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私たちは、医師憲章を尊重できるのか..
政治は混乱の極みにある。国全体が閉塞感に充ちている。危険な空気がよどんでいる。
政治は、民意に反して動いている。
民意を問う勇気のかけらもない失言総理が連日メディアを賑わせている。
国民不在に慣れっこになってしまった国民がふえているのではないか?
いや、そうなれば政権側の思うツボ。
で、われわれ医師は、目の前の患者に終われる毎日。こうやってブログを通じて世直しの必要性を訴え続けることが精一杯....
しかし、それでも、手をこまねいているよりはましだ。
むしろわれわれが現場から改革のための意見を書き続けることは、「社会的常識」にかなうことではないか? あるいは、「社会的正義」と言っても過言ではないとうぬぼれているのだが....。
例の慶應大学の権丈善一先生が書かれた文章を読んでいて、ブログで訴えることも重要だと実感したのだ。医療制度、社会保障制度に詳しい権丈先生は、重要な文章を引用しておられた。
http://news.fbc.keio.ac.jp/%7Ekenjoh/work/korunakare197.pdf
勿凝学問197
医療と政府の利用価値 −国民会議医療年金分科会での出来事
2008年11月12日 慶應義塾大学 商学部 教授 権丈善一
新ミレニアムにおける医師憲章
ヒポクラテスの誓いの新ミレニアム版
・2002年
・欧米の内科4学会が共同で作成し、ランセットとアーカイブス・オブ・インターナショナルを通じて公表したもの
・ヒポクラテスの誓いの新ミレニアム版と称されていて、そこには3つの根本原則というのが冒頭に示されている
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●三つの根本原則
−患者の利益追求
・医師は患者の利益を守ることを何よりも優先し、
市場・社会・管理者からの圧力に屈してはならない
−患者の自立性
・医師は、患者の自己決定権を尊重し、「インフォームド・
ディシジョン」が下せるように、患者をエンパワーしなけ
ればならない
−社会正義
・医師には、医療における不平等や差別を排除するために
積極的に活動する社会的責任がある
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赤字で示した3番目の憲章は、私たち自身の責任を喚起し、鼓舞する力があるようだ。いつまでたって明かりの見えない社会だが、負けたわけではない。まだ努力を続ける必要性がある。もちろん、医師という立場を逸脱する必要はないが、絶えず不平等や差別を見せつけられる立場でもある。現場からの訴えは続けなければならない。
問題は、その前の、一番目と二番目の憲章だ。
患者の利益のためにあらゆる圧力を排除して全力を尽くす・・・
非常に重要な文章である。われわれ医師の大部分は、本来、患者さんのために精一杯の医療をしようと考えて医師になったはずである。ところが、この国の保身政権や悪徳官僚は、社会保障が国民生活のインフラとして最も重要なものであることを知りながら、アメリカの圧力に屈し、大企業優先、天下り温存・拡大を続け、政権維持のための税金バラマキを続け、ついに先進国でも最も貧しい低社会保障国家を作ってしまった。
本来は、世界に冠たる国民皆保険制度を充実させるべきだった。ところが、東大吉川や国際基督教大学の八代のような御用学者に振り回され、平等だった医療保険が崩されようとしている。混合診療を持ち込んで、金持ちだけがいい医療を受けられる格差医療社会を目指そうとしてる。
現場に目をやれば、医療にも効率を持ち込めと、総枠規制を推進した結果、ついには医療崩壊の負の連鎖が始まってしまった。もはや一筋縄では解決しない崩壊過程はすでに始まっている。患者の利益を守りたくても守れない医療というものが、既に存在するのだ。
責任論は、責任“たらい回し”につながるので多くは語りたくない。
しかし、政府、政府与党、厚労省、財務省、財界、マスメディア、一部の患者のモンスター化、法律家、警察検察など、どれをとっても、責任逃れはできまい。
無論、医師側にも責任はある。しかし、PCもネットも発達していない時代、無理難題にも従うしかなかった時代から全国の情報が飛び交う現在まで、現場を無視した改悪が進められ、萎縮医療を推進し、医師の誠意を叩き潰した責任のほとんどは、医師以外が負うべきではないか。結果として、医師が患者の利益を守りたくても守れない状況がますます加速するのである。
次に、患者の自立性についても同様である。自立させたくても、支援する医師側に、マンパワーも時間もない、制度的にも難しい...、こんな社会にした責任はどこにあるのか? 知らぬ顔で“医師には社会的常識がない”なんぞと責任転嫁をしておきながら、“いや、あれはそういう意味ではない”などと意味不明な弁明に終始する最高指導者。
総理夫人があなたのホンネを代弁してくれている...。「あのひとは、思ったことをそのままいう人だから...」
そう、あなたは、思ったことをそのまま言っただけのこと。弁明したらウソになるよね...。
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かくして、私たちは、医師憲章の一番目と二番目を守ることが難しくなってしまった。ここは、三番目を徹底的に追及して、一番目と二番目を守れる社会にすることしかない。
ということで、これからも、ぼちぼち、思ったことを書いてゆくぞ!
(付記:権丈先生の文章は、なかなか素直でない?ところがあり、われわれには理解し難いところもある。だが、基礎知識として、少しはかじっておいた方がよさそうだ。
逆に、吉川や八代の文章は、こいつらのせいで医療崩壊が進んだ、という目で見れば理解できるかも...。)
参考記事
●権丈 v.s. 吉川
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい
更新日:02/02 written by Doctor Takechan
●M3com「医療維新」より
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい
ブログ827htmM3com「医療維新」より ちょっと気分が重い。久しぶりに掲示板(2ちゃんねるじゃなくて、M3comの医師専用掲示板)を覗いてみたが...
更新日:06/19 written by Doctor Takechan
●権丈論、再び
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい
更新日:03/09 written by Doctor Takechan
●「公共事業のムダ省け」では埒が明かず(上)
m3.com編集部 : 医療維新 for Public 〜 医療者と患者さんの架け橋
「公共事業のムダを削れ」「埋蔵金を医療費」などと、他の分野の歳出を削減し、医療費に充てる議論は、やめた方がいい??。慶應大・権丈善一氏はこう指摘します。虎の門病院・小松秀樹氏もこの意見を支持。ムダが...
更新日:07/04 written by m3.com編集部
●「負担増に向けた戦略を早急に立てよ」(上)
m3.com編集部 : 医療維新 for Public ? 医療者と患者さんの架け橋
財政再建も重要だが、まずは医療・介護、さらには教育の再建を進め、若い人が便益を受ける形にする。「安心して生活できる社会」を作り、消費税・社会保険料率引き上げなどの負担増に対する理解をいかに得るか。そ...
更新日:07/06 written by m3.com編集部
●権丈先生のお話だぞ!
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい
更新日:02/15 written by Doctor Takechan
●医療提供体制は「今日的医師不足」(上)
m3.com編集部 : 医療維新 for Public ? 医療者と患者さんの架け橋
「医療再生のためには、税や保険料の引き上げなどの負担増が必要」。これは、虎の門病院・小松秀樹氏、慶應大・権丈善一氏の一致した意見です。しかし、医療界では、医療費増の必要性は認めながらも、負担増に対す...
更新日:06/30 written by m3.com編集部
●権丈語録より:2008/5
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい
ブログ805htm権丈語録よりさて、150万アクセス突破記念? として、またまた、権丈先生のつぶやき(ひとりごと? いや、敬意を込めて、おことば、と言うべきかな?)を紹介致します。
更新日:06/01 written by Doctor Takechan
●「医療亡国論」をぶっこわせ!
元気に明るく生きて行ける社会のために、医者のホンネを綴りたい
ブログ826htm「医療亡国論」をぶっこわせ! 医療界には超不人気の毎日新聞であるが、最近はたまに役に立つ特集をするようになった。ブンヤの良心がまだどこかに残っていると見える。
更新日:06/18 written by Doctor Takechan
(私は、権丈先生の現状分析や未来への提言は非常に重要だと思います。ただ、すべてに同意しているわけではありませんし、素人の私には、権丈先生の言いたいことの一部しか理解できていないと思います。私は、今の自民党政権がこのまま続いたら、間違いなく医療は壊滅的なダメージを受けると思っています。まず、政権交代が不可欠だと思います。民主党がもし本当に国民のための政治をするというなら、政権交代が唯一の希望の星だと思います(そうでない場合もあるかも...そしたらまた政権交代だ!)。権丈先生のお話だと、消費税大幅アップが避けられないかも...。これは、私は経済状況と少子高齢化に歯止めがかからなければ容易でないと思っています。いずれアップが必要なことはよくわかりますが..。本来、埋蔵金は、将来のために保存しておきたいと思いますが、そのためには、あらゆる埋蔵金をまず国民の前に明らかにすることが必要です。その上で、現在の経済危機を脱する環境を作り、社会保障制度の立て直しを図り、貧困者、弱者が安心できるシステムを提示し、はじめの2〜3年だけは埋蔵金の取り崩しもやむを得ないと考えて財政立て直しと社会保障システムの充実を進めるべきだと思っています。こういう論調を、権丈先生は、もしかしたら、『甘い!』とおっしゃるのかもしれません..)
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