Doctor Takechan
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2006/09 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

新着トラックバック

皆さん、MMJという医学雑誌をご存じだろうか。The Mainichi Medical Journalの略で、毎日新聞社が発行している。世界の有名な医学雑誌に掲載された論文の要旨などを数多く掲載し、ある程度の部数は無料で配付されている。この雑誌の中に読者の広場みたいなページがあり、そこで医師免許更新制度論に対する投書が紹介されていた。=====================================================================まず最初に、編集者から、「圧倒的に反対が多いと予測しましたが、積極的な賛成派からの意見も多数届きました。」と一言あり。ちょっと解せないが、まあ読んでみた。<<まず、賛成派の主な意見を列挙する。1)職能集団として一定のレベルを保つことが必要。2)老害となっている医者、勉強しない医者、医者としてふさわしくない医者がいるから更新した方がいい。3)人名をあずかる臨床医師は、最新の知識を身につけ医療水準を保つべきだ。医者不足でもヤブはいらない。免許更新でモチベーションを上げる方がいい。4)医学は日進月歩に進歩しており、レベル維持のために更新制度は不可欠。−−−−−ただし書きとして、学会主体の専門医制度の動向を見る必要がある。基礎医学の医師は別扱いの方法を考える。=============================================================<<次ぎに、反対意見を列挙する。1)更新制度の目的がはっきりしない。2)レベル維持なら、まず休日確保、長時間労働の是正、自己研鑽の経費に対する経済的保証の方がよほど現実的。3)学生と違い、著しく専門分化して仕事をしている医師に適切な更新基準を作れるはずがない。4)免許更新のための勉強をするにも医師不足で過剰労働で時間が作れないではないか。ヒマな医師に有利で過酷な環境で仕事をしている医師に不利な制度は納得できない。5)医師免許は恒久的との前提で、大学教育を受け、試験を受けて職を得ているのにその前提を壊すのは違法ではないか。また、客観的で再現性のある合理的な更新基準を作って制度を導入するとは思えない。6)更新より、何度も失敗を繰り返す医師・医療機関を処分する方が現実的だ。7)これ以上雑用を増やして時間的余裕をなくして医療ができるのか。8)現在の専門医の更新のための学会・講習会参加さえままならないのに、更新のための勉強をする余裕などない。8)最前線で激務に明け暮れている医師が淘汰されたらますます医師不足、レベル低下に拍車がかかるだけだ。====================================================================================この特集を読んで感じるのは、投稿者がすべて勤務医、ほとんどが40歳以上。つまり、読者層が限られており、回答者にかなりの偏りがあること。もし、この結果を元に、医師の中にも更新制度に賛成する者が多い、などとマスメディアの記事に引用されたら...これは誘導尋問みたいなものになってしまう。MMJという雑誌の特殊性を十分に考えてから記事を読んだ方がよさそうだ。(私が思うに、MMJの読者の広場のような記事(Reader's Forum)を読んでいる人は、まだ時間的に余裕のある医師で、ある程度経験を積んだ医師、が多いのではないか),,,,,,さて、新米開業医としての私の意見は、やはり。大反対である。今なら、私のクリニックはそれほど患者さんが多くないし、勉強しようと思えばする時間はある程度は作れるだろう。でも、病院で働く多くの医師の現状を知る者としては、厚労省がまず行うべきことは、更新ではない。すべての医師がもっと自由に真剣に腕を磨ける仕組みを作ることだ。大病院の外来に患者が溢れ、2時間3時間待ちで3分診療、90日処方、こんな無責任な状況を放置するな。医師一人の開業医に1日200人以上も患者が押し掛けてもまともな診療などできるはずがない。医師が時間をかけて患者に対応する制度をなぜ作れない?。医者余りを吹聴し、まともな研修もできない研修医制度を押し付けておきながら、今になって、急に小児科や産科の医師不足が生じたなどと騒いでいるのは誰だ?。徹底的に無責任な体質の役所が更新制度をちらつかせて医師会を牛耳ろうなどと姑息な手段を使うな。未来の見えない政策で散々現場を混乱させた役所には、更新制度を導入する哲学など存在しない。役所の思惑に誘導する手段として制度を導入させたいだけなのだ。===========================================それと、MMJの編集者さんへ、ボクが言わんとすることをわかってくれたかな。投稿してきた医者が、全国の医者の平均的な意見を言っているとは限らない。まして、意外に賛成が多かった、などと、読者の偏りを考えずに書いちゃいけないよ。開業医の意見も若くて忙しくてMMJを読む機会もない多数の医者のことも考えてほしいな。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)