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朝日の大誤診

ようやく開業医再診料の引き下げという暴挙は避けられたようだ。
しかし、新聞報道を見れば、その論調はと言うと、

●医師会という圧力団体によって、開業医の既得権益が守られた?
●勤務医と開業医の格差是正ができなくなった?
●このせいで勤務医不足対策の財源が不足する?

ブンヤさんよ! 政府と厚労省の責任はどこへ行ったんだ!?
またしても厚労省サイドからの垂れ流しではないか!?

20年以上にわたる医師数抑制、医療費削減の歴史を知らずして、記事を書くべからず!
残念ながら、どの新聞見ても『誤診』つづきの文面が多い昨今、
またしてもの『朝日の大誤診』記事を御覧あれ!
     
**************
開業医再診料、引き下げ断念 医師会の反発受け 厚労省
    2008年01月30日 Asahi.com
 厚生労働省は29日、医療機関などに支払う診療報酬の08年度改定で、焦点となっていた開業医の再診料引き下げを断念する方針を固めた。この引き下げによって勤務医不足対策の財源の一部を捻出(ねんしゅつ)する計画だったが、開業医を中心とする日本医師会が強く反発。厚労省が最終的に押し切られた。勤務医不足対策には1500億円を盛り込むものの、開業医の既得権益への切り込み不足は否めず、「勤務医との格差是正が不十分」との批判が高まるのは必至だ。
 30日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で、中立的な立場の公益委員が引き下げ見送りを提案、了承される見通しだ。
 外来の初診料は、前回06年度改定で開業医、勤務医とも2700円に統一された。だが、同じ病気での2回目以降の診察にかかる再診料は、勤務医570円(ベッド数200床未満)に対し、開業医は710円。患者は自己負担が少なくて済む病院を選ぶ傾向が強まり、勤務医の過重労働につながっているとの批判がある。
 厚労省は今回、病院の勤務医に比べ少ない労働時間で高い収入を得ているとの指摘もある開業医の再診料を引き下げ、その財源を勤務医不足が著しい産科・小児科などに重点配分する方針を打ち出していた。
 だが、医師会は「再診料は、地域医療を支える開業医の無形の技術を評価する重要な項目」として引き下げ案を拒否。次期総選挙を意識し、医師会の支持を取りつけたい与党も歩調を合わせた。
 厚労省は勤務医不足対策の必要財源を1500億円と試算。具体策として、リスクの高い出産、重症の子どもの治療への報酬引き上げや、勤務医の仕事を補助する事務職員の配置などを挙げている。
 財源については、「医師会と決裂するよりも、別の方策を検討した方が財源を確保しやすい」と、中医協の委員を説得。開業医の再診料下げを断念する代わりに(1)軽いやけどなど簡単な治療の診療報酬を廃止(2)再診時に検査などを行わなかった場合に再診料に上乗せ請求できる「外来管理加算」の見直しで400億円を調達。昨年末の改定率交渉で決まった医師の技術料など診療報酬の本体部分の引き上げ幅(医科で0.42%)1100億円と合わせ、1500億円を確保する方針だ。
 厚労省は、軽いやけどの治療など、再診料以外の部分で開業医向けの診療報酬を削って財源を確保した。だが、1500億円で勤務医不足を十分に緩和できるかどうかは未知数だ。効果が上がらなければ、再診料引き下げ見送りへの批判が改めて高まりそうだ。
     **************

 医師数抑制、医療費削減の歴史はこのM3comの中でも繰り返し論じられて来たが、新聞記者には難しすぎるのだろうか???

 非難すべきは、この期に及んでまだ社会保障費の伸びを5年で1兆2千億減らそう、だから今年も2200億圧縮しよう、という政府・厚労省ではないのか?

 福祉国家の仮面を剥げば、わが国は人命より道路建設が大事という公共事業天国ではないか? それが証拠に、およそ暴挙としか言いようのない奇策を使ってまで、道路財源を死守しようとしているではないか!?
(公明党支持者よ、冬柴大臣が正しいとあなたたちはホントに思ってるのだろうか? あれはただの大臣病患者ではないのか? あれはただのメタボおじさんではないのか? あれはただの官僚の代弁者ではないのか? 私の知ってる公明党支持者は、どう考えても冬柴的発言を許容するはずのない人物ばかりだけど...???)

 さて、再診料引き下げがなくなっても、次は『タダ働き』が待っている...

(1)軽いやけどなど簡単な治療の診療報酬を廃止
(2)再診時に検査などを行わなかった場合に再診料に上乗せ請求できる「外来管理加算」の見直しで400億円を調達。

 非医療者のみなさん。医師の仕事・労働がいかに弾圧されているか、おわかりだろうか? 軽いやけどなどの処置は、タダでやれ、ということですよ。消毒薬代、塗布剤代、滅菌ガーゼ代などすべて無料でやれ、ということです。すでに同様の弾圧は多数導入されているのですが...
(例えば、腰痛患者さん:マイクロ波で温めて、牽引機で引っ張って、ウオーターベッドでマッサージ...総額500万円の機械で懇切丁寧に30分治療したとしても、再診料+外来管理可算で1割負担の患者さんなら110円のお支払いです。)
(先日お会いしたある開業医さんは内視鏡のスペシャリストですが、『10年ほど先輩が開業したときは内視鏡的大腸ポリープ切除術をやれば、あれやこれやで10万円ほどだったのが、今や4万円がいいとこ。むちゃくちゃ削られてしんどいわ。』 これが実情なのです)

 なお、昨年、唐突に福田康夫首相が言い出した政府の「社会保障国民会議」の設置ですが、すでに閣議決定され、メンバーも決まっているようです。

吉川洋(東京大学大学院教授)=座長
大森弥(東京大学名誉教授)
奥田碩(トヨタ自動車相談役)
小田与之彦(日本青年会議所会頭)
唐沢祥人(日本医師会長)
神田敏子(全国消費者団体連絡会事務局長)
権丈善一(慶応大学商学部教授)
塩川正十郎(元財務大臣)
清家篤(慶応大学商学部教授)
高木剛(連合会長)
竹中ナミ(社会福祉法人プロップ・ステーション理事長)
中田清(全国老人福祉施設協議会副会長)
樋口恵子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長)
南砂(読売新聞編集委員)
山田啓二(京都府知事)

世界の片隅でニュースを読む”というブログによれば、このメンバー構成が暗い今後を予感させるものだという。一部引用させて頂きます。
  (http://sekakata.exblog.jp/6717588)
 自立生活サポートセンター「もやい」の湯浅誠氏を起用するようなサプライズはなく、予想通り既成の圧力団体の関係者と御用文化人ばかりで、官僚がコントロールできる人選である。ワーキングプアやホームレスの代弁者は1人もいない。「国民会議」と称していながら政府・与党にとって壁となるような人物もいない(ただし分科会の方で呼ばれる可能性は残っているが)。
 また消費税増税派が多数を占めており、政府・与党の既定路線である消費税の社会保障目的税化と引き上げに「お墨付き」を与えるだけの機関になりそうだ。

 現在の日本の社会保障は、こんな人々に任せることができないほど疲弊し、崩壊が進行している。社会保障とは本来、その名の通り社会生活を保障するもので、困っている人や弱っている人が自立できるようになるためのセーフティネットである。しかし、少なくとも日本の社会保障制度は、豊かな人や恵まれた人ほど有利で、本当に困窮している人々を制度の外側に排除するような仕組みになっている。

 このブログの主は、某革新政党寄り(?)と思われるが、社会保障制度については詳しく持論をのべておられ、一読の価値はあると感じる。少なくとも引用させて頂いた部分については異論を挟む余地はなさそうである。
 みのもんたも、こういう問題に、『
ほっとけない!』と叫んでほしいものだ。

 さて、最初の記事に戻りましょう。
確かに、再診料引き下げを阻止したのは日本医師会の圧力かもしれない。しかし、今回は、圧力が悪いのではない、引き下げが悪いのだ。
 その根本がわからないまま記事にするから、読者に“厚労省の思うツボ”の印象を植え付け、世論を偏向させるのだ。だから『大誤診』に値するのだ。
 きょうもまた、医療が破壊されてゆく。残された時間はもうないぞ...。 

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