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阪南市立病院の真実はいずこ?



まずは数日前のニュースから....



医師8人が辞表提出 阪南市立病院



   08/11/12 共同通信社

 大阪府阪南市立病院の内科と総合診療科の医師8人が12日、病院側に辞表を提出した。全員が退職すれば病院運営に大きな支障が出る恐れがあり、市は慰留する方針。

 同市によると、同病院は6月、医師の平均年収を1200万円から2000万円に引き上げたが、10月26日の市長選で初当選した福山敏博(ふくやま・としひろ)市長が給与の引き下げを表明したため、医師が反発したとみられる。

 同病院をめぐっては、昨年6月から今年3月にかけて内科医5人を含む計12人の医師が退職。内科を一時休止する一方で、歩合給与制度を導入し、新たに医師を招いて今年9月から内科を再開していた。

    =====================

 阪南市立病院については、ここ数日TV、新聞はもちろん、ネットでも盛んに取り上げられている。しかし、大マスコミは、事態の本質より医師の年収2000万円が高いか安いか、といった表層的な話が8割、9割で、最後に評論家らしき人物が一般論をひとくさり述べてオワリ、というパターンがほとんど。

 本来なら、こういう問題こそ、ネットが真実をあぶり出してくれるものだが、実際には、残念なことに、誹謗中傷合戦になっているところが大部分...。感情論、現実論、理想論、比較論のごた混ぜ状態..。(非常に残念なことに、わがM3comの掲示板も、なかば2ちゃんねる化していて、暴論、極論が多すぎる..。医療が追いつめられた状態を示していることには違いないが...。)



 で、私も挙げ足取り発言をしていることは事実だが、『患者のために医療をより良くする』という目標は、忘れていないつもりだ。では、患者のために、阪南市立病院問題をどう捉えればいいのか???

 ネット情報を頼りに、改めてこの問題を整理してみたい。

 情報の真偽については、皆さんで判断して頂くしかないが....。

(それに、立場が違えば、見方が違うのもある程度やむを得まい...)



   ===================

 さて、では、論点整理を...

●阪南市立病院と周辺状況

 阪南市は財政的に恵まれておらず、病院の赤字が膨らむと危険な状態だという。すでに病院職員の高齢化が進み、人件費が大変な負担になっていたらしい。万が一病院閉鎖にでもなって大量の退職者が出れば、夕張の二の舞となる(財政再建団体になりかねない)。となると、意地でも病院を存続させたいと考えるだろうな..。

 ただ、阪南市立病院の近くにはりんくう総合医療センターがあり、それ以外にも比較的近距離に複数の病院が存在する。したがって、病院が閉鎖されても、困る人はそれほど多くないと言われている。

●阪南市立病院の崩壊の経緯

 数年前ある内科医が退職したが、元市長が補充を渋った。そのため過重労働が続いた他の内科医たちは市の姿勢に反発し、派遣元の某医大の人手不足も重なりほぼ全員が辞職した。これで某医大が撤退した。

 元市長は某医大に謝罪しに行ったが、結局論争になり、話は物別れとなった。

 元市長は別のパイプを通じて医師を招聘しようとしたが、見通しの甘さがあり、実現できず。(このあたりで元市長と現市長(元副市長)とが離反したとの説あり)

 そこで、元市長は外科や整形外科で採算を合わせようとした(医学的常識がなかったため?)が、術後の管理、合併症治療など、内科なしで手術すると大変だという事態に。で、治療内容の劣化した病院は、加速度的に赤字を増やし、病院閉鎖の危機を招いた。

 しかし、病院閉鎖で退職金を払うとなると膨大な予算が必要となり、夕張と同じ財政再建団体になってしまうと判断された。

●歩合制の導入

 廃院ができないなら、無理してでも泥舟を動かし続けなければならない(単にその場しのぎだけどね..)。元市長は歩合制を導入し、それまで年収1200万程度の低い医師給与を2000万程度に上げるようにして、医師を募集した。

 (不確実情報:このとき、元市長は、市長選を目前に控え、某外科医と密約をむすんだ。某外科医は数名の医師団を引き連れて現れた。密約は、一時的に収益を上げておいて、某外科医に病院を売却するというものだったという)

 まあ、すったもんだで歩合制にして医師を集めることには成功した。しかし、病院はすでに、某外科医もサジを投げ出すほどの経営状態になってしまった。

●市長選

 かくして、市長選では元副市長をしていた現市長が当選。元市長のやりかたに批判的であった現市長は、歩合制では人件費が多すぎるから何とか削減したいと考えていた。

 このため、元市長の提案に乗った医師たちは、『約束が違う!』と反発し、辞表を提出した。

●8人の医師たち

 彼らがカネ目当てでこの病院に来たかどうか、それは定かではない。少なくとも8人の内にそういう医師がいた可能性は高い。一部の医師は過剰診療(過剰検査?)で患者からいくつかクレームを受けていたという情報もある。病院の状況からして、過剰診療でもしない限り収益が増えないというのは、悲しい話である。

(元を正せば、厚労省が相次ぐ診療報酬切り下げをやってきたのが大きい)

●新市長の動向

 医師8人が辞表という事態を受け、議会でさんざん批判された現市長は、医師給与(歩合制)の見直しをすぐにするわけではない、という曖昧な訂正発言を行った。しかし、これで事態が改善する見通しは全く立っていない。

 いずれこの病院が廃院されるのは流れからすると、必然かもしれない。財政再建団体を回避することが出来るか、市は岐路に立たされている。しかし、この騒ぎ、どの立場で見ても、医師を大切にしているとは見えず、あくまで、市側の都合ですべてが動いている印象である。今後、新たに医師を招聘できるかといえば、相当に厳しいと言わざるを得ない。行政側が、自ら蒔いた種であろう。

●犠牲者は?

 これは、やはり市民(患者)である。そして、劣悪な労働環境の中で働いてきた一部の医師など職員も被害者である。

●阪南市立病院の必要性

 現在、最も切実なのは、小児科部門を残してほしいという声である。周辺病院も含め、小児医療は地域的に不足であり、阪南の小児科だけは残してほしいという声は大きい。ただし、今の状況で、入院も含めた治療がいつまで続けられるか、非常に厳しい。内科は数年前に一旦閉鎖されたこともあり、患者が離れてしまって内科医が残ったとしても採算的に厳しい。

    ================

<総括>

 すべては情報であって、すべてが正しいとは限らない...。

 あくまでも上記の情報に基づいての話だが...

  結局、廃院するしかないのだろう。できることなら、人材を活用するために、そして、財政再建団体を回避するために、りんくう総合医療センターあたりを拡充して、そこに人的資源を投入してはいかがだろうか? 

 ここまで状況が悪くなってしまっては、私はあまり好きではないが、集約化をすることで、悲劇を少しでも食い止めることを考えるしかないのではないか?



 それにしてもだ、医師の世界もおかしな格差社会になってるね...。

麻酔科みたいに、パート医の方が収入が多い場合が出てきたり..

 無論、過去にも格差は存在したが、格差のあり方が全く変わってしまった。

これが新自由主義のなせる技なのか....。



 



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