Doctor Takechan
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2007/06 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

ブログ460htm

医療訴訟はどうなる?--刑事訴訟法改正のワナ..

本日のサンデー・プロジェクト。終わりの方で、不吉な特集をしていた。
マスコミもあまり取り上げていないが、実は、この刑事訴訟法改正法案、単に、「被害者が選挙に参加できる!」というだけのものではなかったようだ。
 この改正法によれば、えん罪を訴える時、えん罪を証明するための裁判資料をマスコミなどが入手できなくなる。これは、医療支障を考えた時、どのような意味を持つのか?
 聞いていて、不安が一気に増大したため、記事とした。
 では、まずは、一般的にマスコミがこの法案をどのように取り上げたかを見てみよう。
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−
刑事訴訟法改正案:衆院委可決 裁判への被害者参加、期待と不安が交錯
     
毎日新聞 2007年6月1日 東京夕刊
 ◇真実、直接知りたい/かかわりたくない

 「被害者参加制度」が実現へ大きく近づいた。衆院法務委員会が1日、刑事訴訟法改正案を可決。施行後は、被害者・遺族が当事者に近い存在として、被告人質問などの法廷活動ができるようになり、刑事裁判の風景が一変する。約60年に及ぶ刑訴法の歴史の中で、かやの外に置かれてきた被害者らは、静かに期待や不安を語った。【坂本高志】
 「真実は何か。被告は反省しているのか。遺族には直接知りたいことがある。あるべき制度だ」。02年にJR東京駅構内で万引きをした男に刺殺されたコンビニエンスストア店長、桶田順彦(まさひこ)さん(当時33歳)の父清順さん(64)は、無期懲役が確定して受刑中の加害者本人に民事訴訟で尋問した経験から、こう語る。
 刑事裁判で殺意を否認する男の顔をにらみ、意見陳述した。だが「裁判後も謝罪がなく、このままにしておけない。本当に反省しているか、確かめるには民事訴訟を起こすしかない」と思った。多くの質問を用意したが、裁判官が許したのは「謝罪の気持ちを確認したい」だけだった。男は「命がある限り考え、償っていきたいと思います」と答えた。
 本心かどうかは分からないが、聞き出せたのは良かったと思う。ただ、元警官の自分でも男を前に感情が高ぶった。「感情的になる被害者もいるだろうから、検察官がしっかり支える必要がある」と指摘する。
 不安の声も漏れる。約7年前、性的暴行を受けた小林美佳さん(31)は「法廷で被告の顔を見た瞬間、きっと被害を受けた状況を完全に思い出す。かかわりたいとは思わない」と言う。
 都内で男2人に車に押し込まれ暴行された。人相や自分が血だらけになった理由も思い出せなかった。現場検証の後、警官に「これからどうすればいいのか」と尋ねた。「犯人が見つかったら連絡する」と返事があったが、連絡は今もない。
 「普通の生活」を取り戻そうともがいた。事件のことは忘れたくないけれど、思い出さないよう努めた。最近、参加制度を新聞記事で知り「(犯人が未検挙の)私には関係ない」と思ったが、同様の被害者数人にメールで意見を聞いた。2次被害などを恐れ、否定的な人が多かった。
 小林さんは「家族や遺族は加害者を追及したいと思うだろうが、被害に遭った当人は自分が立ち直ることで精いっぱいだと思う。やはりプロ(検察官)がきちんと被害者を代弁していくべきではないか」と話す。
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 で
は、次に、サンデー・プロジェクトでどのように取り上げたか、その切り口を見てみよう。
言論シリーズ第8弾
裁判検証ができない
−密かに進められる「言論規制」−


先月放送の第7弾に続くシリーズ「言論は大丈夫か」の第8弾。


本日は司法制度改革の陰で進められている「
言論規制」を取り上げる。

 裁判員制度の導入で、検察は裁判がはじまる前に、今までより多くの「証拠」を裁判所に出すことになった。そして、その「証拠の流出を防ぐ」という理由から、一昨年、刑事訴訟法を改正し、「証拠の目的外使用の禁止」という規定を入れた。この法改正はマスコミでもほとんど取り上げられていないが、実は極めて重大な問題が隠されていたのだ。

 極めて重大な問題とは何かー。
それは「
マスコミが裁判検証をすることができなくなる」ということだ。

 これまでマスコミは
裁判で使われた証拠を、弁護士などから入手し、裁判を検証してきた。しかしこの法改正によって、こうした報道ができなくなる可能性が高いのだ。
番組では、今年、元裁判官が無罪の心証を持っていたと衝撃の告白をした「袴田事件」や新潟で起きた「ひき逃げ冤罪事件」などの裁判の疑惑を、どのようにしてマスコミが暴いてきたのかを検証。そして、この「法改正」がマスコミで大きく取り上げられない理由、法務省の思惑を明らかにする。

    ===================
 番組では、えん罪、またはえん罪である可能性が極めて高い二つの事件について、詳しく解説していた。
1)
「袴田事件」:殺人事件で連日の長時間の取り調べにより、自白の強要をされた被告。実は、警察(検察?)が、重大な証拠のでっちあげを行った疑いがあった。
 ひとつは、被告が逃走経路として使用した木戸。実は、そのとき、戸の上の方に鍵がかかっていて、逃げるための隙間を開けることはできなかったはずなのだ。ところが、警察は、木戸の下側から強引に警官が抜け出ることができる、という証拠写真(?)。写真では、いかにも、木戸の隙間に上半身を突っ込んで、抜けられそうな警官の写真がある。
 ところが,,,ところがである。警官が木戸の下側に半身を突っ込んでいる時、上の鍵の部分は映っていない!。そこで、マスコミが調査したところ、写真のように警官が体を木戸の隙間に半身を突っ込んだ時、鍵の部分が少なくとも4cm以上は開いていなければ不可能!、という結論が得られた。
 さらにさらに、現場から5枚の血だらけの衣服が発見され、証拠と採用されたのだが、ズボンとパンツで付着する血液の血液型が違う!、オマケにズボンは小さくて、被告が履くことは全く不可能だった....(裁判では、被告が太ったからだ、と言われたそうな...)
2)
「ひき逃げ冤罪事件」では、被告の運転するトラックのタイヤに付着した血痕が問題となった。事故発生直後の警察取り調べでは、タイヤに血痕はなく、同僚?5名もまったく血痕はなかったことを確認していた。ところが、警察へトラックが運ばれたとたん、タイヤにしっかり血痕がつけられていた....。

 後者は、無罪になったものの、前者の被告は、40年という気の遠くなる時間、えん罪を訴え続けている。

 いずれも、マスコミが異常に気付き、調査したからえん罪がハッキリしてきた。この場合。写真など裁判資料を被告がマスコミへ託すことができたからとも言える。


 ところが,,,,刑事訴訟法の改正により、
弁護士・被告からマスコミ等への資料提供が禁止となる。つまり...
 刑事手続「改正」法案は、被告人及び弁護人に対し、開示された証拠すべてについて、時期を問わず、「当該被告事件の裁判のための審理」準備以外の目的で使用してはならないと一律禁止する規定をおき(281条の4)、違反に対しては刑事罰を科す(281条の5)。
 このような禁止規定がおかれると、当該事件弁護人以外の者が参加した弁護団会議での記録コピー配布、著作・雑誌・会報などによる事件報告での引用、事例研究会での配布、宣伝物での引用などが広く規制される可能性がある。

 これは、被告人及び弁護人が、不当裁判に対し、広く世間に訴える機会を損なうものだ。
 私が心配するのは、医療裁判において、被告となる医師に極めて不公平な状況を生むのではないか?、ということ、そして、M3comでの議論が行えなくなるのではないか、ということ。

 ましてや、カルテ記載などについて、被告側、被告支援者が正当な医学的議論をし、救済活動をすることさえ処罰の対象になるのではないか...ということだ。
これ以上、危険な世の中はもうたくさんだ。

固定リンク | コメント (8) | トラックバック (0)