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ブログ754htm.



腹部大動脈瘤破裂のその後



 先日、拙ブログで、開業医も多少は救急医療に貢献している(つもり)ってこと

を言いたくて、腹部大動脈瘤破裂の1例をご紹介した。

今回は、その後の経過について、ご報告したい。むろん、今日書くことは、病院で

行われたことであり、残念ながら開業医の及ぶところではない。



まずは、前の記事『先日の開業医救急活動』のURLを。

http://blog.m3.com/

DrTakechan/20080329/1

興味のある人は、どうぞ読んで下さいね。



     《 要旨 》

 ある日の夕方5時頃、夜診の最中に近所の人が『うちの亭主やけど、

朝、トイレへ行って(排便)から、急に足がしびれる、下腹部と腰が痛い、歩けへん

言うて、トイレにも這って行ってますねん。診てもらわれへんやろか?』

と往診の依頼をされた。

 午後6時半頃患者さんが途切れた。近くだったので走って行ってみると...

 患者さんは居間に苦しそうに横たわっていましたが、顔色が悪く、血の気がない...。血圧は100前後だが微弱。 腹部は・・圧迫してもあまり痛そうではない..

筋性防御なさそう、Blumbergもなさそう...、。

足は動くのは動くがとにかくだるくて力が入らない。腰の辺りが痛い..

表情は..精気がない..質問にはほぼまともに答えているが..

  あえぐような呼吸、目の焦点が定まっていないような...

   ーーーーーーーーーーーーー

で、重度の貧血らしい、どこかで出血が・・・ま、まさか腹部大動脈瘤破裂?

とか、いろいろ考えつつも救急車で救急病院へ行ってもらったら、

ほんとに腹部大動脈瘤破裂だったという・・・。お〜こわ!



    ****************

 さて、重症ということで、一命は取り留めたものの、すぐには面会できないだろう

なと思い、ちょっと日を置いて病院へ行ってみた。

 まだICUの病棟に入院しておられた。いろいろコードやらチューブがついた状態

だが、わたしの顔を見て、しんどそうだが挨拶をしてくれた。ああ、よかった。



 そして、主治医が忙しい中、説明をしてくれたのだが,ちょっとばかり驚いた。

以下,
病状経過の要旨



救急車で到着してからCTなど検査しているうちに出血性ショックになり、

心肺停止となった。腹部大動脈瘤破裂は診断できたので、心臓もみながら手術室へ。

約30分で、心拍は再開し、腹部大動脈瘤の部分は人工血管に置き換えた。

でも、腸管虚血がおこり、腸管がふくれあがり、腹を閉じられなかった。

仕方なく、開腹のままガーゼで保護して戻った

。さらに、下肢も虚血になり、ミオグロビンにより腎不全になった。

透析をして、腎不全の治療をし、腸管虚血の治療と感染症治療をやった。

奇跡的にここまで回復した。

 最近、ようやく尿も出るようになったが、まだ腎不全が治ったとは言えない。

腸管も虚血状態が十分には改善せず、もうしばらく全身状態の回復を待って

、腸管の一部を切除する手術をしなければならない。




・・・・・・そうですか...あれがギリギリだったんだね。よく助かったもんだ。

て〜か、ウチの患者が途切れなかったら、きっと、奥さんず〜っと待ってたんだ

ろうな

(ウチの患者さんがまだ少ないから助かったのね・・・(涙)

  あ、助かってよかった!っていう涙ですよ・・・(汗)  )

でも、まだ先が長いね。また会いに行くから、何とか生き延びてほしいな。




 でも、こういう患者さんがいるのに、平均在院日数ってどうなるのだろう? 

私は思うんだけど、
平均在院日数の基準をもっと緩めた方がいいんじゃないの?

 
それだけでもかなり現場は楽になるよ。

(当然、診療報酬も同時に上げなきゃダメだよ)

 患者さんだって、ちょっとは落ち着いて治療受けられる。

その方が、
患者と医師との信頼関係も良くなると思うよ。



京都の救急はまだ何とかやってるね。でも、第一日赤とか第二日赤とか、大きい

救急病院の先生が言うには、救急件数が年々増えている。

受け入れ不可の時間帯はどうしても出てくる。部屋がない時もある。

どうやっても、『いつでもオッケ〜』にはほど遠いって。

全国的にみて京都市内は医師数はトップクラス。その救急がかなりの悲鳴を上げて

いることを、全国の皆さん、真剣に考えなくちゃダメだよ。

京都の救急が壊れたときは、全国的に壊れてるって思った方がいいよ。

事態は進行しています。今の自民党や厚労省がわけもわからずおバカな対策を出して

くるけど、彼らには無理です。ますますひどくなるだけでさ。

復旧に恐ろしい年月がかかるよ。

  これじゃ、救急車の中でご臨終、ってのが増えてきますね。

 救急車が全部出動したから赤い消防車が出て行くのが東京で...。

   そのうち、地方じゃ霊柩車が出動したりして....

    (あ、言ってる自分がコワくなりました...)

こんな冗談が冗談でなくなるわが国は、ホントに不幸です...。




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ブログ753htm.



過去記事で振り返る後期高齢者の運命



 4月1日導入以来、連日報道される後期高齢者医療制度の問題点の数々。

この未曾有の差別医療制度は2002年、骨格が完成し、2006年には医療制度等改革

関連法案と称して、コイズミ政権下で強行採決された。



 私たちは医師として、この問題をいかに扱ってきたのだろうか?

自戒を込めて、このM3comのブログに、後期高齢者医療制度を扱った記事はいったい

どれくらいあるのだろう?

 で、ドクターズブログのメインメニューで検索してみました。

 『後期高齢者』をキーワードとすると....おお、あるわあるわ

    なんと、294件!の記事発見!



 自分で言うのもなんだけど、さすが、ドクターズブログだね。2年前の強行採決の

時にもいくつか記事が出ているし、その後,どんどん出ているぞ(まあ、今年に

入ってからが特に多いけどね...)

  北のCOSMOS先生、SkyTeam先生、Dr.I先生、shushu先生、murajun先生...

お〜〜、結構書いてるな..



 で、私ですけどね...

あ、ありました!。結構書いてるんだな〜・・・。20編くらいあるぞ。

では、2年前の6月14日の記事を再掲してみます。どうぞ!

======================

医療制度改革関連法で何が変わる?


http://blog.m3.com/DrTakechan/20060614/1

 ここ2〜3日、ずっと気分がブルーだった。個人的な問題もいろいろあるには

あるのだが、それよりも例の法案の行方である。予想通りあっさり通り、新聞など

もあっさりと報道している。

だが、それで済むような問題だろうか?

M3comのニュース(共同通信社)の文面をたどって見たい。

========================

 <
高齢患者の負担増や入院日数の短縮、生活習慣病予防の徹底などで医療給付費

の抑制を図る医療制度改革関連法が14日の参院本会議で、与党の賛成多数で可決、

成立した。


・・・与党が絶対多数だから決まるのは自明の理か。でも、問題は内容だ。

========================

 <
これにより、10月から現役並みの所得がある70歳以上(夫婦2人世帯で

年収約520万円以上)の窓口負担は2割から3割に、2008年度からは、それを

下回る一般的な所得の70-74歳も1割から2割に引き上げられる。

また療養病床の70歳以上の入院患者は、今年10月から食費と居住費の全額負担

を求められる。


・・・すごい負担増。多くの病気を抱えあちこちにかかっているヒトは厳しい。

病気になったら早く死になさいってこと?。

 高齢者を減らせば医療費は減るってこと?。

  お金のないヒトは療養すらできない。

療養病棟も大幅に減るし,在宅で家族の負担もますます厳しく。

=========================

 <
一方、子育て支援策の一環として、08年度から、小学校入学前の3歳以上の

窓口負担は3割から2割に引き下げられる。


・・・親の世話で大変な子育て世代も多い。社会不安増大、将来不安増大、出費

増大の中で子育て支援もあるまい。

=========================

 <
同法の成立を受け政府、与党は、歳出・歳入一体改革における社会保障関係費

の抑制策について本格的な検討に入る。雇用保険への国庫投入額の削減や薬価の

引き下げなどが検討課題となる見通しだ。


・・・要するに責任は全部現場に押し付けられる。医療も企業も家庭も...。

=========================

 <
中長期的な給付費抑制策としては、08年度から国が全国の医療費適正化計画

を策定。それを基に都道府県が、入院日数の短縮や糖尿病などの生活習慣病患者と

予備軍の減少率などの数値目標を盛り込んだ適正化計画を作る。高齢者が長期入院

する療養病床のうち、介護型は11年度末で廃止。


・・・いよいよ介護難民の時代か。在宅推奨されても介護力のある家族はわずか。

核家族化の中、家族は自宅と親元を行ったり来たり。疲労、過労、うつ、自殺、

未来予測図は限りなく真っ黒に近いダークグレー。

==========================

 <
また高齢化社会の進展に対応し、08年度に現行の老人保健制度などを廃止し、

75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度と、65-74歳の前期高齢者医療制度に

再編する。


・・・制度が次々と創設される。創設には予算はつく。しかし運営すればすぐ赤字。

ツケは国民に。何度も何度も繰り返された悪行がまた新たに一つ。制度が複雑に

なることで書類ばかりが複雑になり,ついて行けないと感じる医療関係者が増える。

とても残念なことだが,全国のかなり多くの真面目に働いている医者は、力が

がっくりと抜け,奉仕の精神で無理を承知で頑張ることがもはや無意味だと考え,

第一線から消えてゆくのではないか。医療の空洞化の進行が危ぶまれる。

もし予想が当たったとしたら,そのような施策を考え出し可決した人達に100%

責任があることを忘れないでほしい
。これ以上、現場を振り回した挙げ句、すべて

の責任を現場に押し付けないで。

===========================

 <さらに

(1)医療機関が広告できる事項を拡大する

(2)救急、へき地医療が義務付けられた社会医療法人制度を新設、公募債の

   発行を認める

(3)行政処分を受けた医師への再教育制度を創設する

   -なども規定された。>

・・・医療機関が広告して競争する、新しい法人になる、それは多少はいい面も

あるかもしれない。でも、前提となるべき健全な医療制度が崩壊直前では、

甘い汁を吸う人間だけが得することになる?。

再教育はいいが、行政処分をうける医者の中には再教育に値しない者もいれば,

理不尽な処分を受けたものもいるだろう。制度の公平性はいかに保たれるのか?

そして、いったい誰が再教育するのか?。

公務員でも天下り業界でもJR西日本でも、教育係が立派かどうか?。

かなりの再検証が必要だ。

・・・・でも、何が起こってもえらい政治家の先生や官僚の上層部はきっと医療

でも格別に優遇されるだろう。そしてこんなに入院が大変になると、政治家の

口ききがますます有効になるかもしれませんね。

でも、フツーの国民はどうか?。不安を掻き立てて申し訳ないが、やっぱり不安だ。

悪いシナリオ通り進んでいる。

=========================

=========================

はぁ=3=3、ため息でますね。

予想が当たって、嬉しくないというか、その間、何もできなかった自分が悔しいと

いうか・・・、

でもね、あれこれ、記事に書いて吠えてたのは確かなんですよ!

 ま、影響力小さいからな・・・



では、いくつか、過去記事を挙げておきますので、興味のある人はどうぞ、ご覧に

なって下さい。なお、以下に示したのは、ほとんど昨年の記事です。

一昨年の記事、今年の記事も若干入っていますが...

 今年の2月以降の記事は入れてませんので,念のため・・。

  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



後期高齢者の医療はまた書類の山!

ブログ319 m3comの医療ニュースに次のような記事があるのをご存じだろうか?。

かなり長いが、ざっと読んでみて下さい。最後に、憂慮すべき点があるのに是非

注目して下さ...

更新日:2007.02/13 written by Doctor Takechan



老人よ、医療差別に抗議しよう!

ブログ664htm老人よ、医療差別に抗議しよう! 私がいつも疑問に思うこと・・・

これだけ高齢者に冷酷な施策が相次いでいるわが国で、なぜ高齢者自身からの怒り

の声、抗議行動があまり見えないのか?

更新日:2008.01/18 written by Doctor Takechan



これが来年の医療?

ブログ619htm これが来年の医療?  11/28、「中央社会保険医療協議会」(中医協)

の総会が開かれた。

更新日:2007.11/29 written by Doctor Takechan



高齢者虐待政策に反対します!

(たぶん、中島美嘉も?)

ブログ654htm 高齢者虐待政策に反対します!(たぶん、中島美嘉も?)

更新日:2008.01/11 written by Doctor Takechan



参院選公約を斬る!

(残りの野党4党一気に掲載!)

ブログ478-2htm参院選公約を斬る!(残りの野党4党一気に掲載!)さて、自民、

公明、民主、と斬ったところでかなり疲労も....

更新日:2007.07/13 written by Doctor Takechan



医療崩壊を促進する「退院時ケア会議」?

ブログ459htm <医療崩壊を促進する「退院時ケア会議

更新日:2007.06/22 written by Doctor Takechan



こんなことが役に立つんですか?

ブログ569htm こんなことが役に立つんですか? 医師の派遣緩和へ 都道府県の

承認条件に

更新日:2007.10/17 written by Doctor Takechan



医師への締め付けはまだ続く...

ブログ336htm  Asahi.comから二つばかり、気になる記事を見つけたので、読者も

御検討頂きたい。

更新日:2007.03/07 written by Doctor Takechan



元厚生省幹部の講演:来年も医療は厳しいぞ!

ブログ536htm元厚生省幹部の講演:来年も医療は厳しいぞ! まずは、講演の前に、

来年の医療費のモトとなる予算だが、厚労省は概算要求では医療費を増やすことは

全く考えていない。

更新日:2007.09/05 written by Doctor Takechan



政府の目指す医療?(破滅への一歩)

ブログ631htm政府の目指す医療?(破滅への一歩) 徐々に来年度以降の医療の

方向が見えて来た。つまり、政府は医療の現状をどのように考えているか、どんな

医療を狙っているか、ということが見えて来た、とい...

更新日:2007.12/18 written by Doctor Takechan



各党医療政策責任者が一堂に

小泉後の医療・社会保障を考える議院フォーラムが9月2日京都で開催された。各政党

の医療政策責任者が顔を揃えるシンポジウムは非常に珍しい。そのときの各議員の

発言をご紹介しよう(全国保険医団体連合会のホームページと全国保険医新聞より)。

更新日:2006.09/17 written by Doctor Takechan



厚労省の策略(無策?)を読む

ブログ511htm 厚労省の策略(無策?)を読む

更新日:2007.08/09 written by Doctor Takechan



2007医療・介護

十大ニュース+?


ブログ642 さて、年末になるとテレビでも新聞でも、十大ニュースの特集が

よくみられます。そこで、医療の十大ニュースを探してみたところ...

う〜ん、意外にないな〜.....

更新日:2007.12/30 written by Doctor Takechan



安倍総理、

国民の金1000

億をムダ使い?


ブログ458htm <安倍総理、国民の金1000億をムダ使い

更新日:2007.06/22 written by Doctor Takechan



保険医協会の主張を、

日本医師会は取り入れるべきだ

ブログ527htm保険医協会の主張を、日本医師会は取り入れるべきだ 医師会と

ほとんど構成者は同じなのに、自民一辺倒の医師会に対し、かなり革新(かつて

は共産党?)の香りがする保険医協会。

更新日:2007.08/22 written by Doctor Takechan



日本医師会いまだ時代錯誤

ブログ572htm日本医師会いまだ時代錯誤日医ニュース10月20日号の2面より日医定例

記者会見

更新日:2007.10/17 written by Doctor Takechan



法学者よ、結集せよ!

ブログ401htm < 法学者よ、結集せよ! >

更新日:2007.05/03 written by Doctor Takechan



政府の医療政策は変わらない

ブログ446htm < 政府の医療政策は変わらない >

更新日:2007.06/10 written by Doctor Takechan



    ================

さあ、いかがでした? まあ、そこそこ書いているみたいですが、

お役に立ったでしょうか?



過去を振り返りながら、予想通り最悪のシナリオを進む日本の医療。

 破壊し尽くされる前に、何とか踏みとどまり、未来を語れる医療に展開したい

ものです。たまにはいいニュースを聞きたいものですが...。

 やっぱり政権交代しない限り,望めないことなのでしょうかね?




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