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医療崩壊と救急医療シンポ



2/23、京都府医師会主催の医療安全シンポジウムに行ってき

ました。本日のテーマは「医療崩壊と救急医療

       −今、医療現場から伝えたいこと

基調講演の演者は、有賀 徹先生(昭和大学病院 副院長 

救急救命センター長)。

 会場には300名くらい?来ていて、一般市民も半分以上?と

思われました(実際はどうかはっきりしませんが・・・)

 さまざまな新聞記事、週刊東洋経済などの雑誌の資料なども

多数提示され、医療崩壊の現状をかなり正確に解説された。

 残念なのは、私のように医療崩壊の状況についてそれなりの

知識を仕入れている人間にはわかりやすかったものの、約1時

間で一般市民に理解してもらうには情報量が多すぎたかもしれ

ないことだ。

 ただし、基調講演後にパネルディスカッションがあり、そこ

で補足があったので、そこそこの理解は得られたのではないか

と思った。

 で、膨大な情報量の講演を全部覚えているわけではないので、

印象に残ったトリアージを中心に記しておきたい。

 まずは地元新聞報道から・・・・

 京都新聞2008.2.24

搬送への対処、意見交換

南区 医療崩壊と救急テーマにシンポ

(京都市南区・京都テルサ)

 「医療崩壊と救急医療」をテーマにしたシンポジウム

(京都府医師会主催)が23日、京都市南区の京都テルサで

開かれた。市民や医療関係者約280人が参加し、医師不足の

一方で増える救急搬送への対処について意見を交わした。

 有賀徹・昭和大病院救命救急センター長が基調講演した。

救急隊が現場で患者に緊急性の有無を確認し、同意があれば

搬送しないという東京消防庁での試みなどを紹介し、「救急

搬送や医療の限られた資源の効率的な活用が必要」と訴えた。

 討議では、市消防局安全救急部の奥田善治部長が「安易に

救急車を呼ぶなと強調すると、必要な人が利用を控えてしま

う可能性がある。市では、家庭での事故防止や応急手当ての

普及に力を入れている」と話した。

 国立病院機構舞鶴医療センターの平野伸二院長は、医師不

足による救急体制の縮小を報告し、「軽い症状でも救急車を

利用する救急のコンビニ化が医者を疲弊させている。救急医

療を守るのは皆さんでもある」と呼び掛けた。

 京都府健康・医療総括室の松村淳子室長は、小児科医の少

なくなった病院を利用する保護者が子どもの疾病について勉

強し、緊急性の低い利用を減らした他県の事例を紹介し、

「病院と地域とのつながりが大切」と強調した。

    
+++++++++++++++++++++++++++

では、有賀先生のお話の中で、私が覚えている印象的な部分

をどうぞ。


●東京では救急車が足らない。だから救急車が用意できない

とき、まず赤いポンプ車が現場に行くことになっている。

(年間1000件以上、赤いポンプ車が救急現場へ駆けつける

ということだ...)これだけ不足しているので、明らかに

急ぐ必要のない患者は、現場でお断りすることもわずかだが

現実に生じ始めている。その場合、患者は自分で交通手段を

見つけて病院へ行かねばならない。



●東京ではトリアージを推進している。救急患者を重症度で

評価し、重い人を優先して診てもらえるようにしよう、とい

うことだ。

 だから、重症と判定すれば、たとえ実は軽症であっても先

に診る。逆にあなたは軽い、と判断されたら、診察まで40分

あるいは1時間待たされるかもしれない。しかし、受け入れ

に限度がある以上、選別しなければならない。このための

選別指標を導入しているところ。

 トリアージは、救急車を呼んだ段階でも、救急車が現場へ

着いた段階でも、病院へ到着した段階でも施行できる。

  <次の記事を参照下さい



119番受信時「重症患者を優先」

2008/02/18 19:33     キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/14586.html



 傷病者を重症度と緊急性によって分類する「トリアージ」の

実用化に向けた検討を進めている消防庁の作業部会は2月18日、

トリアージの運用方針などを議論した。消防本部から多くの救

急車が出払っている時に119番を受信した場合には、より重い

患者に備えるため、軽症の患者には「現場でしばらく待っても

らう」方向で意見が一致。同部会は今後、トリアージの具体的

な内容を取りまとめ、3月末に開かれる救急業務高度化推進検

討会に報告する。



 トリアージは一般的に、災害時などに多数の傷病者が発生し

た時に救命の順序を決め、効率的に医療機関に搬送する行為。

総傷病者数や医療機関の許容量、搬送能力、重症度・予後など

の要件で判定する。判定結果は、

▽死亡または救命に現況以上の救命資機材・人員を必要とし救

命不可能を表わす「黒」

▽生命にかかわる重篤な状態で一刻も早い処置が必要な「赤」

▽生命にかかわる重篤な状態ではないが、早期に処置が必要な

「黄」

▽救急搬送を必要としない「緑」

の4つに分類されている。

 119番受信時に患者の状況を聞き取る「コールトリアージ」と

現場で救急隊が状態を見て判別する「フィールドトリアージ」

があり、国内では横浜市や東京都消防本部が実施している。



 同日の検討会では、トリアージの運用方針などを議論し、

コールトリアージに伴う救急隊の運用方法を提案。消防本部

内の多くの救急車が出払っている時に119番を受信し、トリ

アージで緊急度が低いと判断した場合には、災害や重症患者

に備えるために「しばらくの間、待ってもらうことが妥当」

と意見が一致した。この基準に関しては、消防本部内の救急

隊の数に対する出動数などを基に算出するという意見が出た

ものの、都市部と地方では救急隊の数や移動時間も異なるた

め、あくまで指針として示すにとどめ、「実際の運用では、

地域の実情に合わせた対応が必要」とした。



 同部会は今後、内容を取りまとめ、現場での効果的な救急

業務を検討している救急業務高度化推進検討会に3月末をめ

どに報告する方針。

     −−−−−−−−−−−−−

●入院を要する救急患者は、全救急患者の9%、救急車で搬送

された救急患者の38%。つまり救急外来では9割は入院の必要

のない患者、自宅へ帰れる患者。



●患者の満足度が高いとき、看護師など職員の満足度も高い。

その意味では救急外来における「ナースによるトリアージ」

も有用だろう。これは、ナースが症状やバイタルなど確認し、

決められた手順により患者を分類・選別するもの。たとえば

 赤:すぐ診療−−−−−−−−−−−−−10%未満

 黄:検査など先行させ30分以内に診療−20〜30%

 緑:急がなくてよい。数時間待ち−−−−60%前後

このトリアージ実施で患者のクレームは減り、看護師の職務

満足度も上昇する。



●東京では、消防庁救急相談センターに医師1名、看護師2名

を24時間365日体制で配置し、一定のプロトコールに従って

都民の相談内容のトリアージを行っている。プロトコールが

整備されるに従い、7〜8割まで看護師が判断するようにな

った。

 結果、電話相談から即救急出動させた“赤”対応は10%弱。

そのうち3割が入院。その他は、

 :1時間以内に自力で病院へ行ってもらう

 :6時間以内に自力で病院へ行ってもらう

 :翌日以降に自力で病院へ行ってもらう

という対応。

●このように、トリアージを進めることで、救急件数増加と

いう「数の呪縛」から逃れて救急の質に限られた人材を投入

する、という方法は、限られた資源を有効活用するためには

必要であろう。

 −−−−−−−−−−−−−

さて、最後に、パネルディスカッションで話された話題も

少しご披露する。




 京都はH18年12月の調査では人口当たり医師数で日本一。

人口10万あたり273名。ただし、H16以降、産科、小児科、

内科、外科などの医師は減少傾向にあり、医療崩壊の進行と

関連していると思われる。

 京都市の救急はまだ恵まれている。いわゆる“たらい回し”

のように病院から次々と搬入を断られることも少ない。

 京都市の昨年度実績では、救急隊からの搬入依頼の80%は

1回で受け入れてもらっている。また99%が5カ所以内に

受けてもらっている。

 20カ所以上救急病院を探した事例はゼロとなっている。

 いっぽう、南北に長い京都府の中で。中心となる京都市、

乙訓は医師が集中しているが、北部、南部ははかなりの医療

過疎になっている。

 北部で日本海に面する舞鶴市は、医療崩壊の先駆け?で有名

になった舞鶴市民病院の他に、国立舞鶴、舞鶴共済、舞鶴日赤

と、人口8万の市に大きな病院が計4施設あった。

 ところが、これらの病院で働く医師は、140名ほどから、

100名を切るまでに減少した。

周知のように、舞鶴市民はすでに救急どころか病院存亡の危機

となっている。国立舞鶴もこの4月からついに24時間365日

救急の看板を降ろすこととなった。すると、今後、日赤と共済

が大変なことになるかもしれない。ドミノ倒しが進行中である。

   +++++++++++++

 その他、現実に東京(京都に匹敵する医師密度があるが)

でも、トリアージを進めている背景には崩壊寸前の救急体制

という現実があることを有賀先生は語っておられた。

昭和大学救急センターも、あと少し救急が増えたら、回らなく

なるかもしれないという危険水準にあるということだ。

 4月の改定で潤う病院などほとんどないであろう。逆に、

崩壊は進む、間違いなく進む・・・・残念だが、政府が改心

しない限り。良くなる要素は皆無だ。誰がドミノを止めるの

か、われわれは、真剣に政治を見つめなければならない。

<とにかく、マニフェストをしっかり吟味すること!>




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救急医、交代勤務制へ?
朗報というべきでしょうね。ただ、救命センターだけが「救急」をやっているんじゃないんですよねぇ・・・汗。 ------------------------------------------------... [続きを読む]
posted from 東京日和@元勤務医の日々 2008.03.09 02:40

コメント

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 先日、京都にいきましたが、北野天神のあたりは梅の見ごろ前なのにすごい人出でした(国際観光都市京都はすごいですね)。今度は先生の診療所に遊びに参りたいです。
 京都は古い町ですが、病院も開業医の先生方もがんばっておみえですね。ただ、これから大変になりそうです。またこれからもよろしくです。トラックバックをさせていただきます。
written by SkyTeam / 2008.03.09 02:39
SkyTeam先生、ありがとうございます。
 京都へ来られたんですね。北野神社の梅園は有名ですからね。(滋賀県の長浜の梅はもっと有名?)
 またお時間がある時はどおうぞお立ち寄り下さい。以前、あつかふぇ先生が来られた時はちょっと驚きましたが・・・
 もう慣れましたから..
どうぞ遠慮なくいらして下さい。
お待ちしております。
written by Doctor Takechan / 2008.03.09 03:15

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