Doctor Takechan
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

< 医療に口出す天下り | メイン | 専門医は減らすべきか? >






ブログ1024htm

医療事故調は密かに進行す..



 
現場で必死に働く医師には医療事故調の話がどこでどう進んでいるか、なんて、ほとんどわからない。メディアも面白おかしく国会の議論やら、またやらかしたあほう総理の読みまつがいなんぞをイジっているだけだ。産経にいたっては、いまどき、野党批判の記事をちりばめて、何とか財界、政府におもねろうと必死だよ..。

 それにしても、官僚の用意した答弁書を国民に対する責任のカケラも感じさせずにナメきった態度で棒読みする総理大臣の姿を見て何とも思わないのかね?

 そして、答弁書を全部?官僚に用意させておきながら、その官僚の“渡りの帝王”谷にケンカを売るフリをしている総理大臣ってのも、滑稽ですらあるな..。

 本気で、公務員制度改革やる気あるの?

 でもって、混沌とした表舞台の政治のウラで、われわれはおろか、国民の命もかかっている“医療事故調査委員会”のお話は、これまた厚労省の引いたレールの上をひた走っている...。


        ==============

これまた、叱られるかな? ロハス・メディカルのニュースから、また勝手に引用させて頂きます..。なにせ、こういう情報を医療者も知ってないと、将来に禍根を残すから,,,,,。なお、こちらでこれまた勝手に、文章を削っています...



医療事故調の地方説明会in仙台



(2009年1月25日 20:16)

http://lohasmedical.jp/news/2009/01/25201637.php?page=1

コーディネーターによれば聴衆の9割が医療者だという。その意味では、国民に対する説明というよりは医療者に対する説明色が濃いようで、これはどこの地方(で行われる説明会)でも似たようなものらしい。

パネリスト

深田修・厚労省医政局総務課長(佐原医療安全推進室長の上司)†

田林晄一・東北大教授(モデル事業・宮城県地域代表)†

今明秀・八戸市民病院救命救急センター所長†

嘉山孝正・山形大医学部長†

永井裕之・医療の良心を守る市民の会代表(広尾病院事件被害者遺族)†


の5人。

 深田、嘉山、永井の3人に関しては他の地域からお呼びがかかってもおかしくない全国版の人たちで、これだけのメンツが揃えば、単に検討会の内容を要約して繰り返すのではなく、実体のある議論になるんではないか、と期待した。

 しかしながら結論から先に言えば、この段階で
説明会なんてやるだけ無駄というか、軋轢を増すだけじゃないかと以前していた予測がイヤになるほど的中してしまった。

「医療者」と「医療被害者」との対立を先鋭化させただけで、税金の間違った使い方と言わざるを得ない。
やらない方がマシだったと思う。



深田課長がプレゼンの最後に明らかにしたこと

法が成立した暁(現下の政治情勢では絶対に成立しないんだが)には3年程度の移行準備期間が必要であろうと考えている。1年目は現在10ヵ所のモデル事業を続け、2年目、3年目と徐々に実施地域を拡大していく

あまりに労力がかかり過ぎて掛け声倒れになっているモデル事業。その延長線上に医療事故調を位置づけるしかないということのようだ。そういう思惑があってのことか、実は今日になって気づいたことなのだが、
昨年8月に岡山、10月に宮城でモデル事業が新たに立ち上がっていたらしい。ただし当然のように両県とも実施が1件もない。事業だけがある。だから田林教授に関しては、自分の体験として語るべき内容を何も持っていない。



 モデル事業の延長線上に位置づけるんであれば、当然のことながらその総括は欠かせないはずで、それもしないで地方説明会を開いてもまったくナンセンスだ。実際には昨年11月の検討会でモデル事業に関与した方々がどれだけ苦労しているか、かなり詳しくヒアリングしたのだから、そこを議論の出発点にしないと訳分からん。



なお、コーディネーターを河北新報の記者がしていた。この問題についてどの程度の知識があったのだろうか。過去17回も検討会をやって、なおこの状況なんだし、民主党案も別にあるのだ。検討会の議事録を読んでからコーディネートしていれば、「
なぜこんなに話が噛み合わないのか」という司会進行をできたはずで、そうであれば逆に接点ができたかもしれないのに。



   =======ここから実際の議論に入る=========

 (注目は、やはり医療側の
嘉山先生と被害者側の永井氏の考えの違いだろう)

大江†「総論としては医療側、患者、住民サイド、誰も反対する立場の人はいない。しかし第三次試案や大綱案を個別具体的に見ていくと、ここはどうなんだろうという話や、あるいはここがもっと良くなるというのがあるんだろう。今後医療安全調査委員会を立ち上げていくうえで、この点だけは強調しておきたいということがあれば。まず嘉山先生から」



†この冒頭の発言を聞いただけで、ああこの人(大江氏)は経過を何も知らないんだと思った。本当に検討会の最初から、総論では誰も反対していないけれど各論では全く一致しないというのが2年続いているのに。厚労省から適当にレクチャーを受けて、分かった気になったのだろう。繰り返しになるが、直近3回だけでも議事録を読んでおけばよかったのに。



嘉山†「
その前に、この並び、大江先生が決めたんじゃないだろうが、最初が深田さんで最後が永井さん、こういうのは心理的にいろいろ影響がある。それはそうと永井さんは本当にヒドイ犯罪に遭われたと思う(注:永井氏は奥様が医療事故で亡くなられている。点滴に誤って消毒薬を入れる、というミスが原因だった。)。それは本当に気の毒に思うのだが、しかしその衝撃が強すぎて発言に国民が医療を育てるという観点が抜けている。というのが間違ったことをかなり言っている。

 たとえば医療安全室、国立病院機構でも何でも専従者を置くように厚労省から通知が出ていて、どこでもきちんと置いている。訂正してほしい。それから医療事故が増えているか減っているか分からないというが、そもそも永井さんは医療事故を定義していない。医療は安全でないというのは開き直りだという発言もあったが、まじめに医療をやっていればやっているほど100%安全なんて言えるはずがない。そういうことはテレビでインチキ医者が言っているだけだ。生物なんだから、薬を入れた時のサイトカインの出方もみんな違う。†

 根っこの部分では永井さんと同じだと思うのは、今が信頼を取り戻すいいチャンス。そのために患者の苦痛を医療側が真摯に受け止めなきゃいけない。しかし永井さんの話し方は医療側の聴く気を削ぐ。というのがエビデンスに基づかないから。それだけヒドイ目に遭ったんだということは分かるが、むしろ信頼関係を崩している。もちろん我々医療側が自律自浄をしてこなくて、それが必要なことは間違いが今は情報を出し合って、医療を国民が育てていくべきとき。永井さんには我々の仲間になって、本当によい医療をつくるために一緒にやっていきたい。†そもそもが日本の医療費、高等教育費がとんでもなく低いことが根底にあるんで、この問題についても大綱案では財政も何も触れられていない


大江†「制度的には法に明記される部分にとどまっているということだろう。モデル事業を通しての課題は何だろうか。今後、具体的にフィードバックすべきことはないか。田林先生」†

これも繰り返しになるが、田林教授は実はモデル事業実施の経験が一件もない。そして、モデル事業でどんな課題が浮かび上がったかは、直近の検討会で4人もの人が懇切丁寧に説明している。直近の検討会の内容をご存じない方はぜひ読んでみてほしい。

田林「4点ある。制度を立ち上げた折には24時間受付にする必要があろう。調査委員の権限も法的に記載される必要がある。3つ目に患者側・医療側双方に†である(聴き取れず)ことが大事。4番目はこの委員会は厚生労働省や内閣府の下請け機関ではなく独立させることが大事。3条委員会と8条委員会というのがあるが3条委員会として独立性を持たせる。以上のことが必要だと考える」

大江†「先ほど負担増という話をされたが、救急医療の現場からこのポイントはということがあれば」

今†「調査委員会をきちんとやることはもちろん大事。ただ委員会が対象にする医療事故と警察が捜査に入るような事故とでは、救急現場がよくなる調査は違う。救急医療がよくなるには徹底的にやることだと思う。警察が線引きしてくれれば思い切ったことができる。しかし線引きが時によってぶれるので思い切ったことをやる人がいなくなる。私も、お前いつまで救急医をやるつもりだと言われる。ぴしっと誰かが線引きしてくれたら、その線までは徹底的に治療できる」

大江†「医療側の情報の伝え方や姿勢について強調されていた。全国的組織と地方委員会に望みたいことは」

永井†「
その前に嘉山先生のクレームにお答えしたい。医療安全の部署はそれぞれの病院につくっているけれど、私に言わせれば形だけのところが多い。一番の問題は院長自らが責任を持ってやっているところは少ない。私なんかが講演する時も、院長は必ず出席してくださいというのだけれど、院長が出てくる病院は少ない。ちゃんとやっているというなら、その病院で事故にあった被害者遺族の色々な話を本当に聴いていただきたい。被害に遭った人に話をさせてほしい。それから言ってほしい。現実は形だけだ。医療の不確実性について、私などは事故に遭ってから時間が経っているから理解しているつもりだが、ほとんどの人がこういう医療安全調査委員会ができても医療側にいいようにやられるんじゃないかと思っている。そこを医療界に任せると言っているし、先生の現場だって第三者委員会をつくっているのに、なぜこの委員会を医療者がしっかりやろうとしないのかが分からない

嘉山「
気持ちは分かるんだが、しかし永井さんのところに自称被害者だと言って来ている人が本当はどうなのか。被害者といっても病気が重すぎてという被害者かもしれない。その辺が永井さんの話からは分からない。だってエビデンスがないから。公正中立と言いながら遺族側を入れろと言っているけれど、遺族側が入ったら公正中立ではない。言っていることが矛盾している。我々が今反対しているのは復讐の色が強すぎて、これでは誰も情報を出さなくなっちゃうからだ。重い病気で結果が悪かった人まで被害者だと、大野病院事件の遺族もまだ被害者だと言っているようだが、医療事故の定義がハッキリしてない。だからそこは互いに情報を出し合っていくしかない。永井さんの主張からは、医療者は嘘つきだから警察に捜査してもらうんだというコンセプトしか見えない。それでは、おっかなくて現場はどんどん萎縮していく。法を厳しくすれば官僚や官庁は責任逃れできるけれど、それでは社会が崩壊しちゃう」

永井†「
最後のところは全く同じ。だが、そこに行く前、最初に納得いくように説明されていない。理解できないうちにシャットアウトされて、それからはクレーマーだと言われる。納得できるように説明されてないんだから

嘉山†「
やってないというエビデンスを出してくれ。事実を出してくれれば、私は全国医学部長病院長会議の医療事故に関する長で、処分することだってできるんだから」

大江†「出発点は違うが2人の言っている情報公開とか説明責任とかは同じなので、お互いに歩み寄ることで差は埋められるのでないか。従来の司法手続きから独立して再発防止につなげるんだという点では異論ないんだと思う。信頼回復とか独立性とか事故とミスの線引きとかのために、では委員会は何ができるのか。そうはいっても事故調の実態が不明なままだと疑念を抱かれてしまうのはあるのだろうが、共通しているのは独立して儲けられる調査委員会の公平性や透明性という点では皆さんの意見は一致する。今後法案化していくにあたって、どういう形で国は進めて行くのか


深田†「独立性というのは、どこの役所に置くかということになるだろう。3条とか8条とか出ていたが、正直そこまで議論できていない。大事なことは、大綱案には委員は独立して権限を行使すると書いてあることで、大臣や行政当局が何か言うのはできないし起こしてはならない。報告の取り扱いに関しては、プライバシーの関係があるので、まずそういうところは除いて、そのうえで重要な点があれば提言なり勧告なりにつなげるという形で進めていきたい。それから誤解があるようなので断わっておくと、委員の中に入る『医療を受ける立場の者』というのは、被害を受けた方ではない。当事者を入れることではない。線引きを明らかにすることは、ご指摘のとおり大事だが、しかし言い表し難い。個別事案に即して判断していくしかないと思う。そうはいっても不安は分かるので、我々の方でも事例をまとめて、ご意見をいただけるようにしたい」

大江「どういう立場の人が調査委員会に入るのかという問題。医療者中心になるのはいた仕方ない。専門的な話なんだから。しかし従来の病院内の調査は必ずしも患者が理解しえないことがある。当事者でない形の住民や法曹界の人間が入ることは必要でないか。その辺どのようなバランスがよいのか、外の目を入れるために望むことは、永井さん」

永井†「
それは中央委員会の話か

大江†「当然、調査チームは医療的なものが重くなるかと」

永井†「
専門的に評価するのは医療者しかできない。ただし、その過程が普通の医療者が見た時、一般市民から見た時に本当にきちんと意見を言える人たちの集まりなのかというのは問題だ。学閥とか学会のしがらみを感じてしまう。であれば、専門的に医療問題を取り扱ってきた弁護士とか事故を経験している識者のような人が入って、検討内容に対する異議を発することで中立性を担保できるのでないか。医療界に本当に自律性が出てくれば、そういう人はいらないのかもしれないが

田林†「構成は大事だが、その医療機関内部の人間は除いて、全員外部にするとか、同じ大学の出身者ではないとか、外科が起こしたことなら同じ分野の内科が見るとかすればよい。外部の人を委員にするにあたっては法律家も必要だろう。それは報告書の文言を書く際に参考になる意見を言ってもらえる。大野病院事件の場合も、報告書の文言に問題があって、司法当局が刑事事件に値すると判断してしまったという面がある」

大江†「山形大の場合も外部から法律家が入っている。外部の意見はどのように生かされているか」

嘉山†「
弁護士は法学のレジームと生物学のレジームの違いをつないでいる。それによって調査報告書の質が上がった。我々は何の気もなしに障害が残ったと書いてしまうが、それでは傷害罪の対象になってしまうというような。しかし一番大事なのは科学的に調査して次の患者さんに起こさないということであり、その科学的にということでいえば先ほどのような委員はいらない。こんなことやっているのは日本だけだ。復讐の考え方を入れてしまうから、どの分野も萎縮してしまっている。本当に大事な患者さんのことを考えれば、きちんと科学的に調査することに尽きる。インチキするなら弁護士だろうが患者代表だろうがダメ。科学的にウソがあったら、そこでペナルティを科せばいい。エキスパートアナリストが調査するのが一番。日本のメディアは論調が復讐劇に走ってる。やらせてみて自律させてみて、きちんとしなければペナルティだ

大江「法と科学と一緒にすべきでないという意見だが、今回の委員会も親委員会、子委員会、調査チームと様々にレベルがあって、調査では真理の究明が最重視されるかもしれないが、親委員会での方向性を決める際には機能が違ってくるのかなと感じる。先ほど今先生は調査委員会ができることで現場の負担が増すんでないかという発表をされたが、実際に調査に対応することで何が大変なのか、より具体的にお話をいただけないか」



親・子・調査という階層構造が既に異論の出る代物であることに気づいてない。



今†「調査委員会に院内から入らないなら問題ない。また院内事故調査なら今既にやっている。だが調査委員会が入ったイコール犯罪ということになると。私は新聞記者が好きなのでそうは思わないんだが、現場の記者に聞くと、デスクのところに行くと記事の見出しが変わると言う。ウケ狙うような見出しをつけられて報じられるとしたら、まじめに医療の安全を願った委員会のはずだが、翌日から対象になった医師は仕事がしづらくなるだろう」

田林†「安全調査委員会が現場にどの程度負担になるかというのは、費用的なものを厚労省がどのように考えているかが大問題。調査委員は、大学の教授をやめて名誉教授をしているような方々がいるので、そういう方を雇えばいいと思う。いずれにしてもきちんと調査しようと思ったら膨大な費用がかかると思う。どうお考えか」

大江(生き返ったように。たぶんコーディネートすることに嫌気がさしてきている)†「いかがですか」

深田†「予算に関してはまだ何もしていない。大切なのは、調査チームに人を確保することが大問題で、そこのところをご協力いただけるなら、今でもモデル事業をやっているので、そういうデータを元に計算していきたい」

嘉山†「
大綱案に調査委員は大臣が指名すると書いてある。『指名』を外さない限り独立はない。それから田林先生は名誉教授にやらせればいいと言ったが定年退職した教授なんて全く役に立たない(会場がドーっと湧く)。田林先生はあと2年で退官だからご自分でされるつもりかもしれないが、私はまだ7年あるので、私がやる。日本で一番厳しくやる。それはそれとして、永井さんと私と根っこのところでは同じだと思う。ただ、この方法では、まじめにやっている医師ほど反対する。学会で反対しているのは救急と麻酔と脳外科で、どこもまじめにやっているところばかりだ。こういう所に出てこないような不真面目な中には永井さんの言うような医師もいるのかもしれない。しかし、信頼感を互いにつくるところからやらないと事故調なんてできっこない」

大江†「時間になったので最後に1人1つずつ訊いていきたい。医療訴訟が増えて、それは医療側にとっても患者側にとっても負担の大きい話。訴訟にならないような組織として、今後調査委員会ができていくと思う。患者本位の医療と言うのを強調されていたが、委員会ができることによって関係性がどういう風に変わればいいと考えるか


永井「
医療現場が厳しい状況なのは分かるが、今一番重要なのは信頼関係をどう築くか。きちんと日常から信頼関係があって説明もちゃんとされてで納得した患者は訴訟を起こさない。コミュニケーションをきっちりやっていくことこそ必要。今必ずしもできていない。事故調ができれば、できている病院はますますよくなるだろうし、できてない病院も見習おうという話になるだろう。そうして全体がよくなっていくきっかけになっていく仕掛けになるんだと思っている

大江†「委員会と個別の医療機関との連携はどうあるべきか」

田林†「事故は避けられない部分がある。起きた時に内部で解決するのも一つの対策。大きなものでないと考えたら内部で、大きいと思った時には安全調査委員会が重要になってくるだろう」

大江†「ケース・バイ・ケースということなんだということと国の調査と院内の調査が並立するということということか。そうなってくると、今まで以上に病院の情報公開が重要になってくると思うのだが」

今†「これまで以上にやさしく分かりやすく説明していきたい」

大江†「大学病院や拠点病院では院内調査が機能しているというお話あったが、そういう所は国内の医療機関の一部だろう。多くの医療機関では独立した調査委員会をつくるのが難しい現状があり、しかし事故はどこで起きるか分からない。全国規模の調査委員会がある必要はあるだろうし、各大学病院ごとには情報公開が進んできているとマスコミでは評価しているけれど、解析し改善するにはデータは多い方がよいと思うので、全国でまとめる組織は必要でないだろうか」

嘉山†「
まさにその通り。事故調査したら、それをフィードバックしないといけない。で、厚労省からの指示で届けているから医療機能評価機構が全てのデータを持っている。事例を分析して方策を探る中央委員会というのは既にある。それにも関わらず、なぜこれが出てきたかを考えると復讐するためとしか見えない。こういうことをすると、まじめにやっている構成員が悲しむし、調査をしてもちゃんと情報が出てこなくなる

大江「今日は中国地方でも同テーマでやられているようで事前に打ち合わせもあったんだが、今この場だけで終わらせたら、何のために私たちが3時間もこの場に座っていたのか分からなくなる。現場から出た意見は、今後委員会を誕生させ育て上げて行くのに重要な意味を持つだろう。どう反映していくのか」

深田†「今日いろいろ聴かせていただいたことを含め各地域で聴いたことを現場の意見として検討会など議論の場で紹介していきながら対応していきたい。この制度は医療安全だけでなく、率直に言えば司法当局が医療まで入っていることに対して、
医療者中心で仕切りをつくるというのが一つのポイントであり、それに加えて医療安全ももう少しキッチリやっていこう、さらに説明もキッチリやっていこうということ。現場からは、これが入ると今以上に委縮するという懸念が聞こえるが、そういうことではないんだと分かってもらえるように今後も説明していきたい」



最後の最後にとんでもないことを言った。もし本当に「
医療者で仕切りを作るのが主たる目的の組織」になるんだったら、国民の1人として、そんなもの要らないと言いたいし、一般国民に対しても同じ説明をするんでしょうねと確かめたい。永井さんが怒らなかったのが不思議だ。

     ====================

 やっぱりね...

 何だか、悔しいね...

 この議論をみると、いかに信頼(不信と言うべきか?)という問題が根深いか、改めてわかろうというもの。

 医療者側の目で被害者側永井氏の発言を読むと、どういう感想になるか...。嘉山先生の発言がすべてを代表していると思うが、私の正直な気持ちも入れてみたい。

 永井†「
その前に嘉山先生のクレームにお答えしたい。医療安全の部署はそれぞれの病院につくっているけれど、私に言わせれば形だけのところが多い。

(それは違うだろ? 形だけなのではなく、患者側の要求に見合うことが出来ない、と言った方が正しいのではないか? 患者側が納得する調査というのは、結局、処罰を前提としているのだから。それはいくら言っても無理だということは、2年間の議論で語り尽くされたはずなのだが....。)

 一番の問題は院長自らが責任を持ってやっているところは少ない。私なんかが講演する時も、院長は必ず出席してくださいというのだけれど、院長が出てくる病院は少ない。

(これもおかしい。院長が責任を持つ、ということは、患者側からすれば、「真実を明らかにせよ」ということではなかったか? 講演を聴きに行くのが院長の仕事だとはとても思えない。)

ちゃんとやっているというなら、その病院で事故にあった被害者遺族の色々な話を本当に聴いていただきたい。被害に遭った人に話をさせてほしい。それから言ってほしい。

(私は、幸い訴訟を経験しなかった。しかし、その前段階でクレームやら弁護士からのカルテ開示請求などは何度か受けた経験がある。また、さまざまなクレームに対し、話し合う機会も何度か持った。そこで感じることは、患者・家族側が言うことは、「ミスだと白状せよ。」「ミスなら謝罪せよ。」「責任をどう取るつもりだ?」の繰り返しだ。いくら時間をかけて説明しようと、納得しないものは納得しない。何度でも「説明不十分だ」と押し掛けてくる。そうなると、最後は訴訟になるか、カネの話になるか、どちらかしかないのだ。病院内でそのような話を重ねると、その度に多くの職員が集められる。これには医療現場として限度がある、という現状を十二分に知ってもらわねばなるまい。なにせ、患者さんは次から次からやってくるのだから。

 そして、院長という仕事は、実は非常に雑多だ。あらゆる責任がかかってくる。「講演会に行く」よりも、二度と同じ悲劇が起こらないよう、現場でしっかり目を光らせよ、と言うことが本当ではないのか? 残念ながら、もし、ふつうの医師が、被害者家族の講演などに参加し、悲痛な叫びを聞いたとしたら、次のような感想を持つのではなかろうか? 「どうしようもないことを、これだけ言い続けられては、もう医師としては何もやりたくない。」 無論、医療事故もピンからキリまであり、悪質なもの、意図的なものは許せない。しかし、人間として避けられないミスも多々あることもまた事実。想定できないことが起こったり見つかったりするのも事実。それらがすべて、巨額な慰謝料や裁判につながっていることもまた事実。医療に対する法整備が未熟なこと、被害者・遺族補償制度がないこと、そして政府・厚労省の医療崩壊政策に対して、被害者・遺族の怒りがなぜもっと向けられないのか? なぜ、現場の疲弊した医療従事者だけに責任がかかろうとしているのか? これだけの矛盾を放置して、現場にだけ感情を向けることで、いったい何が解決するというのか?)

 現実は形だけだ。医療の不確実性について、私などは事故に遭ってから時間が経っているから理解しているつもりだが、ほとんどの人がこういう医療安全調査委員会ができても医療側にいいようにやられるんじゃないかと思っている。

(ここに遺族・被害者意識の発露がある。この感情を前にして、医療者ができるのは、状況を説明すること(説明してもわかってもらえないことがいかに多いか...)、そして精一杯やったことを信じること、そして最後は、貝になること、かも知れない...。)

 そこを医療界に任せると言っているし、先生の現場だって第三者委員会をつくっているのに、なぜこの委員会を医療者がしっかりやろうとしないのかが分からない。」

(なぜ、しっかりやろうとしない、と言い切れるのか? それが理解できない。結局は、過去のいくつかの事例に基づき、「医師は真実を隠す」「医師は信じられない」「医師は逃げる」と決めつけているだけのことにしか思えない。何よりも、まず、信じられる医療を求めるのであれば、嘉山先生のような考え方がひとつの解決に近づくのではないかと思われる。そして、何よりも許されないのは、民主党が出している、政府案よりはるかに世界基準に近い、より現実的な提案が全く議論されていないことだ。被害者・遺族感情は当然のことだと思うが、それが制度を歪めては事態は悪くなるばかりだ。医師が少しでもミスを減らせる制度を、医師(医療者)と患者が歩み寄って進めて行かなければならない。厚労省のゴマカシには絶対乗らないよう、どうか気をつけて下さいね。)



固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/DrTakechan/20090203/1/trackback

コメント

コメント一覧

一番残念なのは、小生も含めて厚労省を相手取って、というか無視して、さっさと現場医師中心の医療事故調査システムを発案構築できる人物がいないということだと思います。

皆基本的に自分の日々の診療で精一杯で疲弊しているし、行政や法律まで絡んでくるとそれ以上突っ込めなくなりますから。

そこにしたたかな、法律にだけは詳しい官僚が主導権を握れる状況があるわけで。

法律にも医療にも詳しい、専門家だとおっしゃる方は時々ネットでお見受けしますが、どこまで本気でおっしゃっているのか、結局は誰もかれも利権が絡んでいるのか、厚労省の様子をうかがっているような気がしてなりませんが....
written by Paul Carpenter / 2009.02.03 08:25
Paul Carpenter先生、お返事遅くなりすみません...。
 まことに先生がおっしゃるとおり。
 私だって、分身の術ができるのなら、もう少し突っ込んだ行動が出来るのではないか、と思うんですが...
 なにせ、今は、患者さんの信頼を得て、もう少し患者さんを増やして、安定して借金返済ができるように、ひたすら、開業医生活をやっているところですから。
 とにかく、このブログを書くことがやっとな訳です..。
 残念ながら、余裕があるとすれば、今の日医幹部のような連中だけでしょうかね...。私たちは、いい医療をしようと努力すればするほど、団結の機会をなくし、奴隷化させられるのかもしれませんね..。
 どこかでこの流れを変えなければ、と、記事を書いている次第です。
written by Doctor Takechan / 2009.02.05 23:54

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。