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< いよいよ進む?医師集約化 | メイン | 短い夏休み >
今年6月、医療制度改革(大改悪!)関連法が成立してしまいました。今,改めて法案の要点をおさらいしてみたいと思います。法案を見ながら、今起こっていること、これから起こることに注目したいと思います。なお、この悪法は実は下記のような11本という大量の法律の総称です。======================== (1)法案の全体像。 法案の目的は、少子高齢化で増大する医療費の伸びを抑制すること。患者負担を引き上げ、医療費を削減するための計画づくりを行い、医療法人の非営利化を徹底し、医療機関の情報開示を義務化することも含まれている。  医療制度改革は(1)公的保険の運営にかかわる医療保険制度関連、(2)地域での円滑な医療の提供に関わる医療提供体制関連、に分類される。 ======================================== (1)に含まれる法律は、医療保険制度関連は健康保険法(サラリーマンが加入する健康保険)、国民健康保険法(自営業者らが加入する国保の運営など)、高齢者の医療の確保に関する法(現老人保健法:現役世代とは切り離した75歳以上の高齢者の医療制度)、社会保険医療協議会法、介護保険法の5本。 (2)に含まれる法律は医療法(病院や診療所の開設基準など)、医師法(医師の職務)、薬事法、薬剤師法などの6本となります。=========================================  (2) 患者負担増のオン・パレード(年齢よりも所得重視)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  今年の10月と2008年度から高齢者の自己負担割合がアップされる。1割負担が2割,3割になる、つまり、2倍、3倍に値上げ。信じられない上げ幅である(10月から現役世代並みの所得がある高齢者にも3割負担。夫婦2人などの高齢者複数世帯で年収520万円以上、高齢者単身世帯で年収383万以上がある70歳以上の高齢者が対象。さらに70〜74歳は08年4月から2割負担(現役並みの所得があれば3割負担)にアップ。)。さらに高額療養費の自己負担限度額も引き上げられる。(1カ月に患者が通常3割の自己負担で支払う限度額のこと。これを超えて医療機関に支払った金額は償還払いされる。原則として患者が支払う金銭はこの範囲内で済むが、差額ベッド代などは償還の対象にならない。)−−−−−−−−−自己負担限度額の増加====これまでは現役世代で「7万2300円+(かかった医療費×1%)」だったが、10月からは「8万100円+(かかった医療費×1%)にアップ。70歳以上でも現役並み所得がある高齢者は、現役世代と同じ額になる。ただし、住民税非課税世帯など低所得者は良心的?に据え置かれている。 **************************************** 利(3)食費、居住費が公的保険から外され、患者負担がさらに増える。  10月からはさらに、医療保険の療養病床に長期入院する70歳以上の患者について、食費や高熱水費(いわゆるホテルコスト)が公的保険から外され、自己負担になる。(介護保険の療養病床ではすでに昨年10月から先行して実施されており、医療保険が介護保険と足並みをそろえて患者負担増となる。2008年度からは「65〜69歳!」の患者にも拡大される。  この理由だが,「在宅で長期療養を続けている高齢者は、食費をはじめ電気代、ガス代もすべて自分の財布から払っている。入院する高齢者だけ、こうした費用が公的保険から支払われ、優遇されるのでは筋が通らないんだ、とか。救急や難病などの患者は除外。  実施されると次のような金額の負担増になる。70歳以上の一般所得者は、食材料費・調理コストの4万2000円、高熱水費相当の1万円の計5万2000円を通常の自己負担(1割)に上乗せして支払うことになる。平均的な月額負担は、現在の6万4000円(うち食材費2万4000円)から9万4000円!!に大幅アップする。−−−−−それだけではない。08年度から、自己負担が2割負担となる70〜74歳は11万4000円と、2倍近くに跳ね上がる予定。   これを、ホテルコストの自己負担化という。これに伴い、健康保険法などで新たに「入院時生活療養費」という項目が新設されている。 (4) 予防で計画的に「公的給付」を減らすことにより医療費適正化をめざす。 今回の医療制度改革が何を目指してるかというと、医療保険制度は財政悪化が続いているが、それでも制度を持続すること。つまり、自己負担分(原則3割)を除いた7割部分に当たる「公的給付」(主たる財源は国民が支払う保険料や税金ですぞ!)の伸びを抑えること。その中に、先程述べた短期的手法と、医療費適正化計画」などの中長期的な施策がある。で、後者だが,今回、がんをはじめとする生活習慣病に早期に対処するという長期的な構想である。  厚生労働省の目標は、2015年度の時点で、生活習慣病の患者や予備軍を25%減少させることと、平均在院日数(患者の入院期間)を現在の全国平均36日から31〜32日程度に短縮することだそうな。  厚労省としては短期的な施策と長期的な施策が達成できれば、25年度時点で公的給付の伸びを8兆円抑えて、48兆円に留められると試算(いつものことだが、お上の試算は、お上に都合のいいデータだけで見積もっている。でも、はじめに結果ありきだから皮算用と言った方が似つかわしい)している。さらに、その責任を国だけでなく都道府県に押し付けるために都道府県にも「医療費適正化計画」を作るよう命じている。=========================================== (5)医療費適正化計画の結果次第では、各都道府県独自の診療報酬ができるかも??  「医療費適正化計画」は、2008年度〜12年度までの5年間が第1期。生活習慣病患者の減少(25%減)と平均在院日数の短縮(31〜32日に短縮)という厚生労働省の目標に対し、具体的なアクションプランが必要となるが、計画を定めるのは国(全国版)と都道府県(地域版)の二重構造。国は地域版の参考になる基本指針も合わせて作成するんだとか。こういうことはお役人がデスクの上で考えるより現場の医者に任せるべきだと思いますが...  まず、計画達成後の医療費がいくらになるか、目安の目標を定める(どんなデータ使って定めるんだろう。不安。)。このほかの項目は...え??まだ決まってないって??。まあ、恐らくは健診受診率とか、「総入院期間(患者の退院から社会復帰までの期間)」、長期入院を是正するための病床転換数などの目標値を設定するだろうと言われている。このあとがややこしくて疲れて来たぞ。えーと、計画の折り返しに当たる10年度に中間評価をし、最終年度の翌年の13年度に実績を最終評価する、という方式なんだそうな。そして、中間評価の段階で、もし計画の達成が難しいという場合には、都道府県は国に「診療報酬を変えてほしい」と要望することができる。診療報酬は現在まで全国単一と決まっていたが、最終評価でも計画通り達成できなかった場合には、さらにその都道府県独自の診療報酬の設定を求めることができる。安い県、高い県ができる。こいつはまだまだ紆余曲折がありそうだな。包括化などがこれで推進されることもあるのかな?==================================================以上,全部ではないが,主な点は復習したつもり。でも、今は,医者不足、看護婦不足がやっと世間に知れて来て,実際に医療崩壊現象がアチコチの病院で起こっているのは周知の事実。厚生労働省としては,財務省に叩かれて、その中で何とか予算を獲得するためにあの手この手で涙ぐましい努力をしてこんな法案を成立させたのだろうが,現場の医師としては、これ以上現場の混乱を起さないでほしい。この通り進んだとしたら,医療が悪くなることは私が責任をもって保証する。誰か,厚生労働省で、私が責任を持つ!ってことばを吐いてくれる人材がいないものか。責任を持つ、って人がいないのなら、今すぐ取り消すべきだろうね。

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