Doctor Takechan
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

< 救急報道の今を読む | メイン | 八代発言徹底批判! >






ブログ693htm.





AERAがやった!



2/25のAERAで、やってくれました。開業医バッシング

(ご存知のように、AERAは朝日新聞社です。)



医師優遇税がなくならないわけ

 開業医「儲けすぎ」検証

●診療報酬の最大7割が領収書なしで経費になる優遇税制

●収入は勤務医の1.8倍

●日本医師連盟の政治献金先リスト




記事はまず、医師の脱税事件を語る...



岐阜市の北、農村地帯の開業医K医師は、看護師兼事務職員の妻と約30年に

わたって地域を支えた評判の良い医師だったそうだ。「日曜休みません」と

いう方針で大繁盛だったらしい。

 しかし、K医師が2005年に他界し、19億5千万円にのぼる遺産を残した

のに、妻は16億8千万を申告せず隠していたというものだ。



 農村の開業医がこれほどの資産を残した理由として、AERAは「医師優遇

税制」の存在を取り上げる。なるほど、優遇税制はないほうがよかろう。

それは一理あるが...



 ところが、AERAは、「医師優遇税制」で開業医が儲けすぎと批判し、

あろうことか、
中医協の資料を前面に出しているのである。

     ============

中医協の資料では

勤務医収入●●●●●●●●●●●●●●1414万

開業医収入●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●2531万

(ただし、中医協の資料は開業医の中でも規模の大きい法人化したもののみの集計)



一方、日本医師会の資料では

勤務医収入●●●●●●●●●●●●1200万

開業医収入●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●2823万

であるが、借金返済など経費を差し引いた手取りベースでは

開業医収入●●●●●●●●●●●●●●●1469万

となり、年齢差を考えれば、全くふつうの差ではないかと思えるのだ。

(しかし、これらの統計の決定的な問題は、収入の分布を示さず、平均値のみを

示しているところにある。ごく少数の高額所得者によって、多くの貧困医師

隠されている事実を忘れてはならない。




自分の財政状況を話すのは気が引けるが、まあ、正直に申し上げよう。

私は開業から2年ちょっと。

 診療報酬なる稼ぎからすれば、私の昨年の収入は中医協の示す開業医の

平均収入に近いところまでやっとのことでこぎつけた。

しかし、新規開業の出費は生易しいものではない。

その結果、昨年の手取り額(収入から経費を引いたもの)は、勤務医収入に

遠く遠く及ばないのである。

 この借金地獄はまだ数年続くので、その間に診療報酬が伸びなければ、

我が家はワ〜キングプア〜開業が続くのだ。

しかも、都市部開業は飽和しつつある。

また、今回の改定で開業医の診療報酬を削るということは、すでに繁盛している

開業医にとっては、まだ余力が残るが、ギリギリでやっている開業医は軒並み

手取り分が恐ろしく落ち込むのだ。

ヘタすれば、ただでも少ない手取り分が、半分、いや、開業したばかりの医師

では、赤字からの脱却が半年、1年遅れる事態もありうる。事業計画は崩れ、

手持ち資産が底をついて、さらなる借金、あるいは廃業へと追い込まれる

開業医が急増する可能性が高いのだ。

     ============

 AERAは、図では医師会の統計も出しておきながら、本文では開業医が儲け

すぎているという中医協ベースの理論を展開し、優遇税制の廃止を訴えるのだ。

 そして、現実に優遇税制の恩恵を受けるのは、ごく一部の高額所得者だけ

なのだが、理論のすり替えで、まるで開業医が全部優遇されているかのような

印象を読者に与え続けるのだ。

 もっと許されないのは、あの、医療崩壊の推進者、医療を経済界のオモチャ

にしようとしている、八代尚弘
・国際基督教大学教授のコメントを大々的に

紹介していることであろう。

 経済財政諮問会議のメンバーとして、社会保障縮小、成長第一主義で、

大企業の代弁者となっているこの御用学者は、旧経済企画庁出身という

官僚上がりだ。医療を知らない官僚的発想で格差を助長し、日本社会を

崩壊に追い込む第一人者というわけだ。



 コイツのコメントを掲載しておくぞ。



「勤務医に報いるため、開業医の負担増も」



 腕のいいお医者さんがすぐに患者さんを治すより、腕の悪いお医者さんが

延々と時間をかけて治療するほうが、お医者さんにとって実入りは増えてし

まう。医療費を考える時に重要なのは、こうした「出来高払い」という経費

が反映される仕組みになっている点です。病床数の多い地域ほど医療費が高

いという「供給が需要を作るメカニズム」も問題です。私は今の診療報酬に、

医療の質を評価する仕組みと、疾病ごとにかかる医療費を標準化した「包括

払い」を導入することで、検査や投薬をやればやるほど報酬が増える仕組み

を大転換すべきと考えます。

 診療報酬制度はそもそも、その改定を通じて、あるべき医療の方向へ政策

誘導するツールなのですが、今の仕組みはまるで「春闘」のように、支払う

側の保険者と、受け取る側の日本医師会の政治力で決まる利害調整になって

います。しかも開業医をベースにできあがった診療報酬制度を、大きな病院

にも適用しているため、大規模な総合病院にかかる医療機器などの設備投資

という「資本コスト」を、勤務医の労働から捻出する仕組みになっています。

 病院の勤務医が犠牲的精神で過酷な労働に低報酬で甘んじている中で、

開業医は必ずしもそうではありません。しかも、日本医師会は開業医の声を

代弁しがちで、医師優遇税の見直しにも政治的な反対が大きくてできません。

私は病院の設備費用を、診療報酬の上で明確に評価し、結果的に勤務医に報

いる一方で、その費用を開業医にある程度負担して頂くのはやむを得ないと

思っています


     ==================

なるほど、コイツが医療崩壊を誘導していることがよくわかる。)

 この思い上がったコメントにはまた別の機会に徹底的に反論するとして、

AERAの方はというと、日本医師会の政治マネーを取り上げる。

 なになに、日本医師会の作った政治運動組織、日本医師連盟は

(全国医師連盟はちがうぞ!)、年間20億の資金を集め、

うち7億円を自民党の国会議員や自民党の政治団体に献金している。

 政治家の個人名もたくさんでてるぞ。

2004〜06年の3年間に、日本医師会から献金を受けた議員のリストだ。

西島英利 2億1035万円(典型的医系議員)

武見敬三 1億6500万円(典型的医系議員だが、落ちた...)

自見庄三郎  6900万円(この人は医師で唯一の国民新党)

森 喜朗   6350万円

 ・・・・・・・・

あれ、この人にも..

柳沢伯夫   1670万円

 ・・・・・・

ま、とにかく70人ほどの議員と10ほどの団体が上げられている。

ま、95%は自民党だね...



要するに、日本医師会の政治活動を叩いて、優遇税制叩きを有利にしようと

しているんだね。

まあ、医師会は、叩かれた方がいいけどね。まじめにコツコツ働いている

開業医を巻き込むマスコミ、誤った世論操作を平気でやっちまうマスコミ

とは、闘わなくちゃいけない、と、強く思った次第。



なお、最後に、石原謙・愛媛大学大学院教授の反論が掲載されていたが、

本文のえげつなさからすると、かすんでしまうだろな,,,、



石原さんの発言の要旨は



●高額所得者の少ない地方で、開業医の多くが高額所得者にランクされるの

は事実。しかし、地方と都会は違う。

●医師優遇税制は段階的に引き下げられている。しかも、医師が機器や薬剤

など診療に必要な物品を購入する際には消費税が適用されるのに、診療行為

には消費税がつけられない。つまり、消費税は医療機関の持ち出しになって

いる。

●世界的に見ても安価な医療保険料のおかげでトヨタなど輸出産業の医療費

負担が少なくて済み、国際競争力を維持できているのだ。経済界はそのこと

を自覚せよ。

●療報酬を1.5倍の50兆に引き上げれば勤務医の人数を2.3割増やして労働

環境を改善できる。



石原さんの発言で救われる思いになるが、記事全体をみれば、まさしく開業医

バッシングそのものだ。一人の高額所得開業医を引き合いに出して、

開業医全部が悪いような書き方を平気でするのだ。

いつになったらAERAは現場が分かるのか?

週刊東洋経済の方がよほどマシだぞ!




固定リンク | コメント (8) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/DrTakechan/20080219/AERA_/trackback

コメント

コメント一覧

詳細ありがとうございます。今夜行こうかと思いましたが、購買する気も起こらなかったのでよかったです。想像はしていましたが、気が滅入ります。
written by shushu / 2008.02.19 08:04
ありがとうございます。
>診療報酬制度はそもそも、その改定を通じて、あるべき医療の方向へ政策誘導するツール
>病院の勤務医が犠牲的精神で過酷な労働に低報酬で甘んじている中で、開業医は必ずしもそうではありません
>私は病院の設備費用を、診療報酬の上で明確に評価し、結果的に勤務医に報いる一方で、その費用を開業医にある程度負担して頂くのはやむを得ないと思っています

八代のイカレっぷりに、さらに磨きがかかっているのが良く分かりました。
written by ヤバクリ / 2008.02.19 09:52
先生、とまとさん復帰おめでとうございます。
さて、うちでは読売新聞をとっています。

記事にしたのですが、朝日や産経(イザを含む)ほどではありませんが、読売も社説系の論調はそれはもう、、、サイアクです。

医療系個々の特集記事は比較的?優れているだけに、どうして現場のわかった同じ担当者が記事を書かないのだろうと不思議で仕方がないのですが。

なんか、、、


やめちゃえば。

って、悪魔のささやきが聞こえているのは、私だけでもないのかなぁと。実際、質の低い??野良(アルバイトのみ)医師も増えていますし。(私もその一人ですが。。。)

真面目に患者と向き合って自分の命を削るよりも、野良医師の方が、収入がはるかに上っていうのも、、、現実として悲しいですね。。。

なかなか他人のブログにまで書き込めませんが、先生これからも、私の分まで吼えまくってください。

遊佐奈子
written by 遊佐 / 2008.02.19 12:37
shushuさま、買わなくて正解です!
(ウチは親が以前からずっと買っているので...あわてて借りてきました)
血圧の高いヒト、読んだら危険、読んだら死ぬで!

ヤバクリさま、ありがとうございます。
先日の権丈先生のご講演で、先生が話しておられました。
「八代さんは、『医療は効率の悪さを治さなきゃ』なんて、ワケのわからんこと言ってたので、医療のどこが効率が悪いのか、と何度も正したので、最近はちょっとはわかってきたみたいだ。」とおっしゃってましたが、結局、経企庁上がりのゴミ学者には理解不能だったのでしょう。

遊佐先生、いつも先生のところに約4名ほど寄生?して申し訳ありません。
 でも、今や、先生のところが4名にとって、『帰省』先なのです。
今後ともヨロシクお願い致します...
  『規制』しないでね♪〜 なんちゃって・・・
先生もお疲れですよね。悲しい時代です。
私も安全域まであと少し...と思いながら...
 まだ時間がかかるんですよね...これも結構疲れます。
  自分がこれまでやってきたことを信じるだけです,,今は。
written by Doctor Takechan / 2008.02.19 21:50
はじめまして。
北のコスモス先生のところからきました。。
このアエラの記事はまた、すごい開業医バッシングですね。
最近マスコミがさすがに本腰で、医療崩壊の記事を取り上げるようになり少しほっとしていたのですが、こういう「開業医が儲けすぎていて、日医は極悪人で、だから勤務医が過労になるのだよ・・」という医療崩壊の責任のあくどいすり替え?記事には、シロウトの私でも、気分が悪くなりました。
政府の医療費削減政策の大失敗を何が何でも認めずに、何とか、こうなったら(ホントはつぶれそうな)開業医に押し付けようとする狂気じみた悪意?を感じます。
先生ファイト・・です。
全国のお医者さん、がんばれ。
こんなアホどもに負けちゃだめです。。
written by ひろみ / 2008.02.19 22:09
ひろみさんのエールに感謝! です。
 一流をめざしている(はず)の雑誌がこんな論理を展開しちゃあ救いようがありませんな。
 毎号買ってるウチの両親がかわいそうです。AERAに良心はあるのか?

北のCOSMOS先生も、正論で真正面からぶつかりつづけています。
私はときどき疲れて、変化球で逃げるコトもありますが
 これ以上、医療を悪くしないように、闘い続けたいです。
これからもよろしく!
written by Doctor Takechan / 2008.02.20 01:54
Doctor Takechan先生、お疲れ様です。
都内の病院勤務医の私の外来に通う患者の9割は、はっきり言って開業医の先生にフォローして頂いて充分なレベルです。
みなさん、病院が好きみたいで(すぐ検査できるから?)、予約制にも関わらず長時間の診察待ちでも我慢しています。

あの、厚生省のかた、財務省のかた、それに無知なくせして医療に口を挟む御用学者のかた、そしてマスコミのかたに言いたいのですが。
開業医をいじめて、患者や病院勤務医にメリットがあるとでも、お思いですか?
とんでもないです。開業医の先生がたが廃院されたり、外来患者の受け入れに苦労されたら、困るのは病院勤務医なのですが。
開業医にかかれなくなった患者が病院に押し寄せてきます。
今でも外来がパンパンで、なおかつ入院患者の診療にも支障があるのに、これ以上、外来の受け入れは断りたいし、長く通った外来患者を開業の先生に紹介しているくらいなのに。

だったら開業医の先生方が安心して外来診療に専念できるように経済的なバックアップは当然だと思いますよ。
開業医の得は、病院勤務医の得でもあるのです。
   ********

鶴亀先生、いつもながらの素晴らしい正論、ありがとうございます。
以前書いたように、やっぱりマスゴミは『群盲ゾウをなでる』式に、一方的なものの見方しかできないようですね。
医療全体を見てモノ言うマスゴミが出て来たら、せめて
『マシゴミ』くらいには言って上げるのに...
        DrTakechan
written by 鶴亀松五郎 / 2008.02.21 00:50
K医師の19億円というのは異常な数字です。
医師としての収入だけではないはずです。そんなに蓄積できるわけがない。たとえば、相続などでも絡んでいるのでしょう。つまり、aeraの話は嘘っぱちだと思います。

考えても見てください。土地を買って土地が値上がりし評価額が上がったというようなことはあるかもしれませんがそれだって、田舎の土地は?です。

うちの親戚は病院跡地300坪、時価5000万円を引き取り手がいないから600万円で親戚に引き取ってもらった。維持費がかかりすぎです。

例えば、10億円にしても、医師が働けるのは35歳から70歳までとして、35年間。これで、毎年、3000万円ずつ貯金して、金利はなしで10億円です。
生活費や学費は別だから、K医師は毎年5000万円以上稼がねばならない。そりゃ、都会の大病院で儲けなければ可能な数字でも田舎の開業医では無理です。
現状では大病院経営は苦しい。

毎日、利益だけで平均15万円を35年間続けるって無理ですよ。
K医師は倍の19億円だから、平均30万円を稼いだ。患者一人、1万円として、毎日、粗利でなく純粋利益で30万円ですから、、、医業だけでなく。田舎の名士ほかにも収入があったのではないかな?それならわかりますが、医療で設けたという話とは違いますね。
   ************
AERAは『割引金融債』を利用していた、と書いています。もし、それで儲かったんなら、医業で儲けたのとは違いますがね...?
まあ、確かに田舎で、夫婦でやってた(人件費がいらないかも..)、日曜もやってた、田舎だから競合がなくて相当数の患者が集まった...と仮定すれば、そこそこの儲けになるかもしれませんが(昔は今よりよかったし...)
あ、それと、おカネを遊びに使わなかったら..ね?

でも、しっかり仕事してたらしいから、天下り官僚よりよっぽどマシじゃない?
       by DrTakechan
written by とまと / 2008.02.21 19:26

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。