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脳卒中と血圧管理

 先日、脳卒中と血圧管理をテーマとした研究会に参加してきました。降圧剤に関する大規模臨床試験の結果を踏まえて、脳卒中予防のためには血圧をいかに管理すべきかという話でした。
 講師は自治医大の島田和幸先生。
 神経内科医としては、循環器が専門の先生がどういう話をされるのか、興味がありました。

 で、結論はやっぱり、できるだけ血圧は下げる方がいい!、ということでした。

 ですが、この講演、いろいろと日常臨床に役立つお話がいろいろとありました。私が興味を持ったところを列挙してみましょう。

1)寝る前に水を取れ、とよく言われるが、あまり水分をとり過ぎてはいけない。少なくとも、臨床医として、患者さんに「寝る前に水分をよくとりなさい!」などと言わぬ方がいい。

2)血圧を下げた方がいいのはもちろんだが、特に糖尿病の患者さんは、1mmHgでも低い方がいい。例外は、両側の頸動脈に高度狭窄がある場合で、こういう患者さんは、血圧を下げ過ぎると予後が悪い。
(注:私流の解釈というか、私流の治療では、血圧はできるだけ下げる。下げ過ぎて脳梗塞にならないかとか、夜間に水をとらないと心配、という人には、アスピリンなど抗血小板薬をいれておけばいい。)

3)無症候性脳梗塞の危険因子として、血圧は重要だが、自宅の血圧、早朝・夜間の血圧、診察室の血圧がかなり違う患者さんも結構いる。本来大事なのは、自宅血圧。
 特に、夜間血圧の上昇する人(non-dipperのうちrizerと呼ばれる群)、そして早朝高血圧(morning surge)のある人は、ハイリスク。
 このタイプの治療のためには、降圧薬を、朝1回投与だけでなく、夕か眠前に長時間作用形の薬を服用させることが重要。

4)早朝高血圧(morning surge)のある人は、他の患者さんに比べて動脈硬化巣(プラーク)に含まれる成分に差があり、より危険である。

5)動脈硬化が進行した人では、CRP値が高い方が危険。

6)危険因子として高血圧を考える場合、診察室での血圧があてにならないことがしばしばある。そういうときは、心電図所見で左室肥大所見に注意する。さらにstrain(ST変化?)があればより危険。

7)血圧を下げるためには、血管を柔らかくすることと血管を拡張することが重要。
そのためには、昔の治療(βブロッカー+利尿薬)より最近のCa拮抗薬+ARBの方がはるかに有益である。血圧とは、大動脈圧だが、拍出力と末梢から戻ってくる反射波が合わさったものである。

8)全ての年代で血圧は下げるべきだが、80代から上はデータが少ない。

9)認知症と血圧については、まだデータが少ないが、初期の認知症なら迷わず下げるべきである(その方が、死亡リスクが少ない)。

10)なるべく患者さんには家庭血圧をつけてもらう方がいい。できれば、夜間(眠前)と早朝(覚醒から30分後くらいでなるべく食事前)の血圧をチェックしてもらう。

11)Ca拮抗薬とARBの差はあまり大きくない。死亡につながるような重要イベントあるいは脳血管障害は、服薬から1〜2年はCa拮抗薬の方がより抑制するが、年数が経つにつれARBが若干優位になる傾向。

     ==========

さて、聞き覚えで書いているので、いろいろ間違いがあるかもしれないが、まあ、ざっとこんなお話でした。お役に立ちましたでしょうか?

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抗血小板剤と脳出血の危険
ラクナ(穿通枝)梗塞は日本人に確かに多い脳梗塞のタイプです。欧米人と比べると日本人の方が多いというデータはアメリカで診療しているとなるほどと思います。このタイプの脳梗塞は症状としては軽度で、リハビリす... [続きを読む]

コメント

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Dr Takechanに以前拙ブログでコメントを頂戴しました。先生は比較的抗血小板剤を積極的に使用される神経内科医でいらっしゃいますから、尚更、降圧に関しては十分な管理を徹底されていらっしゃるだろうと思います。

私はこの降圧剤の使い方、抗血小板剤のきめ細かい処方こそ日本の開業医らしい良い点だと思います。この微妙な匙加減が出来る日本でこそ、血圧の脳梗塞の関係について信頼の出来る臨床研究が出来るのではないかと期待しています。

TBさせて頂きましたが、抗血小板剤内服中の血圧管理(脳出血の危険あり)がいかに大切か?も島田先生が話をして頂ければ良かったのですが循環器内科医ですから、それは期待し過ぎでしょうか?

今回は島田先生の講演レポートありがとうございました。
written by Tai-chan / 2007.09.25 06:14
みつかちゃったみたいですね。
Eさん様はお元気そうです、、、、w
written by とまと / 2007.09.25 07:25
動脈硬化性疾患に関しては、血圧は何使っても良いから、とにかく下げれば下げるほどよい。
特に、心臓、腎臓に関しては、ACE,ARBの方がよりよい。
って感じですねー、最近は。

あと、家庭血圧も大事だ、ってとこです。

ところで、話は変わるのですが。
おかげさまで、新しい無料レポート
「医者のホンネが丸わかり!(改)」
http://www.gekizou.biz/report.php?aid=1971&cid=9539
が完成しました。
自分で言うのもなんですが、たくさんの方の
ブログが紹介できて、良いレポートになったと思います。

前の時に了承していただいたので。
今回の無料レポートでも、紹介させて頂きました。
事後承諾になってしまってすいません。

本当にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。



written by Dr. I / 2007.09.27 21:49

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