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ブログ611htm


朝日は前にもやっちゃってた!

 先ほど、前の記事で朝日新聞の社説を批判したばかりなんですが...

 実は、ネットをながめていて、偶然、平成11年にも朝日はとんでもない記事を書いていることがわかった。これも、厚労省のデータを鵜呑みにして提出してるんだが...。
とにかく、実態とかけ離れた数字を平気で使ってるんだよ。
これなら、論説委員なんていらない。厚労省データだけ使ってちょうちんもち記事を書くなら、M3COMのブロガーで十分だ。

      では、その内容について....
       =================

引き上げる環境にない診療報酬(平成11年12月15日朝日新聞朝刊社説

 来年度予算編成に向け、病院や開業医などの医療機関が受け取る診療報酬改定問題が大詰めを迎えている。日本医師会が人件費の上昇などを理由に平均3.6%の引き上げを要求しているのに対し、保険料を支払う側の健康保険組合連合会と日経連、連合が保険財政の赤字などを挙げて「むしろ引き下げるべきだ」と反論、真っ向から対立している。
      ーーーーーーー中略ーーーーーーー
 不況で、サラリーマン世帯の実収入は前年比マイナスである。一方、
厚生省調査によれば、開業医の平均収入は二年前より18%増えている。診療報酬を引き上げるには、環境も条件もふさわしくない。
     ーーーーーーーー後略ーーーーーーー
      =================
これがナゼ問題か、わかりますか?

厚労省は、開業医の収入が、2年間で
18%増えている!とおっしゃった。
それも、平成9年の9
月分と平成11年の6月分を比較して...

 実は、開業医の収入は、月によりかなりの変動があります。私のところでも、前の月より20%以上も減った!、とか20%以上増えた!、とか、収入グラフをつけるとかなりジグザグです。インフルエンザやノロがはやると収入が増え、終息すると減少します。
内科でもそうなら、花粉症の耳鼻科、夏場の皮膚科、など、急激に患者が増えます。そして翌月には急激ダウン、となります。
 だから、1か月だけ、それも、
6月と9月を比較するなど、およそ無意味なのです。
少なくとも、年間収入で比較しないとどうしようもありません。

 このような変動は、総合病院よりはるかに大きいものです。おまけに、土日の回数、祝日の有無...つまり、
実診療日数が異なると、収入に大きく影響します。
 そして、さらに、この厚労省の統計の時期を注意してみると、平成9年9月より平成
11年6月の方が、2日も実診療日数が多かったのです!
 厚労省が、いかにデータを操作して統計資料をねつ造しているか、これが、非常にわかりやすい実例でありましょう。
 そして、このデタラメデータを、朝日は社説で無批判に利用したのです!
 
 もっと面白いものをお見せしましょう。
同じ日の同じ朝日新聞、同じデータを、診療実日数の方だけ手直しした、という記事を掲載してるんです。

     ===============

開業医月収 幅減っても伸びています
平成11年12月15日朝日新聞朝刊記事

 厚生省が病院や診療所の経営状況調査(今年6月分)で算出した開業医の月収を、日本医師会の批判を受けて計算し直したところ、入院ベッドのない個人診療所は百九十九万六千円で、前回(1997年9月分)より4.4%伸びたという結果になった。

 今回の調査では診療所全体の平均が二百三十五万五千円(
18%増)、入院ベッドのない診療所は月収二百二十一万三千円(15.7%増)だった。これに日医が猛反発した。今回は前回は前回より平日が二日多いと指摘し、入院ベッドのない診療所の、独自の試算で百八十四万二千円(3.7%減)としていた。診療報酬はほぼ二年に一度改定される。今度は来年四月で、日医は3.6%の引き上げを要望。健康保険組合連合会などが引き下げを主張している。診療報酬には政治がからみ、厚生省もへたに動けない側面がある。担当者は「平日が二日減っても、収入が大幅に減るわけではない」と、淡々と説明した。

冗談じゃないよ!。うちのように、木曜、土曜が午前中だけ(半日)、月火水金が午前午後の診療(1日)とすると、一週間で実診療日数は5日。一か月の実診療日数は、およそ20日。前月より実診療日数が2日少ないということは、10%減るんだよ!
     ================

いったい、何をやってるんだか...
社説では修正前のデータを堂々と使ってるんですよ!?

国民諸兄には、大マスゴミが正しい報道をしているのではない、むしろ、個人的なブログの方が、よほど現実をしっかり伝えているんだ、ということをわかってほしいと思いました。

朝日よ、アサヒるが流行したからって喜んでるんじゃないよ!



                                                                              






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ブログ610htm


朝日新聞よ、無責任な社説を繰り返すな!

11月18日の朝日新聞の社説。またぞろ、厚労省のねつ造データを無批判に流用し、国民の誤解を招く文章を並べることで、日夜良心的に働く医療従事者に冷水を浴びせた。これは、はからずもマスゴミの権力依存体質を露呈したものであり、同時に事実を検証する能力すら欠如しているという致命的欠陥を自ら証明することとなった。

では、コメント付きで、批判的に読みましょう。
     ==========
診療報酬—患者を困らせないように
   (
11月18日朝日新聞社説)
 診療報酬の議論が本格化している。そう聞かされても、自分には関係ない、と思う人がほとんどではないか。
 しかし、どんな医療を受けられるかは、診療報酬の決め方で大きく変わる。だれもがいつ病気になるか分からない。本当は無関心ではいられないはずだ。
(いくらなんでものんきすぎる記述じゃありませんか? 3割負担で医療費支払いに困ってる人がどれだけ多いと思ってるんですか? 窓口支払額は、世界と比べても多いんですよ!)

 診療報酬は、健康保険から病院や診療所に支払われる治療や薬の価格だ。どんな病院でどのような治療をすれば、いくら払うか、というようなことを決める。開業医より病院に手厚くすることもできるし、産科や小児科の取り分を他科より多くすることもできる。
 この診療報酬をうまく使えば、患者にとって、もっと便利で安心できる仕組みをつくることができるのだ。
(患者は診療報酬が少ない方が楽に決まってる。問題は、厚労省がご都合主義で診療報酬をいじくりまわすことにあるんです。)

 診療報酬の議論の場は、中央社会保険医療協議会(中医協)だ。政府はこの議論をにらみながら年末の予算編成で医療費の総額を決定する。その後、中医協は具体的な医療費の配分を決める。
(問題は、中医協メンバーの構成です。政府に都合のいい、診療報酬を減らしやすい構成になっていることですよ。医療を良くする話なんか、中医協で出やしません。)

 まずは、病院の勤務医を少しでも増やし、過酷な勤務を軽くすることを求めたい。いまのような病院の状態では患者も不安だからだ。病院への報酬をもっと手厚くし、病院の内容ごとにきめ細かく配分する必要がある。
(勤務医だけ増やせばすむ話ではない。研究する医者も必要でしょう? 患者のためを強調するのはお得意のえせ正義?)

 医師不足は産科や小児科などで目立つ。特に産科は医師数も減っており、お産ができない地域すら出てきている。
 地方の中核病院の医師不足も深刻だ。東京の周辺でも、忙しすぎる勤務に耐えかねた医師が辞め、内科や外科が閉鎖されている。
(医師不足が産科や小児科で目立つ、というのはマスゴミ用語ではないか? 外科はどうだ? 麻酔科はどうだ? ほとんど全科で不足してるでしょう? 取材したのかな?)

 患者の生き死ににかかわる病院は診療報酬を高くし、医師をたくさん雇えるようにしたい。そうすれば、きちんと交代制で働き、休みもとれる。当直明けの医師がそのまま夕方まで患者を診るようなこともなくせる。
(まず最初のトンでも発言! 患者の生き死ににかかわる病院? じゃあ、療養型の病院は死にかけた患者ばかりだから医者は少なくて良い、治療もテキトーでいい、そういう差別を新聞はするんだね? この信じられない発言、あなたは許せるか!?)

 そのためには、開業医の取り分を病院に回す荒療治が避けられない。たとえば、開業医の初診料や再診料を引き下げることが考えられる。
(朝日はいつの間に厚労省のまわし者になったのか? 開業医の取り分は、診療報酬改定の度に減らされてるんだ。だのに開業医の取り分を病院に回す荒療治だって? 医療費そのものを削減しようとする厚労省の方針が悪いのに、開業医が悪いと言うの? 朝日はいつの間に開業医の収入を減らす権限を身に付けたのか? 常識を疑うぞ!)

 日本医師会は強く反発している。しかし、厚生労働省の調査によると、開業医の年収は約2500万円で、勤務医の約1400万円を大きく上回る。勤務医から開業医への転身が増えているのも、収入が高く、仕事が楽だからだろう。
(こんな暴挙が許されるのか!? 厚生労働省のねつ造データ=開業医と勤務医全体ではなく、都合のいい部分を切り取って比較した悪質なデータ=をそのまま世間に広めるのか? 実態とかけ離れた数字が日本中一人歩きをするのがそんなに楽しいのか? 医師会の調査したデータと全然違うのに、厚労省が正しいと検証でもしたのかね? ムチャクチャじゃないか! 厚労省が正しければ、消えた年金なんてあるはずないじゃないか!、厚労省が正しければ、医師不足なんてどこにもないはずじゃないか!、厚労省が正しければ薬害C型肝炎患者は全員、薬害だと連絡があったはずじゃないか!)

 一方で、休日や夜間も診てくれる身近な開業医の報酬を増やすことも忘れてはならない。自宅で最期を迎えたいというお年寄りが増えており、医師が24時間体制で往診し、緩和ケアをすることがますます必要になっているからだ。
(いいか!、たったひとりで経営している開業医は、休日夜間の診療でくたくたになったら、誰が代わってくれるんだよ? さんざん医薬分業で院外処方の医療機関を増やしておきながら、いまさら調剤薬局が開いてない時間にどうやって処方するんだよ? それとも、不良在庫を抱えて倒産しろ、というのかね? 現実が見えないのか? それともうひとつ。多少診療報酬を増やしたって、休日夜間に急病患者を診て、開業医でできる検査は限られてるんだよ。病院中心に考えるのが自然だと思うんだけどね。)

 小泉政権の5年間、診療報酬の伸びはマイナスやゼロが続いた。そして医師不足など病院の疲弊が目立ってきた。
(いいか! 医療費抑制、医師数抑制は20年以上も続いてるんだ。決定的にダメ押ししたのはコイズミだがね。政府の責任は重いと思うが? )

 財務省は引き続きマイナスを求めていく方針だ。しかし、深刻な医療の状況を考えれば、「初めに引き下げありき」でいいのかどうか。本当に必要な医療には資金を手当てし、患者をこれ以上困らせないようにしてほしい。
(いいか! 福祉に使うとかいって導入された消費税は、いまやほとんど大企業減税に使われてるんだよ。医療になんか回ってこないんだよ。患者を困らせるな、の前に、どうして現場で必死に激務に耐えている医師に敬意を示さないんだ? これもえせ正義とやらかね?)

     ================

 私は、全国紙の論説委員ともなれば、それなりに内容を吟味した記事を書くべきだと思うのだが。  ...残念ながら、この記事には吟味の形跡もなければ、膨大な(はずの)取材を検証した様子もない。こんな内容が全国に流布され、国民の中で『真実』となってしまう。これは実に恐ろしい。情報操作の中で、われわれは踊らされているのか、まさにその思いを強くしてしまった。
 そういえば、コンタクトレンズ診療所の不正。はっきり言って、何年も前から指摘されていたはずだ。今の時期にあえてこの問題に踏み込んだのは....きっと策略であろう、私はそう信じている。
 嘘のような真実:政府が診療報酬を削ろうとするとき、必ず医師の不正の記事がマスゴミをにぎわす。そのタイミングは、予算成立をはかる政府・厚労省にとって絶妙であり、大マスゴミもしっかりその手に乗って医者叩きに励んでくれる。 
 ああ、今年もまた繰り返されるのか...。

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まぼろしの『語り部』徴候..

若かりし頃、バイトで地方の病院へ当直に行ったときのことです。
病棟回診を頼まれ、寝たきり老人が大勢寝ている大部屋を訪ねました。
そこで、ひとり、ひときわ目を引く患者さん(おばあさん)がいました。

ベッドサイドへ行くと、そのおばあさんは、呼びかけても返事もせず、寝たまま天井を見つめ何かをしゃべっていました。大きく目を見開き、生き生きとした表情で、こちらがいくら声をかけても、顔を覗き込んでも、一心不乱にしゃべっています。視線はほとんど宙の一点を見つめているようです。

不思議に思って、傍で聞いていると、なんと、物語を語っています。

「おじいさんは、やまへ、しばかりに、あばあさんは、かわへ、せんたくに、でかけました、おばあさんは、かわでせんたくを、していると、おおきなももが、ながれてきました、おばあさんは、おどろいて、おじいさんを、よびにいきました、」

ハキハキと、独特の抑揚をつけ、適当に文節をくぎりながら、延々と(多分、5分、10分くらいはずっと)途切れることなくしゃべりつづけました。(物語の内容は、どっかで聞いたようなちょっとちがうような、筋が通っているような、ところどころ意味不明な感じがあったり、というもの)

その表情は、恍惚様(euphoric)とでも言いますか、独特な感じでした。

いちおう、神経内科を志すと決めていましたので、やっぱり脳がどうなっているか、とても気になりました。そこで、CTを見せてもらうと....

な、な、なんと、おっそろしい水頭症です!。輪切りの脳には、左右に大きなだ円形の脳室が! もう脳実質なんて、1cmほどの厚みもないくらいでした。
当時の私の知識では、こんなに水頭症が進行したら、ほとんど発語もない痴呆の進行した寝たきり状態、と思っていたので、非常に驚きました。

こりゃ、いったいど〜なっとるのかね?

で、その次の週、また当直に出かけましたが、やっぱり同じようにしゃべりつづけていました。『こんなの、見たことねェ!、おっぱっぴ〜!』でした。

数回、訪問した後、
そうだ!、語り部徴候と名付けて、学会発表しよう!
もしかしたら、オレっち有名になるんじゃないか!?
など、ふらちな考えも浮かびました。
しかし、当時、新米で大学の仕事で忙しく、知識も不十分で、どうやって調べたらいいかもわからず...
いつしか、患者はいなくなり、CTはどっかへしまい込まれ、その病院への出張もなくなりました....。

今日は、たまたま大学神経内科主催の勉強会があり、某有名教授がベッドサイドティーチングをされ、認知症を伴うALSやら、言語障害の見方など、講義をされました。
ふと、若いときのあの水頭症の患者を思い出しました....。

自分で勝手に『語り部徴候』などと名付けて、ついに日の目を見ることがなかったあの患者さん....。もし、今、あの患者さんに出会ったとしたら...?
開業してますます本格的な神経内科から遠ざかろうとしている自分には、やっぱり学会発表まで持っていけなかったかな?...などと思いめぐらすDrTakechanでした..。

誰か、説明できます?

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ブログ609htm


全盲患者放置は「シッコ」の日本版


みなさまよくご存じのアノ大事件、新金岡豊川総合病院の職員が全盲の糖尿病患者を放置した事件なんですが...。

アノ毎日新聞によれば...
 堺の病院・全盲患者放置:「病院にほられた」 パジャマ姿で猛暑のベンチに

 「病院に捨てられた」。新金岡豊川総合病院(堺市北区)の職員から、大阪市内の公園に放置された全盲の無職男性患者(63)は、男性を保護した救急隊員らに、こう話したという。病人を保護するはずの病院の信じられない行為。警察の調べに、同病院職員は「近くに病院が見えたから」と公園に放置した理由を説明した。病院側は会見で「あるまじき行為だった」と非を認めたが、医療機関としてモラルが厳しく問われることは必至だ。【長谷川豊、田中博子】
 これは30℃を越す猛暑の9月21日午後、大阪市西成区の松之宮公園に置去りにされた患者の話。病院職員によれば、「医師の診断で退院可能と分かったが、男性が退院の説得に応じないうえ、引き取りを依頼した前妻からも拒否された」とか。この公園を選んだのは「近くに病院が(車から)見えたので、ここなら大丈夫と思った」という理由だそうな。

 確かにひどい話ではあるが....

 アメリカの医療のひずみを描いた映画『シッコ』で、病院医療費を払えない入院患者の老婆をタクシーに乗せ、ホームレス救援施設近くの路上に放棄する衝撃的なシーンがある。(雑誌:ダカーポ11月21日号より)

 何のことはない、アメリカの現実を、日本でまねただけのこと。

 つまり、
新金岡豊川総合病院の職員は、政府自民党・公明党が推進する医療のアメリカ化をいちはやく実践しただけのことさ。自民党・公明党の先生たち、あんたたちが進めている医療改革の方向は、まさしくコレだろう? 
 医療機関のモラルの低下だぁ?  何言ってるの!?、彼らは、政府の方針の忠実なだけですよ。どうか、
新金岡豊川総合病院の職員に政府から表彰状を差し上げて下さいな。

 
『シッコ』は冗談映画だと思ってる国民の皆様。

 財務省の方針をご存じですよね。今、すでに救急医療が全国各地で崩壊しかかっている、来年から後期高齢者医療制度という日本全土
『おばすて』化計画が始まろうとしている、十分な医療が受けられない療養型病棟すら、38万床から15万床へ削減して長期療養者を無理矢理病院から追い出そうとしている....、
 そんな現実が、見えてきましたか?
 医者を批判するのは筋違いです。こんな医療制度だから、悪徳医者だけが残る可能性は十分にあるのですが....。
 それより、政治家のセンセイたちを徹底的に揺さぶらなければ、あなたの人生に未来はないかもしれません。これが現実です。目を覚まして下さい。
 心からのお願いです。私たちに、いい医療をさせて下さい。

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ブログ608htm


財務省の裏切り:でっちあげデータによる診療報酬引き下げ


 全国保険医新聞の資料に基づき、財務省の裏切り行為を明白にしたい。この資料によれば、次のようにまとめることができる。

 財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は11月5日、次期2008年度診療報酬改定で、4回連続となるマイナス改定とすることで一致しました。
 財務省は、薬価引き下げに上乗せして、診療報酬の本体部分だけで最大3.6%の引き下げが必要との試算を示しました。4%規模の引き下げとなれば、国庫負担で約3,200億円の削減となり、国民医療費ベースでは1兆3,000億円にものぼる大幅削減となります。

 この方針決定の根拠となったのは、財務省当局が5日の財政審に提出した資料です。同資料は1998年からの診療報酬の改定率と消費者物価指数、人事院勧告を比較、物価・人件費が4.4%減の一方、診療報酬本体は0.8%減にとどまっているとしています。
 しかし、これは薬価引き下げ分を意図的に無視し、診療報酬全体の引き下げ幅を過小に見積もるというゴマカシ(統計データのねつ造)であります。薬価の改定率を含めると診療報酬は6.7%もの減になっており、物価・人件費の低下率を超える大幅な引き下げとなっているのです。
 薬価改定は、医薬品の市場価格(実勢価格)と薬価基準との差額、いわゆる薬価差を解消するために実施される。薬価差は医療機関や保険薬局の価格交渉努力の結果生まれるものであり、それは診療報酬本体とともに経営原資の一部であります。薬価引き下げの医療圭系への影響を全く度外視した数値で、更なる引き下げを合理化することは許されません。
 公的保険医療の内容と範囲、治療方法を決める診療報酬を4回連続で引き下げることは、医師不足や医療機関の倒産、病床削減で行き場を失う高齢者などの医療崩壊が加速し、国民に安心、安全で信頼される医療の危機を招くことになります。
 世界的に見ても医療への締め付けが厳しいわが国では、医療は今や、利益率の極端に薄い産業となっています。薬価差が悪いというなら、当然、診療報酬で補う措置が不可欠です。それを意図的に無視して診療報酬削減をたくらむ財務省には、社会保障の基本、国民の生命を守る責任感を放棄した罪により罰則を与えるべきであると申し上げます。   
  ==============
 いかがです?。こんなことで、医療機関は来年4月から、さらなる危機にさらされようとしているのです。(日本医師会も、いいかげん、ホンキで抗議してもらわないとね。)
 なお、この資料をさらに整理したものもありますので、下に引用ておきます。



 財務省が審議会に提出した試算には大きく4つの問題点があります。

第1は、診療報酬本体の引き下げの根拠とした比較対象です。医師、歯科医師、看護師など医療従事者の人件費相当となる診療報酬本体の改定率と、国家公務員の給与ベア率を同列視して比較しています。医療機関の経営者や職員の人件費相当を、年齢分布も職種も異なる公務員給与と機械的に比較し、非正規雇用が広がる中での賃金減を前提に、それと同列に医療の効率化するものです。

第2は、薬価引き下げ分を含めず診療報酬の改定率を算出していることです。薬価、治療材料等は、2000年度から4回連続のマイナス改定で、累計でマイナス5.9%になり、診療報酬本体を含めて6.7%もの大幅な引き下げが既におこなわれてきました。試算で示した「賃金・物価」のマイナス4.4%を超える低下率であることを意図的に無視しています。

第3は、国際的にみても高い薬価、医療材料・機器の引き下げに正面から取り組む姿勢にないことです。高薬価の中でも突出している発売後9年以内の新薬の薬価をドイツ並みにするだけでも2兆円の節減につながります。医療材料・機器は諸外国の価格に比べて突出していることは、厚生労働省等の調査からも明らかです。高すぎる薬価、医療材料・機器にメスを入れ、製薬企業などの高利潤構造を是正すべきです。

第4は、手術料や初診料などの技術料は、諸外国と比べて日本が低いというデータも公表されているが、試算では医療経済実態調査の速報値を恣意的に利用して引き下げを主張していることです。調査自体は、6月単月の非定点調査で、回答数が極端に少ない診療科もあり、診療報酬改定の基礎資料としては不十分な調査です。同時に今回の速報値からも、全病院の赤字額が前回調査より倍加し、医科診療所(個人・無床)、歯科診療所(個人)のいずれも、医療機関経営の指標である「収支差額」と「収支差率」がともに減少しました。徹底した努力で医業経営を成り立たせている窮状があらためて浮き彫りとなりました。

全国保険医団体連合会では、上記の事実に基づき、抗議文をホームページに掲載していますが、最後は、次のようなことばで締めくくっています。
財務省方針に基づいて、これ以上診療報酬を引き下げることは、国民皆保険制度を支えている基盤を根底から揺るがすことになります。安心、安全で信頼の医療を確保するためにも、4半世紀にわたる医療費抑制策を根本から転換し、先進諸国で最低の医療費総枠の拡大、突出して高い窓口負担の軽減、大きく不足する医師の養成など、診療報酬プラス改定と医療費総枠の拡大、患者負担軽減を強く要求します。

全国保険医団体連合には、思想・信条面で賛同できないと感じている向きも多いと思います。しかし、こと、診療報酬問題については、上記の抗議は真っ当なことではないかと考え、引用、掲載しました。     

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