前回書いた完結形病院の補足を少し。ボクが言いたかったことを少し整理しておきたい。(1)病院である以上、その中で起った主な病気、その地域で発生した患者のかなりの部分に対応できることが理想である。はっきり言って、療養型病院のような中途半端な存在が多数見られるのは、厚労省の政策誘導が間違っていたことに由来することは明らか。患者側からすれば、大きな病院にこそゆっくり療養できる環境を作るべきだった。救急でてんてこまいしている若い医師に高齢者、長期入院患者の特質を教え込むには、同じ病院の中で週に1日だけは長期入院の患者をじっくり診る機会を与えるとかした方が実利的であった。(2)都市部と地方では考え方は違うだろうが、産科医が足らないからあちこちから引き抜いて集約する一方、産科医不在の病院を多数作っては、病院機能が衰退するだけである。診療科が減れば減るほど病院活力は落ちる。経営的にも破たんの方向へ進む。(3)病院密度の高い地域で小規模病院がある程度淘汰されるのはやむを得ない。企業の合併と同じで、相補的に機能を充実させることができるという前提が必要である。(4)そもそも今の日本では、高度医療への要求が非常に高い。その中にあって、高齢者だけ医療から切り離す政策を取ることが根本的な間違いである。医療訴訟の急増、核家族化で自宅で介護する人的資源がない国にしてしまった以上、介護保険に依存してもかえって無駄な出費が増えるだけである。だいたい、高齢者はみんな自宅で死にたがっている、などとウソを言ってはいけない。自宅で死にたい、というのは、家族に迷惑をかけず、苦しみもせず、コロッと逝きたい、という意味である。しかし、病気と医療は残酷なもので、大きな障害を持っても生きてゆかねばならない人たちが大勢いる。治療をしなければますます苦しむ人がいる。病院のほうがまだ安心だという人も多い。ましてや家族の立場では、患者よりはるかに多くの人が入院を希望している。国民の意思を無視して在宅を目指しても、集団で治療する方が個別で治療するよりはるかに効率的で安上がりになることは自明の理である。それが証拠に介護保険を導入しても利用者が急増して結局介護保険を削減しているではないか。これは、導入時から予測された当たり前の結果である(日本の厚労省が思い付いた制度であるからなおさら、である)。(5)大きい病院が分担して長期入院患者を引受けることが、より自然な医療である。介護と医療を分断することは自然の摂理に反しており、断じて反対である。システムを簡素化せよ。複雑なシステムは厚労省利権の温床を増やす以外、何の経済効果もない。中医協、社保庁など、無駄を削る部分はいくらでもある。今の医療費削減の方向は完全に間違っている。(6)大病院の外来は、極力救急患者、難病患者などを主体として受診患者数を減らす診療報酬システムにせよ。大病院でないと診られない患者を除けば、他の患者は現在増えつつある開業医が担当すればいいではないか。ただし、問題はかなりの高齢になった開業医ではないか。(7)非難を恐れずに言うなら、ある程度高齢になった開業医こそ、検診事業、産業医などとして、国民の健康増進に努力する仕事に移っていくべきだと思う。体を張って救急医療など重い仕事に取り組めるはずの若い世代の医師をこれ以上現場から逃がしてはならない。若い医師も多少は家庭を大事にできる環境を作れ。医師不足でなく偏在だ、などといつまでも寝言を言うな。(8)頻発する医療訴訟は言うにおよばず、脳死、腎移植、代理母出産etc.。立法府の責任は、医師が安心して良質な医療を提供できる環境を作ることだ。法整備が遅れています、そんなたわごとは、20年も前からずっと続いている。要するに、立法府も法律家も責任を果たしていないのだ。医療現場は医療がますます高度化するに従い、経営的にますます人員削減を求められ、ますます労働過重に陥っている。医療事故多発。当たり前ではないか。ヒトを増やさずミスをなくす方法がどこにあるというのか。(9)良質な医療、良質な老後を保障できるなら、国民は消費税増税も納得するだろう。正反対をやって、大企業だけ世界基準にあわせて減税する、企業は大儲け、税金をたんまりもらった銀行は未曾有の大黒字。怒らない方が不思議だ。
================今日は疲れたので書かないつもりだったが、結局また書いてしまった。ちょっと整理しきれないので、またいずれ続編を。
固定リンク
|
コメント (9)
|
トラックバック (1)
トラックバック
この記事のトラックバック URL
http://blog.m3.com/DrTakechan/20061121/1/trackback
トラックバック一覧
子宮がんや病気などで子宮を失ってしまった女性にとって 代理母は実子を授かる上で究極の方法といえます。 日本では代理母を禁止する法律はなく、法的問題や倫理的問題はありますが、少子化が進む日本では代理母...
[続きを読む]
コメント
コメント一覧
消費税導入は、▲です。
確かに、医療・介護・福祉・年金の充実が実現するならば、○ですが、現状の赤字補填、赤字拡大の悪循環では無理でしょう。
高齢者医師(75歳以上)は、ご引退ではないでしょうか。個人タクシーと一緒にして申し訳ありませんが、余程、自動車の運転より危険度が高いと思います。
銀行は何とか体面を保っていますが、資産規模が、100兆円、190兆円で、年間利益が、1兆円というレベルでは、ゼロ金利、再燃かもしれません。1%の住宅ローンと3%の住宅ローンの金利は膨大な違いがあります。配当を増やしたようですが、小手先ですね。株は、いよいよ、16000円割れで、、これからどうなるのでしょう。これで、中国が破綻すると、一気に、、、なんか、嫌な予感ですね。
生涯賃金10億円というのは、0.01%くらいでしょうか。1万人に一人。(家族4人として4万人に一人。人口1億2700万人に3000~4000人くらいいますかね。)
0.1%もいませんね。50歳までに稼いで、75歳まで夫婦で遊べる社会になるのは難しそうですね。平均生涯賃金は、25000万~3億円程度でしょうか。800万円x35年。
一日、考えた割にはたいしたこともかけません。申し訳ありません。大田総理、、、がコメントが多すぎたので、、、ごめんなさい。
消費税、、、竹下内閣のときが最悪。
建前と本音の世界で、消費税を取って、一般財源にした。一度、金が出来ると、あちこちから手が伸びてきた。何しろ、餓鬼が多い。結局、浪費となる。
道路公団・住宅公団、、、、みんな、家族がいて生活している人が多いですが、日本は、とんでもない歴史の国。美しい日本などというたわいごとにまやかされないようにしないといけませんね。
自民党、、、、復党問題。最悪ですね。
takechan先生はいつも、1時ころにお書きになっているようですが、、、?
浪費税というのはおもしろいですね。
何が浪費?
国会議員の歳費なんて、浪費ですね。英国貴族院(house of lords)は、ご存知の通り、歳費なしです。ブレア改革で、人数が減りましたが、、、日本も参議院は歳費なしにしたらよい?
皇室費。財産はあるのだから、、、歳費など不要。その代わり、税金を払って、相続を認めればよい、と思います。皇居前でフリーマーケット。典型的浪費でしょう。
総理官邸。不要ですね。どこかの小学校の一室を借りて、やれば、出来るでしょう。迎賓館。不要。外資系でないホテルに泊まれば、よい。発展途上国にはあんなものありません。政府特別機。不要。訪問国のナショナルフラッグか、JAL・ANAで行けばよい。
国産牛肉一切れ、100円の浪費税をつける。ガソリン。
1リットル、100円の税金をつける。ガソリン代が、リッター240円になれば、車に乗らなくなる。(必要な人だけが乗る。)
今夜は、中華。肉万頭が美味しかったです。焼きそばも香港味でした。秋葉原にいたので「もえ~~~」を覗こう、と友人に言ったら、子供がモエ~~~は好きですから、、、という返事。「モエ~~~」には、一声1000円の浪費税がいいでしょう。
税金納付は自己申告という精度にしたらどうでしょうか?徴税経費は不要です。誰も税金を払わないでしょう、、、税金は不要で、誰も払わない時期を、一度、作りましょう。税務署は売却。
外務省。不要でしょう?
この程度しか、書けませんが、、、浪費税百選というのは、おもしろいですね。無責任シリーズ、、、浪費のため、など最高では?
明日は、早く起きねばならないのに、、、、お返事いただいて、、、、早いですね。(爆笑)
夜間診療は歯科だけではないのですね。産科だけかと思いましたが、、、、日本酒一合で、眠れたのですが、夜中に目覚めてしまって、、、、「もえ~~~」は嫌いですが、なぜか、気になります。人間の本性なのでしょう。
中川の顔、どうしようもありませんね。整形した方が、良いと思いますが、あのエネルギッシュが、銀座ではもてるのでしょう。何回でも出来そうで、男性的と女性たちは思うのかもしれませんね。麻生が、どうしようもないから、、、幹事長にはなれないのでしょう。新庄は身上が悪そうですが哀しいから売れているのでしょう。あの薄っぺらが、良いのでしょう。
民主党がだらしないから自民党が救われていますね。老人たちは、明日の記憶でしょう。医師会長は無能ですね。あれだけ、怒り来るっていたのにケロッとしている。ケロリンは、今でも頭痛薬かな?厚生労働省は、保険料が集められないからパートからの天引きだそうでいい加減にせえよ、、、と感じます。厚生労働省の役人様の給料も減らしたほうが浪費を防げる?
老人は若手に頑張れといいながら自己保全はちゃっかりしていますね。
書きにくいことばかりですが、、、、
病院からの医師脱出と開業ラッシュ
病院の勤務医たちの過重労働
楽してたんまり稼いでいる人種
生活の基盤ができないでもがいている医者
開業医は置き去りにされている
開業医が活き活き働ける医療環境
===> 医療にもIT化の波。ITによるレセプト分析の結果。診療内容の標準化をお役人様が決めたがる(管理したがる)性癖。レセプト審査の厳しさが現象面で出てきている。開業医の平均所得水準の実態が表に出た。(税控除は生きている。)30台~40台の勤務医の使い捨て時代。医局崩壊。診療費体系が時代遅れになっている。医療業界(機器業者・製薬会社等の一部)はすでに気づいている。
===> 財政赤字、病院・診療所の破綻時代
===> 開業医平均収入3000万円時代(勤務医平均収入1500万円時代は継続。重労働化。)の終焉、保険制度の継続を大儀名分にしたお役所の肥大(公務員収入は上げられないので、組織の肥大化、独立行政法人による官僚天下り拡大。)
===> 金持ち医療・介護の拡大
===> 現実問題として、診療収入がなければ、医師の良心の疲弊が根源的に問題。医療の聖域化崩壊。
===> どうする?収入を維持できればよいが、財政赤字。対GNP比では国際的には低水準。自衛隊の費用は上がるが医療費は上がらない。(自分が病気にならないと痛みが判らない。自衛隊は政治家の見栄?)日医は何もしてくれない。金持ちはけんかしない。まだ、主流派は、儲かっている?
===> 家内に感謝。夫婦で頑張る。夫は妻が支えてくれるから頑張れる。
===> なんか、恥ずかしいなぁ。(笑)
半日、考えてましたが、どうも、たいした結論ではないですね。
コメントを書く