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< やっぱり許せん!情報操作by厚労省 | メイン | 外来なき病院=治す“機械”の働く病院? >
ブログ378

 また、うれしいことがあった。有難いと言うべきか...。

 約5年ぶりに、病院時代に担当していた患者さんがやってきてくれたのだ。
彼は、まだ若い40代の時、脳幹部出血で倒れた。当時、彼は超急性期を他の病院で治療された後、私の勤務する病院へ転送された。意識はしっかりしているが、重い失調症状でとても歩ける状態ではなかった。片側の顔面神経は麻痺し、食事に苦労していた。眼球運動障害は、両眼でしっかり物を見据えることをできなくし、どこをむいても二重に見えたりぶれたりで、目を開けていることがとてもつらいと嘆いていた。強い失調のため、発語は非常に大きな声になり(いわゆる爆発性言語)、たどたどしく必死に話している様子だった。

 数カ月のリハビリ生活を送り、やがて彼は不自由ながら退院していった。まだまだ自由に歩くには程遠く、何かにつかまって必死に立っている状態だった。

 当時はリハビリの日数制限などなく、外来でのリハビリ、そして私の外来への通院が始まった。重い障害をかかえ、勤めていた職場も解雇され、....それでも彼は一生懸命リハビリに励んだ。一時期は、全身筋肉隆々、というほどにトレーニングに没頭した。

 ただ、トレーニングのおかげで食欲が異常に亢進し、気が付けばひどい高脂血症になっていたこともある。しかし、いかに筋力が向上しても、失調症状は容易には改善しない。立てば大きくぐらつき、いや、歩けます、と言い張って、廊下へ飛び出そうとする彼の体を必死に支えなければならないこともしばしばであった。

 顔面神経麻痺は重く改善しなかった、眼球運動も然り。後遺症としてこれらの障害をひきずって生きていかねばならなかった。彼は、その見えにくい目を助けるために、片方の目に眼帯をつけて外出した。すくなくとも、ましな方の目だけでみれば、二重に見えることはない。たとえ、映像がしばしばブレたとしても...

 5年前、私はその病院を去った。少し離れた病院へ行ってしまったので、大部分の患者さんと離れてしまった。彼も、別の病院に救いを求めた。

 あれから5年、幸い、彼は親切な病院で慢性期にもかかわらず、そこそこのリハビリをしてもらえたそうだ。しかし、その病院の主治医が退職するのを機に、私のクリニックに来ることを決断したのだという。

相変わらず筋力はそこそこあるが、押し車なしではとても歩けるバランスではない。目も顔面もかわらない。でも、彼は、1時間もかけて,,,わざわざやってきてくれた。

 「いくら遠くても、やっぱり先生の顔を見るとほっとします。これからもずっとここまで来ます。ああ、それから、コレ、開業のお祝いです。ホンマは大きな花、と思ったんやけど、大きすぎて、電車やらタクシーには乗せられんし...。小さいけどすんません。」

 もう、涙がでそうになるくらいやなあ。あんた、ホンマに明るいねえ。毎日苦労の連続やというのに...。障害持ちながら、ここまで頑張って生きてるんやなあ...。

 患者さんは有り難い。患者さんに会うのがうれしい。患者さんがいろんなことを教えてくれる。患者さんが元気をくれる。患者さんがいるから頑張れる。

 礼を言うのはこっちやで、ほんま。ありがとう。遠いところからありがとう。
これからずっと通院するのは大変やけど、ボクもできるかぎり尽くしたいと思うよ。病院ほど設備がなくて、不便をかけてゴメン。

 医者になってよかった、と思う瞬間。わかるかな?。充実感、心が熱くなる瞬間、それを求めて医者という仕事を続けてるんだろうな。

 自己満足?...そうかもしれない。でも、それが何か?
まず、お互いに信じあえたら、それでいいんじゃない?
ムロン、ボクにできないことは、必要があれば当然、他の先生に頼みますよ。でも、まず主治医がいる安心感が必要でしょう?。とりあえずこの先生に相談してみたら、何か方向が見えるんじゃないか?、そんな医者を患者さんは求めているんだと思います。

 よろず相談所ではないけれど、とにかく全力であなたを守り、あなたを支えたい、そういうキモチは絶対に持っていたいと思う。

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緩和ケアに待った!
12月18日に緩和ケアへの移行が早いことを述べた。昨年から緩和ケア+臓器移植を同時に術場で行うことがうちの州では出来るようになった。患者の家族代表1名に着替えて術場に入ってもらい、麻酔科医が家族の前で... [続きを読む]
posted from マイアミの青い空 2007.04.14 11:21

コメント

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いいお話をありがとうございます。そうですね、お医者様との信頼が築けたら、患者はとことんお医者さまについてゆきます。
最近は、お医者さまも忙しいからでしょうか。患者さんとの間になかなか信頼関係ができないようですね。
結局、訴訟なども医師と患者の信頼関係がぐらつき始めているからでしょうか。

「ゆとり」という言葉が懐かしく聞こえてくるぐらい、医師の過剰労働がつづき、そして、信頼関係が損なわれ、訴訟にという悪循環に陥っているような気がします。
written by J / 2007.04.14 00:46
J様、コメントありがとうございます。政府批判、厚労省批判は、今、絶対に必要なんですが、自分の医療の原点みたいなものを時々確認する作業は忘れちゃならない、って思います。年のせいでしょうか、自分の目指す医療は、きっと患者さんにとっても望む医療のはずだ、という妙に確信めいたものは持ってます。開業して、今、その確認作業をしているのかもしれません...。
written by Doctor Takechan / 2007.04.14 01:04
お疲れ様です。。。
yoshikaもずっと想いながら仕事してました。誰かが居るから生きている間は自分も成長できる。言葉は人が変われば同じ物はひとつもないですもんね。

安心して過ごせる、一瞬でも幸福だったと想って貰える様に・・・当たり前な事なんですけど「命のあるものだから、誰かが必要だと想います」寄りかかれるものがあると安心して休めますもん。。。

ありがとうございます。。。頼りにしている人の為にもお体を壊されませんように・・・。
written by yoshika / 2007.04.14 06:28
すみません、途中で切れました。本日の診療で歩いて外来に来てくれた患者さん。家族が緩和ケアを選択して治療を断念後に劇的に回復しました。アメリカは経済的理由から緩和ケアを選択されるケースが多いのですが、今日は考えさせられました。
また先生のブログを楽しみにしております。今回はよいお話ありがとうございました。
written by Tai-chan / 2007.04.14 11:19
yoshika様、お気遣いありがとうございます。ブログのせいで時々睡眠不足....ですが、それ以外は、まあ大丈夫だと思っています。まだまだがんばりますよ。

Tai-chan先生、恐縮です。厚労省が出してくる方針、ってのを聞く度に、非行に走りたくなる?気分です。こんな日が続くと、久しぶりに来てくれた患者さんがmotivationを高めてくれるのを実感します。
written by Doctor Takechan / 2007.04.15 01:09

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