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精神科救急も潰れていた...京都ですら



いや、前からそうだったのだが...

 私が病院に勤務していた頃から、京都では、もし救急で搬入された患者が精神科対応が必要な患者であったとしても、深夜や休日であれば、京都市内で受入れる病院などほとんどなく、仕方なく南に隣接する宇治市まで依頼を広げなければダメだったのだ。



あれから10年近く経った今...



 ある日、私のクリニックに20台の女性が母に伴われてやってきた。かつて病院時代に何度か治療にあたった患者だった。母は当然として、私を頼って連れて来た。

主訴は頭痛と嘔吐、ということだった。

 そういえば、昔に診たときも頭痛の訴えだった。

 しかし、今回は、様子がおかしかった。

はじめこそ、問診にそこそこ答えていたのだが、途中からまるで子供のように「おかあさ〜ん!」と母に抱きついたり、トイレに駆け込んだり、急に叫んだり、..間もなく、状況は、だだっことなった娘をあやす母といった状況になった。

   
・・・・・なにせ小さなクリニック

 処置室に母娘がいると、安静に点滴する患者さんはたまったものではない。

 さりとて、待合室で2人が騒いでいると、他の患者さんはイッキに血圧が上昇してしまいそうだ。ふだん見かけない光景に、ある患者さんは、本当に血圧が170くらいまで上がってしまっていた。また、ある患者さんは、相当ショックを受けたことが表情からありあり、だった。

 そして、また別の患者さんは、真顔で私に尋ねた。

  「
先生は、神経科ですか?

え?........

「あ、あのね、あんたは1年以上ここに通院してるでしょ? 私は内科医ですよ。」

とまあ、皆さん、あまり口には出さないが、目の前で起こっている状況に、かなり動揺してしまったようだ。

 看護師もどうしていいかわからない....。



とりあえず、救急隊に転送を依頼してみよう。

119に電話し、事情を話した。しかし、極めて事務的な返事が返って来た。

あの〜、京都市では精神科救急を搬送する病院がないので、そのような場合、まず保健所へ連絡してもらうことになっています。

え? 来てもくれない? (昔は、とりあえず病院まで来てくれたと思っていたが..)

仕方なく、かなり強引に暴れる患者を車椅子に座らせ、急いで保健所に連絡すると同時に、タクシーを呼んで、保健所に直行させることにした。

 車椅子で玄関まで運ぶところではかなり抵抗した患者さんだが、どうやらタクシーに乗るところは思ったよりスムーズだったみたい。

もっとも、保健所も、「今、そちらへ行かせました。」と言ったら、

「え?? もうこっちに向ってるんですか??」

かなり焦っている様子だった...。



   ===================



 このような患者さんは、救急病院であればいやでも経験するだろう。そして、ウチでは診れないよ〜〜!、と大騒ぎになるのだ。

 いっぽう、医師ひとり、看護師ひとり、受付ひとりしかいない小クリニックにこういう患者さんがやってきたら...。

 とにかく、完全にしばらく診療がストップしちゃうのよ....。

 ヘタすれば、今後の診療にも大きな影響が出るかもしれない....。

というわけで、約30分程、ほとほと困っちんぐ状態を味わった。



 後で聞いたのだが、やはり今でも、精神科救急となると、京都市では受けるところはないようで、結局、宇治市まで送らなければならないらしい。

 もっとも、保健所では独自のルートでいろんな病院に相談を持ちかけるらしいし、

また、ある精神科開業医の話では、結局、個人的なルートで知り合いのいる病院に頼めば、何とかなる、ということだ。



 まあ、精神科で入院となると、指定医がいろいろ書類を書かなければ入院できないので、指定医でない若い医師が当直をしていれば、指定医を呼び出さなければならない。

 昨今の医師不足、医療費削減の影響も当然大きいし、制度の問題も大きい。

  精神科医療を総合的に見直すべき時期に来ていることは確かだろう。

   なにせ、年間3万人以上が確実に自殺する民主国家?だ。

    そして、
全国で最も医師数が多いはずの京都ですら、この有様なのだ



 精神科救急の問題については、私が3年前、ブログを始めた頃から何度か書いたのだが、事態はやはり何一つ改善していない、ということを実感した次第。

 私は、こんなことからも、
政権交代が絶対必要な時代だ、ということを実感する。

(ちなみに、今日の症例、内科医の私は、Mental Retardationのhystery反応、と感じたのだが、実際はどうなんでしょうね? まあ、片頭痛と過換気症候群もありそうだけどね..)



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