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当院カゼ事情08〜09
なかなかカゼも難しい...
そう思いつつこの1ヶ月ほど診察をしています。
さて、ふつうの内科開業医の目で、最近のカゼの状況を書いてみたいと思います。
多分、京都以外では、事情は異なるんでしょうが...。
●今シーズンのカゼの特徴は、まず咽頭痛から始まるタイプが多いこと。そして、微熱が出て、咳、鼻水が出る。胃腸症状ほとんどなし。そして、市販薬ではなかなかよくならない。一旦良くなったと思っても、また咳がぶり返す。いつまでたっても咳がおさまらない。いつもえへんむしがノドにくっついているみたい..。
こういう患者さんが過半数ですね。うちの場合。発症2、3日で早めに来院されて、薬を出しても、咳がきれいに取れる例があまり多くない..。でも、鑑別診断を進めるには時間がかかる。なにせ呼吸器は専門じゃないから...、あ、でも、開業医は『総合医』ですからね。咳が続く場合、何を考えるかというと、咳喘息、マイコプラズマ、副鼻腔炎、GERD(逆流性食道炎)あたり..。
となると、処方もこれらを念頭に置くと、
クラリシッド(orジスロマック or ケテック or エリスロ)
テオドール(気管支拡張)
オノン(抗アレルギー)
胃薬(さすがにPPIをいきなり出すほどGERDらしい症状の人は少ない)
などが最初に考える処方かな。なお、昨年のシーズンは、わりとエリスロが効いたように感じるんですが、今年はまた違う印象ですね。で、咳が続くと、喘息用の吸入薬を使うこともありますが、薬剤単価が高いので、いきなり処方を出しにくいと感じるのは開業医だからでしょうか..?
あとですね、咽頭後壁がぼこぼこ赤く腫れているような場合は、最初、サワシリン(ABPC)など古い薬もよく使います。あとは、中庸でメイアクトなどセフェムも時々。
やはり、開業医が神経を尖らせる理由のひとつは、いつまでも治らない医者、というレッテルを貼られるのがつらい、ということですね。
●で、次に多いのは...やっぱ、胃腸にくるカゼかな? 微熱と下痢や吐き気、嘔吐で発症し、2、3日後に咳や鼻水が出て来るタイプですかね。まあ、今シーズンはウチではそれほど多くない感じですが..。それに、ヒドい下痢は1、2例程度。比較的ましですね。点滴する例はまれです。処方を考える時、私はとりあえず、胃腸薬、止痢薬ですね。胃腸が悪い時に風邪薬はちょっとキツいものがありますから。2、3日分の胃腸系の薬を出します。そして、胃腸症状が多少おさまってから風邪薬を飲むよう言います。そのときの症状や個人の都合により、風邪薬を一緒に出したり、やめといたり、です。
●そして、問題のインフルエンザ。
高熱で、体がしんどい、あちこち痛い、という場合、やはり今ならインフルエンザを疑います。でも、熱は40℃の人もいれば、37℃台の人もいます。うっかりすると見逃す恐れもあります。また、若い人に多いですが、インフルエンザかと思って口腔内を見たら、扁桃腺がどびゃ〜っとでっかい場合があります。しっかり白苔つけて、とか。そして頚部リンパ節が多数ゴロゴロとか。この場合は、サワシリンではちょっと弱いかな? もう少し広域のセフェム系などで開始することが多いのですが、
で、前に書きましたが、咽頭後壁の所見は、鑑別に非常に役立つと思います。咽頭後壁に、0.5mmくらいの細かいブツブツ(リンパ濾胞)が20〜30くらい並んでると、かなりインフルエンザの確率は高くなります。ただ、時期により、目立たない例もあります。当クリニックでは、12月後半から陽性が出始め、2月に6例のA型、1月は5日から10日までにA型4例とB型1例を検出しました。この11例のうち、7例ほどは、咽頭を見て、『こりゃインフルエンザくさいな〜』と言いながら検査をして陽性でした。3例ほどは、プツプツがあるけど少ないな、でも怪しい、と言って陽性でした。B型は、咽頭所見がはっきりせず、症状から疑って念のため検査したら出た!、でした。
もしかしたら、咽頭後壁所見はB型では弱いのかな? まだ症例が少ないのでわかりませんが...。
インフルエンザの治療は...やはりタミフルですね。ほとんど。リレンザは1例だけですかね。なお、タミフルは備蓄が国民全員には行き渡らないようですから..、5日分も出さずに2〜3日にしたらどうなんでしょうね。少なくとも辛い症状を抑えるだけならそれで十分だと思います。ただ、ウイルスを周囲にまき散らさないためには5日投与が望ましいのかもしれませんが..。皆さんはどう判断されてるんでしょう?
専門家ではない開業医の話、少しは役に立ったかな? できれば専門家の先生方のご意見も伺いたいものです。
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