Doctor Takechan
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

< 医療崩壊がまだ現実のものと受け止められな... | メイン | NHKの大誤診 >
ブログ673htm.


15年前の要望書

医療崩壊が15年前から現実のものであったことを証明する書類が見つかった。
平成5年、某公立病院医局会において議決された要望書がそれである。


時代背景がわからないと、今の若い人には理解されないかもしれないが、まずは、ご紹介してみたい。
     =================

   医師当直業務に関する要望書

1)全国の官公庁において労働時間の短縮、週休二日制が推進されている中で、
当院の常勤医の当直回数は、5〜10年前には一人当たり年間26〜27回であったものが
最近3年間では年間39〜40回と、40%以上も増加している。
また、週休二日となっても患者の容態が悪化すれば休日出勤の必要があり、
現に週休二日制導入後に時間外勤務が飛躍的に増加したことは趣致の事実である。
このように、当院の常勤医は、長時間勤務による労働環境の悪化を実感している。

2)その主たる原因は、
 (1)当直業務にあたる常勤医が12名から10名に減少したこと。
 (2)大学から派遣される研修医が当直業務に不適当(経験不足のため)、
    または研修医が定数に満たない時期が存在する。
以上の2点である。

3)改善策として
 (1)当直業務を施行できる常勤医の定員増。
 (2)月8回の研修医当直枠を、大学の研修医派遣医局により完全に充足して
    もらう(研修医以外の医師でもよい)。
 (3)研修医数の増加または研修医当直回数の増加。
の3点が考えられる。

4)当院医局会としては、労働環境の改善にあたっては、医師のみが例外的にかつ
不公平な立場に取り残されることのないように早急に改善策が実行されるよう
要望する。

平成5年○月○日   某公立病院医局一同

(以上の内容は、平成5年○月○日の医局会において要望書として提出することを
議決した)

     =================

   <時代背景>
#.当時、府庁から無理矢理一次救急を押し付けられて2年が経過していた
(人手がなくても経営改善、患者確保策として一次救急を引き受けなくては
ならない立場に追い込まれたためだ。一人当直だというのに...)

#.研修医は大学医局から3ヶ月交代で4名ずつ派遣されていた。
研修医一人当たり月に2回当直が認められていた(1年目も2年目も)。
さすがに1年目でとても当直はさせられないのもいて、その場合、
常勤医が無給!で副直をする事態になっていた。
(研修医が副直をすることもあったが、これも無給。なお、当直料は、
 常勤医1万5千円、研修医2万円くらいであった...とほほ...)

#.常勤医のうち、院長、副院長、○○部長はと管理職であるため当直を
免除されていた。○○部長職が増えた(昇進した)ために、当直要員が
2名減少した。

#.週休2日が導入されたばかりだった。土曜日が休みとなったため、
土曜日の日直という仕事が増えた。

#.事務は完全週休二日。われわれは、土日の連休中に悪化する患者が結構多いため、
土日出勤する機会が増えた。

#.在院日数の縛りはずっと軽かったので、病棟は超急性期から超慢性期まで
さまざまな患者が入っていた。当院に療養病棟はなかった。

     =================

で、要望はどうなったって?
当然、握り潰されました...。府庁は、週休二日だから、医者も休め!
という通達はだすものの、現実に目を向けることは皆無であった。
大学も、おめ〜ら、勝手に当直したらえ〜やないか、という反応。

そして、時間外勤務が増えると、府庁から圧力があり、時間外勤務が長い医者は、
仕事の能率が悪い!
、と管理職から非難され、有言無言の圧力により、
次第にサービス残業が増えていった。
(思い起こせば、私が初めてこの病院に勤務した時、少なくとも1年以上は、
時間外勤務をしても、一切申告しなかった。当時はそんな風潮だった。
私も若かったし、勉強させてもらえるから、と時間外勤務を申告する、
ということを全く考えもしなかったのだ。)

確かに慢性期患者も延々と入院したりして、今の急性期病棟からは想像もつかない
ほどのんびりした面もあった。
しかし、一方で、救急が始まり、超急性期も入院してきたので、結構忙しかった。
50ベッドに医者3名+研修医1名...。
医師一人当たりの診療報酬(いくら稼ぐか)は、他の同等の病院と比較して別に
悪くはなかったが、病院の赤字はどんどん膨らんだ。一生懸命働いても赤字、
という診療報酬の削減は、平成5年、すでに存在したのだ。

あれから15年...私の勤務した公立病院はすでに廃院となっている。
そして、医療破壊は....全国に広がっている....。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/DrTakechan/20080125/15_/trackback

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。