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脳性麻痺と診断されたコドモに補償金を出すことを検討。
毎日新聞の記事です。
→医療事故:「無過失補償制度」創設へ 自民が検討会を発足
朝日新聞の記事です。
→お産の事故に「保険」制度 産科医不足解消ねらい厚労省
医師の過失の有無は問わないということですが、分娩時に関係がない場合はどうするんでしょうか?
脳性麻痺の原因は分娩時以外の出来事も含みますし、むしろ、その方が多いくらいです。
→Wikipedia:脳性麻痺
> 脳性麻痺(のうせいまひ)は、受胎から生後4週までに何らかの原因で受けた脳の損傷によって
> 引き起こされる運動機能の障害をさす症候群。生後4週以降に発症したものや、一時的なもの、
> 進行性のものは含まれない。
何でもお金で解決できると思ったら大間違いです。
カネをやったんだから訴えるな! という理屈では困ります。
良い制度が整うまでは、仕方がなくお金で解決するしかない、ってコトならしょうがありませんが、厚労省はそこまでは考えていないんでしょうねぇ・・・ (ボクの提言は最後の方に)
関連することをイロイロと検索していたら、毎日新聞の記事について
yosyan 先生のブログ「新小児科医のつぶやき」でコメントがありました。
ボクも、この制度が、良い方向で現実となることを期待しています。
また、将来的には全ての医療に適応されていくと良いと思っています。
(→小松秀樹著:医療崩壊「立ち去り型サボタージュ」とは何かを参照、
Amazon のカスタマーレビューも参照)
さて、話は少し戻りますが、コドモが出産時の脳性麻痺ではなかったらどうなるんでしょうか?
(っていうか出産時の脳性麻痺って定義はあるのかなぁ?)
当然、お金はもらえませんよね。
障害を評価して補償金が支給されるかどうかを判断するのは小児科医になりますが、ボクは一部のコドモだけに支援が届くように振り分けるコトはするべきではないと思います。
みんなに広く届けるモノだと思います。
ハンデを持ったコドモと家族たちが欲しいのは、お金よりも「気持ち」です。
本当に必要のは障害に対する「理解」と「思いやり」なのです。
それが得られないので訴訟という手段に出るしかないのだと思います。
まず、やらなければならないことは育児情報の訂正でしょう。
周産期における、理解とは「一定の割合でハンデを持つコドモが生まれること」「母体にも危険を伴うこと」
産 婦人科の外来や母子手帳、育児書などには「一定の割合で障害を持つコドモが生まれる」ということ、「お産には母児ともにリスクを伴う」、「高齢での出産は さらにリスクが高い」ということ、「何もなかったら、とても喜ばしい」ということを、そして「お産が安全なコトが当たり前ではない」ことをハッキリと書く べきです。
良くないコトを書くと不安をあおるので、良いことしか書かないというのは「間違った情報を提供し続けているんだ」ということにみんな(とくに行政側)に早く気づいて欲しいのです。
→贅沢なお産(続き)
「五体満足に生まれたら、とても喜ばしい」とう気持ちが共有できれば、近年の周産期医療は変わっていくのではないでしょうか。(以前の姿にもどるということ?)
嬉しい気持ちが伝われば、産科医だってモチベーションが上がるでしょうね。
また、社会啓発も必要だと思います。
思いやりとは「ハンデを持ったコドモでも楽しく暮らせるようになること」
まずは社会福祉制度を充分に整えること。そして、行政だけに任せるのではなく、個人個人が手をさしのべることができるようになること。
今の日本では健常なコドモでも楽しく暮らせなくなっていますが、障害の有無とは関係なく、コドモ達が暮らしやすい環境を整えて欲しいモノです。 → 同時に少子化対策にもなると思います。
育児に対する不安や不満が産科医や小児科医への攻撃となり、さらには日本での少子化を招いているのではないでしょうか。
さて、長々と書いてしまいましたが、結論です。
行政には「育児情報の訂正」や「社会啓発」のためにも行動してほしいのです。
→それが教育改革(日本人の意識改革)であってほしい
すぐにはカタチに現れないコトは、予算が通りにくいのかもしれませんが、
それを実行するのが政治だと思います。
新しい首相が言う「美しい国、日本」には、こんなコトも含めて欲しいと思います。
↓続きは新聞記事の全文です
医療事故:「無過失補償制度」創設へ 自民が検討会を発足
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060908k0000m010012000c.html
毎日新聞 2006年9月7日18時00分
自民党は7日、「医療紛争処理のあり方検討会」(座長・大村秀章衆院議員)を発足させ、多発する医療事故への対応策づくりに着手した。当面は、出産時の事 故に関し医師の過失を立証できなくとも患者に金銭補償する「無過失補償制度」の創設に向けた議論をスタートさせ、年内に法案化への道筋をつけることを確認 した。
医療事故に絡む04年の民事訴訟は1110件で、10年前の約2倍。うち産科は143件で、件数では(1)内科(272件)(2)外科 (228件)などに次ぐ4位だが、医師1000人当たりでは11.8件で最も多い。厚生労働省は「産科医の不足は訴訟リスクの高さが招いている面もある」 とみており、被害者救済策に加え医師不足対策にもなるとしている。
同制度に関し、日本医師会は税と妊産婦負担を財源とするよう主張しているが、 政府は医師側に負担を求める考え。同検討会は厚労、法務両省、警察庁と財源や運営主体、補償すべきケースなどを検討し、年内に結論を出す方針だ。その後 は、第三者機関による事故原因究明制度なども議論する。【吉田啓志】
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お産の事故に「保険」制度 産科医不足解消ねらい厚労省
http://www.asahi.com/life/update/0928/005.html
朝日新聞 2006年09月28日11時45分
厚生労働省は、出産に伴う医療事故の被害者を救済する制度の創設に乗り出した。「無過失補償制度」といい、産科医の過失が認められなくても、障害を負っ た赤ちゃんや親に補償金が支払われる「保険」だ。過酷な勤務や訴訟リスクなどから進む深刻な産科医不足を解消する狙いもある。日本医師会も制度導入を訴え ているが、補償の財源をめぐる考え方などに同省と日医との間に隔たりがあり、実現までには曲折もありそうだ。
厚労省研究班の調査によ ると、出生数2000人あたり1人以上に脳性まひが発生している。医療事故には、日医の医師賠償責任保険などがすでにあるが、適用には医師の過失認定が必 要。民事訴訟で争うと長期間かかるうえ、認定されれば賠償額が数億円に及ぶこともあり、産科医のなり手が不足する一因と言われている。最高裁のまとめで は、産婦人科医1000人あたりの04年度の医療事故訴訟件数は11.8件。次に多い外科は9.8件、内科の3.7件などと比べ圧倒的に多い。
厚労省によると、医療機関に勤める医師の数は毎年3、4000人増えているが、産科と産婦人科の医師数は約1万600人(04年)で、10年前より約800人減った。
そこで、厚労省は、産科医不足解消の「切り札」として、補償制度の創設を目指すことにした。年内に制度の大枠をつくる方針で、自民党と協議に入った。
この制度では、日医が8月、独自案を作成。体重2200グラム以上、34週以上で生まれ、出産時の脳性まひで障害1〜2級と診断された赤ちゃんを救済す る。生後5年までに一時金2000万円を支払い、その後の介護費用などを年金形式で支給する内容。財源は、脳性まひの発生数などから年間60億円と算定 し、制度を維持するには公費支出が不可欠としている。
これに対し、厚労省は公費支出には否定的だ。「医療行為はあくまで医師と患者との民 間契約」(同省幹部)との立場で、医療機関中心の負担を検討している。このほか、救済対象を重度の脳性まひに限定するのか、制度運営をだれに任せるのか、 他の障害者への補償制度とのすみ分け、などを詰めている。
同省研究班の04年度の試算によると、救済対象を軽症の脳性まひまで広げ、民事 訴訟の補償額を参考に算定すると、必要な財源は年間約360億円。産科医が出産1件につき2万円の掛け金を負担し約220億円を工面、残り約140億円を 公的補助などでまかなえば運営できるとした。
研究班の岡井崇・昭和大教授(産婦人科学)は「きちんとした制度をつくらないと、絵に描いた餅になり、元通り民事訴訟による解決に頼らざるを得なくなる」として、性急な制度創設の動きを批判。慎重な議論が必要だと訴えている。
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もし遡及措置が大規模に行なわれれば、支給方法によりますが初年度は巨額の財源が必要になります。また遡及処置をしない、もしくは遡及措置対象者の補償を大幅に削れば大きな不満の声があがると思います。この点も注目して見ていく必要があります。
海外旅行に行く時に、何かあったときの盗難保険や旅行保険の掛け金は利用者が負担して掛け捨てで行います。
そういう相互扶助の考えでなければ、ならないと思います。
このニュースをいろんな先生のブログで読んでから思っているんですが、厚労省は本当にこれが「産科医師不足解消の切り札」だと思っているんでしょうか?
だって「公費」の負担はしたくなくて、医療機関と患者で負担しろ、ってことですよね。
過失があって補償するのならまだしも(まぁ、過失の認定もなんだか変みたいですけど)、過失が無い場合も補償しろ、って言っているんでしょう?
要するに「患者に何かあったら医師がすべて責任をとれ」と言っているような気がしてなりません。
この制度で「これで何があっても大丈夫。産科医師になろう」と思う人がいるのでしょうか?
ちなみに医師に負担させるといっても、結局は患者さんに上乗せして請求するだけかな?なんてことも思ってしまいます。健康保険じゃないだけに可能なのではないですか?
あと、先生のおっしゃる通り、出産の情報をもっと正しく伝えるべきだと思います。
私たちがよく聞かれるのが「妊娠しているけどこの薬を飲んでも大丈夫ですか?」「薬を飲んだのですけど大丈夫ですか?」と言う事です。
説明をするときに思うのは、「五体満足で産まれるのが当たり前」と思っている方が多いと言う事です。
そうではないこと、薬を飲まなくても障害をもった子供が生まれる可能性はあることを伝え、薬を飲んだ場合との比較を話すのですが、まずそれを理解してもらうのが大変です。
もっとそういう情報が表に出てほしいな、と思います。
なんだか何を書いているのかわからなくなりました。
うまくまとまらないままフェードアウトしちゃいます。
そうそう、先生たちが忙しいのは百も承知ですから、コメントの返事とか気にしないで良いですからね。
ちょっと考えてみただけでも、支給の対象者を決めるのはタイヘンですねぇ。
症状の判断だけでなくて、誰をいつから対象にするか、そして先生のおっしゃるようにいつまで遡るのか。
訴訟を抑制することを目的としているから、時効が成立するまでなんでしょうか?
いずれにしても支給額はかなり金額になるので、線引きはとても難しく、この制度の導入が難航しするのは明らかですね。
さらに現場で判定をするのはボク達小児科医で、その後のケアをするのもボク達ですよねぇ・・・
なんか、イヤ〜な予感がするのは、気のせいでしょうか?
医師側の負担にすると産科医の減少はさらに進行するだろうし、利用者負担にしても少子化は止まらないと思います。「産科医療の崩壊」も「超少子化」も国の問題なので、財源はやはり国から支出しないとダメなんじゃないでしょうか。
でも、うまくいくのかどうか・・・
日本の医療の現状は医師の多大なる犠牲の上に成り立っていることを理解する(=理解させる、かな?)にはどんな方法が良いんでしょうかねぇ・・・(^_^;;
これは「産科医師不足解消の切り札」ではなくて、「無過失補償制度」を産科医療に導入したらどうなるかを確かめたいんじゃないかと疑ってみたりして・・・(^_^;;
また、正確な出産の情報は産科で提供・指導して欲しいと思っているのですが、現実はマスコミや育児雑誌に頼ってしまっているんだと思います。せめて、母子手帳くらいは正確にして欲しいのですが、ダメでしょうねぇ・・・
脳性麻痺の定義は先生がお書きになった通りですが、軽症のものは1ヶ月検診でも判断が微妙なものは多くあります。もっと言えば3ヵ月の定頚不良あたりから分かるものもありますし、9カ月のつかまり立ちをしないあたりから疑うものもあります。
これらは従来発達不良としてきましたが、軽症の脳性麻痺の因果関係をどう判断するんでしょうか。医学的には証明不能ですが、何と言ってもお金が絡むと人は豹変します。下手すると自閉もからんできます。そんな訴訟も起こっています。
ここは定義の問題ですが、自閉はともかく発達不良と軽症のCPの線引きを明確にしてくれないと、小児科医は診断を脅迫される可能性が出てきます。さらに嫌な想像ですが、仮に補償の申請期限が生後3ヶ月あたりで切られたりすると、最悪「見逃し」として訴えられる可能性さえ生じます。
私の不勉強かもしれませんが、CPと発達不良の線引きは明確なものは無かったかと思います。もちろん分娩時も含めての因果関係もです。漠然と出生時から引き続いてあるものをCP、最初は気がつかなかったものを発達不良としているような気がします。
補償制度が出来たなら、ここの判定基準をよほど明確にしてくれないと小児科医は非常に困った立場に立たされるような気がします。
心配し過ぎかもしれませんが、なんでも訴訟の種になる時代ですからね。
やっぱり、判定基準を明らかにすることは難しいですよねぇ・・・
今頃、小児神経学会は大騒ぎになっているんでしょうか?
そして、その後のフォローまで考えると、さらに心配です。
発達に心配があるお子さんは、小児神経外来や発達外来などに通うことになりますが、補償金をもらったヒトともらえなかったヒトが同じ待合室で待っていて、「あなたは補償金はもらえなかったの?」なんて会話が聞こえてきたら・・・
いや〜、想像しただけで恐ろしいです (^_^;;
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