たける
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2006/10 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

以前に紹介をした「医学生のためのチュートリアル」と「チュートリアル(続き)」の続きです。
 
前回までの内容で、病気の予想は付きましたか?
 炎症所見がなく、肝腎機能、髄液検査、頭部CTでも異常ないが、脳波で高振幅徐波あり。
 
これまでのデータの総合解釈として、
 びまん性の脳障害が考えられるが、髄液検査と頭部CTでは異常がない。
 →「急性脳症の初期段階ではないか」ということを疑うコトが要求されていました。
 
医学生達には鑑別疾患を挙げさせて、それを見分けるための検査計画を立てさせます。
 培養検査やウイルス検査では有意な所見なく、代謝性疾患の所見なし、薬剤濃度も異常なし、
 などと、原因と考えられる検査はすべて異常なし、という設定でした。
 
 
その後、治療計画について討論させて、それが十分なモノであれば、その後の治療経過が書いて
あるプリントを渡します。(医学生達の討論の内容は省略します)
  
【入院3日目までの経過】のプリントには以下のように書いてありました。
  入院後、脳圧降下剤、ステロイド剤、抗ウイルス剤などの投与を開始。入院翌日も
 半昏睡状態で、数分間の全身性のけいれんを認めたため、抗痙攣剤を使用、その後も
 けいれんを繰り返したため、他の抗痙攣剤の使用を継続した。入院3日目までは上記
 以外の診察所見、血液データなどには大きな変化はなかった。
 
そして、3日目に実施した頭部CT画像を示しました。
初診時に比べて皮質と白質の境界が不鮮明になり、脳室と脳溝が狭小化して、脳浮腫が認められ
る画像所見です。
 
 
各種の検査に異常がないのに痙攣と意識障害が持続して、しかも3日目に脳浮腫が確認された。
ここで、医学生達は「あっ、やっぱり急性脳症だ、どうしよう・・・」となるワケです。
  
「どうしよう・・・」の意味することは、原因不明の急性脳症の今後について、
教科書には『死亡率50%で、救命できたとしてもその90%には後遺症が残る』
と書いてあるからなのです。
  
       注)あくまでも、仮想患者のシミュレーションですよ。
  
医学生達は悩みます。
もしかして死んでしまうかもしれない、助かったとしても後遺症が残る割合が9割も・・・
  
 「ってことは、この病気になったら95%はダメってコトかよ〜。」
 「なんで、こんなになっちゃうの、かわいそう・・・。」
 「親から訴えられたら、どうしよう・・・。」
 「この際、死んじゃうかもしれないコトをハッキリとさせとかなきゃいけないんじゃない。」
 「やれるコトをやった上で話さないとイケナイよ。」
                         等々・・・
 
ボクからは、「今後の診断、治療、家族への説明などについて討論をして下さい」と指示を
しました。
  
 けっして答えは一つではないのですが、医学生達の討論は続きます。
 そこで討論した事、その後、調べた事を合わせ、次週までにレポートを書くコトになります。
  
  
いかにして正解を導き出すかではなく、病気をどう考えるか、その後どうすればいいのか、
医学生達にはそんな事が要求されていました。
  
  
 ↓そこで、ボクからのアドバイスとしてお話ししたコトは・・・

続きを読む

固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)