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ブログ487htm


開業医と勤務医の格差って何だ!?



とあるブログサイトで、2ちゃんねるバリの論争が続いていた。
事の起こりは、あるドクターからの投稿(ご意見)...

おおよその内容は、次のようなもの...
●開業医は、勤務医より収入が多い(昔より格差は縮まったとはいえ...)
●開業医の方が、勤務医より業務体制がラク
●医療費の増加が見込めないのなら、リスクの高い産科や外科、診療報酬に恵まれない小児科など、主に病院の診療報酬を上げて、開業医の診療報酬を下げる方向で考えたらどうか
●逆に、開業医がどんどん増える眼科や皮膚科などの診療報酬は下げたらいい
●とにかく、病院からどんどん外科や産科や小児科の医者が減るのだから、これらの分野の診療報酬(病院の)を上げて、医者を厚遇できるようにすべきだ
●開業医の収入が多いから、ベテラン医師がどんどん開業志向に傾くのだ

     =================

M3comを見ているドクターは...勤務医の方が多いのかな?
ねえ、どうです?
こういう意見、あなたは受け入れますか?

     =================
ボクは..正直いってねえ...まだ、こんなこと言ってるドクターが多いのかな?
   ってホント、がっかりしました...。

声を大にして言いたいポイントはいくつもあります。
●もし、これを言ったヒトがホントに医者であるのなら...
   これこそ、政府・厚労省の思うツボじゃあないか!
 彼等は、医療も介護も、仲間割れをしてほしいんだ!
  そうして、意見が分裂して、今の医療政策を批判する勢力が自己崩壊するのを楽しみに待ってるんだぞ!
●儲け過ぎる医者がいるなら...しっかり税金を取るとか...別の方法を考えてもいいんだ。
あ...でも、勤務医より開業医の方が、年齢的にはかなり上のはずだから...年齢的とともに収入が増えるなら、開業医の方が多少は勤務医より多くても、バチは当たらないような...(超高齢者は別よ..)
●本質からずれた議論を続けると、結局、自分達に火の粉がかかることがわからんか!
●医療費が増える見込みがない....確かに、現在の政府がそのまま政府に留まれば、医療費は削減され、ますます医療費削減のための意味不明な制度いじりが繰り返される。だから政治を動かすしかないのでは?
●そもそも、開業医の収入を削ったところで....いったいどれだけの財源が生まれると思っているのか?、そして、開業医の収入を削ったら、削った分だけ勤務医の収入に上乗せされる、そんな制度を、いったいどこの政府が考え付くと思う??
開業医の収入を削ったら....削った分だけ、社会保障費の削減に成功した!、と政府の成果にされるだけだということが何故わからんか?
●開業医の所得の仕組みを理解しているかい?
例示してごく簡単に説明するよ。
ウチのように、テナントを借りて薬は院外薬局利用の内科を開業する場合。
テナント代が月50万
借金の返済や機器リースの返済が月50万
受付と看護師(パート)の人件費が月50万
薬剤器具材料仕入れ、電気、水道、電話、インターネット、広告費、検査会社支払いなどもろもろ入れて月50万
とするよ。(つまり、毎月200万円が支払いとして出ていく)
さて、1日患者10名程度では、せいぜい月の売り上げは100万円前後。
つまり、診療所を維持するだけで、毎月100万の赤字(つまり自分の財産から放出)
それとは別に、生活しなくちゃならないから、恐らく50万以上は出ていく。
つまり、毎月、150万円以上は財産を食いつぶさないと生きていけない。
1日患者20名+αでやっと月200万の売り上げ。やっと経費に追い付いた!
でも、自分と家族の生活費は毎月手持ちの財産を食いつぶす。
  となると...
恐らく、1日30名来院してやっとカツカツの生活。
でも、収入は勤務医(常勤)よりずっと少ない...
患者数が1日40〜50名に達して、やっと生活できるぞ!、って感じ
(というか、勤務医時代の年収に何とか追い付いたぞ!)
●要するに、例示の場合だと、1日患者30名くらいまでは、経費のために働いている。だから、そこから増えた分が、やっと自分の収入と実感できるんだね。
●ということは、開業医の年収を押し上げているのは、患者数が1日100名を越えるようなはやっている医院だけ!、ってことだ(都市部では少なくなったらしいよ)。
●重労働にたえかねて...あるいは、行政の無策に絶望して...
開業したはいいが、そこそこ患者が増えない限り、自分の収入はないんだよ。
●あなたの周囲の、頑張り過ぎて、ついに疲れ果てて燃え果てた医者が開業したとして、必ずしもいい生活をしてるんじゃないと思うよ。それとも、燃え尽きても開業できない世の中にしたいのかい? 勤務医不足だから、開業できなくしてやれ!、退路を断て! と言ってるようなものだけど...それでいいの?
●ボクは、25年ほど勤務医をしたから勤務医を十分知っているつもりだけど..
勤務医として、開業医に言うことがあるとしたら...あまりに高齢の先生は自主的に廃業して下さい!、ってことくらいじゃないかな?
●病院の医者がエライ!、って感覚は...あなたが病院というブランドに守られた存在である、ってことに気付いていないからじゃないのかな? あるいは、あまりに高齢の先生がやってる医療がおかしい!、という例に出逢ったからかな?
●それともうひとつ。病院にいるとね、専門領域という壁があなたを守ってくれている。つまり、自分の得意でない分野の患者の大部分は、別の先生のところに行く、ってこと。(むろん、救急をやってれば、いろんな患者が来るのは当然。)だけど、開業医のところにくるのは、イロイロですよ。
それとね、開業医がレベルが低いというけど、そりゃあイロイロですよ。勤務医だって、経営のためにノルマ押し付けられて、バカみたいに高級な検査を片っ端からやって...それで診断がつくだんって威張ってる人いませんか?
実は、医療費のムダなるものがあるとすれば、そのあたりが最も問題かもしれないよ。
(厚労省が、バカみたいに診療報酬を削るから、やむを得ず検査件数で稼げ、なんて民間病院どころか、公立病院でも事務長クラスがガンガン言ってるんじゃないの?)
●あ、そうそう、大きな病院では、もし、あなたが急病で休んでも、とりあえず誰かが代わりをやってくれる...。ちょっと休んだくらいでは、給料もほとんど減らないでしょう?  開業医は....ホント、休めないよ。

●さて、話を元に戻そうか。
●医師の待遇をせめてもう少し良くしたいなら...まずは団結だね。勤務医同盟でも作ったらどう? 日本医師会は...上層部が、かなりズレてるからねえ...勤務医の味方をしてるようで、押しはないからね。ほんとは、組合的な同盟でなく、日本の医療を良くするための医者の同盟であるべきだけど。その活動の中で、あまりにひどい労働環境にも変革を求めていくのは当然だと思う。
●ある投稿者が掲載した記事の中の統計資料を提示してみよう。

平成16年度の国民医療費に占める一般診療所の額の割合は24.6%。
 また平成17年度6月の統計では一般診療所の医療費のうちいわゆる診察の本体部分に当たる初・再診料は23.2%、指導管理料は12.4%、在宅3.4%の合計39% 。
(残りは、検査・画像・薬剤等の費用。)
国民医療費に占める一般診療所の診察本体部分の割合は9.5%程度でしかない。
 診療所の診察本体部分を仮に10%削減したとすると...。
これを国民医療費レベルでみるとたった0.95%削減したことにしかならない。
その削減した0.95%を病院に振り分けたとしても、病院の診療報酬の増加は微々たるもの。
 多くの病院は赤字なので、診療報酬の微々たる増加は赤字補填で消失してしまうか、医師以外の多くの職員の人件費上昇で薄められるため、勤務医の給与上昇に結びつくとは考えられない 。
つまり、開業医の報酬を下げて勤務医の給与を上げるという考えには実効性なし。

●まあ、先にも書いたけど、実効性どころか、削減したら、その分医療費が削減されるだけの話。
●この記事を書いた先生は、外科系らしいけど(あつかふぇ先生じゃないと思うよ)、まあ、気持ちはよくわかるけど、発想がダメだ。
●私が思うに、昔、開業医が高額所得者に名を連ねていた時代はすでに終わったのだ。
開業医も相当数が厳しい生活をしいられている。ここで開業医の診療報酬を削ったら、確かに開業する医者は減るかもしれない。でも、そのまま病院に留まっていたら、いったいどれだけの被害者(医者ですよ!)が出るか、考えただけでもソラ恐ろしい。
●だから、開業医に対しては儲け過ぎる医者からど〜やってカネを取るかだけを考えればいいんじゃないの。そもそも、開業医は、昔は地元で特別にエラい人だった。それに、日本医師会という業界擁護団体を作って自分達を守ろうとしたんだ(利権を守るためのそれなりの努力はやっていた、ということ)。ボクも勤務医時代、そして開業医となった今も、日本医師会のあり方については、あまりいい印象は持っていない。むしろ、今こそ根本的に見直さなければ医療そのものが危ないと思っている。
●患者のための医療を考える時、重症患者、病院でなければ診られない患者ばかりではないので、(実際、病院で悲惨なメに遭って、ウチに来て、ほんとに楽になった患者さんだっているんですよ。病院で相手にしてもらえなかった患者さんもたくさんいます)
勤務医、開業医、それぞれ、力を合わせて良い医療を推進していくことを考えなきゃ。

そのためには、医療費を世界水準にまで増やす!
医師数も増やす!
診療報酬改訂の方向を全面的に改める!
これ以上、厚労省に医療制度をいじくらせない!
すべての国民が安心して医療を受けられる国にする!
 社会保障システムを経済優先の政府にゆだねるな!

 志を高く持とう!

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