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2007.03.22 17:28 |  燕の飛ぶ街  |  Atsullow-s caffee  | 推薦数 : 1

終わりなき夢の世界

「たっちゃんとつばこ」 第5羽「終わり無き夢の世界」です。

 

 東京郊外の自然の中で育った 「たっちゃん」と旅のツバメの物語です。自然の偉大さと人間の存在意義を描いていきたいと思います。小学校が面白くないたっちゃんはある日お母さんのアドバイスで考古学に興味を持つようになる。うらやまの秘密基地でたっちゃんが考えている壮大な計画。その実現に何が必要なのか・・・。

 

第1羽ー第4羽を忘れた方は下記URLを御参照ください。

 http://blog.m3.com/Fight/20070311/1「たっちゃんとつばこ」

 http://blog.m3.com/Fight/20070312/3「山の海」

http://blog.m3.com/Fight/20070316/Dream_comes_「Dream comes・・・・」

http://blog.m3.com/Fight/20070320/1 「千里の道」

 

それでは、どうぞ。 

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他にはどんな資材が必要なのだろう。

たっちゃんはおおよその設計図を作り、その縮尺模型を作って必要な資材のイメージを掴もうと試みた。算数が苦手なたっちゃんではあるが、模型を作るのは大の得意技である。

糸のこぎりやそのほかの工作道具は、もともと持っていたので近所の模型専門店で、お母さんにお小遣いを前借りして、木工ボンドと紙やすりを入手した。

予算は毎日30円のお小遣い。よって今月はもう何も買えない。おやつは、しばらくの辛抱だ。 

貝塚の発掘現場の見学と図書館から借りてきた「日本の歴史」シリーズの解読でイメージトレーニングに励む。

「日本の歴史」はもともと大人向けの本で全部で56分冊に分かれた由緒正しい歴史書だ。

難しい漢字がたくさんあるけどたっちゃんは漢和辞典で、一個一個、一生懸命に調べ続ける。

もともと学校の漢字テストの成績はクラスでも底辺のたっちゃん。そのたっちゃんが、である。 

終わりのない夢の世界に没頭するたっちゃん。

昼も夜も妄想の世界に遊ぶたっちゃん。

ある日、担任の小林先生は、たっちゃんのおとうさんとおかあさんを呼び出した。 「今日お出でいただいたのは、達哉君の生活態度の話です」

 

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2007.03.20 14:31 |  燕の飛ぶ街  |  Atsullow-s caffee  | 推薦数 : 0

千里の道

「たっちゃんとつばこ」 第4羽「千里の道」です。

 

 東京郊外の自然の中で育った 「たっちゃん」と旅のツバメの物語です。自然の偉大さと人間の存在意義を描いていきたいと思います。小学校が面白くないたっちゃんはある日お母さんのアドバイスで考古学に興味を持つようになる。うらやまの秘密基地でたっちゃんが考えている壮大な計画とは・・・。

 

第1羽ー第3羽を忘れた方は下記URLを御参照ください。

 http://blog.m3.com/Fight/20070311/1「たっちゃんとつばこ」

 http://blog.m3.com/Fight/20070312/3「山の海」

http://blog.m3.com/Fight/20070316/Dream_comes_「Dream comes・・・・」

 

それでは、どうぞ。 

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たっちゃんの頭は「こうこがく」でいっぱいになった。

一度自分の世界に入り込んでしまうと二度ととまらないのがたっちゃんの長所でもあり、欠点でもあった。朝も、昼も、晩も、「こうこがく」のことを考え続けた。大好きな野球は一時お休みである。

とおる君と野球友達はたっちゃんのバッティングを期待していただけにチームからの離脱を残念がったが、事情を話したら

「それじゃあ、オレたちも手伝うよ。なんかドキドキするね」

と快く理解してくれた。

たっちゃんは申し訳ない思いでいっぱいだった。

 

 学校が終わると、ダッシュで家に帰った。

「ただいまー」

「あら、今日も早いわねえ。はい。」

おかあさんが納豆を差し出した。納豆のワラを剥ぎ取ると

「いってきマース!」

一目散に裏山の秘密基地に走っていった。途中の公園で、とおる君が納豆のワラをもって待っていた。 

たっちゃんの頭にはすでに壮大な計画があった。秘密基地に巨大な古代住居を建てることである。ワラはなかなか貯まらないが、たっちゃんととおる君は地道に集め続けた。

「千里の道も一歩から」

おかあさんが前にそう教えてくれたのだ。古代住居の建設像をイメージするときの高揚感にはえもいわれぬ感動があるのである。 

他にはどんな資材が必要なのだろう。学校の図書館で調べてみよう。また、学校の図書館に行ってみた。

 

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2007.03.16 10:15 |  燕の飛ぶ街  |  Atsullow-s caffee  | 推薦数 : 1

Dream comes・・・・

「たっちゃんとつばこ」 第3羽「Dream comes・・・・」です。

 

 東京郊外の自然の中で育った 「たっちゃん」と旅のツバメの物語です。自然の偉大さと人間の存在意義を描いていきたいと思います。

 

第一羽ー第二羽を忘れた方は下記URLを御参照ください。

 http://blog.m3.com/Fight/20070311/1

 http://blog.m3.com/Fight/20070312/3

 

それでは、どうぞ。

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以前、たっちゃんはお父さんに聞いたことがある。

「どうして勉強しなきゃいけないのかな」

「おまえはお掃除も嫌いだね。勉強しないと、ゴミ拾いしか出来なくなってしまうからさ」

おとうさんは、図書館で借りてきたむずかしそうな本から目を離さずに面倒くさそうに答えた。 

「ふーん」

たっちゃんはがっかりして、おとうさんに叱られたあとのように下を向いた。 

「ゴミ拾いも立派な仕事だよ。」 

おかあさんはやさしく言った。

「それなら、なんで勉強しなければいけないの?」

「勉強は、ゴミ拾いの仕事にも役に立つのよ」

「それなら、オレ、野球選手になりたい」

「ところが、野球選手にも勉強が必要なのよ」

「え?どうして?」

「頭をつかわないと、試合に負けてしまうのよ」

「そうかなあ」

たっちゃんはまた、がっかりした。世界のホームラン王になることがたっちゃんの夢なのである。

「それなら、達哉は歴史がすきなんだから、勉強して考古学者になれば?」

「こ、こうこがくしゃ?」

「そう、考古学者。昔の人たちが、どんな生活をしていたかを考える職業よ。達哉が毎日見に行ってるうら山の貝塚は、昔のヒトが貝を食べたあとに貝殻を捨てた場所なのよ。」

たっちゃんは突然、うれしくなった。

「じゃあ、あそこにいる偉そうな先生たちはゴミ拾いをしているの?」

「そうよ。ゴミから昔の人の生活を科学的に証明する仕事なのよ。もちろん誰にでも出来る仕事ではないのよ。」

「それじゃあ、コウコ学者、がんばる。」

「たくさん、お勉強が必要だけど、達哉なら出来るわ。きっと。」

たっちゃんは、大まじめな顔つきをして頷いた。

「そう。がんばってね。」

おかあさんはニコニコしていた。

 

「すぐに飽きるさ。」

おとうさんがつまらなそうに言った。

おとうさんにこう言われることがたっちゃんをどんなに傷つけていたか、おとうさんは知らなかった。 

 

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2007.03.12 20:50 |  燕の飛ぶ街  |  Atsullow-s caffee  | 推薦数 : 0

山の海

「たっちゃんとつばこ」 第二羽「山の海」です。

 

 東京郊外の自然の中で育った 「たっちゃん」と旅のツバメの物語です。自然の偉大さと人間の存在意義を描いていきたいと思います。

 

第一羽を忘れた方は下記URLを御参照ください。

 http://blog.m3.com/Fight/20070311/1

 

それでは、どうぞ。

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8時27分。 学校の玄関で上履きに履き替えると、いつものようにとおる君が待っていた。いつもとおる君と一緒に教室に滑り込むことが日課だった。とおるくんは野球友達である。たっちゃんとは5歳のころから、もう3年間もバッテリーを組んでいた。とおる君がキャッチャーで、たっちゃんはピッチャーだ。

階段を駆け上がり、二階の一番手前の教室に二人でスライディング!!

 8時28分 セーフ。担任の先生はまだ来ていない。「今日は起きてから13分か。」記録更新は出来なかった。今までの最高記録は12分30秒。

たっちゃんは少しがっかりして、机から椅子を引き出し、つまらなそうに座った。 今日も つまらない授業がはじまる。 それでもたっちゃんの大好きな社会科の授業があるから、今日はまだましだった。

社会科の中でも、歴史の授業、特に縄文時代と弥生時代がお気に入りで、うら山の秘密基地にはたっちゃん特製の 「たて穴式住居」が建設中だ。

 

最近、うら山の幹線道路の工事中に、貝塚が見つかった影響が大きいようだ。

実はたっちゃん、毎日、この発掘現場を見に行っていた。

「この山まで海が広がっていたんだ!」

そう思うと、胸の高鳴りが止まらなかった。

 うら山に海の波がくるというイメージはどうしても信じられない。ゼロメートル地帯ならいざ知らず、こんな標高の高い街を見下ろす「うら山」に海がせまっていたなんて・・・・不思議な感触が、たっちゃんの幼いセンシティビティをくすぐった。  

つづく

 

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2007.03.11 10:36 |  燕の飛ぶ街  |  Atsullow-s caffee  | 推薦数 : 1

たっちゃんとつばこ

あたらしいシリーズです。自然の中でたくましく成長していく少年の話です。メルヘンのある話にしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
それではどうぞ。
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「ほら、寝ぼすけ!おきなさい!もう学校の時間でしょ!」
お母さんの声がけたたましく朝を告げる。
8時10分。
朝の連続テレビ小説がもうすぐ始まる時間だ。
「うーん、うーん」
たっちゃんはうなりながら、布団の中で もだえている。
・・・・5分経過。
8時15分。
連続テレビ小説のオープニングが流れ始めた。
「ごはん、用意してあるから、さっさと食べなさい。」
たっちゃんはやんちゃ盛りの小学校3年生。
小学校までダッシュで3分だ。
たっちゃんのお父さんは新聞を読んでいる。
「・・・・」
お父さんが白菜の漬物をいれてかき混ぜた納豆の一部を分けてもらい、 ごはんと味噌汁をほとんど同時にかき込んだ。
起床してから、ここまで10分経過。
「食べたら歯をみがきなさいよ!」
おかあさんは、たっちゃんの遅刻を促すようなことばかり命令する。 たっちゃんは5秒で歯を磨き、お母さんが用意してくれた服に袖をとおす。
「ほら!グズグズしないで!」
ここまで14分経過。もう、8時24分だ。
「あと4分もあるんだから、余裕だけどなあ」
階段を3段飛ばしで飛び降り、一気に4階を駆け下りた。
8時26分。
たっちゃんはお母さんがなんでそんなに慌てているのかわからない・・・そう思っていた。
そして今日も元気に学校に走っていった。 小学校とたっちゃんの家は自動車の通らない道を1本隔てたのみだ。 しかし、校舎と家の間には広大な校庭があるので、 実際は教室と家の距離は結構遠い。
たっちゃんは、学校の金網をよじ登って飛び越えた。
ジャングルジムとブランコの間を抜けると 広大な校庭が広がっている。 その校庭のど真ん中を砂ぼこりを上げながら、
ものすごい勢いで走っていった。

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