埼玉の桶川ストーカー事件(詩織さんという若い女性が殺された)の裁判で,最高裁は警察は殺人を予測できなかったと警察の無罪を判決した。===========================================埼玉県桶川市で99年、女子大生の猪野(いの)詩織さん(当時21歳)が刺殺された事件で、両親が「県警の捜査怠慢が原因」として県に約1億1000万円の賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は30日、両親の上告を棄却する決定を出した。県側の付帯上告(相手方の上告に合わせた上告)も棄却した。ストーカー行為に対する捜査怠慢を認めて慰謝料550万円の支払いを命じる一方、捜査怠慢と殺害との因果関係を認めなかった1、2審判決が確定した。
両親は上告審で「県警は殺害を予見出来た」と主張したが、第2小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べ、実質的判断を示さなかった。警察不信を招き、ストーカー規制法制定の契機にもなった事件の民事裁判は、両親側の一部勝訴で終結した。
1、2審判決は、99年8月に詩織さんの中傷文書がばらまかれた名誉棄損事件について「署員が警告していれば防げた可能性が高かったのに適切な捜査を怠った」と違法性を認定。一方、殺人事件については「詩織さんの身体に危険が迫っていたことを知り得たとは言えない」と判断。捜査怠慢との因果関係はないとして、殺人における警察の責任を認めなかった。
詩織さんは元交際相手の男(自殺、当時27歳)らからストーカー行為を受け、99年10月に男の兄(40)=1、2審で無期懲役、上告中=ら4人に刺殺された。同年7月に名誉棄損容疑で上尾署に告訴状を出したが、署員3人は調書を改ざんして放置したことが00年に発覚、虚偽公文書作成罪などで有罪が確定した。=========================================================================
どうせその程度と予測はしていたものの、これだけひどい警察の無策、怠慢が無罪とは,医師にとっては衝撃以外の何物でもない。福島県大野病院の産婦人科医が、難しい分娩に遭遇し、必死に治療したにもかかわらず患者を死亡させた、として逮捕されている。一生懸命治療してなおかつ逮捕される医者の気持ちが埼玉上尾署の警察官にわかるのだろうか。こんな警察に、頑張った医者を逮捕する資格があるというのか。情けない、実に情けない法治国家である。
そして、医者より警察権力の方がはるかに強大だということを改めて知っておく方がいいのかもしれない。
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医療が大変なことになっている今,この話がどれだけ意味があるかわからない。でも、突然ふっと思い出したら書きたくなったので、紹介してみたい。(昔話ですが,多分、現在も同じ状況だろうと思いますので)===================================================某公立病院で内科の医長をしていたN先生。ある年、医療職から行政職への転向を教授に命じられ,役所の保健環境部門の職に就くことになった。当時年齢50歳ちょっと(くらいだった?)のN先生は、それまで公務員の役職としては課長クラスだったが、行政職に変わるにあたり、その上の部長を飛び超して主査に昇進することになった。送別会の席上、院長が挨拶の中で、「N先生はめでたく異例の2階級特進で主査に昇進され...」という下りを話したときのことだ。N先生は院長の挨拶を遮って、憮然とした表情でこうのたまった。======「先生,何言ってンの!。本庁じゃ主査はボクより10歳若い奴がなる階級で,この年になって主査になったって、めでたくも何ともないの!。=======================================================そこで、みんな初めて(?)自分の役所における序列を真剣に考えることになったのだ。===========================================自治体により多少違うかも知れないが,多くの役所では、係長、課長、部長、主査、...と序列がある。で、自治体病院の医者、大学の医者は、というと、大学教授、自治体病院病院長の大部分は部長扱い。主査は滅多にない。保健所所長になると(若い医者が教授の命令で保健所に勤務することが多いのだが)、何と,教授を飛び超して主査になることもしばしば。また、看護婦についても総婦長は部長扱いとなることが多い。となると、どのくらいの年齢で部長になるか,およそお分かりのことと思う。==============一般の自治体病院の医者は30台で係長、40台で課長に昇進することが多いと思われるが,その昇進スピードは、本庁で勤務する一般的な事務職員と比較して、10年ほど遅いのだ。かくして、自治体病院の院長は経営状態が悪いと、本庁から呼び出され、保健環境部とか病院を管理する部門の事務職員から厳しく糾弾されるのである。それも、院長(部長クラス)より10歳近く若い上司(主査クラスかそれ以上)から,「赤字が多すぎる!。もっと頑張ってもらわないと医者を減らしますよ!。医療機器の予算も減らしますよ!」と脅迫されることになる。==============================================公務員の世界では,一般に,事務官がいばっていて、医師、看護婦、検査技師など技官は事務官の下で働く存在なのだ。自治体病院で医師の意見が通らない大きな原因のひとつであろう。私は、はっきり言って、職種に対する重大な差別だ!、と思っている。あなたはどう思う?
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舞鶴市民病院・夕張市民病院・渋川総合病院・横浜市立脳血管センター・新城市民病院・江別市立病院・・・・・、医者が逃げ出す病院のニュースが後つづく。M3.comのブログでも、アンフェタミンさんやSkyTeamさんはじめ、多くのブロガーがこの話題を取り上げている。でも、医者が逃げ出す前に手を打てなかったのか?。恐らく、院内ではこのような事態が起こる数カ月前には予測出来ていたはずである。にも拘らず、悲しい事態は起こってしまった。==============================================厚生労働省の責任は明白である。今さら言うまでもない。国民の命より省益を重視し,現場の混乱には目をつぶり、責任をあたかもすべて医師の怠慢であるかのような情報操作を繰り返したツケがここにきてやっと表面化したしただけのことである。==========しかし、責任の大部分が厚生労働省にあるにしても、現場,自治体の責任を無視することはできないであろう。個々の病院により事態は異なるが,地元自治体の対応のまずさ,大学医局の横暴、病院長はじめ現場の責任者の無策も、医療者としては自己に厳しく反省をして頂きたいと考える。以下,公的病院の実態をワタシ流に書いてみる。====================================================現在、医者の流出が問題となっている病院は、大部分が大学からの医師派遣に依存している。新研修医制度が導入された3年前には医師不足はある程度予測されていたはずなので,対策が早ければ多少は結果が異なっていただろう。対応の遅れは,自治体病院では極めて起こりやすい。役所の論理は、常に前年度との比較。前年度より実績が悪ければ、内部努力を厳しく要求するが,将来ビジョンを持って努力を促す自治体は少ないと思われる。将来展望もないままに、診療報酬改訂で収入減となる度にもっと頑張れとハッパをかけられる。制度が複雑化し,会議と書類ばかり増え患者を診る時間は削られ、一方で医療事故への目が厳しくなる。疲労と苦労に追い打ちをかけ、まともなねぎらいなどない自治体も多い。しかも、高級官僚と政治家のわがままだけは医療制度と無関係に現場に圧力をかける。−−−−−−一方で,やとわれ病院長も大部分はしょせんは大学人事。何とかなだめて実績を上げようと若い医者を叱咤激励するが,若い医者からは保身としか見えず、しかも、自治体では病院長と言えどもせいぜい部長クラスと、お役人には逆らえず、新機軸を打ち出せる病院はわずか。予算は削られ、設備は老朽化し、労働組合も強い、誰も言うことは聞かない、収益はダウン。そこへ大学から派遣人数削減を言い渡す。現場の雰囲気はますます悪化。せめて現場で頑張っている者が昇進すればまだいいのだが、自治体病院や大手の病院の長は、しばしば大学教授、助教授クラスの退官後の指定席。現場を知らず,厳しい状況も知らずのんきにやって来た大先生の中には、ほとんど役に立たない人もいる。「ウチの院長は、院長室でハンコを押してくれていたらいい。」「下手に意欲を出してくれると現場が混乱する。」「どうせ内情を知らないんだから、何もしない院長が一番まし。」などと叩き上げの医長クラスから相手にもされない、そんな院長、どこかにいませんか?。====================================要するに、これだけ医療情勢が厳しいのに、予算も人事も役所に握られ、何も出来ない首脳部が幅を利かせていては、いよいよ現場の士気は最悪モードへ。我慢に我慢を重ねたが,もはや未来はない、ただひたすら倒れるまで働かせられる、もうそろそろ楽なポジションに移れるかと思ったら,一人削減でかえって忙しくなってしまった,もうアカン。==============================================人間、必死に働くのにも限界がある。ワタシだって家族があるのよ。病院と心中せよ、というなら最低限の誠意くらい見せてくれたっていいんじゃないの?。でも、この病院にいたって忙しくなるだけ。別の病院へ行きたいと教授に直訴しても、理想に程遠い施設ばかり。いつしかワタシのココロはがらがらと崩壊をはじめる。イカン、このままじゃイカン!。ほんとにワタシが壊れてしまう。==================================================先程言ったように,行政、医局、病院首脳、あなたたちは、医師流出を避ける努力をこの数年間、ほんとうにやってきたんでしょうか。ーーーーー口は出すけどカネは出さない自治体。そりゃ、立場はわかります。でも、あんたの立場を守るために激務で憤死する気はないですよ。他人の保身の手伝いはしません。ーーーーーーボクは医局は結構好きなんです。医局の仲間は大好きです。信頼出来るヤツも多いし、いろんな意味で切磋琢磨も出来るし。でも、今は事情が大幅に変わっているんです。医局ももう少し考えないとね。ーーーーーー病院長が大変なのはわかります。でもね、医者が足らないの。管理職は現場の仕事しなくてもいい時代は終わったの。昔は上はもっと楽だったでしょう。でも今は、病院長でも倒れるほど現場で働かないと仕事が回らない。その状態で、職員に明るい未来を語れますか?。とにかく頑張ろう、ではもちません。=============================================以前にも書いたっけ。京都で画期的なことが今年起こっています。京都第一赤十字病院、第二赤十字病院、済生会京都府病院、といった、大学上層部が病院長になっていた病院で、生え抜きが院長に就任したんです。とりあえず、その方が現場の士気は上がるんじゃなかろうか。(無論、異論もあるのは承知です)
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