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『あほう』が語る『善良な医師も逮捕される理由』
次の文を読めば分かる。オザワの秘書に起こったことは、すべての日本国民に起こりうる。つまり、医師にも起こるのである。
http://www.comp-c.co.jp/pdf/20090528_issue.pdf
首相が「罪を犯す意思がない行為でも逮捕される」と公言する国
名城大学教授・弁護士 郷原信郎
5月27日の党首討論の中で、麻生首相の口から、耳を疑うような言葉が発せられた。
「本人が正しいと思ったことであっても、少なくともは間違った場合は逮捕される」
鳩山民主党代表が、企業団体献金の廃止の問題に言及したのに対して、麻生首相は、小
沢前代表の秘書の事件とそれに関する説明責任の問題を持ち出した。そして、鳩山代表が、
「小沢前代表は第三者委員会の場で説明責任を果たした」と述べた上で、企業団体献金を
廃止すべきとする理由について、「正しいことをやっていた、全部オープンにしていた。で
もそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を絶たなければいけない」と述
べたことに対して、麻生首相は、次のように発言した。
麻生 いろいろご意見があるようですけども、まず最初に、先ほどのお話をうかがって、
一つだけどうしても気になったことがありますんで、ここだけ再確認させていただきた
いのですが、正しいことをやったのに秘書が逮捕されたといわれたんですか
鳩山 本人としては、政治資金規正法にのっとってすべて行ったにもかかわらずと。これ
は本人が昨日、保釈をされました。そのときの弁であります。
麻生 基本的にご本人の話であって、正しいと思ってやったけれども、法を違反していた
という話はよくある話ですから。少なくとも、それをもって国策捜査のごとき話にすり
替えられるのは、本人が正しいと思ったというお話ですけれども、本人が正しいと思っ
たことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。
それは国策捜査ということには当たらないのではないかと私どもは基本的にそう思って
おります。
麻生首相は、政治資金の処理に関して、本人は正しいと思っていても間違っていた場合、
つまり、「正当だと思って行った処理が結果的に虚偽だったことが判明した場合」には逮捕
される、と述べた。今回の小沢氏の秘書の事件に関して「本人が正しいと思ったこと」と
いうのは、「政治資金収支報告書の記載が正しいと思っていた」ということであり、要する
に「虚偽だとは認識していなかった」ということである。その場合でも、間違った記載を
した場合は逮捕されると言い放ったのだ。
一国の総理が、国会の党首討論の場で、「罪を犯す意思がない行為」でも、結果的に間違
った記載をしたら逮捕されると堂々と公言したというのは、信じられないことだ。
刑法38条1項に「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。」と規定され、犯意が存在す
ることが刑事処罰の大原則であることは、刑法の基本中の基本である。検察庁を含む行政
組織全体のトップである麻生首相が、その基本原則に反する発言をしたのだ。
西松建設関連の政治団体から小沢氏の資金管理団体「陸山会」に対して行われた寄附が
政治資金収支報告書の虚偽記入に当たるとされて秘書が逮捕・起訴された事件については、
そもそも、寄附者を政治団体と記載したことが虚偽記入に該当するのかどうかに重大な疑
問がある。つまり、資金の拠出者の記載を求めていない現行の政治資金規正法の下では、
実質的な資金の拠出者が西松建設であっても、寄附者として記載すべきは、自らの名義で
寄附という行為を行った政治団体ではないか、という点、つまり収支報告書の記載が客観
的に虚偽と言えるかどうかが問題となる。そして、仮に、客観的に虚偽だと認められた場
合でも、逮捕された会計責任者の側が、収支報告書作成の段階で虚偽だと認識していなけ
れば犯罪は成立しない。
そして、重要なことは、小沢氏側にだけに犯罪が成立し、同じ政治団体から寄附を受け
取っていた自民党議員側には成立しないとすれば、その理由は、「客観的には虚偽であるが、
虚偽だとの認識、つまり犯意がない」ということしかあり得ない。鳩山代表が、小沢氏の
側だけが逮捕され、自民党議員側は何もおとがめなしだということを問題にし、その際、
漆間官房副長官の「自民党議員には捜査は及ばない」という発言を取り上げているが、こ
の漆間氏の発言を正当化する余地があるとすれば、その唯一の理屈は「自民党議員側は犯
意が立証できない」ということのはずだ。
ところが、そこで、鳩山代表に対する反論として麻生首相が持ち出したのが、「犯意がな
くても逮捕される」という話なのである。これは、自民党議員に捜査が及ばないことを正
当化する理屈をすべてぶち壊す発言でもある。この考え方に基づいて、検察が捜査をする
とすれば、西松建設の関連団体から政治献金を受けていた自民党議員側もすべて逮捕しな
ければいけないことになる。ところが、ここで、麻生首相は「国策捜査」という言葉を自
ら持ち出しているが、虚偽の認識がなくても収支報告書の記載が誤っていただけで逮捕で
きるというのであれば、自民党議員側に捜査が及ばない理屈をすべてぶち壊しているに等
しい。
このような討論が、国会の党首討論の場で、真面目な顔で行われているという現実には
到底ついていけない。こういうことは、麻生首相がお好きな、マンガかギャグの世界でし
かありえないはずだ。しかし、現実に国会で首相がそういう発言をしたのであり、しかも、
信じられないことに、党首討論について報じる新聞に、この「犯意がなくても客観的に誤
っていたら逮捕される」という麻生発言を問題にする論調は見あたらない。法治国家にお
いては絶対に容認できない国会の場での首相の発言が、何事もなかったように見過ごされ
ているのである。
これは、単なる「間違い」とか「無知」というレベルで片付けられることではない。犯
意がなくても逮捕できる、首相が公言し、それが許容される。戦前の治安維持法の世界を
思わせるような恐ろしいことがこの国に起きている、という現実に、我々は向き合わなけ
ればならない。
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ちなみに、この文章を紹介しているのは、週刊朝日の編集長、山口一臣氏。
看過できない党首討論での麻生発言
http://www.the-journal.jp/contents/yamaguchi/2009/05/post_77.html
ついでに、これも紹介しておこう。元検察の堀田力氏。例の第三者委員会で検察擁護の発言を長時間繰り広げたが、昨年発刊された『日本の論点2008』で、すでにその考えは述べられていたのだ。世論さえあれば何でもしょっぴける、とでも言いたいかのような論理構成は、正直、ぞっとする。特に、世論というものが、偏向したメディアによっていかようにでも作り上げられる現代においては...。
検察の正義とは何か
検察権の行使が正しいかどうかは、国民の納得が得られるかどうかである
http://www.t-hotta.net/teigen/seiji/080214_kensatsuken.html
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コメント
コメント一覧
人は見かけ?によらない・・ということですね。怖い怖い。
私もお勉強になりました。。
それにしても郷原元検事のような方がおられて本当に良かったなあ・・とつくづく思いました。
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