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帝王切開は、お腹を切って、赤ちゃんを出して、縫うだけ、という手術自体はいたってシンプルな手術です。しかしシンプルということと、手術の難易度が低いということとはやや異なるな~、と最近改めて思うようになりました。
以前は、帝王切開では、お腹を縦に切って行っていました。しかしこの方法では、術後しばらくして、縫った部分がケロイドとなって盛り上がることが多く、女性の立場からすれば・・・・・と。
私自身も幾つかの病院で学んだことより、最近は基本的には横に切ることにしています。(ただし、以前の傷が縦であれば、縦に切りますが)ちょうど下着のラインで隠れるように、と。
皮膚を横に切って、それから脂肪層を横に切って、お腹の筋肉(腹直筋ほか)を被う膜に到達した時点で、道が二つに分かれます。脂肪層を筋膜から剥離して筋膜を縦に切る方法と、筋膜をそのまま横に切る方法に。
皮膚を縦に切るか、脂肪層を剥離するかどうか、これらには全て利点と欠点が存在します。私なりの判断では、横に切り、脂肪も横に切ることを心がけています。そうすることのほうが、術後の回復と、創の直り具合からするとよさそうだな、と思っています。
ただし、このやり方だと、赤ちゃんが大きいときにちょっと困ることがあるので、少し幅広く皮膚を切ります。またその下の筋膜も少し広くきります。また、縦に切るときに比べて、お腹に達するまでに少し時間がかかります。
筋膜を切って、腹直筋といわれる筋層の隙間を見つけて、筋層を左右に分けて、腹膜に到達します。腹膜を切って、やっとお腹の中に到達です。ここまで、縦に切れば早ければ2-3分ですが、横だと10分以上かかることもあります。しかしこの過程は、急がなくてもかまわない場合であれば、それは自分のペースで、と思っています。
お腹を開けて、ここで開創器という機械を使う場合と、使わない場合とがあります。これもまた、一長一短です。装着して、腸が飛び出ないようにタオルを敷き詰めていました。しかし最近は、使わずにそのままで、必要な場合にザッテルあるいはS鈎と呼ばれる器械で一時的に広げることが私は多いようです。
ここまでが、前段階です。ここまでは時間はのんびりと過ぎます。しかしこれからの工程は、時間との勝負となります。まず、子宮体部下部の表面の膜(しょう膜といいます)を横に切って、子宮筋層より剥離します。子宮筋層をメスで切開して、筋層直下にあり赤ちゃんを包む卵膜に到達します。この卵膜を膨隆させた状態で、筋層の切開層をさらに左右に広げ、卵膜を破きます。
いよいよ赤ちゃんと直接に接します。赤ちゃんの頭が確認できれば、赤ちゃんの頭を指で浮かして、体をだして、と続きます。最近はこの段階で、頭に吸引器という器械を装着して頭を誘導することも多いようです。
逆子であれば、足あるいは腰の部分から出して、という形となります。逆子の場合、最終的に上肢あるいは頭をだす過程は、基本的に経膣分娩をする場合と同じ手技を用いることとなります(横8の字、ファイトスメリ法など)。
赤ちゃんを出して、へその緒を切って、新生児係りへと渡します。それから胎盤を子宮より剥離して、子宮内に残存のないことを確認します。
切開層の両側を先に縫って、それから中央部分を二層に縫合して、筋層の縫合を終了します。しょう膜を縫って骨盤内に異常のない事を確認して、お腹を閉じることとなります。
腹膜、筋膜、脂肪層、皮膚と順に閉鎖することとなります。ここら辺の縫い方も以前に比べるとやはり変わってきました。現在では、再度の皮膚はホッチキスで止めることがおおくなりました。
こうやって、工程を書き出してみると、私自身もいろいろと試行錯誤しながら、現在の形になってきたのだな、と改めて感じます。いろいろな方法には、いろいろな理由があります。
ただし、決して、現在の形がベストであると思っているわけでもありません。まだこれから先の経験で、変わっていくこともあるかもしれないな、と思っています。

写真は、現在避難中の幸福の木です。とある方が心配をされていたので・・・・・・。夏の日差しが本格的になる前に、屋内に避難予定です。