HARAGON
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2010/03 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

  どうも僕には永田町で使われている日本語が理解できない。 1月27日の衆議院予算委員会で長妻厚生労働大臣が「基本的に(介護保険適応の)病床を廃止というような方向性は変わりません」と答弁したという。僕は耳を疑った。 療養病床の削減に関しては、2006年の小泉内閣の時代に、医療「構造改革」の一環として、2011年度末までに医療療養病床を25万床から15万床に減らし、介護療養病床を13万床からゼロにするという方針を決定した。その後、国民や医療団体などの反対を受けて、医療療養病床を22万床程度残すという方針転換を行ったが、介護療養病床をなくするという方針は変わらなかった。 2009年の衆議院選挙の時、自公政権の社会保障費削減が争点となり、民主党は、選挙前の政策集に「療養病床を削減する介護療養病床再編計画を中止する」と明記し、マニフェストにも「療養病床削減計画を凍結」と書いた。当然、僕は、選挙での民主党の勝利によって、この政策が実行されるものと思っていた。いつ解凍されるか不安もあったが。 しかし、2010年1月14日開催された厚生労働省の全国厚生労働関係部局長会議では、「療養病床の再編成についての今後の対応」について、「療養病床の削減計画の凍結とは、介護療養病床を廃止するという方針を凍結することではなく、療養病床を22万床に機械的に削減しないことである」と説明があったという。 僕の日本語の知識では、「凍結」ということは、計画を一時行わないということである。ちょっと自信がないので、「大辞林」という辞書を開いてみた。「凍結」とは、「物事の解決・処理を一時的に保留の状態にすること」とあり、僕の理解と一致していた。そうであれば、「凍結」という表現を用いることは間違いで、「見直し」という表現になるのではないか。 療養病床とは、一般の人々には耳慣れない言葉であるが、急性期の治療を終えた入院患者が療養する慢性期の病床のことである。先の医療「構造改革」では、療養病床が社会的入院の温床になっており、これが日本の医療費の増加の一つの要因だとして、その削減を決めた。国の資料によれば、この療養病床の削減の方針が出された2006年当時75歳以上の高齢者は1200万人で、2030年には2200万人まで増加すると予想していた。高齢者の人口が増加するにもかかわらず、慢性期の患者が入院する療養病床を削減するということは、なんという愚策であろうか。 国は、そういう慢性期の患者は、介護施設や老人ホームなどの施設を含めた在宅に行けばよいという。しかし、特別養護老人ホームは待機者でいっぱい、老人保健施設は人出が足りなくて、医療依存のある患者や重度の介護の患者の入所を制限する。それでは、在宅での療養といっても、そこには、年老いた家族が披露困憊の状態で、介護心中、介護殺人という悲劇も発生している。療養病床の削減によって、行き場がなくなる患者が大勢生み出されることは明らかだ。 それにしても、「言葉」を大事にしてほしいと思う。財政的な理由により、約束した「療養病床の削減の凍結」ができないということであれば、そのように説明すればよいのではないか。「凍結」とは「機械的な削減はしない」ということ、と説明することは詭弁以外のなにものでもない。僕は永田町の日本語に怒っている。

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)