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日経がホネヌキ医師不足対策を斬る?
日経と言っても日経メディカル オンラインだけど...
でも、医療への理解が薄い日経が、ようやく医師不足、医療費不足を認める方向になって来たことはひとつの成果と言えるかもしれない。
ま、会員制サイトなので、全文掲載するわけにもいかんかと...
で、要点をかいつまんでお知らせすることにしよう。
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若手・医学生
リポート 2008. 6. 20
本誌連動?「医師不足対策」の虚と実
空振り続く医師不足対策、打つ手はあるのか
予算「92億円」でも改善実感得られず
小田 修司=日経メディカル
国が莫大な予算を計上して様々な施策を打ち出しているものの、医師不足は一向に改善しない。(というわけで識者にインタビューした記事だそうです)
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6月18日、舛添要一厚生労働大臣の私的懇談会の「安心と希望の医療確保ビジョン」会議が報告書をまとめた。舛添氏を含む3人の政治家と、3人の識者(国立病院機構理事長の矢崎義雄氏、野中医院院長の野中博氏、ささえあい医療人権センターCOML 理事長の辻本好子氏)の、5ヵ月に及ぶ意見交換、議論を基に作成されたものだ(報告書はこちら)。
( 医師養成数の増加が盛り込まれたのはいいとして、2010年度予算を要求するそうだから、いったいホントにそうなるのかどうか、不安は大きい。)
−−−−国はここ数年、様々な医師不足対策を打ち出した。社会保障費が抑制される中で、年々倍増を続ける医師不足対策の予算額(え?..ほんと?)を見て、「国の本気度」に期待した医師もいるはずだ。(信じてない医者の方が多いw...)
しかし、状況が改善した実感が現場にはないのはなぜか。対策に使われた金はどこにいったのか。これまでの国の施策を検証し、真に有効な対策を改めて考えてみたい。
92億円はどこにいった?
07年度の「医師確保推進関連の予算」の総額は実に92億円(06年度の補正予算を加えると100億円)=06年度の41億円から一気に倍増。
医師不足地域の救済や問題解消を狙った新施策が盛り込まれた。
(1)緊急臨時的医師派遣=予算7億1000万円。
(2)小児科・産科のネットワーク化=予算5億8000万円(06年の補正予算2億7000万円を加えると8億5000万円)
(3)マグネットホスピタル研修事業
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(1)医師が確保できず休診に追い込まれた診療科を持つ病院に、国や都道府県の仲介で、別の病院から6カ月間、医師を派遣する。その際、医師派遣に協力した病院に、派遣準備の費用として補助金を給付するという助成事業。
事業が奏功したケースは確かにあったが、そんな事例はまれ。
●ネックになったのは派遣期間が6カ月に限られることと、
6カ月後の医師確保について、アクションプランの作成が求められることだ。
(6ヶ月後に何とかできる程度の危機なら、こんなに問題になっていないはず)
緊急臨時的医師派遣では、派遣元となる病院も困ってる。厚労省は退職医師らを公募してプールし、派遣する構想も描いていたが、思うように集まっていない。
(て〜か、集まると思う方がどうかしてる、でしょ?)
結局、国立病院機構、大学病院、日赤病院などに医師の派遣を依存している。
しかし大規模病院も勤務医が余っているはずがなく、継続して派遣できるはずがない。
07年度、国が派遣を仲介したケースは全部で8 件。ほかに都道府県内で病院間の医師派遣を仲介したケースもあったが、予算の執行率はわずか10%(7100万円)程度だった。
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小児科、産科の集約化進まず
(2)の目的は、端的に言えば、小児科、産科の、拠点病院への集約化を促すこと。
集約化を受け入れて産科や小児科を閉鎖・縮小した病院に、診療スペースの改装費、新たな診療科を開設するための備品費、余剰人員への補償費などを助成する。
しかし執行額はゼロだった。
●ゼロの理由は、助成できる対象が民間病院のみとされたため。
拠点病院への産科・小児科の集約化の主な対象は公立病院となる。そこに助成金が行かないのでは、集約化も進まない。
(官僚が考えそうなことですな...。これも机上の空論だったんですね)
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「マグネットホスピタル」も構想倒れ
(3)の「拠点病院(マグネットホスピタル)の活用」は、研修医に人気の高い拠点病院の協力を得て、医師不足地域の病院を支援する。
大学医局の医師の派遣機能を、地域の拠点病院に担わせるつもりが大失敗!
厚労省が想定する2つのマグネットホスピタル活用法..?
Aタイプ:産科医、小児科医の確保が困難な医師不足地域の病院が、後期研修医を採用しやすくなるよう支援する。一定期間、その病院に勤務すると、総合周産期医療センターや小児救急医療の拠点病院といった、都道府県が選定したマグネットホスピタルで短期研修を受けられる。
この仕組みの魅力で、研修医がへき地勤務に応じてくれることに期待した。
(でも、研修医は甘いワナには飛びつかなかった...。)
Bタイプ:マグネットホスピタルが採用した後期研修医を、研修カリキュラムの一環として、医師不足の病院に派遣する。6カ月間研修医を派遣すれば、マグネットホスピタルに一定の助成金が支給される。しかし予算の執行率は1%程度にとどまり、特にBタイプは全く執行されなかった。
Bタイプの助成申請がなかった最大の理由は、拠点病院といえども研修医を派遣する十分な余裕がなかったということのようだ。加えて後期研修医を1人派遣した場合の助成を1カ月当たり3万3000円と低額に設定したため、派遣する側にインセンティブが働かなかった。
結局、07年度の医師不足対策予算総額92億円のうち、執行されたのは70億円台前半とみられる。「未執行分は国庫に返納されたか、ほかの費目に使われた可能性もある」(同省担当者)。
(結局、予算は肝心の医療現場には大して回ってないんです。誰が使ったかわかったもんじゃないぜ!)
「協働」実現は政治のリーダーシップで
これまでの医師確保対策の「失敗」から分かるのは、
●単年度の助成事業で、ある病院から別の病院に医師を派遣したり、就労を促すのは非常に難しい。(いきあたりばったりでは、現場が忙しくなるだけ!)
■診療報酬や医療計画での誘導、
■税制での優遇措置なども併用して、
より安定的かつ魅力的な仕組みを周到に準備しなければ実現は難しい。
それでは短中期的に最も効果が期待でき、かつ実現可能な医師不足対策は何か─。この問いに対して、「コメディカル活用(多職種協業)の推進」と答える識者が増えている。「安心と希望の医療確保ビジョン」にも医師と看護師、助産師、薬剤師、その他のコメディカルとの協働を充実させる旨が触れられている。
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さて、日経が政府の「医師不足対策」を大失敗と断じているのは興味深いが、コメディカル活用の推進に話を持っていくところがうさんくさい。
どうやら、「安心と希望の医療確保ビジョン」会議の矢崎義雄氏(国立病院機構理事長)は看護師の専門職大学院を設置し、独自の権限を持って医師と協働できる看護師を養成する考えを持っているらしい。(米国には薬の処方ができるナース・プラクティショナーやフィジシャン・アシスタントといった専門職がある。そのマネをしようということらしい。)
この構想は、6月19日の読売新聞の社説でも取り上げている。どうも、医療崩壊はそのままに、違う方向へ議論を進める勢力が暗躍しているように思われる。
<参考>
「医療確保ビジョン」の主な政策
医師数を「抑制」から「増員」に転換
医師以外のスタッフの雇用を増やす
研修医の受け入れ数の適正化
「短期間正社員制度」などで女性医師を支援
病院の適正医師数の算定方式を見直し
院内助産所・助産師外来の普及
効率的に患者を振り分ける医療機関整備
訪問看護ステーションの規模拡大
何だか変な感じだな..
「****ビジョン」を見ても、医師がすぐ増えるとは思えない...
医学部の入学定員は、各大学の事情にもよるが、10%くらい増やすのがやっとだし、
今から入学者を増やしても、戦力になるのは10年ほど先...
医師以外のスタッフも、教育しなきゃ戦力にならないし、たとえ存在しても、医師のかわりにはなりえない(仕事の一部を担うだけ)。
メディカルスクールも、設置から考えりゃ10年仕事。
というわけで、医師確保したけりゃ、
(1)まず逃散する医者をいかに防ぐか。
(2)すでに医師の足りない病院に,非常勤をどう集めるか。
(3)開業医、仕事を辞めた女医さんに何としても病院の仕事を手伝ってもらう
それを考えなきゃ。
だから政治家が直ちにやるべきことは(今年中にスタートしなければダメ)
●医療予算を増やしなさい
●診療報酬を大幅に上げなさい(せめて20〜30%以上)
●今すぐ病院にメディカルクラークを設置する予算を与えなさい
●子育て世代の女医さんを再雇用できるよう、保育所・託児所などの整備をしなさい
医師確保に子育て支援は絶対不可欠な条件である
●家庭にいる医師、開業医がたとえ半日でも基幹病院のサポートをすることができるような制度を確立し、その際の予算を病院に与えなさい
●ネットワークだとかマグネットホスピタルだとか、現場を知らんもんの思いつきは全部捨てなさい
●救急受診を減らしなさい(コンビニ救急を絶滅しよう)
●救急隊は呼び出された現場で、運ぶかどうかのトリアージをしなさい。
●救急病院では、緊急の病状以外は患者からコストを取りなさい。
●そして、もうひとつ大事なこと。とにかく医療事故をすぐ警察・検察が取り調べることが無いように、法的整備をしなさい。
これだけやれば、医療崩壊をとりあえず今のレベルで抑えることができるかもしれない。
要は、スピードと対策の優先順位を間違えないことだ。
(これまでは、あまりに遅く、かつ、無駄な対策ばかりだったからな)
日経もこの記事の最後に書いてるぞ。
最後に行き着くのは予算確保の可否
女性医師の就業支援、開業医と病院勤務医の連携強化、医療機関の機能再編・集約化など、中長期的な視点で医師不足対策を遂行するためには、やはり継続的に十分な予算をつけていくことが必要だ。
−−−−−中略−−−−−
「骨太の方針2008」が当面の医師不足対策の行方を大きく左右するのは間違いない。
(まことに残念だが、「骨太の方針2008」はホネヌキのようだ..)
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