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元厚生省幹部の講演:来年も医療は厳しいぞ!
まずは、講演の前に、来年の医療費のモトとなる予算だが、厚労省は概算要求では医療費を増やすことは全く考えていない。
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厚労省概算要求 医師確保対策に重点 残留孤児支援355億円
8月29日8時36分配信フジサンケイ ビジネスアイ
厚生労働省は28日、2008年度予算概算要求をまとめた。一般会計総額は前年度比3・2%増の22兆1604億円。政府・与党が5月末にまとめた「緊急医師確保対策」に基づき、地方への医師派遣に協力する病院への支援といった対策費160億円を計上したほか、中国残留孤児への生活支援として基礎年金満額支給のための保険料負担など355億円を盛り込んだ。
がん対策には33%増の282億円を計上。また、08年度から始まる40〜74歳の全国民を対象とした特定健診・特定保健指導にかかる国庫補助は571億円を要求した。
労働関係では、ネットカフェに寝泊まりするフリーターらへの就職支援費として1億7000万円を計上した。
年金や医療などの社会保障関係費は08年度、高齢化の進展に伴って7500億円の伸びが見込まれているが、概算要求基準(シーリング)に基づき、2200億円圧縮した形で要求した。中小企業の従業員らが加入する政府管掌健康保険(政管健保)の国庫負担削減や、薬価引き下げなどで圧縮する方針だが、具体的な中身は年末の予算編成に向けて調整する。
また、年金記録漏れ問題への対策費も、年末までかけて具体的に検討する。
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要するに、財務省の要求をそのまま飲んだ形での概算要求であり、このままなら、来年も間違いなく医療崩壊は進行するものと想像される。
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では、保険医団体連合夏季セミナーのシンポジウムの内容(要旨)をご紹介しよう。
これは、7月8日、選挙の前に行われたもの。
選挙の結果を受けて、多少は医療費の問題を厚労省が考え直してくれればいいのだが、いまだ変化は見えず.....
で、講師は、元厚生省老健局長で、現在、大阪大学教授の堤 修三氏。
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<第1章>
医療費がこの数年ずっと抑制されてきました。医療だけでなく介護なども含めてですが、状況がかなり限界に来ていると私も感じます。
私のいる大阪という大都会でも周辺で公立病院が危機に瀕していると聞いて、もう限界だと感じました。その状況を踏まえ、来年度から始まる制度改革などを含め私の考え方を述べます。
まず第一に、医療費は予算の制約が非常に大きいことです。日本の医療保険は公費負担の割合が高いというのが特徴です。
昭和50年代以降の医療保険改革、あるいは社会保障全般の改革の大部分は、国庫負担をどう抑えるかということでした。当時の大蔵省から予算を抑えろと言われて、それに答えることに費やされました。
そのツールが概算要求基準、いわゆるシーリングという方式です。ある年度の予算が背率しますと、成立してすぐ4〜7月ころに、各省は次の年度にどのくらい費用が伸びるか(当然増)を推計します。2007年度予算のときの当然増の推計は7700億円です。この当然増を概算要求で財務省に全部要求できればいいのですが、要求させてくれません。どれだけ要求していいかは概算要求基準で決まります。
例えば、概算要求基準額が5500億円と決まってしまうと、2200億円減らさなければなりません。2200億は大変な額です。これをどう減らすかはすぐに決められません。
概算要求は8月31日までに財務省に出さなければいけませんが、2200億などという金額はなかなか削れません。制度を大きく変えなければいけないことが多いので、例えば医療費で大体1500億削るつもりで、医療費を「えいやっ!」と削って出してしまいます。ただし中身の清算なしです。「えいやっ!」と削っても中身の積算がないので、これを「袋詰め要求」といいます。
そして、9月から12月末までの間にいろいろと政治的にも議論して、審議会などでも詰めて、どうにか中身を決めて、例えば5500億プラスの範囲に収める、というプロセスになります。
ポイントは7月後半から8月の初めに閣議了解される概算要求基準です。これをクリアするために毎年いろいろな制度改革をするということがもう十数年ずっと続いています。この制度をどう変えて行くのか、あるいはこれをどう増やして行くのか、と考えなければ、医療費抑制を変えることは不可能です。おそらく2008年度も医療費の縮減、医療費国庫負担の縮減は避けて通れないでしょう。
6月にいわゆる「経済財政改革の基本方針07」いわゆる骨太の方針が決まりました。この骨太の方針は、今回は06年の骨太の方針を基本的に踏襲すると書いてあります。06年の骨太の方針は、小泉内閣のときに、2006年から2011年までの5年間にわたって過去5年間の改革と同じ程度の予算縮減を行うと決めたものです。ですから、もう既に5年分先取りされているわけで、小泉総理も大変な置き土産をしてくれたものです。
過去5年間トータルで国費1.1兆円の社会保障費の縮減が出来た。だからこの次の5年間もそれと同じことをやりなさいというわけです。
富士山の裾野から5合目まで来た、あと半分もがんばれ!、ということです。しかし、6合目から頂上までも確かに同じ5合分ですが、同じではありません。勾配もきつくなり、酸素も薄くなって行くわけです。これは相当厳しいコミットメントだということがお分かりでしょうか。
先の2200億円というのは、1.1兆円を5分の1にしただけの数字です。ですから、08年度もおそらく2200億円程度の縮減をしなければならないでしょう。
先ほど言いましたように、来年度は医療改革の年でもあり、診療報酬改定の年でもあります。医療費削減が大きなテーマになりそうです。
<第2章>
2009年度には基礎年金国庫負担の引き上げ(1/3から1/2へ)が予定されている。
平成19年度をメドに消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する、と書いてあるので、今年度中に税制改革の議論が進み、2009年度には消費税引き上げへとつながるだろう。
2008年度予算編成で2200億削減の目標は、医療費について言えば、
1)ジェネリック使用促進
2)後期高齢者医療制度の診療報酬抑制
などが議論される雰囲気ではないか。
消費税議論も行われることが大事。
消費税を引き上げて、基礎年金だけでなく、医療の一部,介護などにも回すという議論が出て来るのではないか。
09年に介護報酬の3年ごとの改定がある。08年度の診療報酬はかなり厳しい改定行われる可能性が高い。そうすると、09年度の介護報酬改定と合わせて、例えば、診療報酬の緊急改定を行うことも視野に入れながら、08年度の消費税改革の議論をして行かなければならない。それが08年の予算編成の位置づけだ。
<第3章>
06年度に成立した医療制度改革の基本的な部分が2008年に動き出す。
1)高齢者医療制度改革
2)経済財政諮問会議における医療費の総額抑制論をいかにかわすか、どう受け止めるか?
医療費適正化計画:メタボ健診などで長期的な医療費抑制を目指す
中期的には平均在院日数の短縮
それらを実行するため、診療報酬見直しや療養病床削減などを進め、入院医療費を減らす。そのような政策手法と医療費の目標がずれたら、さらに次の政策を打つというプロセスが、PDCAサイクルとしてすでに決まっている!
後期高齢者医療制度の創設:75歳以上は被保険者として各県単位の市町村の広域連合が保険者となる制度に加入させられる。75歳以上は保険料を1割支払う。公費は約5割(ここにはゴマカシあり。現役並み所得の人には公費はつかない)。
医療保険者が支援するという形で残り4割を負担する。
保険料1割とは、単純平均すると、75歳以上は6000〜7000円。
介護保険と合わせ、1万円くらいが年金から天引きされる。
この、1割,5割、4割はどれも負担を増やしにくい...だから、極めて抑制的な診療報酬にならざるを得ない。
国保中央会などは登録人頭払いなどと言っており、恐らく包括化が一気に進むだろう。
この後期高齢者の診療報酬はかなり抑制的な状態でスタートする...それが続けば「姨捨山」化は必然的だ。
このような制度が長持ちするか、極めて疑問だ。
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2章,3章は、さらに要約した形で書きましたが...、さあ、いかがでしょう。
問題は、このセミナーのあと、参院選自民大敗があり、現在に至っています。
9/10からの国会議論、さてどうなりますか...。
やはり、自民党には任せられない!、という国民の大合唱が起こりそうな予感。
それでも、政府は、医療費抑制を本気で続けるのでしょうか!?
そこまでバカで人でなしなら、存在意義はもはや消滅と考えるべきでしょう。
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