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またまたドラマの話で恐縮だが、今日はDr.コトーを見て感じたことから。======================================= <<番組紹介から→→→→→→>>南海に浮かぶ小さな島、志木那島を舞台に、名優・吉岡秀隆演じる青年医師・コトーこと五島健助と島の人々とのふれあいや命の輝きを、離島医療の現状を織り込んで描いたヒューマンドラマ『Dr.コトー診療所』。2003年の連続ドラマ、2004年の2夜連続スペシャルを経て、いよいよこの10月に、連続ドラマ『Dr.コトー診療所2006』として帰ってきます。  コトー役の吉岡秀隆をはじめ、柴咲コウ、時任三郎、大塚寧々、泉谷しげる、筧利夫、小林薫というコトーをとりまく島民役の豪華キャスト陣もそろって出演します。実力派俳優たちの演技の掛け合いは見応え満点。また、新たな登場人物を演じる新キャストとして、蒼井優、堺雅人の出演も決まり、今作では一層濃密な人間ドラマが展開します。  撮影は6月から開始しており、テレビドラマとしては異例の、長期にわたる大規模な制作体制をとっています。『Dr.コトー』の重要な要素のひとつである、ロケ地、沖縄県与那国島の厳しくも美しい大自然の映像は、今回も作品に壮大なスケール感をもたらすことでしょう。=====================================何と言ってもロケーションは素晴らしい。青い海、青い空、白い砂浜。あの景色に触れるだけで、もう非日常の世界に迷い込む。浜にほど近い高台に、いかにも、の古ぼけた診療所。そして純粋で、荒っぽくて、善良な登場人物。そして、コトーを演じる吉岡秀隆のあの訥々とした語りで「北の国から」の感動を呼び覚まされたあなたは、あっというまに「Dr.コトー診療所」の信奉者になるに違いない。物語が始まる前から、きっとハンカチを用意して....。========================================================今日は、腹膜播種を起こし、末期胃癌とコトーに宣告された美しい若妻、ゆかりが抗ガン剤治療に耐え、コトーへの信頼、夫と娘のために生きようとする強い力が奇跡を起こし、その結果、転移巣がなくなって胃癌の完全切除に成功する、という話だった。非日常の世界に浸ったあなたは、涙をこらえながらこう言うだろう。「コトーはやっぱりいいなあ。あんな医者、あんな医療ならいいなあ...」 ======================================でも、日常の世界に戻ると、ハテ、あれはほんとに「理想郷なのだろうか?」と悩んでしまうのだ。コトーのように、内科外科は言うにおよばず、小児科も難なくこなし、お産までやってしまう、そんな医者がどこにいるのだろう?。それだけの力量をつけるためには各科の研修をしなければならないが、そんな暇、そんな環境は容易に見つかるはずもない。専門の産科医が一人で必死に難しいお産に直面して、それで結果が悪かったら訴えられるご時世だ。一人で当直していて専門外の疾患を扱って見落とし、誤診しようものなら、それこそマスコミのえじきになること請け合いだ。病院では患者が多いだけでなく書類の山、度重なる会議をこなさなきゃ一人前とは言われない。患者を診終わってもたまる書類は絶対書かなきゃ駄目。平均在院日数を守るために、何としてもあと3日で患者6人を退院させなきゃならない、先月より稼ぎが減った、内視鏡とエコーの件数も7%減った、来月は絶対回復させろ、などいやなストレスがつきまとう。やっと疲れて帰宅しても深夜の呼び出しがある。眠い目をこすって翌日の外来が済んでも、手術、会議、そして当直。またまた眠れぬ日。そして突然の患者家族からのクレーム,,,。家庭を顧みない医師はやがて家庭でも浮いてくる....。=======================もう嫌だ。産科はやめる、この病院から抜けるぞ、高い給料より、まず人並みに休ませてくれ、せめて休暇を、せめて勉強する時間がほしい、やすらぎはないのか。====そして、医療崩壊は始まった。コトーの生き方も悪くはない。でも、あんなに万能な医療がオレにできるのか?。オレは内科だ、循環器オンリーで生きてきた、お産なんて学生のときから見てないぞ?。ボクは小児科だ、老人をどうやって診りゃあいいんだ?。わたしは内視鏡は得意だけどハンマーで腱反射なんて10年もやってないわ.......。===============================================コトーの世界に逃げられる人は滅多にいない。まさしく孤島だよ。電話とメールで相談できるとはいっても孤独だよ。開業も孤独だけど、近くに病院があればましだな。保険会社の診査医にでもなるか。もういちど研究してみようか。企業の研究所は雇ってくれないかな。検査会社はどうだ?。教授に頼んで保健所へでも行ってみようか。老健施設の口はまだ残っているかな?=================逃げ道が無いわけではない。その点だけは医者はまだ恵まれているかもしれない。でも、理想ではない。望む環境でもない。生き甲斐はどうなる?。ボクは何のために医者になったんだ?。コトーは胸にぐっとくる。でもその感動をボクらが与えられる環境はどんどん破壊され、ほとんど残っていないのでは?。結局自己満足なのか?。==========================================正直、僕も開業にあたってはいろいろ悩んだ。その中で自分が最も行かせるのが開業だと思った。そしてそれを目指している。きっと多くの医者が同じ悩みをするんだろうな。そして、これだけ医者が悩む医療の世界はきっと患者にとってはさらに不幸な世界なんだろう。その当然の帰結が世の中に伝わらないのがいかにももどかしい。再チャレンジしたい環境すらないこの現状をどうすれば変えられるのだろう。コトーで感動の涙を流した後は、決まって長いため息が出るのだ。

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