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<パーキンソン治療-最近の動向>

 先日、パーキンソンの勉強会に行ってきました。講師は自治医大の藤本健一先生でした。
 このウチワの勉強会は、出席15名程度のものでしたが、講演の内容はなかなか豊富で役立つものでした。製薬会社が共催してますから、当然、特定の薬剤のコマーシャルは入ります。それで、実名を入れますが、商品名コムタン(エンタカポン)という薬剤は、今後、多く使われることは間違いがないので、感じたままに書きたいと思います。

 現在のパーキンソン治療薬は、L-Dopaが基本です。実際には、L-Dopaの効果を強める合剤(L-Dopa+DCIのメネシットなど)が中心です。合剤は、L-Dopa単独より5倍ほど効果が高いものです。しかし、長期連用の中で、効果の波が激しくなります(Wearing-off現象)。ひどくなると、急に動けなくなったり、立っていることも困難だったのが急にスタスタ歩けるようになったり....。

 そこで登場したコムタンは、L-Dopaが末梢で分解されるのを抑える薬剤で、結果としてL-Dopaの脳内濃度をこれまでより長く保ちます。海外で発売されはじめてからすでに9年経過しており、海外では、L-Dopa+DCI+コムタンの3種合剤が、かなり使われているようです(残念ながら、こちらはまだ日本で承認されていません)。まだ、使用法になれる必要がありますし、この薬剤単独ではほとんど効果はありません。
 つまり、要点としては、(1)L-Dopa(+DCIなど)をまず投与することが前提であり、かならず併用しなければなりません。(2)L-Dopaの効果を延長するわけですから、副作用は、L-Dopaに準じて起こります。どんな症例にどの程度加えるか、そのあたりが、医者の腕の見せ所ということですかね...?

 さて、一方、神経終末を守る意味で奨励されているagonist(Dopamin受容体刺激薬)ですが、前に記事に書いたように、麦角系のカバサール、ペルマックス、パーロデルは、心臓弁膜症を起こす(弁の線維化を促進する)副作用が大々的に報道され、すでに欧米では治療シーンから消滅しつつあり、日本でも、かなりのスピードで他剤に置き換わりつつあります。非麦角系のドミンは残り、同じくビ・シフロールとレキップは最近日本で利用可能になりました。
 一応、神経細胞を守る、臓器保護作用が期待されているのですが、まだ、確実なエビデンスはありません。また、L-Dopa+DCIほど切れ味が良くないので、治療する際、患者さんへの説明が重要でしょう。(しかも、L-Dopa+DCIより、ずっと高価です!)

 その他、
古典的な抗コリン薬[アーテンとかアキネトンなど]
MAO阻害役 エフピー(セレギリン)
ドパミン遊離促進薬 シンメトレル(アマンタジン)
ノルエピネフリン前駆体 ドプス(ドロキシドーパ)
 なども、脇役ではありますが、それぞれ、利用価値はありそうです。

 なお、新しい治療法として、いくつか最近の動向について解説がありました。
講師の藤本先生のところで、新しい試みをしておられるようです。なかなか興味深いのですが、まだ、実用化まで時間はかかるかもしれません...(以下の記事です)
====================

パーキンソン病:国内初の遺伝子治療実施 自治医大病院

  
毎日新聞 2007年5月7日 21時14分
 自治医大付属病院(栃木県下野市)は7日、パーキンソン病患者に国内で初めて遺伝子治療を行ったと発表した。病気は脳内の神経伝達物質ドーパミンの減少で発病する。治療ではドーパミンの生成を促す酵素の遺伝子をウイルスベクター(運び屋)に組み込み、脳内の線条体に注入した。薬物への依存度や副作用が低い治療が期待できるという。
 中野今治教授(神経内科)らによると、発病後約11年が経過した50代の男性患者に、「L−アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)」の遺伝子を注入した。この治療法は米国で6例実施され、重大な副作用は確認されていないという。同病院は今後、6カ月かけて安全性と効果を検証する。
 同病は手足の震えなどを引き起こす。進行すると転倒しやすくなり、最後には寝たきりになる。国内の推定患者数は約12万人。従来は「L−DOPA」と呼ばれる薬を服用してドーパミンに変換させる薬物療法が行われてきたが、症状が進行した患者ではAADCそのものが不足し、薬が効かない難点があった。【沢田石洋史】

=====================

やはり、臨床家として、多数の患者さんを実際に治療しておられるので、話が実際的でなかなか役に立ちました。

あとは....私のクリニックに、もう少し、パーキンソンの患者さんが来てくれれば.....

来てくれないことには,,ど〜にもなりませんねえ...

(政治の話は...あまりにひどいことばかり!
 腹立つことがあまりに多く....
  たまには、こんな話が斬新かと思いましたが...
         いかがでしょうか?)

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コメント

コメント一覧

たいへん勉強になりました。また時々神経疾患、薬剤の件について記事をお願いします。
written by Tai-chan / 2007.06.05 01:38
Tai-chan先生。
 多少はご希望に添えるよう、頑張ります。
 いいかげん、政治の話題から離れられる世の中になってほしい!
written by Doctor Takechan / 2007.06.05 09:17

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