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厚労の統計でわかる介護崩壊
医療と同様に、今や崩壊寸前の介護保険制度。
ご存知のように、大きな問題としては、次のようなものがある。
1)介護サービス受給者の急増に対し、介護保険料がどんどん上昇する制度設計。
つまり、国民負担がどんどん増えていく。
2)それでも介護保険の予算は不足し、介護報酬が切り詰められ、事業者の給与は著しく低い水準にある。その結果、介護職員は現場から逃散、事業者は倒産。
3)さらに、要介護度判定が介護保険改正のたびに厳しくなり、介護を受けられなくなる老人が増えている。
厚労省の統計を見ると、3)の厳しい現実が見えてくる。
平成18年(2006年)4月の改定がとんでもないことがよくわかる。
年々、介護サービス受給者は増加の一途である。
ただ、平成14年度には前年比16.3%も増えていたのが、平成19年度には3.4%増まで抑えられており、そろそろ頭打ちといった様子。ただ、高齢者は増え続けており、今後も減ることはないだろう。逆に、サービス受給できない人がふえているのではないか、と思える。
そして、特に問題となるのは、
要介護1の受給者が、猛烈に抑制されていることであろう。
要介護1のサービス受給者数は
平成13年度 599,466
平成14年度 739,578 前年比23.4%増
平成15年度 877,437 前年比18.6%増
平成16年度 998,253 前年比13.8%増
平成17年度 1,078,172 前年比 8.0%増
平成18年度 877,172 前年比18.6%減!
平成19年度 650,612 前年比25.8%減!
もうお分かりだろう。障害の程度が軽い人がどんどん要介護から要支援2、要支援1へとランクを落とされて、これまでのサービスが受けられなくなっているのだ。
また、サービスの種類別の介護費をみると、平成18年度の改定で、
訪問介護4.0%減
訪問入浴介護1.0%減
訪問看護0.4%減
通所リハビリ1.0%減
さらに、
福祉用具貸与10.4%減
短期入所(老健)5.1%減
短期入所(病院)15.4%減!
最近、かかりつけ医の意見書を書く医師の中から、多くの不満が出るようになった。介護保険の認定があまりに厳しい、というものだ。一段階どころか、時には二段階もランクを下げられ、全くサービスを受けられなくて途方に暮れる老人が全国にあふれている。
未来はまだ闇の中だ。
医療も介護も、これ以上厚労省のおもちゃにさせておいては危険だ。国民の命をこれ以上危険に晒してはいけない。
そして、介護保険の実務にあたる市町村も、ホンキで介護に取り組まなければ、住民から信頼されることはない、ということを考えるべきだ。
<参考資料>
介護保険「家族介護」へ逆戻り
2008/05/26 20:33 キャリアブレイン
介護保険の利用者に家族が同居しているという理由で、ホームヘルパーによる「生活援助」を打ち切る事例が各地で相次いでいる。「生活援助」の可否については市区町村の裁量で、極端なケースでは、利用者が独り暮らしにもかかわらず、「家族が通える範囲に住んでいる」として認めない場合もある。介護保険は、介護を社会全体で支える仕組み(介護の社会化)をつくるために導入されたが、多くの関係者が「介護の社会化の理念は捨て去られ、自己責任を土台にした家族介護へ逆戻りしている」と、制度の在り方を批判している。
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狭められる介護サービス
ホームヘルプは、介護保険の中で最も利用されている在宅サービス。「生活援助」はその一つで、調理や買い物、掃除などで暮らしを支援する。
「生活援助」について厚生労働省は、「基本的に単身の高齢者で、家族がいても病気や障害などの理由で家事ができない場合にサービスの対象」にしている。ほかに、やむを得ない場合として、家族が病気や障害以外の何らかの理由でサービスを必要とする際には、「給付の対象になる・ならないは個別具体的判断」になると、各市区町村に判断を委ねている。
しかし、介護給付「適正化」を柱とする2006年4月の改正介護保険法の施行に伴い、利用者に同居家族がいる場合の「生活援助」に制限が加えられる事例が目立ってきた。
東京都内の介護関連のNPO法人(特定非営利活動法人)など6団体でつくる「介護保険ホットライン企画委員会」には、▽乳児の育児と要介護5の父親の介護で負担が大きいが、市から今後は対応できないと言われた▽90歳代の母親とは別世帯で、仕事があるため、ヘルパーを頼んでいたが、「家の中がつながっている」ということで同居とされ、利用できなくなった▽要支援1と要介護2の80歳代の夫婦だが、息子夫婦がいるとしてサービスをカットされた。しかし、息子夫婦は共働きで介護ができる状態ではない▽同居しているとして利用できなくなったが、同居者は働いているため、日中は要介護者が独居状態になる?などの相談が寄せられている。
「生活援助」が狭められている実態について、全日本民主医療機関連合会が進めている「介護保険の緊急改善アピール」に賛同した長野県の事業所は、「家族同居時のヘルパー導入禁止後、家族の負担が多大になり、家族自身の医療受容度が高まるケースが見られる」と指摘。また、千葉県の事業所も「家族がいるのだから何もかもしなければならないとなると、仕事が大変になる上、介護の負担が多くなり、精神的な面での影響が心配。結果的に在宅で見ることができなくなる」と危惧(きぐ)している。
自治体による過剰な締め付け
東京都大田区は今年4月、区内の居宅介護支援事業所に「生活援助事例検討結果一覧」を送付した。同居家族がいる場合に「生活援助」を受けられる基準について、明確な定義がなかった中、ケアマネジャーがケアプランを作成する際の指針という位置付けになっている。
一覧では、▽同居している長男の仕事が月曜日から土曜日まで7?22時に及ぶほか、休日も不定期な勤務になっている▽働いている同居者が三食の作り置きをしても、利用者に認知症による過食があり、適切な状態ではない▽息子夫婦は海外在住で、2人の孫と同居しているが、いずれも学生で要介護者の支援は難しい▽73歳の妻が82歳の夫を介護しているが、妻は骨折の後遺症で家事が十分にできない?などの12例について、「現在の状況が変わった場合、見直しを行う必要がある」という条件を付けて、「生活援助」を認めることにしている。
この基準について、同区のあるケアマネジャーは「いずれも極端なケースで、国の基準を超えた自治体の独自解釈による過剰な締め付けとしか言いようがない。これでは、『生活援助』を必要としても受けられない人の方が多い。行政によるサービスの規制で、適正化という名の給付抑制にすぎない。頑張って介護をしている家族が、その一端を制度に担ってもらうこともできないなら、何のための制度か分からない。家族が全く報われない制度になってしまっている」と批判している。
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