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私が帝王切開の手術に最初に立ち会ったのは、研修医のときでした。しかし、そのときは学んだというよりも、単にその場に居合わせたようなもので、あまり覚えがありません。またその当時の大学病院では、実際に手洗いをして助手をすることよりも、外で雑用をすることが多かったような・・・。
といことで実際に学んだのは、そとの病院に出てからでした。研修先の病院で学び、それから大学に帰り、また外の病院に出て、というような具合です。正直言って、自分で帝王切開をできる、という自覚を持ったのは、大学に帰ってきてからかな、と思います。簡単そうに見えるけれども、最初はいくつかの難関があり、自分で責任を持ってできるかな、と。
さらに、麻酔や周術期の管理も含めるとなると、やはり医師になって10年位してからというのが、本音でしょうか。そうした施設にいる間は、結構あちこちからヘルプがありまして、困ったときに助けていただきました。
といって、今の施設での帝王切開を私一人でやっているわけでもありませんし、ヘルプも頂いています。ただ、精神的には、今の施設では、自分が最高責任者である、との意識が常に頭の片隅にあります。そこら辺の自覚の差であるとは思うのですが・・・・。
帝王切開、簡単そうに見えて奥が深く、そして臨機応変に対応しなくてはならないのも、その特徴です。今でも、いろいろな事例から学ぶことも多くあります。
最近の一番のことは、外国で行った帝王切開は本当に予想外のことが生じるというものでした。そのための用意をしていてよかった、と。
今になって、非常に残念であるのが、あの昔の手術を忘れてしまったことです。今はとある大学の教授として御活躍の先生が、大学を離れる前に、最後の帝王切開だからと教えてやると言われて、見せていただきました。詳細に脳裏に焼き付けたつもりでしたが、どうも記憶に欠落が生じたようで・・・。手術の仕上がり具合がきれいである、と感じたのは後にも先にも、この手術だけです。あれを目指さなくては、と常に意識しているのですが、どうもまだ私の手術できれいに仕上がった、というレベルにはまだ至りません。

写真は、夏の夕暮れ時。散水の季節がやってきました。今年は枯れないように、と願っていますが・・・。