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告白:私も救急拒否をしました...

 救急拒否に関する報道が相変わらず続いている。そして、マスゴミたちは、多少冷静なそぶりを見せながら、やはり「たらい回し」という誰が聞いても「悪事」と聞こえる用語を並べ続けている。
 しかし、医者を叩いたところでもはや事態の改善はあり得ない。そろそろマスゴミにも、学習してもらわなければならない。では、まずは最近の報道からいくつか。
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救急搬送妊婦の2割、最初の病院で拒否…千葉市

   9月5日21時42分配信†読売新聞
 千葉市で昨年、夜間に救急搬送された30歳代の妊婦が、16の病院から電話での受け入れ要請を断られ、通報から約1時間後に搬送された千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)で切迫流産と診断されていたことが5日、分かった。
 同市消防局では「妊婦が、その後流産したかどうかは搬送後のことで分からない」とし、受け入れを拒否された理由についての記録も残っていないとしている。同病院も「個人情報にかかわることで、そのような患者がいたかどうかを公表する予定はない」という。
 同局は、昨年1月から今年7月までの間、千葉市内で救急搬送した妊婦について、何回目の要請で受け入れ先の病院が決まったかを調べた。その結果、この期間中に救急搬送した妊婦は232人で、約20%に当たる46人が、救急隊員が最初に要請した病院に受け入れを断られていた。
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妊婦搬送19病院が拒否、自宅出産…大阪市で昨年7月
(2007年9月7日††読売新聞)

 大阪市で昨年7月、市消防局に救急搬送を依頼した30代の妊婦が「満床」などを理由に19病院で受け入れを断られ、病院が見つからないまま自宅で出産していたことがわかった。出産直後に受け入れ病院が見つかり、母子ともに健康に問題はなかったという。
 市消防局によると、同7月24日午後8時ごろ、臨月を迎えた大阪市内の女性が腹痛を訴え、自宅から119番。救急車は自宅近くで女性を収容したが、かかりつけの産科医がいなかったため、救急隊員が大阪府救急医療情報システムのパソコン端末で病院を探すなどして、車内から電話で病院に受け入れを要請した。
 しかし、各病院から「ベッドの空きがない」などの理由で断られ続けた。その間、救急車は自宅近くに止まったままで、女性はいったん戻った自宅で陣痛が激しくなり、出産した。救急隊員が介助したという。その後、20番目の病院が受け入れることになり、救急要請から約2時間15分後、母子ともに搬送された。
 府内には、42病院が産科の空き病床の状況を共有し合う「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」はあるが、利用は原則として、症状が重い患者を病院間で転院する場合に限られており、かかりつけ医がいない妊婦については、消防局はこのシステムを利用しないことが多いという。
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救急搬送受け入れ拒否急増 搬送時間も増加
  2007/09/07 神戸新聞
 兵庫県内の各消防本部が急患やけが人を病院などに搬送する時間が、二〇〇三年から〇六年の四年間で大幅に延びたことが六日、神戸新聞社の調査で分かった。複数の医療機関で5回以上患者の受け入れを拒否されるケースが、尼崎市では4年間で4.7倍になるなど都市部で急増していることも判明。救急活動を取り巻く環境が、急激に悪化していることが浮き彫りになった。
 奈良県橿原市で八月、医療機関に受け入れを相次いで断られた女性が死産した問題を受け、兵庫県内の自治体や広域の全30消防本部から聞き取り、救急活動の環境悪化が指摘され始めた〇三年と〇六年を比較した。
 搬送時間では各消防本部で算出方法の違いがあったが、それぞれかかった時間の増減をみた。データのあった22本部のうち、16本部で搬送時間が延びていた。
 最大は加東市消防本部で、搬送時間が平均4.2分延びていた。同本部は「医師不足により、阪神間などの病院に搬送するケースが増えたのが一因」と説明している。
 続いて宝塚4分▽豊岡3.3分▽たつの・伊丹・朝来各2.9分▽相生2.8分▽尼崎2.6分-など。逆に時間が短縮されたのは、明石(1.8分)など4本部だった。
 一方、都市部を中心に救急患者の受け入れ拒否も急増。5回以上搬送を拒否された件(人)数を〇三年と〇六年で比較したところ、データのあった13本部中8本部で増加していた。
 増加率の高い順では、尼崎4.7倍(72→338件)▽姫路3.6倍(72→259)▽伊丹同(18→64)▽西宮2.9倍(91→268)▽神戸2.3倍(182→414)-など。〇六年の受け入れ拒否最多は神戸市だった。
 尼崎市消防局は「高齢化が進み出動件数が増えた上、医師不足の影響もあり、病院の受け入れ態勢が悪化しているのを実感する」としている。
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救急搬送 妊婦拒否、札幌も5件
  2007年09月05日 Asahi.com

■昨年 最多は11回、90分要す
 奈良県の38歳の妊婦が医療機関に相次いで受け入れを拒否され、死産した問題に絡み、札幌市でも06年、救急搬送中の妊婦の受け入れ拒否が5件あったことが分かった。死産などの事故は起きていないが、多い人は11回も断られていたという。札幌市消防局救急課は「札幌市でも奈良のような事態が起こりうる」と指摘している。
 同課によると、5人は腹痛や出血を訴えて、札幌市内で119番通報した。中には「産まれそう」という人もいたという。
 駆けつけた救急隊員が搬送先を探したが、「他の患者に対応中」「処置が困難」などの理由で受け入れを断られたという。最も多い妊婦で11回、受け入れを拒まれ、市内の総合病院に搬送されたのは、通報から1時間半も後だった。
 5人は全員、産婦人科を受診したことがなく、かかりつけ医がいなかった。通常、かかりつけ医がいる場合はその病院へ搬送すればよいが、いないケースでは、近くの病院や当番医からあたっていくことになる。
 その際、過去に検診を受け母子手帳などを持っていれば、母子に関する情報が分かる。しかし、産婦人科の受診歴がなく、妊娠何週目かも分からないとなると、「受け入れを断る病院も出てくる」と同課は話す。
 同課は「5人は最終的に病院が見つかったが、妊娠の経過が分からないうえに、医師がいないなどの悪い条件が重なれば、奈良のようなケースは起こりうる。妊婦さんは産婦人科にかかってほしい」としている。
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ほら、奈良だけじゃない!、話は全国に及んでいる!
医療従事者でない人には、是非、現実をわかってほしい!
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では、ここで、慎んで
告白させていただきましょう。

 
私もかつて、救急拒否をしました

 私もかつては勤務医として、一次救急病院の当直をやっていました(11年くらいか?)。ただし、総合病院ではありません。内科とリハビリのみの200床ほどの病院で、常勤医13名のうち管理職を除いた常勤医師10名、そして大学からの研修医4名(当時は研修医が当直することがあたりまえだった)が、365日24時間一次救急に対応しました。当初は、全く一人だけの当直。後半は、研修医が副直として一緒に当直業務をやっていました。ほぼ毎月4日くらい当番だったかな。
 内科医しかいませんから、外科、整形外科などの疾患は、外科医のいる病院へ送ること、これは、救急隊もよく理解していました。
 しかも、初め数年は、救急担当の看護師すら不在で、夜間救急がきたら、各病棟に二人ずつしかいない看護師の誰かが救急室に駆け付けていました。のちに、改善されましたが。
     ーーーーーー
 私の勤務していた病院から車で10分圏内に、はるかに大規模な救急病院がありましたから、こちらで治療困難な場合は、よく再搬送をお願いしていました。
     ーーーーーー
 内科医だけで一次救急を名乗ることさえ異常事態と私は思っていましたが、京都府は、救急をやって新規患者を獲得し、経営改善を目指さないと病院への支援(予算)を削ると脅迫?し、見かけ上は、病院が独自で救急に名乗りを上げた、ということにして、うちの病院が救急に携わることを許可しました(実態は、救急をやれと命令したのです)。
     ーーーーーー
 たったひとりの救急当番。しかも、病院内には、200名もの患者さんが入院しています。その中には、必ず数名の重症患者が含まれます。「今夜あたり危ないかもしれないからヨロシク」と、担当医から依頼されることもしばしば。当然、それ以外でも、院内の患者さんに何かあったら、当直医が呼ばれます。「今日は何もなくて寝られますように。」そうお祈りして?当直室に向かうのです。
 そもそも、当直医の役割は、院内の患者さんの対応です。それで余裕があれば、救急にも対応します。(当然です。一人の医者で救急を同時に2、3名も診て、手が離せない時に、病棟で患者さんが急変したら、どうすればいいか...医者なら誰でも考えることです。このような場合、今の世の中は、救急患者、入院患者、どちらに不幸な転帰が訪れてもいきなり逮捕されることがありえます。かつては、余程のことがなければ、納得できないご家族が不満を漏らしたり、怒られることはあっても、やれ裁判だ、やれ逮捕だ!、などということは、かなり稀でした。今は、全く違います。マスゴミの餌食にさえなります。)
     ーーーーーーー
 朝から夜7〜8時頃まで、院内の通常業務をして、それから食事して、やっと当直モードです。でも、寝るまでにたいてい、病棟から診察依頼が。それで、結局寝るのは12時過ぎになります。明日も朝から仕事だから早く寝ようとしていると....
 うつらうつらしたところに救急依頼。若い急性アル中です。救急隊は、原則最寄りの病院へ送る、と言いますが、実際は、医者一人の病院へ超重症を送ったらヤバイから、心筋梗塞や脳出血などが疑われる時は、おそらく大病院へ運び、酔っ払いは医者一人で大丈夫だろう、ってな感じでこちらへ運んでいたと思います。
     ーーーーーーー
 酔っ払いは、結構時間がかかります。醒めるのに大抵2時間!。最初の1時間以内に入院させるか判断します。夜中の入院は、騒がしいし酒臭いし、他の入院患者さんからクレームの嵐になる恐れがあります。「楽しんだ上にオレの睡眠時間を奪いやがって!」と、怒りは最高潮!、でも怒り過ぎると、中年当直医の生命にかかわります...。
     ーーーーーーー
 やれやれ、やっと帰った...。疲れと空しさに打ちのめされ、カルテを書いて当直日誌も書いて、やっと午前3時就寝...で、うとうとしていると午前3時半、腹痛患者の救急依頼です..。起きようとして、体がしびれたように重く感じます。やっとのことでよたよた起きて、外来へいくと、けろっとした患者...。運ばれる途中で、急に楽になってきた...「何ですって!?」...ワナワナを隠し、冷静に診察すると..でも、やはり右下腹部に圧痛が...? アッペ(虫垂炎)?..しばしば医者がダマされるやっかいな病気...仕方なく急いで採血して..白血球は..しんとした検査室に一人向かい、検査(このレベルの病院では、検査技師もレントゲン技師も当直してないことが多い..)。なに!?、9900....むむ、中途半端な...
 で、救急室では、患者さんが、やっぱり痛いと苦しんでいる...
 仕方ないので、大病院へ虫垂炎で診察依頼。こういうとき、電話で結構待たされるんです..。そして救急隊に再搬送を依頼し、紹介状を書く....結局、患者さんを送って,,カルテ書いて当直日誌書いて...げ、4時半..もうすぐ夜が明ける。
 あ、明日(今日)は、外来、予約35名...新患も来るから..見込みで、午後1時半くらいにはなるぞ..早く寝なくっちゃ...
 すぐに寝付けない,,,5時過ぎた,,3時間も寝られない,,,,と、5時半、また救急依頼..急性アル中、18歳男性....?、む,,あかん、もう体が動かん..
せ、せめて1時間でも寝させてくれれば....
 そ、そうだ!「処置中だから断って!」

   あ〜あ、とうとうやっちゃった、,,拒否しちゃった...

  ==================
 でも、一晩に急性アル中だけで6人受けたこともあるんだよ。翌日の外来で居眠りしたこともある..。患者さんに、お大事に、って言われたこともある....。
 その他...「吐血」...神経内科医は内視鏡ができない...
だから、「対応できる医者がいないから断って!」 ....とか
これでも、病院内では、一番拒否が少ない方だったと思いますが...
全部受けろなんて絶対ムリ!
医者にも体調があります...
 カゼひいたって、ヨホドでなければ休まない、
 肩甲骨骨折で痛くて寝られなくても1日も休まなかった...
 当直中に腹痛で...あとになって、ノロだとわかったことも,,
断ってはならない!、というなら,,「治療できなくてもいいスか?」
とでも聞くしかない。どんなにがんばっても...「起きられない」タイミングがある
 医師は、自分の基本的人権を守る権利がある...
    ========
 ただね,,,救急隊から見ると...悪い医者も確かにいるだろうな...
 今後のいましめとして、次の文章を読むといいよ。今後の参考にはなるだろう。

パラメディック119 ーー 救急救命士たちの現実
  診たくないから診察拒否  2007.3.6
 お話に入る前にお断りを。どの会社でも職種でも同じことだと思いますが、信頼を置ける人、尊敬できる人もいれば、そうでない人もいるものです。私たち消防官も信頼を受ける職業として住民のみなさんから高い評価を受けていますが、恥ずかしい話、ちっとも尊敬できない消防官、救急隊長、救急救命士がいるのもまた事実です。100人も人がいればそういう人もいるのが組織ってものなのでしょうが。信頼うんぬんの問題以前に放火で捕まった消防士だとか…。

 社会的にわりと信頼の置ける職業と認識されている教師や警察官、医師などなど、私たち消防官もそうですが、そのほとんどが歯を食いしばって一生懸命その信頼に応えるために頑張っています。一部の信頼を裏切る行為が全体の信頼を損ねますが、本当にほとんどの人が一生懸命やっています。今回のお話は事実上診たくないからと診察拒否を行う医師や、それがすでに当たり前になっている病院のお話です。ほとんどの医師が歯を食いしばって私たちのために頑張っているというのは忘れないでお読みくださいね。

 「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」(医師法19条)(参考・法医学抗議 医師と法律)診察を希望する患者がいる場合、正当な理由なく、診察を拒否することは許されません。患者が医療を受けるのは権利であり、行き着くところは憲法に保障されている基本的人権だからです。建前上そうなっているのですが、建前と現実って言うのは異なっているのが世の中の常ってもので…。診察拒否なんて日常茶飯事、とても正当な理由とは思えない信じられない理由で救急隊からの連絡に「診られない」と事実上の診察拒否が行われることがあります。

 現実の話、私たち救急隊が有限であると同じように、病院にだって受けられる患者の数、対応できる症状などは限界があります。
「今、医師は緊急の患者さんが入ってオペ中です、受け入れることはできません」「救急隊が3隊来ています、他の病院を当たってください」「病棟で急変があって今、先生や看護師は対応中です」など正当な理由は仕方がありません。医師が一人で診られる患者の数は限られます。医師が緊急オペ中の病院に傷病者を搬送しても、診てくれる人がいないのでは何もはじまりませんから。ところがありもしない「正当な理由」を用いて診察拒否をする病院があります…しかもいくつも…。ウソをつくということです。

 いつだったかこんなことがありました。もう夜中も夜中…2時だか3時だかそんな時間です。酔っ払いを扱いました。
救急隊員「…という方なんです、今もかなりのアルコール臭がします。診察お願いしたいのですが」
看護師「分かりました、今、医師に確認しますから少しお待ちください」
カチャ…カチャカチャ…、電話のボタンを押す音が聞こえる。
看護師「先生、○駅前で酔っ払いですって、○救急隊から」
救急隊員(あ〜あ…看護師さん、保留ボタンが押せてませんよ、全部聞こえてますよ〜)
受話器を持っている看護師さんの声はばっちり聞こえてきます、で、少し医師の声も聞こえてきます。
医師「ええぇ〜!もうこんな時間だよ〜!…」
医師が何か言っているのがかすかに聞こえてきますが分からない。
看護師「断ります?」
救急隊員「看護師さん…聞こえちゃってるって…こんな夜中に酔っ払いなんて診たくないですよね)
看護師「理由はどうします?」
救急隊員(次はどこあたろうかな…)
看護師「病棟で急変処置中でいいですよね?」
救急隊員(はいはい…急変ですね…)
ガチャ…、電話の操作音、メロディが聞こえ始めた。
救急隊員(だから…今から保留ボタン教えても遅いってば…)
ガチャ…、また操作している。
看護師「あら?何かおかしいわね?救急隊さん?」
救急隊員「はい、救急隊です」
看護師「お待たせしました、ごめんなさい」
救急隊員「はい、分かりました、病棟で急変なんですね?」
看護師「え""…」
救急隊員「看護師さん、次はお願いします、うちは○救急隊です!○救急隊ですから!次はよろしくお願いしますね!」
看護師「はい…、分かりました…」
救急隊員「失礼します」
はぁぁ…、看護師さんとケンカしたって何もいいことないですからね…。ひとつ貸しでも作っといた方がずっと賢い!これが現実です…。

 さらにこんなこともありました。
救急隊「患者さんお願いです」
警備員のおじさん「はい、患者さんお名前からお願いします」
救急隊(だから…警備員のあなたに言っても分からないじゃない…。先生に繋いでほしいな…)「…と言う患者さんです」
警備員のおじさん「はい、分かりました、先生に伝えますから少しお待ちください」
救急隊「はい、分かりました」
ピロピロロン!♪〜ピロピロロ〜ン♪(電話の保留音)
救急隊(遅いな…まだかな?)
警備員のおじさん「…救急隊さん」
救急隊「はい、受け入れいかがでしょうか?」
警備員のおじさん「ごめんなさいね〜、今先生を探しているんですけどどこ行っちゃったのか?もうちょっとお待ちくださいね」
救急隊「そうですか…、分かりました」
ピロピロロン!♪〜ピロピロロ〜ン♪(電話の保留音)
救急隊(どれだけ待たせてくれるんだよ!まったく…)
7,8分?もっと待たされたでしょうか?救急隊としても診てくれるならすぐに搬送するし切るに切れない。ダメならダメですぐ断ってもらった方がすぐに次に当たれる。7,8分あれば2,3件の病院に当たれるんだけどな。
警備員のおじさん「救急隊さん」
救急隊「はい、いかがですか?」
警備員のおじさん「悪いけどね、先生がどこ行っちゃったのか?見つからないんだ、他の病院を当たってもらえますか?」
救急隊(あ〜あ…おじさん本当のこと言っちゃったよ…)
いつもならバカバカしいなと思いつつも何を言っても無駄なので「はいはい」って言って次を当たるのですがこの時は確か、傷病者のかかりつけの病院だったのです。さらに一番近い病院、この病院にはカルテもあるし傷病者にとってもベストであるだろうとこの病院に電話したのでした。さらに深夜で疲れていたこともあり、ちょっとイライラしていたのかもしれません。
救急隊「救急病院が医師が見つからないから診られないってちょっとおかしいんじゃないですか?」
警備員のおじさん「そんなこと言ったって診るか診ないかは先生が決めることですから、先生が見つからないんじゃ仕方ないでしょ」
救急隊(ダメだこりゃ…話にならないや)「そうですね、他の病院を当たります」
警備員のおじさん「はい、すみませんね」
「医師が見つからないから診られない」救急病院がこう言って断るのです。とんでもない話ですが、仮に看護師さんが電話に出ていたのならまさかこのようには言わないでしょう。「病棟で急変」だとか「処置中で手が離せない」と「正当な理由」を使うはずです。医師がどこにいるか分からない…、傷病者の家族になんて説明すればいいの?そんな本当の事とても言えない…。警備員のおじさんは「正等な理由がなければ診察拒否をしてはならない」と言う原則も知らないと言うことです。正等もなにもありませんね、医師に連絡がつかないんだから…。さすがにこういう病院は少ないですけどこの病院だけじゃありません。他にも似たような病院はあります。

 さらにまだあります。私たちの町の救急隊には搬送先病院端末と言うのがあります。大都市の救急隊だけに搬送先の病院もたくさんあります。その数ある病院で、今、どの病院にどの科目を診られる先生がいるか表示するシステムです。
救急隊員「隊長、どうします?整形外科で診察可能は次に近いの○病院ですけど…」
救急隊長「○病院か…端末はOKになっているんでしょ?」
救急隊員「なってますけど○病院ですよ」
救急隊長「ダメもとでかけてみようよ、端末OKなんだからさ」
救急隊員「分かりました」
○病院へ連絡。
救急隊員「…と言う患者さんなんですがいかがでしょうか?」
看護師さん「今日の当直の先生は内科専門ですよ、それって整形外科の先生じゃなくて大丈夫ですか?」
救急隊員「そうですか、整形外科も受け入れ可能になっていましたのでかけさせていただいたんです」
看護師さん「一応、先生に聞いてみますね」
救急隊員「はいお願いします」
看護師さん「…救急隊さん、先生に確認しました。やっぱり無理ですって、整形外科医のいる病院に搬送してください」
救急隊員「はい分かりました」
この病院は常に、救急隊の端末表示がほぼ全科目診察可能になっている病院です。当直の医師が何から何まで診られる訳ないのですがそうなっています。これはなんでも院長の方針で、どの先生が当直になっている時もそうしないといけないのだそうです。院長としては病院経営があります、医師たるものとにかく救急隊の搬送してくる患者さんをまず診るべきだとの考えみたいですが、現場の医師はそんなことできる訳ないだろうとただ端末だけが診察可能になっているのです。せっかくのシステムがまったくの無駄になっています…。現場の医師も端末を診察可能にしておいたって「診られない」と断ればいいと言う前提がある訳です。科目外は正当な理由には当たらないはずなのですがね…。

 私たち救急隊にとって、そして何より傷病者にとって辛いのがなかなか搬送先病院が決まらないことです。傷病者やその家族とのトラブルで多いのも搬送先病院がなかなか決まらないことに発端があることが多いです。救急車で緊急に病院に行こうと思って119番通報したのに救急車に乗ってからなかなか救急車が出発しないのですからイライラしてしまうのも分かります。いつだったか、「救急車には病院に診させる権利はないの?なら救急車の意味ないじゃね〜か!とっとと運べよこの野郎〜」と私たちをののしり続けた酔っ払いがいましたが彼の言うことも一理あります。救急隊は119番されれば何があろうと駆けつけなければならないのですが、受ける病院は「診たくないから診ない」がまかり通っているのです。

 こういった現実があるため救急隊の活動時間が伸びてしまうのです。ホームレスや精神科疾患をお持ちの傷病者を扱った場合、10件、20件当たっても受け入れ可能な病院が見つかりません。どこかの隊なんて40だか50件、3時間も受け入れ先が見つからなかったなんてことがありました。私も2時間近く受け入れ先の病院を探したことがあります。大都市の救急隊員ならこんな話、嫌気が差すほど持っています。救急車は緊急車両なのか救急隊員ですら疑問を感じてしまいます。救急病院の整備、高度医療のシステム確立、医療の進歩と同じく社会のシステムも進歩してきました。が、実は現場では「診たくないから診ない」と言うシステムうんぬんよりずっとずっと以前の問題がまかり通ってしまっているという現実があるのです。

 こういう事をする病院や医師に対して泣いているのは救急隊、そしてもちろん患者さん、さらに忘れてならないのはまっとうに頑張っている医師です。いつだか20件、いや…30件くらい断られたでしょうか、病院を探して探して、車内収容から病院決定まで1時間以上かかった事案です。さらにそれだけ探してようやく診てくれることとなった病院です。夜中に救急車でも30分以上の道のりを搬送しました、距離にして20キロくらいあったと思います。私はその病院に初めて行きましたが、その周辺救急隊には有名な病院です。「ともかく診てくれる」と。
医師「大変だったね、20キロくらいあるの?」
救急隊長「そうなんですよ…もうどこも診てくれる病院ないんです…先生ありがとうございました本当に助かりました」
医師「私も本音言うともう休みたいんですけどね…うちは院長の方針で救急の患者さんはとにかく診ることになってまして、現場の医師もそれを守っているんですよ。今日も救急隊を20件も受け入れてます。お互い寝られないでたいへんだけど頑張りましょう」
救急隊長「そうですか…、お疲れのところすみません。でも先生、またお願いします」
「診たくないから診察拒否」をする病院があるのも事実です。が、そんな事実を知っていながらも、それでも頑張ってくれている医師がいるのも事実です。マジメに一生懸命やっている人が貧乏くじを引いているみたいで疑問を感じずにはいられませんが…。
     ==============

 今回の記事、長すぎて済みません....
 ただ、現在、救急に携わっている若い先生には、現実を知ってもらうことも必要だと思いますし、病院を知らない読者にも勉強してもらいたいと思います。
 救急隊の言い分は...一部は真実、一部は誤解...だと思いたい,,,
 私は医者を神聖化する気はありません。でも、命に関わることなんです。今の厚労省のように、医療費削減しか興味のない官庁に支配されたままでは、医療に未来はない、その事実を特に、医療従事者でない人たちに真剣に考えていただきたい....
 切に願う次第です...。

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