<9/25に掲載したこの記事に対して異常なトラックバックがつづいているため、一旦記事を削除し、ここに再掲させていただきました。もしよろしかったら、以前読まれた方も読み直していただきたいと思います。以前、コメントをいただいた方には申し訳ございません。>
9/25の朝日新聞3面、社説の隣にその記事はさりげなく掲載された。以前から幾度となく報道された薬漬け問題。しかし、本質はちょっと違うんじゃないか。記事を鵜呑みにするのは“ちょっと待て!”と言いたい。===========================================================================記事の内容を紹介したい。“老人依然「薬漬け」”・・・病院・診療所:7種以上処方、2割。<<病院や診療所の外来で、お年寄りの2割が7種類以上の薬を処方された「多剤投与」だったことが厚生労働省が発表した05年の「社会医療診療行為別調査」でわかった。前年に比べて0.4%増えており、「薬漬け」医療の是正が進まない実態が浮かび上がった。//05年6月分審査分の政府管掌健康保険、健康保険組合、国民健康保険の診療報酬明細書(レセプト)約38万枚を抽出して分析した。//調査時点で老人保険制度の対象だった72歳以上のお年寄りのうち、病院、診療所で7種類以上の処方を受けたのは、20.4%(前年は20.0%)に上り、10種類以上処方された人も6.9%いた。72歳未満の人(若者を含む)の「多剤投与」が8.7%だったのに比べ、高齢者の割合の高さが際だっている。「多剤投与」は好ましくないとして診療報酬で減額措置がとられているが、抑制効果は上がっていない。===================================================================これまで、マスコミは幾度となく「薬漬け」に関して厚生労働省の発表をそのまま報道してきた。だが、このテーマは決して安易に避難すべきものではない。徹底的な検証が必要なのだ。・・・・・ここで、私から疑問を提出しておきたい。(1)「薬漬け」とは、どのような定義で使われたのか?。「薬漬け」という用語はいかにも患者が必要以上の投薬で毒されているかのような印象を受けるが、毒されているならその証拠は?。(2)7剤以上がまるで悪いような印象だが、7剤以上がなぜ「薬漬け」なのか、その科学的な根拠は?。(3)では、「薬漬け」にされた患者と、薬を思いきり減らされた患者と、どちらがいい人生を送っているか、どちらが安全か、どちらが元気に長生きできるのか。厳密に均一化した2群比較を行っているならその証拠をみせてほしい。(4)前年に比べ7剤以上処方された患者が0.4%増えて、「「薬漬け」医療の是正が進まない実態が浮かび上がった。」と書いてあるが、是正が進まない、という書き方は、明らかに「悪化した」ことを意味する。では、0.4%増えたことが「悪化」である証拠はあるのか。(5)72歳以上のお年寄りのうち、病院、診療所で7種類以上の処方を受けたのは20.4%、一方、72歳未満の人(若者を含む)の「多剤投与」が8.7%とのことだが、若者まで含んだ72歳未満と72歳以上を比較するのはあまりに乱暴ではないか。むしろ、10代、20代、〜〜、70代と世代比較をする方が理にかなうのではないか。まして、「高齢者の割合の高さが際だっている」などという表現は、あえて高齢者の割合が高いことを強調したいがために使うもので、「特定の意図」を持った表現ではないか。(6)「多剤投与」は好ましくない、とあるが、どう好ましくないのか、その理由は何か、好ましくない客観的科学的根拠はあるのか。(7)「多剤投与」は好ましくないとして診療報酬で減額措置がとられている、とあるが、好ましくないとして減額措置をとったのは厚生労働省であり、その措置自体が的確かどうかの検証は全くなされていないのではないか。(8)抑制効果は上がっていない、と締めくくっているが、抑制効果があったらいいのか。効果と書くと、いいことのように印象づけられるが、ほんとうにいいことなのか。===========================================================================================薬は少ないにこしたことはない。薬は化学物質である。むやみに投与すべきではない。しかし、治療とは、薬の害より薬の効果が大と考えられるからこそ成立している。人間は年をとると、自動的に動脈硬化が進行し、癌の確率が増加し、有病率が高くなり、病気の数も増える。これに対し、必要な薬を考えると、7剤を超えることも稀ではない。==========(例)頸動脈の動脈硬化巣があり、麻痺はほとんどないが多発性脳梗塞がある。軽度の血管性パーキンソニズムもあり、夜間は時に軽いせん妄と思われる精神不安定状態がみられる。危険因子は高血圧と高脂血症。不眠、頑固な便秘がある。心電図で虚血性変化がある。頚椎症に腰椎症もある。これは、高齢者にかなり多い病態のひとつ・・処方例として、(1)バイアスピリンとガスター(抗血小板剤とそれによる胃潰瘍を予防するための胃薬(2)ブロプレスとアムロジン(血圧が1剤で下がりきらないので、ARBとCa拮抗薬の組み合わせとする)(3)朝にシンメトレル、夕にドグマチール(パーキンソン対策とせん妄対策:組み合わせが重要)(4)リピトール(高脂血症治療)(5)アロフト(脳梗塞と脊椎疾患による筋緊張状態を緩和する)(6)カマグとプルセニト(便秘も一剤で調整できないことがしばしば)===さて、全部でいくつかな?.....おっと、7剤はおろか10剤だ!。でも、これで非常に元気に暮らせるようになる人も少なくない。高齢者は脳梗塞や心筋梗塞を起こさないようにすることが重要。これでもまだ狭心症対策が足りないこともある。はっきり言って、80歳過ぎた人のかなり多くはこのような処方が重要となる。厚労省が7剤以上は「薬漬け」と犯罪扱いにして、助けられる患者を見殺しにしているとも言える。医者は7剤未満の方が処方料が高いので、院外処方なら7剤未満の方がおトクである。7剤以上が増えたことは、医者の良心であるとも考えられる。私は薬漬けだからこそ助かった患者を数多く知っている。私の父も7剤未満ならとっくに死んでいたことだろう。==========================新聞記事、特に医療記事は批判的に読め。そこから真実が浮かびあがる。厚労省の発信するニュースは、厚労省の考えを押し付けるために必要なデータだけをしめしたものに過ぎない。真実と屁理屈は、根本的に異なるのだ。
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京都新聞によれば、厚生労働省は10月25日までに、特別養護老人ホームと老人保健施設の両介護保険施設の役割や機能を全面的に見直すことを含め、将来像の検討に入った。介護保険で受けられる医療サービスの適用範囲や医師、看護師の配置基準見直しなどが重要課題になると言う。さらに、2011年度末までに介護型療養病棟が廃止される見込みであり、有料老人ホームや自宅での看取りを含めた終末期医療のあり方についても議論を進める方針。
厚労省では、特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護型療養病棟の機能・役割が異なるものと考えている。そもそもこれが大間違いで、実際は医療の必要な患者が制度に揺さぶられてあっちの施設、こっちの施設とたらい回しにされている。実は、どの施設にもそこそこの医療が必要な患者が入っているにもかかわらず、だ。卓上の空論のおかげでどれだけ多くの国民が翻弄されているか、あなたのご近所、親戚をみれば、すぐわかるはず。「医療の必要のほとんどない患者が医療費を浪費している」という、科学的なデータが全く存在しない理論で国民を欺いていることにどれだけの人が気付いているか?。これは、われわれすべての老後に直結する問題であり、ぜひ、全国民が真剣に制度を見つめ直してほしいとねがうものである。
厚労省のねらいは、老健や特養などにはコストのかかる医師や看護師の配置をできるだけ少なくして、外部の医療機関や往診、訪問介護といった「外部サービス」を導入したいのがホンネ。もしそうなると、緊急時の治療は非常に難しくなるし、往診などは、患者の負担がかなり多くなる。今でも負担が増えたと嘆く老人をしり目に、ますます自己負担をおおきくしよう、それで医療費、介護保険費の圧縮を図ろう、という、国民の命などどうでもいい、コストさえ抑えればいい、という考え。
はっきり言って、今の厚労省の方針は相当な批判を浴びるだろう。従って、安倍政権も来年の参院選までは、あいまいなままで引っ張る可能性がある。しかし、参院選で大勝でもしようものなら、一気に老人抑圧計画が進行するだろう。それだけではない。医療も介護も次第にその担い手がさらに減っていくだろう。安心して老後を迎えられない国、それをある人は「美しい国、日本」と呼ぶらしい。===========(追伸:訳の分からないトラックバックが多数来ています。制限してもおかまいなし。皆さん、くれぐれも変なトラックバックをクリックされませんように。人気No.1のやぶ医者のつぶやき:Dr.Iさんのところもひどいことになっているようだ。ネットのいやらしさが出てしまっている。皆さんも気をつけましょう。)
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