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しろうと集団『財政審』、医療を牛耳る?
財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)は、相変わらず現場と乖離した医
療制度改革? をさらに押し進めるつもりのようです。根本的に医療を知っている人がい
ないところで議論を進める事自体、もう限界なのですが...。
それにしても、国立病院機構の矢崎義雄理事長からヒアリングをうけたようですが、こ
の理事長さんの論じる現在の医療制度の問題点、ある程度はその通りなのですが、ちょっ
と認識が違うと思うところもあり...、こんなことでええんかいな?
(矢崎さんのお話の要点は、下に挙げておきました...)
心配はつきません。
まずはキャリアブレインの記事から、どうぞ。
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看護師の医療補助業務拡大を−財政審
2008/04/25 23:05 キャリアブレイン
財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)の西室泰三会長は4月25日、部会
終了後の記者会見で、夏までにまとめる2009年度予算の建議について、勤務医の負担軽
減の観点から看護師の医療補助業務の拡大を求めるほか、診療報酬の配分を病院に手厚く
することなどを盛り込むとの見方を示した。
(この分じゃ,開業医いじめに拍車がかかりそうですね。新規開業はいよいよ厳しくな
る? この人達は、誰かがささやいたフレーズが刷り込まれると、正しい情報がはいらな
くなるのでは?)
部会はこの日、国立病院機構の矢崎義雄理事長らから、医療と介護の現状についてヒア
リングを実施。この中で、大病院は診療所に比べて診療報酬上、冷遇されていることや、
外来に患者が殺到するために運営が非効率になっているとして、診療所が一次救急として
トリアージを担うことが必要だとする意見が出た。
これについて西室会長は、「病院と診療所の役割分担が必要」と述べ、診療報酬上の配
分で考える方針を示した。また、勤務医の負担軽減の観点から、「看護師の医療補助業務
についても、ちゃんとトレーニングして資格を与えるようにすれば、(業務中に処置など
のために)医師を呼ばなくても済み、医師は専門(の分野)に集中できるのでは」と述べ
た。麻酔科医の不足については、麻酔ができる歯科医の能力も活用できると指摘した。
(安易に機能分化だの総合医だのと、理想と現実がごっちゃになったような卓上の空論を
進めてもらっちゃ困る! まず、医師数を増やす方法、医療費を増やす方針を明確にして
くれなくちゃ、何の改革にもなりませんよ〜だ..。
それにしても、看護師にどんだけ〜責任負わすつもり? まず看護師ふやしてからじゃ
ないの?)
−慢性期医療の提供にナーシングホームを
療養病床の削減について、西室会長は「療養病床を35万床から15万床にまで減らすと
いう方針が、本当にそれでいいのか疑問だ。経営判断で病床をつぶさせるような指導方針
はまずい」と苦言を呈した。また、「医療サービスと介護サービスの提供が交ざって分か
りにくくなっているため、はっきりさせるべきだ」との認識を示した。さらに、療養病床
が減っても、慢性期医療が必要な人の受け入れ先として、ナーシングホームのようなさま
ざまな施設が考えられるとした。
介護報酬については、「生活援助」などが多くなる介護度が低い人へのサービスの配分
を減らし、介護度が高い重度の人への配分を厚くする方向性も示唆した。
(ナーシングホームだとか、突然言い出すのがホント,困るんだわ。制度設計がデタラメ
なのに、むやみに複雑化しちゃダメだって〜の。そもそも、岡光がやった介護保険制度自
体がいいかげんだっちゅ〜の。医療と介護はそんなに簡単に分けられません。)
−中医協は抜本的議論を
西室会長は中央社会保険医療協議会(中医協)の在り方についても言及し、「分科会で
利害関係者の議論となるため、小幅な改正(診療報酬の改定)しかできない。大きな方針
の見直しをして、立て直してほしい。中医協らしいことをやってほしいという内容を、ど
う(建議に)書こうかと思う」と述べた。
(中医協では分科会で利害関係者の議論となるため、小幅な改正(診療報酬の改定)しか
できない、という御指摘は、、まさにその通り。でも、財政審が口出すのも変ですよ。)
次回部会は5月13日で、再度、社会保障分野からのヒアリングを実施する予定だ。
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(では、この財政審のヒアリングでお話をされた矢崎義雄氏の論旨を。)
平成20年4月25日
財政審・財政制度分科会における有識者ヒヤリング
独立行政法人国立病院機構 矢崎義雄
わが国の医療制度改革への提言
このままでは、日本経済より先に医療がcomfortable sinkingしてしまう!
1)医療制度改革の2つのキィワード
①提供サイドの構造改革
②受療サイドの行動変容
2)何が医療改革の障害となっているか
①わが国に正確な診療データがない
-evidence based policyが難しい
-積み上げ式の原価計算ができていない
②医療は複雑、複合系の典型、限られた要因だけでの対応では適正化は困難
-対策は試行錯誤のくり返しで非効率となり、予想外の副作用も生じる
③個人の価値感を越えた医療の在り方に関する国民のコンセンサスが無い
3)医療(病院)危機をきたした背景
①国民の医療への意識変化
②医療の量から質への転換?フリーアクセスの波が病院へ
③外来診療に依存せざるを得ない病院経営
④近代医学がもたらした「医の原点」の喪失?訴訟リスクの増大
4)病院と病院医師の質と生産性向上
①病床の有効活用と合理化
-とくに療養病床(医療、介護を含めて)への対処、在宅医療推進と介護保険施
を含めた療養施設の抜本的整備
1
資 料 1-1
②入院診療への特化による病院の生産性向上
-診療報酬の抜本的見直し(手術や救急を中心とした診療を支援、投資重点型、
労働倹約型から労働集約型への転換)
プライマリケア医の質向上と国民の理解(とくに診療所のグループ診療業務形
態と総合科認定制度の確立)
③医師業務の分化と医師の効率のよいスキルアップの機会の提供
④診療所の活用?病診連携の強化
⑤地域における病院機能の強化
-個々の病院の独立した運営から、地域という面からとらえた運営と病診療連
携の推進
-自治体病院などの集約の際には、地域住民に受益と負担の選択肢を提示
する.
5)医療保険制度の課題
①医療費と介護費のアロケーションの検証と新たなインフラの整備
-要介護から看取りまでできる施設整備
-IT化による診療情報の収集など
②混合診療と免責制度は機能するか
③民間保険との役割分担
④後期高齢者医療制度は
-制度の簡素化と持続可能性の確立
-負担の公平性、透明性の確保
-高齢者医療費の適正化による保険料負担の軽減
6)受療サイドの行動変容
①近代医学への過信と医療の無謬性への過大な期待が、医療不信や将
来への不安感の要因となり、社会の大きな経済的、心理的な負担になっ
ているとの認識
②医療が公共財であるとの認識
③受療者の受益と負担という財政規律への認識
④個人の価値感を越えた医療に対する国民のコンセンサスの形成
(矢崎さんには悪いけど、医療に生産性などという説明をすべきじゃない。これだ
け欧米より遥かに少ない人数で世界最高峰の実績を上げている、そのことで、生産
性などという問題はとっくにクリアしています。それとも、大企業が医療より生産
性が高いとでも? 大企業の減税が消費税をほとんどすべて食い尽くしているとい
うのに?)
===============
では、最後に,改めて、財政審のメンバーを見ておきましょう。
こういう職種の方が集まって、医療制度をいじくる国家、末恐ろしいです。
財政制度等審議会 委員名簿(平成19年8月1日現在)
<委 員>
池尾 和人 慶應義塾大学経済学部教授
板垣 信幸 日本放送協会解説主幹
井堀 利宏 国立大学法人東京大学大学院経済学研究科教授
岩崎 慶市 (株)産業経済新聞社論説副委員長
江川 雅子 ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センター長
緒方 瑞穂 (社)日本不動産鑑定協会副会長
勝俣 恒久 東京電力(株)取締役社長
角 紀代恵 立教大学法学部教授
黒川 和美 法政大学経済学部教授
幸田 真音 作家
河野 栄子 株)リクルート特別顧問
残間 里江子 プロデューサー、(株)クリエイティブ・シニア代表取締役社長
柴田 昌治 日本ガイシ(株)代表取締役会長
高木 剛 日本労働組合総連合会会長
竹内 佐和子 国立大学法人京都大学工学研究科客員教授
竹内 洋 弁護士
竹中 ナミ (社福)プロップ・ステーション理事長
田近 栄治 国立大学法人一橋大学大学院国際・公共政策大学院教授
○田中 直毅 経済評論家
玉置 和宏 (株)毎日新聞社特別顧問(論説担当)
寺田 千代乃 アートコーポレーション(株)代表取締役社長
富田 俊基 中央大学法学部教授
中林 美恵子 跡見学園女子大学マネジメント学部准教授
◎西室 泰三 (株)東京証券取引所グループ取締役会長兼代表執行役
宮武 剛 目白大学大学院生涯福祉研究科教授
宮原 賢次 住友商事(株)相談役
村上 政博 国立大学法人一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
村田 泰夫 農林漁業金融公庫理事
矢崎 義雄 (独)国立病院機構理事長
吉野 直行 慶應義塾大学経済学部教授
(注)◎は会長、○は会長代理
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コメント
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医科点数表の解釈(いわゆる電話帳)には
・病院と診療所の機能分担の推進を図る観点から、他の病院(200床未満のものに限る。)又は診療所に対し文書による紹介を行う旨の申し出を行ったにもかかわらず、当該病院を受診した患者については、自己の選択に係わるものとして、外来診療料又は再診料若しくはかかりつけ歯科医再診料に相当する療養部分についてその費用を患者から徴収できる。
・特別の料金については、その徴収の対象となる療養に要するものとして社会的にみて妥当適切な範囲の額とする。
とあります。
簡単に言うと、「再診料・初診料(別に記載あり)は大病院が独自に別料金を設定できますよ」ということです。
大病院は診療所より多くの外来診察料を徴収できるのに自らの判断で徴収していないというのが真相です。
ですから「大病院は診療所に比べて診療報酬上、冷遇されている」というのは真っ赤なウソで、診療報酬上優遇されているとさえ言えます。
「外来に患者が殺到する」というのも、大病院が自らの判断で特別料金を徴収せず、外来に患者を殺到”させている”のが真相です。
医療に口を出すなら、医学のことは分からなくても、医療制度についてもっと勉強してから話しなさい>西室氏
(ちなみに西室氏は元東芝会長、当院では東芝メディカルの医療機器は不買です)
マスコミも誤った情報を垂れ流すのはやめなさい(馬耳東風でしょうが一応言っときます)
これは、真剣に利用を考えると面白いかも...ですね。
もし,全国の大病院がこぞって点数を上げるとどうなるか...
厚労省が診療報酬を増やす気がないなら、医師の方で上げちゃうぞ!
患者さんには厳しいというか,申し訳ない,というか...
ちょっとつらいですけどね
でも、これってやってみる価値はありそうですね?
むむ...いっちょ、記事にしてみるか...
(元ライダーさま、ありがとう!)
この記事を書いた者です。
財政審は基本的に非公開なので、我々記者は、全て西室会長の口から聞くことしか記事にできません。
先生の仰るよう、矢崎理事長のヒアリング内容は、資料を見ても個人的に首をかしげる部分が多かったです。
西室会長は会見中にヒアリング内容について話しましたが、その部分で会長の認識がズレてる所も感じましたので、ヒアリング内容について詳細に触れることはやめようと思いました…。
次回は今月半ばですが、社会保障分野の建議について、今回より詳細に触れる予定です。
どうなることやら・・・。
CBさんのニュースだということを見落としていました。
コメント最後の一文は釈迦に説法でしたね。
失礼しました。CBさんは高く評価しています。
>会長の認識がズレてる所も感じましたので
どうズレているのか掘り下げた記事を期待します。
頑張ってください。
え? ホント?
わざわざお越しいただき恐縮です。
キャリアブレインはTV,大新聞などとちがって、かなり正確に事実を伝えて下さると感謝しています(たまには文句言ってますが...汗)。
矢崎理事長の実際の発言は存じませんが、確かに資料内容がちょっとヘンな感じですね。まあ、わたしたちブロガーの主張そのままだと、よけいに理解されないかもしれませんが...。
西室さんが医療界をどれだけご存知かわかりませんが...
きっと突っ込みどころ満載なのでしょう
ま、個人批判はともかく、財政審の方向性なり事実誤認の問題が大きいと思いますので、是非、報道を続けて下さるようお願い致します。
正確な情報を出して下さるだけでもわれわれにとっては心強いのです。
元ライダー様
とんでもございません、私たちも足りない部分ばかりなので毎日が勉強です…。
西室会長は医療についてご存知の方だとは思うのですが、財政審の立場からなので、医療どうこうというよりも、中医協や医師会をなんとかしたいという思いがあるのかと感じます。
なんといっても、↑このメンツの財政審の取りまとめ役ですものね…。
記事にはしませんでしたが、某読売新聞グループ代表は露骨に「医師会が開業医の利益団体なんだから、医師会をどうにかできないのか」と発言したそうです…。
Doctor Takechan様
先生のブログは、いつも拝見しておりました。
医療関係の報道に携わる我々にとって、医師ブログは欠かせない、現場の声&情報源です…。
財政審は非常に敷居が高いので、私たちもオブザーバーとして参加することしかできず、記者クラブという壁に阻まれて、痛い思いをしております。。。
こうした報道の壁もなんとかしてもらいたいと思うものですが、なんとか、他のメディアが取り上げない部分を取り上げていきたいと思っております。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m
(私たちが見ていることもお気になさらず、記事にもどんどん突っ込みを入れてくださいねー)
私たちは、医療のこと以外は全くのどしろうとです。
しかし、さまざまなメデイア、特に最近はネット文化のおかげで、医療制度の疑問に対し、ある程度の理解が得られるようになりました。
まだまだ不完全ですが、専門バカの代表?であった医師たちも、世の中の動きに敏感になり、その理由やメカニズムを考えるようになりました。
知れば知るほど、なんと国民をバカにした国家であるか、何と無責任な政府であるか、その実体が少しずつ見えてきています。
むろん、私たちは、複雑な世界のほんの一部を理解するようになったばかりです。しかし、いかなる理由があろうとも、医師が人の命を取り扱う最前線にいる以上、最低限の環境整備を要求することは当然と考えています。
どうか、これからも、有用な記事を発信し続けて下さい。
心よりお願い致します。
−−−−−−−−−−−−感謝と期待を込めて。
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