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ブログ904htm

空耳か?、と思う医療ニュース



空耳と聞いて期待?した人、残念でした...

“ちん”ネタではなくて,マジネタです。

   ・・・なにせ、自称、社会派? ですから...



いずれもNHKニュースオンライン 8/28から。



国民医療費 過去最高水準続く

国民が医療機関などで病気やけがの治療を受けるのにかかった費用の総額を示す、平成18年度の「国民医療費」は33兆1200億円余りで、過去最高だった前の年度とほぼ同じ水準でした。

厚生労働省によりますと、平成18年度の「国民医療費」は33兆1276億円で、前の年度より13億円減りました。これは、この年に診療報酬が大幅に引き下げられたためで、高齢化が進むなか、過去最高だった前の年度とほぼ同じ水準でした。また、国民1人当たりの医療費も25万9300円と、前の年度と同じでした。年代別に見ますと、▽0歳から14歳以下が12万7000円、▽15歳から44歳以下が9万8100円、▽45歳から64歳以下が25万7100円、▽65歳以上が64万3600円で、65歳以上の1人当たりの医療費は、65歳未満の平均の4倍を超えています。厚生労働省は「国民医療費は、昨年度は再び増加に転じて過去最高となる見通しで、高齢化の進展に伴って医療費が増える傾向は変わりがない」としています。

 相変わらず,イヤらしい統計ですね,厚労省...。

国民一人当りの医療費,って言いますが...

 例えば、15〜44歳の国民は若いし医療を受けていない人が多いし、受けてもカゼとか下痢とか軽いのがほとんど。65歳以上は病気を持っている頻度が遥かに高く、しかも継続して通院となれば、医療費は増えますよね。

 となると、年齢別の医療費を比較するなら,医療を受けた人だけを対象にするとか、継続して通院している人だけに限定して比較すれば...もっともっと差は縮まります。

 ましてや、重症患者の入院治療費など、若い人の方が高額ではないですか?

 統計のマジックで、高齢者を益々追いつめようとする厚労省..。

 まったく、反省のかけらもなし。目が離せません!

 あ、そうそう...

 医療費は、全部医師がもらうんじゃありませんよ。医師より給料が高いと言われる製薬メーカーにも、調剤薬局にも、医療機器メーカーにも行きますよ。国民医療費がどこへ消えるのか? どうか、真剣に追跡、解析して頂きたいものです。



“医学部の定員増”など提言

誰もが安心して医療を受けられる体制づくりを検討してきた厚生労働省の有識者会議は、医師不足を解消するため、大学の医学部の定員を来年度、600人程度増やすことや、産科や救急などの医師に短時間労働を導入することなどを求める提言をまとめました。

提言では、医師不足を解消するため、大学の医学部の定員を来年度、600人程度増やし、全体では過去最大の8360人規模を目指すとともに、将来的には、1.5倍まで増やすべきだとしています。また、過酷な勤務を強いられている産科や救急、過疎地域の医療を担う医師に手当を支給して処遇を改善するとともに、当直や勤務時間外の呼び出しをできるだけ減らすなど、短時間労働を導入すべきだとしています。さらに、地域全体で患者を支えるため、医療機関どうしが電子カルテなどの情報を共有する必要があるとしています。一方、地域医療を守っていくためには、患者側の理解と協力も欠かせないとして、症状が軽いのに救急車を利用することや、安易に時間外の診察を受ける、いわゆる「コンビニ受診」を控えるよう呼びかけていくことを求めています。厚生労働省は、有識者会議での議論も踏まえて、来年度予算の概算要求で産科の医師などに手当を支給する費用を盛り込んでいて、今回の提言をもとに引き続き医師不足対策に取り組んでいくことにしています。

 さあ、この有識者会議はホンモノの有識者? 

 医師養成はひとり1年1000万円のコストがかかります。600人だと、60億ですね。

ほんとに予算がつくんでしょうか? でも、医師を増やして,診療報酬はどうなる?

救急医や産科医、さらには僻地を守る医師へのお手当が少しはつくんですよね?

 ただ、救急指定病院が全国に4500近くありますから、仮に平均1病院あたり2名当直としても1年間のべ300万人分のお手当が必要です。100億近い予算を計上しても、300万で割ると、1人一晩3000円ちょっと...。ま、ないよりましですが、ケタが違うと感じるのが現状ですかね。

 なにせ厚労省が20年かけてじっくり破壊した医療です。小手先の改革など意味がないことを現場が証明するでしょう(そうあってはならないのですが・・・)



“医療事故調査 制度整備を”

医療事故の被害者らで作る団体が、27日、厚生労働省を訪れ、舛添厚生労働大臣に対し、医療事故の原因を第三者機関が調べる新しい制度の整備を急ぐよう要望しました。

厚生労働省を訪れたのは医療事故の被害者や家族などで作る6つの団体で、代表が「医療事故の真相を究明する新しい制度を早く整備してほしい」と述べ、舛添大臣に要望書を手渡しました。要望書では、事故を起こした医療機関自身の事故調査では不信感をぬぐいきれず、中立公正な調査で被害者が納得できれば医療をめぐる裁判も減るとしています。厚生労働省は、診療中の患者が死亡する医療事故が起きた場合、その原因を第三者機関が調べる新しい制度を設ける方向で検討を続けています。舛添大臣は「患者側と医師側双方が信頼して話す場が必要で、臨時国会で新たな制度の案を出したい。100%でなくても早く動かし、双方の意見を聞きながら少しでもいい制度を作りたい」と述べました。要望には、福島県立大野病院で行われた帝王切開手術で娘を失った渡辺好男さんも同行し、「どうして娘が死ななければならなかったのか真相を知りたかった。医師がほんとうのことを話せるような制度にしてほしい」と話していました。

 以前にも述べましたが、これでもご遺族の気持ちとは本当に真剣に向き合ってきたつもりです。ご遺族の気持ちは本来医師が一番よく感じ取れるのではないかと思っています。

 ただ、いわゆる遺族団体の中には、殺したやつを死刑にしてやる!、みたいな敵対心に溢れる団体もあります。冷静に話などできる状況でない場合も多々あります。その中で、複数の団体が大臣に要望を出されるのは意義あることかと考えます。

 私が申し上げたいのは、医師への処罰を前提とした制度で,真実が明らかにされることなど期待してはならない、ということです。原則,医師は非処罰(だって、助けようとして必死になっている人間を処罰するなど常識で考えられますか?)。明らかに故意であったり明らかに悪質であると医療の専門家が判断した場合のみ処罰もあり得る、でなければ医師は危険回避に走るだけです。そんな状況で情熱溢れる医師が育成できるはずもないのです。ですから、今の第三次試案は、全く不十分であることをご理解頂きたいと思います。



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ブログ903htm

“ちん”騒動空耳実況第二弾



はなはだびろうなお話で...

 “ちん”ネタは1回限りのはずが...

どくたけ先生の熱い思いが天にとどき..

 架空実況第二弾が、入って参りました...

  (女性は読まない方がいいかもしれません...



せんえつながら...ご披露させて頂きます...

なお、必ず前回の記事を是非お読み下さい

前回の“ちん”騒動記事はこちら..



(なお、どうしても分からない人のために:GG佐藤のじーじーは、中国語で『鶏鶏』と書き、オリンピック地元、北京の周辺の俗語で“ちんちん”の意味。空耳実況では、じーじーがちんちんに置き換わります...)

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アナ「いや〜、ニッポン苦しいですね。流れはアメリカですね、エモトさん!」

エモ「ニッポン元気ないね〜。厳しいな〜」

アナ「イワセ投げた。あ!、あ”〜〜、大きい! タマがちんちんへ! 

   ちんちん下がった! あ”、ちんちんこぼした!

   ちんちんがっくり、ちんちんうなだれています。」

エモ「あ〜あ、ちんちん、しおれてしもた...」

アナ「痛い痛い失点が入ってしまいました。

   ちんちん起き上がれません あ、今,ちんちんが立ちました。

   ちんちん、帽子を取って汗を拭います...。」

エモ「やっぱり、ちんちんはバットで勝負やからな、

   そのバットもパッとせんし、ましてや守備はなぁ....」

アナ「日本ではライト,北京ではレフトですし、あの守備位置は昼間はまぶしいそうで    す」

エモ「ちんちんは夜の試合に慣れとるしな。

   それにしても、ちんちんは2日続けて大失敗やね...

   ちんちん再帰不能とちゃうか? 日本へ帰って大丈夫かいな?」

アナ「やっぱり、ちんちんはシゴくよりカウンセリングということでしょうか?

   あ〜!、ちんちん交代,ちんちん交代です。ちんちん降ろされました。

   うなだれたちんちんの先に星野監督が待っています...。」

エモ「星野監督はちんちん使いすぎたな...」



  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (翌日の放送...負けた試合をハイライトで流し、ふりかえる)

アナ「いや〜、負けてしまいましたね、ニッポン。

   敗因をどうかんがえたらいいのでしょう? エモトさん!」

エモ「ちんちん元気なかったね〜。2日続けて使ったのがな〜...」

アナ「しかしエモトさん、ことし、ちんちんは大きくなりましたよね?

   いきなりパワ〜を見せつけてくれました。

   星野さんもビッグになったちんちんにほれたんでしょうね?

   なにせ失敗しても2日間ちんちんをひっぱりましたしね。」

エモ「それだけちんちんも緊張したやろな...

   肝心のバットもな、ちんちん振り切らんかったしな...。

   引っ張ることもできんかった。」

アナ「日本に戻ってからのちんちんに期待、ですね?。」

エモ「やっぱり、この失敗を乗り越えて..

   渡辺監督はちんちんしごいて伸ばさなあかん!」

アナ「そうですね! ちんちん頑張れ! ちんちん、フレ〜フレ〜!

   と申しておきましょう!」

エモ「西武の選手も気イ遣ってやれ、ちんちんくさるな!ってね。




  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 いやん恥んずかしい...もう限界です..

 人生50余年...これほど○ん○んが並んでいる記事は初めてです..。

 日本人が集団で「じ〜じ〜!」と応援しているのを横で聞いている地元民の気持ちが分かりそうな気がすますた...。



===================

   え〜...気を取り直して

医療崩壊阻止! 医師・医学生署名をすすめる会 への署名はこちらからどうぞ

     (いきなり何やねん!)



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ブログ902htm

医療不信の真相を求めて



 大野病院事件での無罪判決は、ほんとうによかった。まだ終わったとは言えないが、ひとまず私たちの常識が通ったことがうれしい。

 しかし、報道を見れば、いまだ異論・反論・オブジェクションが陰に陽に咲き乱れている。さっと読めば無罪判決を認めているようで、じつは医師への批判を巧妙に埋め込んだ記事もある。たとえばこれだ!(
読売です)

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



検察側の論理否定 産科医に無罪

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080821-OYT8T00310.htm?from=nwlb

     (2008年8月21日††読売新聞)



   ーーーーー前略ーーーーー



 
年間1万件以上とも推計される医療事故これはどのような調査でどんな事故を指すのか全く不明。いきなり年間1万という大きな数字で、医療事故が多いことを印象づけている)。

 今回のように逮捕されないまでも、医師個人の刑事責任が問われるケースは増えている。警察から検察庁への送致件数は、1997年の3件から07年は92件に増加。医療不信の高まりを受け、捜査当局が積極的に捜査したことに加え、99年に起きた東京都立広尾病院点滴ミス事件で、当時の院長らが医師法(異状死の届け出義務)違反に問われて以降、
医療関係者からの届け出が急増したことも背景にある(これは、医師からすれば、事故を届け出ればミスであろうとなかろうと送検される可能性が著しく高くなる、という恐ろしい事実を示さしているのだが、一般読者にはそれだけ医師が隠していたのだと曲解される可能性が高い)。

 刑事介入の増加は、近年の医師不足で現場の疲労感が増す中、医師側に「結果が悪ければ、一生懸命やっても刑事罰に問われる」という反発や委縮を招いた。しかし、
そもそも医療不信は、死因究明や再発防止に真剣に取り組んでこなかった医療界に責任があるという指摘もあるマスコミの姿勢の問題などはスルーし、医療界の責任を強調する巧妙な文章である

 欧米では、法的な権限を持つ医師団体などが医師の監督・懲罰権限を持ち、免許取り消しなどの厳しい処分を行っているこれも、制度の一部のみを強調する文章。医療界が努力して訴えても、政治も警察検察も法曹界も無視したことは事実であろう。

 ある検察幹部は「
被害者遺族にとって、刑事司法は最後のとりで。医療安全調査委員会の行方が、今後の刑事罰の適用を左右する」と話した(これもおかしな話。まるで、医師は犯罪者で遺族が被害者と決めつけたような言い方ではないか? まして、被害者遺族の願いは「真実を明らかにすること」ではなかったか? 刑事司法では、真実など二の次で、検察の論理で医師を有罪にすることだけしか残らないではないか?)。

     ==============



 このように、医療不信を既成事実として誇大に書き立てる記事は決してなくなっていない。そして、医師に不信をもつ患者は確実に多数存在する。

 では、医療不信とは何か?

 どのように不信が生まれるのか?

  ネットから、不信の根っこを探したい...それが本エントリーの目的である。




 さて、ネット検索をしていて、古い6年前の記事を見つけた...。

   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

医療不信

http://www.bekkoame.ne.jp/~mineki/iryouhusin.html

2002,7,14

 東京女子医大の事件を筆頭に最近の医療に対する国民の不信は増加している。



 私も医療に対して不信を抱いているひとりである。



 昨日長男が「胸が痛い」と苦しんでいた。しかし、よく聞いてみると食道当たりが痛いと言う。いつもならほっておけば直ってしまうが、昨日は時間がたつにつれ痛みが激しくなるようである。土曜日の夕方なのでどこの病院も開いていない。やっとの事でO病院の内科が開いていると言うことで電話をかけてみると、院長が診察してくれるとのことである。ただし、原因がよくわからないため、直すことはできないかもしれないとも付け加えられた。まあ、そこまで正直にいってくれれば分からなくて誤魔化されるより良いだろうが、直せなければ病院に行っても無駄だろうと家内に言ったが、聞きはしない。とにかく病気になれば病院ということは頭にこびりついている。また、内科は風邪の時しか役に立たず、分からない病気には何の対応もしてくれない、と付け加えたが家内は聞く耳を持たない。



 案の定、院長の診察結果は「原因不明」であった。それだけならばまだ良いのだが、2千円もとられたあげく、子供に対しては「これは末期ガンの症状と似ている。」といい、子供はショックを受けてしまった。



 無駄な時間と思いながら、家に戻りもう一度病院探しを始めた。病院は外科の方がまだましだといい、今度は私の忠告を受けてくれた。



 探し当てたのはM医院。そこの診察は的を得ていた。詳しい症状を子供から聞き出し、食後に痛みが激しくなったということを聞き出すと、それは食道の痛みではない(食道は痛みを感じない器官であるらしい。)、胃の上部であるのではと。試しに冷たい水を飲ませ、今の瞬間痛いところは、と子供に聞き、そこをさわってみると確かに胃の上部である。結局「胃けいれん」であることが分かった。その治療法は胃を空にするしかないそうで、その日は点滴をし入院である。ただし、これらの対応は医師が忙しいため全て看護婦の手によるものである。



 私の言ったことは奇しくも当たってしまった。内科医は勉強不足で原因が分からない病気に対しては何の対応もしてくれない。患者から何々の病気ですが、と言わなければならない。しかし、本来担当が違う外科はあらゆる手を尽くして原因を突き止めてしまった。それも看護婦がである。



 医療に対する私の不満はまた大きくなってしまったが、原因を突き止めた外科医の腕(いや看護婦の腕)は信頼に値すると感じている。

  =============================

 う〜ん...

 思わず、うなってしまう記事だ。

患者である長男の年齢はわからないが、子供であることは間違いない。

この診断,ほんとに正しいのかな...????

 要するに、原因が分からない内科の医者はとんでもない医者だ...?。

  でも、この院長先生は何が専門なのか?

そして、外科医院の看護師先生は...診断が正しいかどうか分からないが

とにかく親切に対応してくれた...

 それだけのことではないか?

(いまどき胃けいれんなどという病名を思いつく医療関係者がいること自体驚異なのだが...)

 ま、冷静に読めばどなたも気付くだろうけど、子供が苦しがっているので親は気が気でない。ところが院長先生は親の目から見て治療らしきことを何もしてくれなかった。で、外科医院の看護師先生は、いったいいつの時代の知識か分からないけど、医師の指示もなしに(?)診断を下し、医師の指示もなしに(?)点滴治療までやってしまった。

 それが親の目から見て、頼もしく見えた。ということなんでしょうか...?。

 まあ、私なら、この外科医院には二度と行かないが...。

 
それにしても、患者側の思い込みというものは相当なものだとあきらめざるを得ない。

 ひるがえって、このケースの最初の内科の院長先生は、どんな技量があろうと,この患者さんの目には、最低最悪の医師に見えたことは事実なのだ。

 やはり,技量以前にここまで嫌われる医師であってはならんのだ...

   ===============

 さて、次に、患者が医療相談した内容についての統計があったので紹介しよう。



メンタルヘルス相談分析

http://www.t-pec.co.jp/mental/2003-01.htm 

この中に医療不信に関する分析が出ている。古いデータだが、現在に相通じる物だと思う(一部私の方で文章を改変)。



(1月号)医療不信・不満に関する相談分析-1  20021225日発行

【今月号で紹介する主なテーマ】

どんな年齢、性別の人が相談するのか?

地域差はあるのか?(略)

診療科目別に特長が見られるのか?

自覚症状における傾向はあるのか?

具体的に誰に(何に)対する不安、不満か?

具体的にどんな事への不安、不満か?

電話相談を頂いた時の相談者の心情は?†等



【調査方法】

全ての診療科目(全相談)を対象に2002年11月に全国から頂いた1ヶ月間の医療不信・不満に関する相談411について統計をとりました。



【相談を頂いた方の男女比】

調査月において、全ての相談中、男性から電話を頂く割合が16%でしたが、

医療不信、不満に関する相談では21%と、やや高い割合を示しました。



【相談を頂いた方の年齢】

30歳代の方からの相談が最も多かった。

性別に注目してみると、男性の示す割合が加齢と共に増えている。

つまり、若い世代では医療不信や不満を抱く割合が女性に多く見られるのに対して中高年では年齢が高くなるほど男性の占める割合が増えていく。

男性の占める割合

70歳以上36%

60歳代 33%

50歳代 26%

40歳代 25%

30歳代 11%

20歳代 11%



【相談対象者の続柄】

約半数が自分自身の相談。

残りの半数は、配偶者や子供、親についての相談で、大切な家族が受けている医療が不安だったり納得できないという相談。



【何科にかかった時のことですか?】

  ※重複回答あり(複数の受診科目にかかわっているケース等)

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、例えば内科を例にとって説明しますと、2002年11月の1ヶ月間に内科に関する相談が11,282件ありました。そのうち、「医療不信・不満に関する相談」の件数が122件、相談全体に対して1.1%、実数としては一番多かったのですが全体から見るとさほど高い割合ではないということです。



割合が最も高かったのが歯科で、続いて整形外科、心療内科、外科という結果でした。以上4科の具体的な相談事例を紹介いたします。(プライバシー保護のため内容の一部を変更しています)

 歯科

・自費で義歯を作ったのにどうしても痛いため医師に相談したら、「病巣はもう治っているので痛くないはず」といって親身に診てくれない。作り直しをお願いしてもいいものか?

・風邪気味で歯科治療を受けたら口の中が腫れてしまった。すぐに歯科に行ったら「それは内科で診てもらうように」というため内科を受診した。内科では「それは治療を受けた歯科で相談してくれ」とつれない返事。一体どうしたらいいのか?

・差し歯を入れてもらったが、何の説明もなく隣の健康な歯に銀をかぶせられた。そういう重要な事は普通治療前に説明するものではないのか?

・前歯が欠けてしまい、歯科に行ったら自費での治療で、高額な治療費を提示された。すぐに返事は出さずに友人に聞いたところ、保険でもできるはずだと指摘された。本当はどうなのか?

整形外科

・自動車の運転中後ろから衝突されて3ヶ月間治療を受けたが「これで保険での治療は打ち切る」「あなたの場合、事故との因果関係ははっきりしないし、もともと悪かったのかもしれない」と言われた。納得できない。

・整形外科できちんと説明をしてくれる病医院はないのか?近所に何件かあるがどこの先生もレントゲンに異常がなければ患者に興味がないという感じで痛みの原因などきちんと説明してくれない。続けて受診すると露骨に「なぜ来たの?」というような言い方をされる。

・靱帯の手術をして1ヶ月たつが、リハビリ担当者に全く誠意が見られず非常に不安である。毎日電気で暖めるだけの治療は妥当なのか?

椎間板ヘルニアといわれ手術を強引に進められている。医者はこのまま放置すればどんどんひどくなって歩けなくなると言う。本当にそうなのか?自分としては手術は受けたくない。

心療内科

・不安神経症で先月まで精神科に入院していたが、状態が悪いわけでもないのにまた入院を勧められた。入院していた時もなかなか退院させてもらえず、どうしたらいいのか迷っている。自分としては薬を飲みながら自宅で療養したいと思っている。

・不眠でいらいらするため心療内科を12件受診したが全ての医師の見解が異なる。医師の異なる診断で更に不安が強くなりまた別の病院を受診したくなる。何でみんな言う事がちがうのか?

・ストレスによる胃炎といわれて6ヶ月間薬を飲み続けたが一向に良くならない。本当に胃炎なのか疑問を感じる。診断が間違っているのではないか?

・内科で更年期といわれて婦人科でホルモン療法を受けているが、体がだるくてとても家事や外出する気になれない。もしかしたら心の病気なのか?ホルモン療法は効果がないのに続けてもいいものか?婦人科の医師は「そのうち効いてくる、もう少しの辛抱だ」というばかりで私の話に耳を傾けてくれない。

外科

・胃癌で手術適応といわれたが血糖値が高くて手術は当分できないと言われた。癌なのに放置して大丈夫なのか?更に去年の成人病検診で便潜血がプラスだった結果表を見ながら、「あれっ、去年もプラスだったんだ」と軽く言われた。許せない。訴えられるだろうか?

・父が転倒して頭を打ったため外科の救急病院を受診したら絶対安静ですぐに入院といわれた。いったん私だけが自宅にもどり入院の準備をして再度病院へ戻ったら、婦長さんに今からすぐに退院して欲しいと言われた。こんな事ってあるのか?どうなってるんだ!

・ある病院で癌といわれ手術を勧められたが、セカンドオピニオンを求めたくて主治医にそのことを話して受けた検査資料を拝借したいと申し出たところ、露骨に嫌な顔をされて、たった1枚のレントゲンフィルムだけしか出してくれなかった。名の通った大病院がこんな対応をしてもいいのか?

・がんの手術を受けた母は術後2週間で退院させられ、今は月に一度抗がん剤の治療に通院している。しかし副作用でほとんど食事がとれずに寝たきりで過ごしているので先生に相談して入院をお願いしたら「手術待ちをしている患者がたくさんいるから」と拒否された。そんなものなのか?



【どういった症状、病状だったのでしょうか?】

    ※重複回答あり

先に述べた診療科目同様、病状や自覚症状に関する全相談中、「医療不信・不満に関する相談」について抽出。実数としては「痛み」についての相談が圧倒的に多く、割合からみると「癌」についての相談が高い数値となりました。

癌については治療法や術後の不安についての相談が多くありました。



慢性的な痛みや特効薬のないしびれ(知覚異常)、様々な原因で歩けない、動かせない(運動障害)、原因のわからない症状については特に相談者の精神的な重圧になっている様子が伝わってきます。



また、もともとストレスがあって痛みがでるケース、痛みが続いてストレスになるケース、両者とも存在する事を理解する必要があるのではないでしょうか。



【誰に対する不信、不満ですか?】

全相談411例中、医療不信や不満の対象が明確な事例を抽出しました。

圧倒的に医師に対して不安な気持ちや納得できない感情を相談される方が多く見られました。



どうしても上手く信頼関係が築けないと言う背景には様々な要因が考えられますが、「自分の受けた治療、飲んでる薬を知りたい」というニーズが高まる中「患者は黙って従ってればいい」という医師が少数ながらも実際にいる事、



時代背景として度重なる医療ミスと、その隠蔽体質、医師の過酷な勤務体制、医療ミスが起こっても「病院有利」という図式が成り立たなくなってきた事



様々な情報がインターネットで容易に入手でき、患者同士の情報交換や医師の意見を気軽に聞けることなど、(これは電話相談でも同様です)

いろいろな事が関与しているのではないでしょうか。



【何に対しての不信、不満ですか?】

全相談411例中で、医療不信や不満の種別が明確な事例を抽出しました。



薬に関する相談が多くありました。長期服用への不安やずっと飲んでるのに良くならない、抗生物質の使い方に疑問を感じる、(耐性を心配されている方もいらっしゃいます)医師により薬を飲むように指示されたり別の医師には必要ないといわれるなどの相談内容です。



また、各項目とも共通して多かったのが、医師や診療科目によって判断が異なる、前回の説明と内容が違う、別の医師から受けた治療や処置を否定されるなど、確かにこれでは困惑するだろうと思われる相談が多くありました。



具体的な相談事例を紹介いたします。(プライバシー保護のため内容の一部を変更しています)



 診断

・初めにかかった医師には「ひびがはいっている」との診断でギプスをして安静にと言われた。しかし3週間たっても痛みがひかずになかなか良くならないので心配になりもう1軒受診した。そこでは「骨には異常ない」との診断で、すぐにギプスをとってどんどん動かすように言われた。どうして医師によって正反対の事を言うのか?急に動かせと言われても痛くて動かせない。

・たいしたことはないから様子見るようにと複数の病院で言われたが、病名を聞いてもわからないとつれない返事。

 薬

・以前風邪をひいたときに「抗生物質は風邪には効かない」と言われて処方してくれなかった。今日同じような風邪をひき、別のクリニックで抗生物質を処方された。風邪には効かないのになぜ処方されたのか?

・祖母は全然ボケていないのに痴呆の薬など10種類も処方されていた。祖母は「栄養剤みたいなもの」と言われて1年前からずっと飲み続けているらしい。医師に直接問いただすべきか?

 検査

・診察を受けたときに「血液検査をして欲しい」といったら急に不機嫌になり「そんな事は患者が決める事ではない」といって検査してくれなかった。

・ものもらいができて眼科へ行ったら、視力検査や眼圧検査、眼底検査をされた。しかも結果説明もなく「ものもらいですね、薬出しておきます」と言われて返された。ものもらいでこんなに検査が必要なのか?会計も高かった。

 治療

・椎間板ヘルニアで足の痛みとしびれがあり、接骨院で2ヶ月治療を受けているが良くならない。ちゃんと整形外科で治療を受けたほうがいいのか?整形外科の医師は非常に横柄で通院を止めてしまったという経緯がある。接骨院の先生はすごく優しく丁寧なので本当は接骨院のほうがいいのだが。

・癌の治療で、「最後に苦しまないように」という理由で保険が利かない薬を強く勧められたが、そういう薬はあるのか?信頼してもいいものか?

 手術

・お腹の手術を受けたが術中「悪性」の可能性もあるとの理由で術式が変更になり、5時間を要した。また「多少血管を傷つけた」との理由で4㍑の輸血をされたが、これは医療ミスではないのか?どこに相談したらいいのか?

 処置

・外傷で縫合してその後処置に通院しているが全然医者は見てくれずに、いつも看護婦さんが消毒するだけ。それなのに再診料を請求するのはおかしいのではないか?



【相談時に表現された具体的な心情】



   ※重複回答あり

電話相談の中で決して穏やかではない口調で怒っていらっしゃる方や相談員との会話の中で、こんな事を言われたと言って泣いていらっしゃる方、冷静に端々と第3者の意見を求める方など様々でした。

医師のこういう言動にに傷ついた、憤慨した、という相談事例

(プライバシー保護のため内容の一部を変更しています)



こういう言葉【傷ついた】【憤慨した】

・「風邪では死なないよ、おかあさん」 

・「内科にかかってるのに何で外科にきたの?」

・「更年期じゃないの?」  「心配しすぎじゃないの?」

・「私のことが信用できないなら他へ行ってくれ」

・「ここでぐちをいわれても困る」 「ストレスたまってるでしょ」



こういう態度【傷ついた】【憤慨した】

・冷たい  ろくに診察もしないで決めつけた言い方をする

・早く帰れとばかりにカルテをさっさと閉じて籠に投げ入れる

・高飛車 馬鹿にしたような言い方 話をろくに聞いてくれない

・皮肉を言われた すぐに怒り出す 誠意がない めんどくさそうな態度

・時計を見たり、忙しそうな仕草をする ほとんど患者の顔をみない



以上、いろいろな角度から医療不信や不満に関する相談を分析してきましたが、「医療としてのあるべき姿」と「人間としての感情」(医師も患者も双方に)が常に一致するとは限らず、とても根深い問題だと認識しました。



どちらが正しいとか間違っているという問題ではありませんが、いい関係が築けなければ不利益をこうむるのは主に患者サイドですからしっかりと医師や医療機関を見定めて選択するということが重要だと思います。



もうひとつ大切なことは医療機関を転々としてもいい方向に向くとは限らず、むしろそのためにかえって不安になったケースも多いということです。たとえ納得できなくてもどこかでその気持ちに終止符をうって自分で自身と向き合う姿勢も必要ではないでしょうか。

    (@@) (@@) (@@) (@@)



なかなか考えさせられる内容でした。しかし、話せば分かることも多々あり。また、医師側から見れば、相当に思い込みで感情を害する例が多いことも事実。

いずれにせよ、多くの医師と患者が教訓を得られる統計ではありますね。



では、長くなりましたが、最後に
『ウィキペディア(Wikipedia)』より...





医療不信(いりょうふしん)とは、医療行為医療従事者医療施設など、医療の一部もしくは全般に対する不信感のこと。

あくまでも感じる側が抱く「思い」「イメージ」が主体の用語であり、不信の対象となる医療が実際に信用に足りるか否かとは必ずしも関係がない。

目次

• 1 成因

• 1.1 医療者側に主な要因があるもの

• 1.2 患者側に主な要因があるもの

• 1.3 マスコミに要因があるもの

• 1.4 市民団体に主な要因があるもの

• 1.5 司法制度等に主な要因があるもの

• 2 影響

• 3 関連項目

• 4 外部リンク



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成因

医療に対する不信が形成される要因は複数存在し、多くの場合はそれらの要因が複合的に作用して医療不信が成立する。主な要因としては下記のようなものがある。



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医療者側に主な要因があるもの

患者の理解度に合わせた十分な説明や、患者側の十分な理解の上での同意がなされているかの確認が不足している場合に生じる。また医師自体の説明方法・手技の熟練不足、患者が過度の期待を持っているか?、患者の受け止め方の度合いなどの患者やその家族の分析が不足している場合に生じる。また受診や入院時における受け答えや、そのときに起きた事象への医療者側の対処の仕方などによっても生じる。 また医療従事者の患者に対する不誠実な態度や低レベルと感じさせる医療内容、あるいは医療過誤を受けた患者らの医療不信を著しく増強する。また、重大な医療過誤・医療事故や医療従事者の犯罪は、報道を通して医療全体の信頼性が損なわれる大きな要因となる。





患者側に主な要因があるもの

日本は、医療従事者の奉仕的労働に支えられ、世界でもトップクラスの医療レベルにある。その上で、高度な医療が、いつでも、誰でも、安価に受けられる世界に類を見ない国である。 しかし、それ故に、治療に過度の期待を抱きやすく、十分な理解がないまま治療に同意し治療受け、その結果自分が思い描いた良好な結果にならなかったケースにおいて、不満を持つ事が多い。メディアや伝聞等で片寄った情報のみを鵜呑みとし、自らの体験・判断を元にせず医療に敵意をむき出しにするケースがある。医療へ敵意を持っている患者に対し医療者側は防衛的に接する場合があり、その際その態度に対して不信の増強につながる。 また医療への敵意を持っている患者や十分な説明を受けられなかった(あるいは理解力の乏しい)患者では、「(他の患者が多いために)待ち時間が長い」「(医療自体は適切だったが)結果が悪かった」といった不満を、医療従事者の責として認識することがあり、これが医療不信の原因となる場合がある。 昨今インターネットの発達により各個人が容易に情報発信することが出来るようになったため、医療不信を持った者が医療バッシング的な情報発信を行う場合があるなど、既に成立している医療不信がさらなる医療不信の種となりうる。



マスコミに要因があるもの

医療不信の成立に報道機関が果たす役割は大きく、合併症など医療従事者に責のない内容を「医療ミス」として報じるような印象操作記者の無知が原因であると推定される事例も多い)、医療訴訟において原告側主張のみを詳細にとりあげるなどの非中立的報道、「信用できない医師・医療」のような基本姿勢で構成されたバラエティ番組などが、いずれも読者や視聴者の医療不信を増強する。特にバラエティ番組では、大衆的興味を引くために権威者(この場合は医師)を仮想敵に設定して番組を構成することが多々あるが、近年はバラエティ番組と報道番組の両方の側面を持った人気番組が同様の姿勢を打ち出すこともあり、医療不信に拍車をかけている。なお、2007年6月4日の日本経済新聞夕刊に、医療不信に関連した電話相談の件数と医療事故に関する報道件数に相関性があることが、医療に関する電話相談を受け付けているNPO法人の調べで分かったとの記事が掲載されたが、これはマスコミ報道によって大衆の医療不信が大きな影響を受けることを明確に示している。



市民団体に主な要因があるもの

医療過誤や合併症による不幸な経験をした患者(遺族)や、そうした問題に取り組む有識者らが、市民団体などを結成して情報発信を始めることがある。このような団体は患者の救済には大きな助けとなる反面、勢い余って医療機関などへの敵意を剥き出しにする場合も少なからずあり、報道機関との親和性も高いことが多いため、活動内容が偏向しているような場合には医療不信を殊更に助長することになる。ただし、同様の経緯で結成された団体の全てに当てはまるわけではなく、医療従事者とも連携して医療制度改革への提言を行ったり、医療現場の改善に取り組む団体も存在する。



司法制度等に主な要因があるもの

海外では弁護士が医療訴訟を焚きつけているとしてAmbulance Chaser(救急車を追いかける者)と揶揄することがあるが、医療訴訟は一般的に損害賠償請求額が大きいことから弁護士の弁護費用も高額になりやすく、日本でも既に同じ現象が起きているとする指摘もある。医療訴訟では医療機関と患者が敵対関係になるため、医療訴訟の原告となった患者や遺族の医療不信や憎悪は必然的に増大する。



影響

医療不信は、従来のパターナリズム(父権的)による医師-患者関係(『先生にお任せします』という、医師が主体の医療モデル)から脱却し、患者の知る権利自己決定権に重きを置いた医療モデルへ変化する必要性を示す象徴的現象であるとする意見もあり、医療従事者への敵意や医療界全体への不信とならない程度のものであれば、患者が主体的な医療参加を始める切っ掛けとして作用する可能性がある。

しかし、医療不信はこういった変革への圧力となりうる反面、逆に良質な医療を阻む要因ともなる。その例として、疑似科学、民間信仰等に基づいた偽医療の横行を招いている現状や、目の前にいる医師を信用できずに次々と違う医療機関にかかるドクターショッピングといった行動が挙げられる。また、医療不信の強い患者と医師が良好な医師-患者関係を築くのは極めて困難であり、結果的に患者が適切な医療を受けられなくなる危険性があるほか、患者一人当たりに要する時間・労力、クレーム、医療訴訟が増加することで医療現場が疲弊し、医療崩壊を招くことを懸念する意見もある。

医療への信頼を改善するためのアプローチとしては、インフォームド・コンセントセカンド・オピニオンカルテ開示医療機能評価などといったものが提唱され普及しつつあるが、西洋的な概念であって日本の医療事情や患者の性状と必ずしもマッチしないなど、それぞれ内包する問題は少なくなく、医療不信解消のための決定打とはなっていない。

また近年、EBM(Evidence-Based Medicine)をもじったJBM(Judgement-Based Medicine)という言葉も生まれ、司法の判断が下った結果に対し、その正当性や患者サイドの利益を考える前に保身的な医療を行おうという傾向が現れて来ている。



ホントに長くてすみません...



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ブログ901htm

助けるのが仕事やろ!..ん?



  (コメント数、5000越えました。ありがとうございます)



栃木・鹿沼の車水没死:消防、通報に出動せず 「情報殺到し混乱」




     
毎日新聞 2008年8月24日 東京朝刊

 栃木県鹿沼市茂呂の東北自動車道高架下の市道で今月16日、集中豪雨のため冠水して乗用車が水没し、同市千渡(せんど)、派遣社員、高橋博子さん(45)が水死した事故で、市消防本部が目撃者から通報を受けたにもかかわらず、救助に出動していなかったことが23日、明らかになった。市消防本部は「(浸水など)通報が殺到し、混乱して正しい判断ができなかった」とミスを認めている。

 同本部によると、事故当時は通信指令課の職員3人が通報を受ける任務に就いていた。午後6時22分以降、水没事故の通報が複数あったものの、同時間帯に浸水など他の通報が殺到。対応に追われる中で、職員が県警鹿沼署に出動要請済みの別の水没事故と混同し、警防課に出動指令を出さなかったという。

 同署が高橋さんの車を発見したのは、最初の通報から約1時間後の同7時20分ごろだった。【中村藍】

  =====================



消防は助けるのが仕事やろ! 

通報が受けるのが3人やて?

病院の当直なんか3人いたら上等や!

 (一人当直がどんなにこわいかわかるか?)

医者が何言われてるか知ってるか?

 
医者は助けるのが仕事や!、どんなに忙しゅうても、病人がいるんやったら全部受けんかい! 死にかけてるのに断るな!

 こんな意味不明な暴言で攻撃されてる医療現場を考えてみい!

 救急が殺到したら、混乱して誰も助けられんことくらい分かるやろ!



 ところが出動すらしてない警察やら消防がおるんや。

 救急と一緒にされたらたまらんわい。



と、多くの救急医は感じたことだろう....。



ところで、この市長は、複数の通報があったと言ってるけど...

複数って、いったい何件くらいだったのかね?

10件? いや、そんなにないって? じゃあ5件?

  まさか...2件?

それによってかなり印象違うけどね...

 でも、混乱して勘違いした...って、ちょっとね?

あ、でもね、ミスを認めちゃあ...逮捕されるよ。 ね?

たとえ遺族が訴えなくてもね?



それで、事実を明らかにするために裁判になったりして..

 で、裁判になったとたんミスはなかったとか言ったりして...



言っておくけど..

 
大野病院事件ってのは、今回の例に例えるなら、医師が現場に行ってるんだ!

 そして、ほとんど水没している車から運転手を必死に救助しようとしているんだ。

  金槌で車の窓を割って、運転手を引っ張り出そうとしているんだ。

 あと少しで体全体を窓から出せるというところで、たまたまドアの窓枠にわずかに残ったガラスに衣服が引っかかってしまった...

 引っかかり方が悪くて,衣服が意外に丈夫でなかなか外れない..

  そこで金槌で残ったガラスごと割ろうとしたらガラスが足に刺さって大出血した

 そこで傷からバイキンが入って助け出したけど感染症で亡くなってしまった..



 で、裁判になって、なぜ金槌じゃなくてレスキューハンマーを使わなかった?

 って、インネンつけられたようなもんなんだよ。



 そして、助けられないなら、レスキューに任せろ!、って言われたようなもんなんだよ。まあ、レスキューの到着を待っていたら確実に溺死だったんだけどね...。



こういう記事を書くと、遺族感情を無視した医師の発言などとマスコミに取り上げられる可能性があるだろうね。



しかし、私は、遺族感情を無視したことなどただの一度もない。

私は多くの高齢者、重症患者を担当してきた。

おそらく、病院からお見送りをした患者さんは300人近くいただろう。

 いろんなケースがあった。遺族から感謝されることもあれば、おそらく憎まれているだろうなと感じることもあった。でも、約25年の勤務医生活で訴訟にならなかったのは..、私は医師として、微力ながら患者を救おうと努力し、必死に遺族感情、遺族の喪失感と向き合ってきたからだと信じている。



 残念ながら、医療にミスはつきもの...あ、いや、ミスというより、わからないことが多いのだ。

 非常に簡単な話をしよう。

 「腹が痛い」と言ってきた患者さんの場合...

 もし,心窩部(みぞおち)を押さえて痛むようなら、まず胃の病気を考える。

 それが、慢性胃炎か,急性胃炎か,胃潰瘍か...そりゃ難しいよ。

 触診だけだったら..。でも、開業医のところへ来る患者さんで、すぐ胃カメラ(内視鏡)って言ったら、いやがる人も多いよね。とりあえず薬で様子を見ることも多い。

 この場合、診断は未定のまま、つまり、推測で薬を決めることになる。

  だから広い意味では診断ミス?かもしれない。



 では、発熱、咳、痰で来た患者さんの場合...

レントゲンとっても、肺炎と100%診断することはできない。

でも,疑ったら、病状にもよるけど、とりあえず抗生剤を出す場合も多い。

 すると、その抗生剤は必ず効くのか? と言われたら、

 「多分効くと思うけど、もし効かなかったら薬を変えますのでまた来て下さい」

と,言わざるを得ないこともかなり多い。

 もし,肺炎だったとして,入院して点滴治療をする場合もそう。最初に出す抗生剤が効くかどうか、わからない。菌の種類の判定、菌がどの抗生剤に効くかという感受性テストの結果はそんなにすぐには出ない。(感受性があるのに実際に使ってみたら効かない、という例も少なからず存在する)

 かならず正しい診断ではなく推測に基づく治療というものが必要なのだ。



医師に対する誹謗中傷をくり返すブログなどは、このような、最も頻度の高い病気ですらかなりの不確実性があることを全く理解しない。

 不確実性という言葉を、医師の逃げ道のように揚げ足取りをする人達は、科学的事実から逃げているのだ。



そうそう、



大野だけじゃない。加古川を忘れるな!

でちょっと前の事件を振り返りましたが、

コメントを頂いた奈良心タンポナーデ事件も改めてひどい判決だと思った次第...。



奈良心タンポナーデ事件は、かつて山ほどブログに出ておりましたが..

例えば、

Yosyan先生のブログ(新小児科医のつぶやき)

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20061108

などで、かなり詳しく報じられています。



この裁判で明らかなことは

 交通外傷の重症患者(ハンドルで胸部打撲)を受けた脳神経外科医は、心タンポナーデを治療するための心嚢穿刺という手技と、心エコーの技術を持っていなければ、敗訴する、というものです。



この判決に照らせば、専門領域以外の診断技術を相当に身につけていなければ救急にあたってはならない、ということになり、

現在の救急病院の半分以上から救急返上という意見が出ても当然という結果になりますね。



恐ろしいというより、身の毛もよだつようなトンデモ裁判です。

これを裁判官に当てはめると、

医療について相当な知識量と医学的常識を備えた裁判官でなければ、この手の裁判に従事してはならない、となります。

おそらく、わが国の裁判官で、この基準に合致するものは10%もおりますまいて。



救急など危なくてやれるか! という医者がこれ以上増えたら、日本の救急医療は確実に崩壊します。

ほんとうに、恐ろしい判決例です。



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ブログ900htm

絶対あるある、の話



(やった!、記事数900到達! 総アクセスはただいま177万)



あくまで架空の話です。



消化器内科医であるあなたは、当直をしていると、胸が重苦しいという患者を診てほしいと救急要請を受けます。

救急隊は、近隣の病院がなかなか受けてくれないので何とかお願いしたいと言っているようです。

“胸は専門じゃないけど、実は胃だった、あるいは逆流性食堂炎、ってこともあるし、仕方ないかな。じゃ、とにかく診るしかないな”

あなたは、親切に要請を受けることにした。

まもなく救急車がやってきました。

中年男性がちょっと苦しそうに救急隊員に寄り添われて歩いてきました。

救急室に入り、あなたが状況を聞いていると、ますます苦しそうになってきました。

“いかん、急いで検査しなくちゃ”

あなたは診察もそこそこに心電図をとります。

あ...こりゃ、心筋梗塞かもしれんぞ! やばい!

あなたは大至急で採血を指示し、トロポニンTも調べます。

結果が出るまでに、急いで輸液をし、心電図のモニターを引き続き行います。

さらにミリスロールとリドカインを点滴し始めます。



15分後、トロポニンT陽性。

“やっぱり心筋梗塞だ!”

あなたは急いで、家族に、病状を告げ、急いで循環器専門医が心カテしてくれる病院へ送らねばならないと説明します。

家族は、“是非、お願いします”とおろおろしながら医師にすべてを託します。



と、それからがさあ大変!

近隣の病院は、どこも満床だったり他の患者の治療中だったりで、専門的治療のできる病院が受け入れてくれません。30分経ち、50分経ち...

あなたは焦ってきます...しかし、探し続けるしかない...

この病院では心カテ治療はできないのです。

そして、70分。やっと受け入れ病院が決まりました。

あなたはほっとしますが、家族の顔が引きつっています。

そして、救急車を要請し、サイレンの音が聞こえてきた時です。

まさに突然の心肺停止!



なぁにぃ〜!!? えらいこっちゃ!

とにかく必死に蘇生を始めます。もう他の病院へ送る余裕などありません。今、自分がやるしかない! あなたは知る限りの知識を総動員して蘇生を試みます。手の空いている看護師も駆けつけた! そして、運良く当直していた他の医師も手が空いて駆けつけた!

....しかし....しかし...

患者さんの心拍はあらゆる手段に全く反応せず..

 1時間近く、医師看護師合わせて7人も総動員で治療に当たりましたが..

   死亡です...。



「全力を尽くしましたが...残念ですが,ご主人を蘇生することはできませんでした。大変残念で,申し訳ありませんが、ご臨終です...」



「そうですか、さっきまで元気だったのに...大変お世話になりました..」

ご家族はそう声を絞り出し、「お父さん! お父さん!」と泣き崩れる..



   ============

 実は、私もかなり似たような状況で苦しんだことが何度かあります。

 違うことと言えば...

  私は、一人当直だったこと...かな..

   ============

さて、医師なら誰でも思うでしょう。この消化器の先生は、ほんとにできることをすべてやったと思います。落ち度はありません。



ところが、これとほぼ同じ事例が裁判になり、裁判長は、医師の過失を認め、この病院を管轄する市に3900万円支払え! という判決を下すことがあり得るのです。




かの有名な
加古川市民病院心筋梗塞事件....



全国の医師は、この国が民主主義の国だ、世界の常識が通じる国だとは思わないでしょう。そして、そのような判決をする裁判官がいることを忘れないでしょう。



    (@@) (@@) (@@) (@@)



ところで、本日のニュースZEROでこんなニュースがありました。

 東北自動車道の鹿沼インターの近くで、ガード下の道路で集中豪雨のため水没した車があり、目撃者や運転手から警察と消防に連絡が入ったが、いずれも他の場所と勘違いし、結局、45歳の女性が溺死した、というものです。

 大野事件の事例から考えれば、これこそ、現場に向かえば100%救助できたのですから、できることをしないで死亡させた警察・消防の担当者は手錠をかけて連行されるのが当然であり、連行した警察官が本部長表彰を受ける資格があるということだと思うのですが.....。

 人命救助で、決して逮捕されないのは医師ではない、医師だけが免責を求めるのはおかしいと吠える連中は、何を考えているのでしょうか???



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ブログ899htm 笑いネタ、“ちん”騒動


下品なネタでごめんなさい。北京オリンピック関連のニュースをそれとなくネットで見ていて、偶然目にしてしまいました。
思わず,“くっくっ”と1人笑っているのを女房に目撃され、バカにされましただ....

この上は、ブログの読者を巻き添えにしてみたいと...
  =============

バットに注目!? G.G.佐藤を襲った“ちん”騒動
「ジージ」中国語では…

ZAKZAK 2008/08/21
http://www.zakzak.co.jp/spo/2008_08/s2008082123_all.html

 【北京=宮脇広久】G.G.佐藤はちんちん佐藤だった!!
 得点力不足の星野ジャパンにあって、貴重な長距離砲が、G.G.佐藤(西武=30)。
 「ジー、ジー、ジージーサトー!」。G.G.佐藤が打席に入ると、日本応援団が声をそろえてコールする。しかし、それに対する地元の中国人、とりわけ女性の反応が明らかに変なのだ。
 現地スタッフに聞いてみると、「こんなこと、中国人の前で言ったり、書いたりしないでくださいよ」と小声で真相を明かしてくれた。
 「実は、北京を含む長江以北の地域で使われている俗語で『ジージ』というのが、そのつまり…。『ちんちん』の意味なのです。『鶏鶏』と表記します」
 G.G.佐藤自身に罪はないが、スタンドから「ちんちん!」「ちんちん!」の大合唱が起こっているとすれば、中国人がぎょっとするのも当然か。辞書にも載っている言葉では同じ意味の「鶏巴(ジーパ)」という語があり、これが転じたものらしい。

 もし、佐藤の打席を実況したら大変なことになる。
 「
ちんちん打った、ちんちん大きい、ちんちん入るか、ちんちん入ったー!」
 「おっとちんちん飛び出している! ちんちん挟まれた! これは痛い


 もちろん、こうした“空耳現象”はどこでも起こり得る。
 1960年ローマ五輪ではボクシング・バンタム級の芳賀勝男選手が、イタリアっ子たちに同様の物議をかもした。というのもイタリア語の「カッツォ」は直訳すると「おちんちん」。体育館に「カッツォ! カッツォ!」の大声援が起こったとされる。
 あくまでも「金」を目指す星野ジャパン。すでにいいタマはそろっている。あとは“ちんちん佐藤”の打棒爆発で悲願成就といきたいところだが…。
   ========================
悲願は成就せず、撃ちん、となったのは皆様ご存知の通り...

それにしても、あまりにも痛い2失策..。あの日本人の応援がこのように中国人に聞こえていたとしたら...なんとも不憫じゃのう...金メダルのかわりに、ちんメダルとは...


  (@@) (@@) (@@)


あ、ところで、あの熱ケツ 松岡修造が北京で犬に噛まれたらしい、とクリニックでしゃべってる人がいたが...ほんとでしょうか?
ネットで探したけど見つからなかったので...ガセでしょうか?

中国の犬は恐いよ! 狂犬病の予防接種あまりしてないそうじゃない?

修造、大丈夫かな? 熱ケツ解説者...

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ブログ898htm

京都の救急でさえ・・・



全国で最も医師が多いと言われる京都市...。

 (京都でも京都市以外はかなり減ってしまって困っています...)

その京都市でも、救急医療に次々と異変が生じている。



実は,土曜、日曜と地域医療連携に関する少人数の勉強会に出席してきたのだが

京都もいろいろ困っていることが多々あるという。



脳卒中急性期医療となると、脳梗塞ならtPA治療のできる施設がまず必要だが、そのためには万が一出血した時のことも考えて、緊急開頭術ができること(つまり脳外科が常駐していること)が必要な要件となる。これは厚労省が強制したものだ。



すると、京都市の北半分は、非常に対応病院が少なくなる。救急センターとして急性期の患者を受け入れられるのは、ほぼ第二赤十字病院(第二日赤)だけ、というか、ほとんど第二日赤に集中して搬入されるのだ。南は第一日赤はじめ複数の受け入れ可能施設があるものの、減少傾向にあり、お決まりのコンビニ受診などもあり,毎年救急件数自体が増加の一途をたどっており、北の患者まで受け入れるのは困難な状況にある。

 北にはかつて小規模ながら急性期を結構受け入れる私立病院があったのだが、医師をそろえるともはや採算が取れず,撤退をしてしまった。中規模の救急病院はいくつかあるが、神経内科、脳外科が常駐、24時間MRIが撮れるなどの条件は満たさず、脳血管障害の救急はほとんど受けられない。そんなお寒い状況だという。



 となると、第二日赤に意地でも頑張ってほしいところだが,はっきりいってもう限界です。これ以上は受けられません。神経内科、脳外科の医師からも悲鳴と怒りが渦巻いているという現状。しかも、病院自体がせっかく新しくなって機能は向上したものの、あまりの忙しさに看護師はどんどん辞めてしまう。ついに7対1看護を返上せざるをえなくなったとのこと。



 そこで期待は、天下の京都大学、そして歴史を誇る京都府立医大の2大学。

これらの大学病院は、新研修医制度で研修医が減ったとはいえ、まだそこそこの人材はいるはずだ。何とか救急で頑張ってもらえないものか?



 しかし、現実は厳しい。救急部は京大の方が充実しているものの、やはり組織が大きい分、救急に対する取り組みも、医局間、医師間でまだまだ温度差があり、看護部、事務部、技師部各部局の温度差もあり、ふたつの日赤のように一丸となって救急受け入れ,という体制はなかなか容易ではない。

 府立医大も救急部門が独立しておらず、なかなか救急に全力をなどという体制は取れないようだ。



 そもそも、この集まりで病診連携の話をしていたわけだが、現実には大学の担当の医師に顔見知りの開業医から直接に電話で依頼する、という特殊な状況でないとなかなか難しい場合もある。開業医の立場から見ても、どうしても大学って入院できないこと多いじゃん、やたら時間ばっかりかかるじゃん、結局研修医クラスの若いのしかいないことが多いじゃん、って敬遠してしまうこともしばしば。

 ましてや、電話の依頼を受け入れたはいいが、来てみりゃ全然病気が違ってた、とか、大したことなかった、ってえことになると、大学病院の方が融通が利かなくて、さて,この患者ど〜する? って,内部でモメたりすることもある。(あ、この現象は他の救急病院でも結構ありますがね...)



 循環器もしかり。心筋梗塞を疑って、顔見知りの循環器の開業医が依頼する時はいいが、全く循環器を知らん開業医からの依頼を受けると、的外れが多くなり、救急が混乱するばかりで飽和する。京大の循環器の先生は、依頼されたら全部受ける方針だ! とはおっしゃいますが、現実は何かと問題が多いような...。

 当然、府立医大でも同様。依頼を全部受けると大学病院ではシステムにすぐ無理がかかってしまう。



 となると,結局、脳血管なら神経内科の開業医、心臓なら循環器の開業医からの依頼は受けやすいがそれ以外は何でもOKとはいかない。

 そいうのは、受け入れた患者の治療が終わって、さあ、患者を返そうという場合、全く専門じゃない開業医のところへ患者だって帰るのは心配です。当然,医師の方も。となると、あの先生に返しても治療が難しいなら,仕方ないから自分で診ようか、患者も大学を頼ってるし...。とまあ、外来を減らしたくても、徐々に増えていくんだよね。



 ま、大学ってのは診療だけじゃなくて教育も研究もあるし...。

 それに、大学も救急だけじゃなく、外来も入院も見なきゃイケナイしね。大変だぁ。

 
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 ある大学の循環器の先生は、週1回の外来だけど、50人見るのに10時間以上かかるそうです。ヘタすると朝9時前から夜7時過ぎまでかかるんだって...。



 ということで、本来は、この外来患者さんこそ適切な病診連携が必要なんですけどね。患者さんの立場では、外来も入院も同じ先生で,って思う人も多いですが...

 それは、今の医療制度ではもう限界ですね。

 超急性期、急性期、回復期(リハビリ期)、慢性期、..それぞれ、ベルトコンベアに載って次々と医師が変わって治療を受けて...ポイポイと自宅へ戻されて..

 これこそが,政府の望む医療ですから。そして、マスコミの言う「医療の効率化」でしょ? 経済財政諮問会議、財政審の望む医療、コイズミ改革の目指した医療です..。



 大学の救急で頑張ってる個々の先生たちは、ホントに大変ですが頑張っています。しかし、制度の変化にシステムが追いつかず振り回され、望む医療がなかなかできず苦しんでいます。そして、われわれ開業医も、なかなか思うような連携を作りにくい状況があると思います。



 あ、そうだ、ある循環器の先生が、この会で、「加古川の例もありますからね、受けて専門と違ったと言っても、患者から『専門じゃないのになぜ受けた!』と言われたら、3900万円支払え! の判決ですよ。たまったもんじゃありませんよ..」とつぶやいていたんですね。それが、この前のエントリーの理由です。



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ブログ897htm

大野だけじゃない。加古川を忘れるな!



最近頻発するトンデモ判決。今、大野病院事件の判決が話題になるのは当然として、他の裁判もこの際,真剣に顧みる必要がありそうです。

 私が気になったのは加古川市民病院の心筋梗塞の搬送先を探しているうちに死亡された事件です。この判決は「加古川市は遺族に3900万円支払え!」というものでした。改めて読むと、この判決の恐ろしさが分かります。

まずは
2007/4/11付神戸新聞記事より



加古川市に賠償命令 市民病院で転送遅れ死亡 神戸地裁

 加古川市民病院で心筋梗塞(こうそく)の男性=当時(64)=が死亡したのは、医師が適切な対応を怠ったのが原因として、遺族が加古川市に約三千九百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が十日、神戸地裁であり、橋詰均裁判長は市に請求通り全額支払うよう命じた。

 判決によると、男性は二〇〇三年三月三十日午前十一時半ごろ、息苦しくなり同病院で心筋梗塞と診断された。医師は、転送の措置を取らずに血管を拡張するための点滴をした。午後一時五十分ごろ、医師は専門的な治療ができる高砂市民病院に転送を要請したが、午後二時半ごろに容体が悪化。約一時間後に心室細動で死亡した。

 判決理由で、橋詰裁判長は「医師は早期に転送する注意義務があったが、措置が遅れた。義務が果たされていれば、約90%の確率で生存していた」と指摘した。

 加古川市は「厳しい判決で、内容を検討し対応を考えたい」としている。


   ==============

以下はYosyan先生のブログ http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070423

Dr.I先生のブログ 
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-182.html

を参照(一部改変)



日曜日の昼にまず、電話で「胸が苦しく気分が悪い」というような

内容の訴えと受診依頼があり、すぐに受けた。

何回か加古川市民病院の受診歴はあるものの、

定期通院をしている方ではなかった。

確か64歳の男性。



奥さんと一緒に歩いて来院され、

診察室に入ったのは昼の12時過ぎ。

二次救急の日ではなかった。

小児の患者さんは数人おられ、 小児科医師が対応していた。



たまたまアルバイトで来ていた消化器内科医師 は、

すぐに患者さんをベッドに寝かせ

アナムネ(患者の症状とかの話)を聴取しつつ

心電図をとり、モニターを付け、採血をした。

ただちに心筋梗塞を疑っての処置です。



採血にはトロポニンTも含まれており、

その陽性と心電図でAMI(急性心筋梗塞)と診断した。

トロポニンTが出てすぐ。

時間は「12時40分頃?」



診断後すぐにミリスロールとリドカイン開始(点滴治療)。

すぐ家族にカテ(カテーテル治療、経皮的冠動脈再建術:PCI)

のできる施設に転送の必要ありと

ムンテラ(患者、患者の家族への説明)をし、

すぐ転送先を探す電話をし始めた。

本当に診断後、即、だそうです。

これ、医師なら分かると思いますが、医師としパーフェクトな処置です。



まず神鋼加古川に電話。

しかし、神鋼の当直医師も循環器医師に

連絡して確認しないといけません。

一旦電話を切ってその返事待ちです。

結果は受け入れ出来ない、との事。



その後同じ事を繰り返しました。

一件につき10分〜15分はかかります。



高砂市民病院、姫路循環器病センター、

三木市民病院、神戸大学病院にあたりましたが全てダメ。



結局、高砂市民病院(神鋼加古川?記憶があいまい)

に転院する事になったそうです。



搬送先が決まり、救急車を要請。

救急隊がストレッチャーに乗せようとした瞬間。

おそらく報道の14時30分「容態悪化」

の事だと思いますが全身性の痙攀がおきた。

その後、心マ(心臓マッサージ)、

挿管(気管内挿管)を行っていますが

全く無理な状態だったそうです。



容態悪化の14時半から死亡確認の15時半までは

蘇生治療をしていたと思われます。



小児科の看護師さんも含め、麻酔科の医師や

皆総出で頑張ったけれど、もう痙攀の時点で

ほぼ頓死に近かっただろう、との事。



70分早かったからって、助かるとは思いませんが。

その70分って、ほとんどは転送先を探すために使った時間なんですが。

救急医療の処置としての問題は全くないですし。



これで負けたら、本当に救急患者は一切受け入れられないですよ。



そして家族は医療側の努力を見ておられますし

「どうも有難うございました」と言って帰られた。

その後に誰かがけしかけたのでしょうか?

訴訟が起されたわけです。

この、来院されてから受け入れ先を決めるまでの時間、

受け入れ先がなかった為手間取っていますが

そんな事情があったとしても決して遅いとは言えません。

心電図をとり、点滴ルートをとり、点滴を準備するのに

少なからず時間がかかります。

そして救急車の呼び出し。

パーフェクトじゃないですか!!!

   ====================

 ところが、裁判では「3900万円支払え!」ですからね。



判決を出したのが、こういう判決で大変高名な?裁判長だそうですが...

私たちは、大野事件でやっと一歩を踏み出しただけなのだと、

私たちは、まだ決して安心できないんだと、

 読み返し、つくづく思うのでした。



 マスコミも、まだ何の反省もしていないようだしね....



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みのの遠吠え



ワイドショー通信簿

朝ズバッ!



「大野病院」無罪判決にみのがほえた



2008/8/21 †††† † † †<J-CAST テレビウォッチ>

 夏休みを終え『朝ズバッ!』に復帰したみのもんたが久しぶりの咆哮。

††福島地裁は昨日(8月20日)、帝王切開手術で癒着した胎盤を無理にはがし失血死させたとして業務上過失致死などに問われた医師に無罪を言い渡した。

††この事件をきっかけに、医療行為に当たった医師がいちいち刑事責任を問われるのでは医療現場の医師らが萎縮すると、全国の医師らが猛反発。産科医不足を加速させた一因といわれ、社会問題となっていた。

††業務場過失致死と医師法違反に問われたのは福島県立大野病院の加藤克彦被告(40)=休職中。

††昨日の判決では「胎盤をはがさずに子宮摘出に移れば大量出血は回避できた」としながらも「(この回避手段が)当時の標準的な治療行為だったとは言えない。剥離の継続は注意義務違反には当たらず、死亡は避けられなかった」とした。

††
死亡もやむを得ない「標準的な治療行為」とは何なのか、漠然としていてよく分らないが、ジャーナリストの嶌信彦も「被害者側からすれば、どういう過程で死に至ったのか事実を知りたいという思いがある。そこをきちっとさせることは、次の事故を起こさせないことに役立つだろうと、被害者のお父さんはそこを求めたのだろう」と。

††さらに、
みの

「この医師が、ムリに(胎盤を)はがして出血多量になるということを知っていたか、いなかったかですよ。ボクがお父さんだったら、ムリにはがさず、子宮ごと摘出して命を助けてくれと言いたくなる」

と吠えた。

††医療過誤の裁判は難しい。被害者側も捜査当局もそして裁判官も医療行為については素人。よほどのミスでない限り、「専門家」である医師のミスは問えない。といって、
「専門家」の立場に安住し、自ら聖域化していたのでは医療技術の底上げは遅れるばかり。今、そこが問われているのだ。

                             文†† モンブラン   

    ==================

 揚げ足取りなどしたくはない。いちいち他人の言うことにこまごまと文句を並び立てるなど、私の最も忌み嫌うことなのだ。

 頼むから、マスコミに身を置く影響力大なる人達は、発言にいささかでも責任というものをもってほしいと思うのだ。

 二日酔いが抜けぬような発言、どうか二度となさいませぬよう、くれぐれも願います。



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2200億すぐ出せる埋蔵金



 東洋大教授の高橋氏と言えば【さらば財務省!】を書いて話題となった元財務省官僚。コイズミの懐刀というところに注意は要するが、埋蔵金発掘はお得意らしい。彼の提案する社会保障費を守るための埋蔵金利用法。一読の価値はありそうだ。

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厚労省は5兆円の埋蔵金を出せ



  2008/08/15 13:37
   キャリアブレイン


【第24回】高橋洋一さん(東洋大経済学部教授)



 政府は来年度の予算編成で、真に必要なニーズに財源を重点配分する「重要課題推進枠」を設ける一方、医療や年金など社会保障関係費の自然増については、従来通り2200億円の削減を決めた。社会保障費の削減に対しては、医療界からの反発が強いものの、財政再建型路線は今後も続くことが懸念される。これに対し、医師の不足や過重労働などで疲弊する医療現場から「せめてOECD(経済協力開発機構)加盟諸国並みの医療費を」と求める声は大きくなる一方だ。社会保障についてどう考え、年々増加する社会保障費をどう捻出(ねんしゅつ)すべきか。小泉政権時代に改革の懐刀として郵政民営化を成し遂げ、公務員制度改革の素案作成にもかかわった、元大蔵官僚で東洋大経済学部教授の高橋洋一さんに聞いた。(熊田梨恵)

【略歴】

東大理学部と経済学部を卒業後、1980年に旧大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官などを歴任。特別会計の資産負債差額である、約50兆円の“埋蔵金”を暴露。「小泉・竹中改革」の懐刀として、郵政民営化や道路公団民営化、公務員制度改革などを実現。今年4月から現職。

     ++++++++++++++++++

医療界では、毎年の社会保障費2200億円を削ることによって総額1.1兆円の削減を決めた、経済財政諮問会議を敵視する声がよく聞かれます。日本医師会も先月、削減反対の意見広告を新聞に出していました。先生は当時の経済財政諮問会議に裏方としてかかわっておられましたね。



 社会保障費2200億円削減は、「骨太の方針2006」で決まりました。「骨太の方針」は、「2005」までは会議本体で作っていましたが、「2006」は実質的に自民党で作られたから、諮問会議はあまり中身にかかわってないのですよ。「2006」を作成する時に経済担当大臣が竹中平蔵さんから与謝野馨さんに代わったのですが、与謝野さんが主導すると財政再建型になり、財務省ががちがちになると思ったので、当時の小泉純一郎首相の裁定で自民党政調会長の中川秀直さんが主導することになったのです。



 では、2200億円がその当時どう考えられたか説明しますね。財政については、国と地方を合わせて ▽社会保障 ▽公共事業 ▽人件費系 ▽その他 ーの大きく4つに分けて考えていきます。それぞれの自然体の伸び率で放っておくとどうなるかを計算し、どう削れるかを見ます。



社会保障は重視されている■社会保障は重視されている

 「2006」の考え方はこれ=表=に集約されます。06年度は国と地方で合わせて107.3兆円の歳出が見込まれ、11年度にはそこから自然増で約20兆円膨らんで、128.2兆円と試算されました。この中で最も伸び率が大きく、額が多いのが社会保障費です。例えば、公共投資などは自然増で約3兆円増(18.8兆→21.7兆)ですが5.6兆円の削減、人件費も5兆円増(30.1兆→35.0兆)で2.6兆円の削減です。これに比べて社会保障費は、20兆円増と圧倒的に伸びていますが、削減額は1.6兆円と一番低い。削減額を自然増に対する割合で見ると、社会保障18%、公共投資193%、人件費53%、その他104%。つまり社会保障は一番重視されているというのが事実です。



 その削減額1.6兆円を分解すると、国が1.1兆円で地方が5000億円。1.1兆円を5年間かけてやるから、2200億円になったということです。どこをどう削減するかは、当時は厚生労働省にお任せで、わたしたちは「無駄を省いて、機械化や合理化などでできます」と担当者から聞いていて、どこを削るとかは知りませんでした。各省庁が、科学技術振興費やODA(政府開発援助)などいろいろな予算を抑えている中、削減割合だけ考えると、厚労省が一番低かったのです。医療関係者から見たら、自分のところが減らされているように見えるかもしれませんが、全体として見れば社会保障費はずいぶん伸び、削減額も少ない。そしてあくまでシーリングで、増収分の中で削るということなのです。これが見方のすべてです。



この2200億削減をめぐって診療報酬が削られたりと、現場にしわ寄せがきているため、どう工面するかで毎年苦労しています。



 全くもって単純な話です。約5兆円の“埋蔵金”が厚労省の中にあるのですから、それを使えばいいのです。厚労省の一番大きい埋蔵金は、雇用保険特別会計です。今まで余ったストックが5兆円くらい、フローベースで来年度余る繰越金の8000億円があります。これを2200億円に充てればよいだけの話で、それでも余っていますよね。一般会計を削ったということにして、特別会計の余り金を充てる。このやり方なら、シーリング目標である財政再建にも反しないでしょう。おまけに財務省が見逃していて気付かなかったものですが、一般会計から雇用保険に2000億円の繰り入れまでしていたのです。さすがに最近は気付いて渋るようになりましたが、これを社会保障費に回すことだってできますよ。



「厚生」「労働」壁をなくせ

 では、余った雇用保険特別会計で何をしていると思いますか。「私のしごと館」などを造っているわけです。あんな役に立たない箱物を造るぐらいなら、何とかしてほしいと叫ばれている2200億円に充てればいいでしょう。厚労相の一声でできますよ。

 「厚生労働省」とはいえ、実際の中身は合併前のセクショナリズムが働いているので、「なぜ『労働』の財源を『厚生』に回さなければいけないのか」という声が労働側から上がっていて、できないのでしょう。でもそんなことは外部からしたら関係ない話だから、あえて言います。「厚生労働省」という一つの組織の中でなぜできないのか。全くおかしな話です。



 もっとも、注意しなければならないのは、2%台を予想されていた名目経済成長率が07年度で0.6%、08年度では0.3%ぐらいまで下がっていて、そのせいで税収が落ちています。「骨太の方針2006」で5年間シーリングが決まっていますが、このままでは達成できないので、本来は「2008」の内容は変えなければなりません。その意味では変な状況が続いているということです。税収が落ちている時に2200億円を削るか削らないかという議論があってしかるべきですが、2200億円よりさらに削減額が増えたとしても、ストックが5兆円あるでしょ(笑)。それに回せばいいだけなのに、2200億円でどうこう議論しているなんてばかばかしい話です。



そのストックとフローを使ってしまっても、運営は大丈夫でしょうか。また、埋蔵金は増えているのでしょうか。



 増えていますよ。また、雇用保険特別会計の中からどれだけ使えるかについては雇用保険の運営にかかわる話ですが、わたしから見るとかなり使えます。少なくとも2200億円をあと3年出すのは、何てことないですね。そもそも雇用保険には保険数理の専門家がいないから、適当にやっているのが問題なのです。省内でお金を動かすことには財務省は何も言わないし、他の省庁も厚労省がどう動くかを黙って見ています。



「諮問会議の責任」は厚労省の方便?

 「骨太の方針2006」の前に、諮問会議と厚労省との間で多少議論があったのは事実ですが、何も決まらなかった。そこで、「2006」で自民党主導により削減が決まって、諮問会議は受け入れた。と同時に、諮問会議では“埋蔵金”を指摘した。つまり、“埋蔵金”で削減に対処すればいいということです。それにもかかわらず、医療費削減は諮問会議の責任というのは、厚労省がセクショナリズムで“埋蔵金”を回せないことをカムフラージュするための方便と邪推したくなりますよ。



   ====注:ここから下は、テーマが別です。====

 (読めば分かりますが、彼は医療制度を語るべき人物ではなさそうです。)



医療界では、医師の不足や過重労働など、疲弊する現場を改善するためにも医療費増を声高に求めています。しかし、一方では地方の公立病院の中に高額な医療機器があったり、DPCの不正請求が相当あるといわれたりするなど、医療費の偏在もあります。このままでは国民の理解を得るのは難しいと思いますが、国民にとって見えにくい医療費の流れを見えやすくし、理解を得るにはどういう方法があるのでしょうか。



 一つのアイデアですが、診療報酬で医療者側に回す分を減らし、患者側に回すようにすればいいのです。本来、お金は供給側でなく最終消費者に渡すほうが市場メカニズムが働き、見えやすくなるものです。例えば、文部科学省は大学に補助金を与えるので、大学側は文科省に顔を向けているでしょう。同じお金があるなら、奨学金として大学生にまいて、学生が授業料の形で納める方がいいですよ。行政にとっては、提供側に供給する方が業界とつるめるし、制度設計が簡単。一般の人に回す仕組みは面倒くさいですからね。でも、どこに目が向くかということを考えれば、供給側に与えるのはよくない。最終消費者に回すようにする方がまともな仕組みになりやすいのです。



医療費の場合だと、どんな制度設計が考えられるでしょうか。



 保険で占める部分が多いと分かりにくくなります。だから、診療報酬という形で、診療報酬基金を通して医療機関に渡すのでなく、患者に自己負担させて、一方で患者に税額控除などで補助金を渡すようにするのがいいと思います。要は立て替え払いということなので、結果は一緒です。費用が掛かったその時に払う方が、患者にとっても分かりやすいでしょう。自己負担を5割ぐらいにしたり、診療券などクーポンを患者にあげたりする方式も考えられます。生活保護者など税金がない人には、生活保護費の中の医療扶助を多くするなどの方法が考えられますね。もっといえば、欧米で導入されつつある生活保護と所得税をシームレスの制度にする「負の所得税」にすれば、税金を払っていない人に対しても、実質的に「税額控除」が適用できます。



患者自身が考える

 今までは個人負担を少なくする仕組みで考えられてきていますが、仕組みが見えにくい。個人が払う形の方が、チェックが効きやすいのです。患者と医療者の情報の非対称性といった議論もあり、患者が医療の内容が分からなくて言われるままにつぎ込んでしまうのは問題だから、供給側に対する規制も必要です。でも、そういったことを差し引いても、患者がイニシアチブを持っているほうがまだいい。過重に「お金を払え」と言われたら、ちょっと考えるでしょう。「こんなに薬が必要なのかな」とかね。立て替えとはいっても当面負担するんだから、その抵抗感をうまく活用するということです。つまり、確定申告して、お金の動きを自分の目で見た方がいいですよ、ということです。

 また、意識の問題もあります。お医者さんから見たら、患者でなく支払基金からもらっているように感じてしまう。患者も自己負担が少ないから払っている気がしない。その意識の差が両者のバランスを崩すこともあるでしょう。



先生は道州制も提案されていますね。



 道州制の中での社会保障は、年金など保険を使うことは国レベル、医療のインフラ整備は道州などの広域単位、サービスが具体的になり現物給付に近づくほど、市町村などのレベルでやっていくのがよいです。ただ、道州制の議論は、中央省庁が自分たちの権限をどこまで捨てられるかということになります。厚労省は旧内務省の系譜なので、厚生行政は都道府県に行ってもいいのですが、中央省庁の官僚は権力が地方に行くのをいやがりますからね。



話は変わりますが、厚労省は先ごろ、ついに医師不足を認めました。これには、厚労省が作っていた医師の需給に関するデータが間違っていたという指摘もあります。



 よくある話で、需要予測なんてそもそも当たらないものですよ(笑)。一般的に考えると、増やすべきか減らすべきかの判断がつかないときは、余分にしておくものです。だって、過小に見積もって間違ったら悲惨でしょう。医師が余れば、海外にも仕事はあるし、製薬会社なども医師の働き手を必要としています。医師数を絞る必要はありません。だから医師の国家資格についても、免許制ではなくて登録制でもいいと思いますけどね。「私のしごと館」を造らず、米国のようなメディカルスクールを地域に造ったらどうでしょうかね(笑)。



今の日本は「議院内閣制」ではなく、「官僚内閣制」だとも指摘されています。金科玉条のごとく前例を踏襲し、縦割りに動く省庁の体質は何とかならないものでしょうか。先生は6月に成立した「国家公務員制度改革基本法」の原案作成に携わられました。



 法が成立したことは高く評価しますが、ただ「一括採用」(職員を省庁ごとではなくまとめて採用すること)がなくなったのは残念でした。一括採用されると今の公務員制度が完全に崩れるから、民主党が官僚の守旧派の意向をのんだ形になったのでしょうね。

 それでも、遅くとも3年後には天下りができなくなるから、官僚たちは省庁に忠誠を尽くさなくなり、国家のことを考えるようになるでしょう。人事にかかわる幹部職員も内閣人事局の職員になり、各省庁とは別組織になりますしね。天下りさえなくなれば、省庁の縦割りは簡単になくせます。もちろん官僚の抵抗がすごいから、先の内閣改造人事で戻そうと思っているかもしれませんけど。



 「国民年金基金」なんて知っていますか? あんなものは国がやる必要は全くなくて、民間保険のスキームを使えば簡単かつ合理的につくれますよ。国にやらせると、天下り先をつくってしまうのです。今だって社会保険庁の受け皿をつくるために必死でしょう。懲戒免職になった人まで雇ってあげるシステムをつくろうとしているのだから、とんでもない話ですよ。



●2200億円の議論が、意味のないものに思えてきますね。



 こっちにお金がたくさん余ってるのに、あっちで「足りない足りない」と騒ぐのは尋常じゃないですよ。お金は天下の回り物、ということです。



     ===============

 大野病院事件に無罪判決が出た今、もちろん控訴断念を目指す事が重要ではあるが,いっぽうで医療崩壊過程を何とか早く収拾するための施策が急がれる。



医療事故調査委員会は、ますます世界基準の重要性が話題になるだろう。

法整備の促進も並行しなければならない。

そして、医師不足は、いくら大学の定員を増やしても効果が出るのは遥か先の事。

今の人材をいかに有効に使うか、埋蔵金ならぬ埋蔵医師をいかに働かせるか、その環境を作るか、これまで全く有効な手を打てなかった政府の動きに注目したい。

そしてそして、
最も重要な社会保障費、国民医療費の確保。とりあえずこの2、3年は埋蔵金に注目せざるを得ないのかもしれない。その間に政権交代が起こり、これまでの政府、官僚が隠し続けてきた日本の財政の暗部に光を当ててくれる事を是非願いたい。









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