「日本語の壁」をうまく利用しましょう。

 

参考文献

英語抄録・口頭発表・論文作成虎の巻p77

 

 

 

 

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